励みになります。クリックお願いします。<(_ _)>

  • にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ

<(_ _)>

  • 弁護士ドットコム|無料法律相談・弁護士/法律事務所検索ポータル

書籍紹介(企業法務・金融)

書籍紹介(不動産・建築)

書籍紹介(法律)

« 2009年10月 | トップページ | 2009年12月 »

2009年11月30日 (月)

【交通事故】 幼児同伴の顧客らの入店を容認しているパチンコ店でパチンコ玉搬送用の台車を使って遊んでいた幼児が店外に出て交通事故により死亡した場合において、パチンコ店に顧客のゲーム機使用に伴う付随的な安全配慮義務として監護を補助すべき義務に違反したとして損害賠償責任が認められた事例 福岡高裁平成21年4月10日判決

 判例時報No2053号(11月21日号)で紹介された福岡高裁の平成21年4月10日付け判決です。

 事案は、以下のとおりです。

 Xら夫婦は、午後3時ころ、Y2・Y3夫婦と、それぞれ二歳の子連れで、Y4の経営するパチンコ等遊技場に赴き、遊技をしていました。Xらの女児AとY2らの男児Bは、この店で使用されていたパチンコ玉搬送用の台車を使って店内で遊んでいました。そのうち、Aが乗った台車をBが押して店外に出て、赤信号の横断歩道を渡っていたところを、Y1運転の自動車にはねられて、Aが死亡するという事故(午後9時22分ころ)が発生しました。

 Xら夫婦は、車の運転者であるY1に対しては、民法709条・自賠法3条に基づき、Y2・Y3夫婦に対しては、民法714条1項・民法709条に基づき、パチンコ等遊技店であるY4に対しては、民法415条(安全配慮義務違反)・民法709条に基づいて、損害賠償請求をしました。

 まず、法的な話は置いておいて、感想としては、なんという親なんだろうと思いました。

 裁判所も、Xら夫婦、Y2・Y3夫婦について、強く非難しています。

 「亡春子や夏夫は、いずれも2歳の幼児であり、日常生活を支障なく送るのに十分な判断能力があるとはいえない。交通標識に従うとの判断等もできたかは疑問であって、親権者である一審原告ら、一審被告丙川らには、亡春子あるいは夏夫に付き添うことが求められていたというべきである。

 しかるに、一審原告らは、ゲーム機の遊技に熱中し、午後3時ころから長時間にわたってほとんど亡春子を放置し、一審被告丙川らも夏夫が台車で店外に出るのを看過したものである。

 本件事故は、交通事故の一態様ではあるが、一人前とはいえない幼児らが、付添人なしで行動すれば、日常の社会生活の中では、その能力不足の故に重大な事故発生に至ることがあることは、容易に予測できるところである。特に付添いなしで店外に出させることになれば、不慮の事故の発生は必然ともいわねばならない。

 信号が赤色表示で、進行してくる車があるのにそのまま横断し、本件事故発生に至ったのも、店外に出させたことの必然の結果といえるのであって、監護、付添いをせずに放置した一審原告ら、一審被告丙川らの親としての過失は明らかで、その責任は重いというほかない。」

 本当にそうだと思います。angry

 裁判所は、Y4についてですが、安全配慮義務違反を原審とは異なり認めました。

 その要旨は以下のとおりです。

 Y4は、未成年者の立ち入りが禁止されている遊技場に、あえてキッズルームと呼ばれる休息室を設け、子供受け入れが相当な設備としていたこと

 親がゲームに興じるため幼児を休息室に赴かせ放置することは十分予測できること

 休息室には鍵はなく幼児も自由に出入りができること

 室内の幼児の監視等ができる体制にはなかったこと

 従業員が顧客に幼児の面倒をみる旨伝えたこともあったこと

 ABの台車の店外持ち出しも容認看過したこと

 台車遊びを放置しなければ店外に出ることもなかったこと

 などの事情を考慮すると、

 幼児同伴の顧客らの入店を容認する以上は、ゲーム機使用に伴う付随的な安全配慮義務として監護を補助すべき義務があったところ、これに反し、ABの監護を懈怠させるに至らせた過失がある

