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2010年1月 3日 (日)

サンライフ/プロミス「契約切替」事案 ~平成21年12月22日西条簡易裁判所~

1、(はじめに)

 平成21年12月22日に言い渡された西条簡易裁判所判決(大西健裁判官)についてのお問い合わせが全国津々浦々から来ています。大変ありがたいお話ですが、逐一お問い合わせに応じるのが少し負担気味になってきましたので、お問い合わせに対してまとめて回答する意味で、以下、簡単なご説明をさせていただきます。

2、(平成21年12月22日付西条簡裁判決)

 事案は、「債権譲渡」ではなく、「契約切替」のケースです。これを前提に、プロミスに対して、サンライフ時代の取引も併せてプロミスとの取引と一連計算し、プロミスに対して、サンライフ時代の過払金も含めて、その返還を認めたものです。

 判旨(平成21年12月22日付西条簡裁判決)の概要を一部紹介します。

 被告は、原告とS社とは別個の独立した会社であり、吸収合併したり、営業譲渡した事実もなく、原告に具体的な内容を説明し、契約の切替の意思を確認して新たな基本契約を締結し、被告カードを交付して平成19年9月2日に新たな会員番号の取引が開始したのであって、債権譲渡ないし契約上の地位の譲渡ではなく、契約切替である旨を主張する。

 検討するに、(中略)被告主張の契約切替は、被告が、S社との事前の約定に基づき、S社取引で生じた約定利率の計算による債権額(約定債権額)を引き継ぐことを目的としてなされたものであることは明らかであり、被告からの借入金でS社取引を清算する形式ではあるものの、金員の流れは債権譲渡という名称で行われた場合と同様であり、残高振込申込書は貸主の変更を承諾する趣旨であり、原被告間の基本契約は事後の契約条件等の変更と捉えることができ、その取引実体からして、被告がS社取引での貸主の地位(権利)を所受け敷いた債権譲渡と解するのが相当である。

 なお、被告とS社とは別個の法人であり、契約切替時に作成された残高振込申込書等の書類の文言によれば、形式的には原被告間で新たな金銭消費貸借契約を締結した体裁となっている。

 しかし、契約切替時は、期限の利益喪失条項の特約の下では制限超過部分の支払の任意性を否定した最高裁第1小法廷平成18年1月19日判決の後であるから、貸金業者であり、S社取引での約定債権額を知っていた被告は、S社取引には貸金業法43条1項の適用が認められないことを認識していたと推認されるにもかかわらず、完全子会社であったS社の有する約定債権額を確保するために、一般市民であり、法律的知識に乏しい原告に対し、S社取引では制限利率を超える約定債権額が適法に存在すると誤解させたり、単に貸主が変更になるにすぎないと認識させる対応をし、契約切替に導いたものであり、かような被告を形式的に契約が異なることをもって保護すべき理由はなく、 被告が上記主張をして原告の本訴請求を争うことは信義誠実の原則に反し許されないものというべきである。

3、(プロミス勝訴判決) 

   これに対して、プロミス側が勝訴した裁判例(いずれも旧タンポート)は以下のとおりです。

 ① 浜松簡易裁判所平成21年9月24日(司法書士関与)

  「この点、原告は、被告が訴外会社の100%親会社となったことから、被告が原告と訴外会社との間の取引を引き継いだとして、①契約上の地位の移転、②信義則違反ないし権利濫用等の理論構成で、被告が債務を引き受けたと主張するが、そのように債務を引き受けたこと、あるいは、訴外会社から原告に返還されるべき過払金が被告に引き渡されていることを認めるに足る証拠はないし、また、親会社と子会社の関係になったことから、事実上、被告に対して事業あるいは契約上の地位の移転の譲渡がなされたものと推認することもできないから、被告には、訴外会社の下で発生していた過払金の返還義務はないというべきである。」

   なお、「理由」中に引用されている原告側提出書証は、甲1~甲4のみです。

 ② 福岡地裁平成21年10月15日(本人訴訟)

 「原告が訴外会社と取引を開始した平成元年6月13日当時、訴外会社は被告とは全く別会社だったのであり、その後平成12年5月19日に訴外会社が被告の子会社となったというものの、訴外会社と被告とは別個の法人格を有していたものといわざるを得ない。」

 なお、「理由」中に引用されている原告側提出書証は、甲1のみです

4、(分析)

 形式的に考えれば、法人格が異なる「契約の切替」事案ですから、契約上の地位の承継とは直ちにはなりません。

 消費者側が敗訴した事案は、いずれも形式論で裁判所にけられている形になっています。

 プロミスが勝訴している事案は、消費者側からいずれも具体的な主張と立証が的確になされていない案件のように思われます。

 サンライフからプロミスに「契約切替」した動機や、契約切替の際のプロミスの説明などを書証や原告本人尋問などで具体的に裏付けていく必要があろうかと思います。

 同種訴訟について有益な情報を他にお持ちである方がおられましたら、コメントでご教示下さい。happy01

 なお、時折、多数の判決書を書証として提出することが、消費者側・サラ金側ともに見受けられますが、原則としては、余り意味がないように思われます(一時期はやっていましたね。私も判決書の写しを30号証くらいまでつけて出したことがあります)。同種事案であったとしても、上述したように当事者の具体的な主張や立証の拙劣により裁判官の心証は大きく異なるものと思われるからです(但し、クライアントに対する説明のために提出することはあります。)。ただ、当該裁判所の上級審の判決書の場合は、同種事案であれば、一定の効果はありそうです。

  (なお、この頁を裁判等で書証などとして提出することについては固くお断りさせていただきます。)

 ~閑話休題~

 今日も、被疑者国選の休日当番でしたが、やはり法テラスからは電話はありませんでした。

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コメント

いつも勉強させていただいております。

昨年12月2日,埼玉の越谷簡裁にて,同種の案件(タンポート・プロミス切り替え)で,同様に地位の譲渡と解するべきとの勝訴判決をいただきました。

控訴されたんで次は地裁で本人訴訟です。

コメントありがとうございます。
また、貴重な判決の情報の提供ありがとうございます。
西条簡裁の判決も控訴されました。
他方で、昨年暮れ、プロミス勝訴の判決が東京地裁であったようです。お互いに油断は禁物ですが、頑張っていきましょう。

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