 次に、過失割合についてですが、

 Y1が、50%の限度で支払い義務がある

 Y2ら・Y4が、20%の限度で連帯して支払い義務がある

 として、Xらの過失は、30%としています。

 運転手の過失が、50%とは、感覚的に大きな感じがしますが、判タをみると、歩行者の過失は、基本が70%で幼児を理由に20%修正されて、50%となっているみたいです。

 過失割合の仕方についても、被害者との関係毎に、その間の過失の割合に応じて相対的に過失相殺をするという方法が妥当だと判示しています。

 キッズルームを設けている店が増えていますが、子どもの安全には留意をしていく必要がありそうです。

2009年11月29日 (日)

過払金回収を勧誘する法律事務所(大都会)の広告

 最近、新聞の折り込み広告で、「過払金の返還」を誘引する法律事務所の広告を目にすることが増えました。

 ただ、気になるのは、広告記事の体裁が類似していることです。あれ、「この広告は、A法律事務所のものだったよね」とスタッフに尋ねると、「いえ、今度はB法律事務所になっています」と言われるため、法律事務所名を確認すると、別の法律事務所になっています。

 記載されている人物の画像も、同一のものを使っているところもあり、同じ法律事務所のものかと誤認してしまう体裁です。

 しかも、極めて大きな文字ポイントで、赤色で強調して、

 「借金返済で 払いすぎた金は取り戻ましょう。」となっています。

 事例も、450万円あった借金が、減額+670万円返還

      300万円あった借金が、175万円返還

      160万円あった借金が、150万円返還

 など、過払金回収の具体的な実績を強調している内容となっています。

 どの事務所も、大都会に所在しているようですが、四国のような遠方の相談者の場合でも、「電話で解決」できることを強調しています。

 そして、肝心なその事務所の弁護士費用が、どのような体系になっているのかが明確に記載されていないために、よくわかりません(一般的な説明は記載されていますが、報酬金を2割から3割と表示するなど幅がかなりあります。)

 最近、私の事務所でも、このような新聞の折り込み広告を持参の上、ご相談に来られる方がいますが、やはり、「電話で相談が可能」というのが魅力的だそうです。

 しかし、電話での相談は、資料等や質問などがスムーズにできないため、見落としてしまう可能性があります。もし、電話で全てきちんと対応ということになりますと、資料を送っていただいた上、逐一質問していくという形になるため、最低でも1時間位は電話で対応することになります。そのような作業が、本当に可能なのでしょうか?

 また、データ開示の真偽の確認、債務整理の方針の確認、分割払い案の確認など依頼人に確認しなければならないことは多々ありますが、電話だけで十分対応できるのでしょうか?

 日弁連も、最近、債務整理の指針を発表して、弁護士と依頼人とのトラブルが増えているため、面談が原則である旨示していますが、このような事務所は、どのような形で面談を行うのでしょうか?

 このように過払金返還請求を露骨に誘引している広告は全国津々浦々に配布されているのだと思いますが、その広告に誘引されてかかってくる多数のご相談を適切に処理されているのかどうかが気になります。

 しかし、任意整理のご相談は相変わらず多いものの、①銀行などの支払いについても、過払金返還ができると誤解されている方、②家賃の支払いについても、なぜか過払金返還ができると誤解されている方、③1年位の取引しかないのに過払金返還ができると誤解されている方などなど、「過払金」は、田舎でも、一人歩きしています。

 債務整理の相談については、例えば、愛媛であれば、愛媛弁護士会に電話をして、近くの弁護士を紹介してもらうのがいいのではないかと思います。

 とはいっても、債務整理を人任せにするのはよくありません。

 少なくとも、①弁護士費用の計算方法の教示を受けること、②開示されたデータの確認、③過払金返還額についての依頼人の意向確認については、必要不可欠なことだと思っています。

2009年11月28日 (土)

【建築・不動産】 住宅瑕疵保険に転売特約を創設。 転得者が保険金直接請求可能に 国交省

 11月24日付けの住宅新報記事からの引用です。

 同記事によると、

 「国土交通省は、このほど、10月に完全施行した住宅瑕疵(かし)担保履行法に係る保険が付保された住宅を転得した買主にも、保険が引き継がれる転売特約を創設した。

 既に、瑕疵担保保険法人の1つであるハウスプラス住宅保証が認可を取得。他の保険法人についても同様の認可のための審査を行っている。ハウスプラス住宅保証によると、11月19日から申し込みを開始。

 18日以前に申し込んだ保険についても、転売特約を付けることが可能で、(同社は)無料で受け付けている。

 瑕疵担保履行法の保険制度について、これまでは転売した場合、保険期間中であっても、保険が引き継がれなかった。

 今回創設された特約では、保険対象住宅が譲渡された場合の転得者についても、保険法人に対する保険金の直接請求を可能としている。」(日本語の不自然な点を少し修正しています)

 住宅瑕疵担保履行法のセミナーの際にも、転売ケースについてのご質問などがありましたが、転売特約の創設により、問題解決です。

 

2009年11月27日 (金)

最高裁判事に須藤氏ら3人

政府は,27日の午前の閣議で、最高裁判事の中川了滋氏、今井功氏、甲斐中辰夫氏の退官を認め、後任に、弁護士の須藤正彦氏(66)、仙台高裁長官の千葉勝美氏(63)、元最高検次長検事の横田尤孝氏(65)を起用する人事を決定した。

 鳩山政権発足後、初めての最高裁判事人事だが、弁護士、裁判官、検察官それぞれの出身母体から選ぶ、従来通りの人事となった。

 ◆

 66年中大法。日本弁護士連合会綱紀委員長。栃木県出身。66歳。

 ◆

 70年東大法。最高裁首席調査官、仙台高裁長官。 北海道出身。63歳。

 ◆

 69年中大法。広島高検検事長、最高検次長検事。 千葉県出身。65歳。

 以上、読売ニュースからの引用ですが、弁護士会、裁判所、検察庁から、選任されています。

 母校の大先輩が2名おられるので、中大出身者としては、少し嬉しいですね。

【金融・企業法務】 物件明細書中の「買受人が負担することとなる他人の権利」の欄において、賃借人として記載された法人と同一商号の法人が複数存在していたとしても、本件における物件明細書の記載のほか、評価書の記載も合わせれば、当該売却物件の権利関係に影響を及ぼす情報の提供としては十分であり、本件物件明細書の記載に重大な誤りがあるとは言えないと判断された事例 東京高裁平成21年5月8日決定

 旬刊金融法務事情No1883(11月25日)号で紹介された東京高裁の決定です。

 抗告人Xは、担保不動産競売事件において、目的不動産である本件各不動産の最高価買申出人が、本件売却許可決定を受けたところ、本件各不動産のうち、本件建物についての物件明細書の記載に重大な誤りがある(民事執行法71条6号)として、本件売却許可決定の取消を求めて、執行抗告を申し立てた事案です。

 物件明細書に、買受人が負担することになる賃借人として、有限会社Aと記載されていたところ、Xの独自の調査で、有限会社Aを調査したところ、物件明細書記載の有限会社Aではなく別の「有限会社A」が清算結了していたところ、賃借権も消滅していると誤解して、買受申し込みをした事案です。

 解説によれば、「そもそも、抗告人が、清算結了済みの会社を本件建物の賃借人と誤解したのは、本決定も指摘するように、抗告人の独自の調査と誤った判断に起因するものと言えるから、本決定の内容は、当然の結論とも言える。

 しかしながら、抗告審が、物件明細書の記載が売却物件の権利関係に影響を及ぼす情報の提供として十分か否かを判断するにあたり、当該物件明細書の記載だけではなく、3点セットの内容を総合して判断するという、3点セット備え置きの趣旨を敷衍した判断を示したものとして、実務の参考になる」と記載されていました。

 競売物件を落とす場合には、よく注意する必要がありますね。

2009年11月26日 (木)

(社)受信障害対策紛争処理事業 全国地区 相談員・調停人研修会

 2011年7月24日に地上テレビ放送は、完全にデジタル放送に移行し、アナログ放送は終了することについては、皆様ご承知のことと思います。tv

 建物などが原因となって電波が遮られる状況を改善するために設置された受信障害対策共聴施設や、老朽化・小規模等の共同住宅に設置された共聴施設のデジタル化改修などに係る改修費用の一部については、2009年12月28日までに申請があった場合には、助成を受けることが可能です。dollar

 それと並行して、改修などにあたって、当事者間に争いが生じた場合、あっせん、調停を行うことが、(社)デジタル放送推進協会の運営する総務省テレビ受信者支援センターにより、可能となりました。

 今回は、その調停員や、簡易相談を受ける弁護士に対する研修会でした。clip

 私自身、新しいものに興味があることから、専門外の分野ではありますが、知識を増やしておきたいことから、相談員・調停員の候補者として、名乗りをでたため、研修会を受けることになりました。

 愛媛では、送られてきたFAXをみるかぎり、私を入れて3名が候補者として申請されたようです。

 研修会のDVDを聞き終わりましたが、受信障害紛争処理事業が単年度事業とされていることから、調停の受付は来年2月1日までとなっています。

 また、受信障害対策共聴設備事業費補助事業の受付期間も、今年の12月28日までとなっています。

 この2点は、要注意です。sandclock

 私の個人的な経験からは、電波関係の相談を過去に受けたことは一度もなく、また、デジタル放送の方がアナログ放送よりも受信障害範囲は狭いとされていることから、そんなに簡易相談や調停申請はないと予想しています。happy01

 

2009年11月25日 (水)

【倒産】 全国倒産処理弁護士ネットワーク 第8回全国大会(高松)

 11月21日、高松で、全国倒産処理弁護士ネットワーク第8回全国大会が、高松市内のホテルで開催されました。

 20日は、松山市で、日弁連の業務改革シンポジウムがあったので、その流れで、2連チャンになった方も少なくなかったようです。

 シンポジウムは、

 特別講演として、「破産手続における利害関係人と破産管財人の権限」と題して、神戸大学大学院法学研究科の中西正教授がご講演され、その後は、破産管財人の地位の再検討と題したパネルディスカッションがありました。

 テーマは、①破産清算コストの負担の在り方ー廃棄物の処理等を中心にして、②破産管財人の善管注意義務ー担保価値維持義務を中心にして、③破産管財人の担保権者に対する義務ーABLへの対応を中心として でした。

 日頃から、興味のある分野での討論だったので、勉強になりました。

 ところで、現在、私の破産管財事件 法人が3件、個人が1件 ありがたく引き受けさせていただいております。破産管財事件は受ける度毎に、いろいろ勉強になりますが、私の場合、財団規模を考えず、費用対効果を無視して、頑張ってしまうという悪い性格があります。

 シンポの後は、懇親会になりましたが、きんざいの方、同期の弁護士、講師の先生とも話をさせていただき、大変勉強になりました。

 愛媛から参加されている方は、私を入れて2人くらいだったみたいです・・・

 私の場合、地方で弁護士をやっているため、余り財団規模の大きい事件を受けることはまずないと思いますが、万が一その時のために破産法だけは勉強しておくつもりです。

 

2009年11月24日 (火)

穴吹工務店 会社更生法申立 負債総額約1403億3400万円

 驚きです。サーパスの穴吹工務店が会社更生法の申請を行ったようです。

 私が高松で実務修習をさせていただきましたが、そのころから、穴吹工務店は、サーパス事業で飛ぶ鳥を落とす勢いで、最近では、広島など香川県以外でも、サーパスのマンションが目立っていたことから、地元の超優良企業と思っていました。

 経営陣の内部紛争があったようですが、報道によるとそれが信用不安に拍車をかけてしまったようです。

 申立代理人は、あの倒産法の大家である、松嶋英機弁護士です。

 一体、四国の不況は、一段と加速するばかりです。

 そういえば、法テラスの法律扶助の予算も不足して大ピンチとか・・・

 弁護士の業界も、今はまだ過払いバルブの泡が少し残っているから、いいけど、今年の後半から、泡もかなり少なくなったような印象を受けています。債務整理専門の「法律専門家」の広告にも、「早い者勝ち」とか、「早く回収して勝ち組になろう」とかという文字が躍っています。

 話が脱線しました。

 知人や友人が結構サーパスに住んでいるけど、大丈夫なのかな?心配ですね。

 

 

貸金業者による遅延損害金主張を信義則違反とした最高裁判決 最高裁平成21年9月11日

 日弁連消費者問題ニュースN0133号(2009年11月号)に、貸金業者による遅延損害金主張を信義則違反とした初の最高裁判決(平成21年9月11日判決)が紹介されていました。

 貸金業者が利息制限法1条の金利規制を免れる方法として、①貸金業法43条のほか、②期限の利益当然喪失特約・遅延損害金による利息制限法4条の主張がなされることがよくあります。

 これについては、多くの裁判所は、期限の利益喪失の宥恕等の法理により、貸金業者の主張を排斥する判断が行われてきました。

 しかし、「損害金」と記載した領収書を送付しながら分割払いを続けさせた事案については、遅延損害金主張を認める裁判例もありました。

 今回の最高裁判決は、貸金業者シティズの期限の利益喪失・遅延損害金主張を信義則違反とした大阪高裁の判断を認めて、シティズの上告を棄却したわけです。

 最高裁は、債務者の誤信を招くような貸金業者の対応のために、期限の利益を喪失していないものと信じて支払いを継続した場合には、遅延損害金の主張は許されないことになります。

 貸金業者の対応とは、

 担当者の言動に限らず、

 書面の記載内容や貸金業者の不作為も含まれるとされています。

 例えば、ATMで交付される領収書に、次回支払い期日や次回支払い金額の記載があれば、誤信を招く対応と評価されうることになります。

 今回の案件では、文書提出命令で、交渉経過記録(貸金業法施行規則16条1項7号)をシティズに提出させ、償還表等の交付書面も合わせて取引状況の分析を行った上で、詳細な本人陳述書を作成しているようです。

 任意整理の相談は相変わらず多いですが、反面、交渉で解決することは難しくなっています。松山地裁、松山簡裁、松山地裁西条支部、西条簡裁も、過払金返還請求訴訟だらけです。

 執行案件も少なくなく、中小金融業者の場合には、手間ばかりかかり、得るものは余りないということも発生しています。

 そういえば、今年採用された政策秘書は、弁護士出身者が相当数占めていたようですね。

 ただ、政策秘書の仕事は、あまりにも弁護士の業務と異なり過ぎているような気がしますが・・・ 

 

2009年11月23日 (月)

11月20日 日弁連業務改革シンポジウム 松山

 11月20日、松山全日空ホテルで、日弁連 業務改革シンポジウムがありました。

 私は、第1分科会「共同事務所のマネジメント戦略」という分科会に出席しました。

 パネラーとして、4人の弁護士と、経営コンサルタントの大木ヒロシさんが出席されていました。

 総じて、事務所を複数の弁護士が在籍する共同事務所化は進んでいるようですが、その過程において、従来型の親弁・イソ弁型事務所から、経費共同型事務所、収支共同型事務所、最近の弁護士法人などいくつもの形態の事務所がでてきており、そのノウハウについてマニュアルとして配布されていました。

 新人弁護士の採用についても、パネラーや参加者から種々の意見が出ていました。

 結局、事務所の理念、新人弁護士を採用するときの目的によって、共同事務所の在り方は大きく変わってきそうです。

 弁護士法人で支所をもうけられている方のお話もありましたが、思ったより売上げがでていないという趣旨の話もされていました。

 私の事務所も、新人弁護士の採用については、「いい人がいれば採用したい」という気持ちでいます。

 その目的は、やはり、「地域一番店」として、確固たる基盤を確立したいところにあります。

 複数弁護士が在籍することにより、法律相談にすぐに対応できるとか、業務分野を拡張できるとか、お客様の視点に立ったサービスが提供できればなあと思いました。

 そして、最終的には、支所などももうけていきたいと思っていますが、在籍する弁護士さんの待遇などについても、今回配布された資料をみながら考え直していきたいと思います。 

 

2009年11月22日 (日)

【行政】 建設業法の基準につき虚偽申請で県知事から建設業の許可を受けた業者に住宅建設を注文し、工事瑕疵のため損害を被ったことにつき、注文者が県に対し建設業審査に過失があるとして求めた国家賠償責任が認められた事例(長野地裁諏訪支部平成21年5月13日)

 判例時報No2052号(11月11日号)で紹介された長野地裁諏訪支部平成21年5月13日判決(控訴)です。

 この事案は、Y県知事がA会社に対して、建設業法所定の基準に違反しているのに建設業の許可を与えたため、A会社と住宅建設の請負契約を締結したXがA会社の工事瑕疵により損害を被ったとして、XがY県に対して国賠法1条1項に基づき、損害賠償を求めた事案です。

 知事が本件許可をしたことと原告が損害を被ったこととの間に相当因果関係があるか?というと、感覚的には、思わず、「ない」と回答してしまいそうな案件です。

 ただ、裁判所は、「本件会社が一般建設業の許可業者であったことから、事業体制と業界標準レベルの施工技術が備わっている事業者であると原告が信頼したことが、本件会社に工事を発注した大きな理由の1つであったことが認められる。」として、相当因果関係を認めています。

 住宅は、一生に一度の買い物であるため、業者選択は、十分な注意が必要ですが、許可業者であるため、業界標準のレベルはあるだろうと考えることも、よく考えれば、無理からない話ですね・・・・

2009年11月21日 (土)

チェーンストアエイジ11・15号

 チェーンストアエイジ11月15日号を読んでいたら、気になる記事がいくつかあったので、紹介いたします。

 ユニーの伊藤忠商事との資本業務提携についての記事です。good

 このところ、消費の落ち込みで、国内GMS事業は、一般的に振るっていません。

 その立て直しを図り、将来への成長戦略に目処をたてることが急務となっています。

 ユニーは、記事によれば、これまでの包括的業務協力関係をさらに進めて、資本業務提携まで関係を深くするようです。

 ①海外事業展開、②食料残さリサイクルの共同取り組み、③商品・資材調達、商品開発の強化およびコストダウンに向けた取り組み、④農業事業共同開発、⑤ディマインドチェーン構想に向けての共同取り組みを、追加して、両者協力していくようです。

 これは、PB開発競争が激化している中、世界中の原材料調達や工場、メーカーに太いパイプを持ち、国内中間流通各社を参加に納める総合商社の存在感が増しているためだと言われています。

 ユニーの社長さんの話として、「商品粗利益率を25%に引き上げるべく、商品開発を重視していくとともに、2200億円強ある販管費を250億円くらい大胆に削るために、伊藤忠商事さんの力を借りて、果敢にチャレンジしていきた」ということが紹介されていました。

 もう一つの記事は、岩手県を本拠に40店舗を展開するジョイスという会社についてです。この会社は、90年代から、食品スーパーマーケットとしてのジョイス、フードディスカウントのロッキー、ディスカントストアのスーパーセンターの3本立てで事業を行ってきました。成長の過程で、取扱品目も増やし、衣料品や住居関連商品なども拡充してきたようです。しかし、最近は、選択と集中というテーマのもと、SM専業専心を打ち出し、減収したものの、営業利益は図ることができたようです。自社の強いところで勝負するというのは、中規模のSMの生き残り戦略として参考になりました。event

 それと、(社)日本冷凍食品協会の「冷凍食品認定制度」が改訂され、品質保証が大幅にレベルアップしたとの記事が載っていました。従来の確認工事認定基準(施設設備に関わる基準)(旧基準)に加えて、品質・衛生管理体制に関わる基準が追加されました。特に重要なところとして、①関係法令の理解と遵守、②責任と権限の明確な組織、③原材料の管理、④従業員に関する管理(衛生品質管理教育の実施)ということです。snow

 これまで余りよくみてこなかったところですが、勉強していく必要があります。coldsweats01

2009年11月20日 (金)

道後温泉

 先日、子どもを連れて、道後温泉(松山)に行ってきました。

 今治から、特急電車で、JR松山駅で降りて、それから、道後温泉行きの市内電車のれば、すぐにつきます。

 その前に、松山城に登城して、少し運動をしました。upwardright

 子どもは、生まれて初めて、リフトに乗って大興奮でした。これまでは、ロープウェイだったのですが、今回、初挑戦でした。

 麓の駅のビル2階では、地場の農産物の展示会などもあって、じゃんけんで勝った子どもは、みかん3個をもらいました。とてもおいしかったです。good

 それから、道後公園で、少し遅い昼食をして、それから、椿の湯でゆっくり温泉に入りました。hotel

 その前に、運動をしていたため、子どもが少し汗をかいていたため、風邪をひくと困るので、子どもの服を売ってそうな店を探したところ、あるではありませんか。

 パルティフジ 道後 が、道後公園sunの近くにありました。

 大変にぎやかな店で、多くのお客さんで混雑していました。t-shirt

 2階にあがると、子ども服がかなり安くなっていましたが、ポケットモンスターに夢中の子どもから、お気に入りの服があり、しかも、サイズもぴったりだったので、ラッキーでした。happy01

 道後温泉に入る前に、服や下着、バスタオルなどが不足して困ったら、パルティフジ道後が便利です。

 帰りは、市内電車に乗車したのですが、もうすこし早く道後駅についていれば、坊ちゃん電車に乗れていました。train

 松山駅からは、ぎりぎりで特急電車に乗車できました。bullettrain 

2009年11月19日 (木)

プライベートブランド 急拡大

 最近の日経新聞に、セブン&アイのPB商品の売上高を3年後には2.5倍の5000億円に伸ばして、スーパーの加工食品の売り上げ高に占める比率を、10%から20%へ引き上げることが報道されていました。

 PBについては、イオンが先行しており、11年2月期には、7500億円の販売を目指しているようです。

 小売り大手2社がPBについて本格的に展開するため、PB事業のすそ野が一気に広がりそうな気配です。

 そのため、法律業務とは直接関係がないとはいえ、PB商品について最低限の知識を得ておく必要があると感じたため、同文館出版のPB商品企画開発販売のしくみという書籍を購入して読んでみました。

 PB商品については、セブン&アイのような製造業と小売業が組む製販同盟タイプ、ユニー・イズミヤ・フジの3社の共通PBスタイルワンのように、小売店が何社か集まって共通商品を開発する販販同盟タイプ、菱食や国分のように大手食品卸売業が開発し中小の小売店で販売する配販同盟タイプがあります。

 昔は、PB商品は、安かろう、悪かろうというイメージがありましたが、最近は、PB商品といっても実は大手メーカーが製造していることなどから、ナショナルブランドに対してPBが劣るわけではないことが浸透されてきたようです。

 PBの開発については、知的財産権を侵していないかどうか事前の確認が必要です。清算後に知的財産権に抵触することがわかり、販売できなくなる事態が生じたら、取り返しがつきません。

 ということは、田舎弁護士の私も、知的財産権をしっかり勉強する必要があることになります。ただ、知的財産権については、数年前に、大阪や東京の知財研修を受け、そのためか、知財ネットの理事にもなっていますが、名ばかりだけでとても人様を指導できるような知識や経験はありません。せめて知識でもとは思うのですが、とてもそこまで力を入れることができない状態です。知財の知識を習得している方が事務所にきてくれるといいのですが・・・・ (自分ができないことを人に希望するなって。すみません)

 話を戻します。

 PB商品は、安くてよいものが多いため、最近、私は、PB商品にはまっています。その中で、スタイルワンは、とてもいいと思います。

 そのなかでもお勧めは、

 濃い緑茶

 焼き豚

 とろけるスライスチーズ

 は、とてもおいしくて、お値段もリーズブルです。

 そして、スタイルワンは、

 フジで、販売しています。

 

  

 

2009年11月18日 (水)

特集 過払金返還請求訴訟の現状と課題

 判例タイムズNo1306号(11月15日号)の特集です。

 6つの論文を現役の裁判官が執筆されています。まさに裁判官らしい内容の論文で、消費者側の立場の多い私にとっては、すごく、業者よりの論文にみえます。

 第1論文は、「貸金業法43条の要件論等についての最高裁の判断」という論文です。

 「期限の利益喪失特約の下で制限超過部分を受領したこと以外の点でも法43条1項の適用要件を充足していない場合には、上記特段の事情がない限り悪意の受益者であると推定される」という当たり前のことが記載されています。

 また、「過払金発生後に債権譲渡等がされた場合」の説明は参考になりました。

 第2論文は、「過払金返還請求訴訟における取引履歴の不開示と損害賠償」という論文です。

 開示義務違反と保存義務違反とを区別して検討するという視点は参考になりました。

 ただし、事件の掘り起こしをするなという「おわり」は、余計なお世話ではないかと思います。個々の当事者が判断すればいい問題と思います。

 第3論文は、「取引の個数と消滅時効の起算点」というオーソドックスな論点の説明です。

 第4論文は、「簡易裁判所における過払金返還請求訴訟の問題点」という論文です。今治簡裁でも、代理人の相当数が、司法書士の先生です。「司法書士代理人については、マニュアル本の引き写しではないかと思われるもの、長々と多数の判例を引用しているもの、また、独自の説を開陳しているもの等、分量が多いばかりで事案に沿った事実の主張がなく、当該事件の解決を目指しているかどうか疑われない準備書面を提出する例が、かつては散見された」と記載されています。ただ、私が今治簡裁の傍聴席からみる限りでは、少し前までは、いささかおろおろしていた司法書士の先生が、暫くぶりに拝見すると、慣れてきたのか、弁護士以上に堂々と主張されていた姿を目撃しました。

 第5論文は、「過払金返還請求訴訟の審理の実情」という論文です。推定計算の可否は大いに参考になります。「反転方式」、言葉ははじめてしりましたが、私もこの方式を採用したことがあります。また、冒頭0計算の可否とその立証も参考になります。

 第6論文は、「過払金返還請求訴訟における判決」です。一部請求の問題は参考になりました。

 なお、平成20年の東京地裁では、過払金返還請求ないし不当利得返還請求事件の新受件数は、30%を超えているようです。おそろしい数です。私の事務所でも、過払金返還請求はかなりの量に達しています。ただし、東京地裁でも、第1回期日までに取り下げで終了する事件は少なくなっているようで、サラ金の経済的余裕がなくなってきているのではないかと指摘されています。

 任意整理のご相談は、増える一方ですが、回収は日々難化しつつあります。

 なお、今治でも、都会の3法律事務所から、チラシが入りますが、3事務所とも、体験談や写真も一緒なのは、こっけいとしかいいようがありません。同じ、広告業者に頼んでいるのでしょうか? 体験談くらいは、変化させんとまずいでしょうと思うのですが・・・

ところで、ここ数年で、弁護士業界でも、収入の減少の程度が大きくなっています。ある弁護士のブログをみて、なるほどと思いました。現在は、任意整理事案が少し残っていますが、これがなくなったらと思うと、心底凍りつくような気持になります。過払い案件がほとんどなかった、5,6年前の状況に戻るだけであればまだいいのですが、びっくりするほどくらい、過払い案件以外の一般地裁民事事件は減っています。

 毎年、大量にうまれる地盤のない新人弁護士はどうなるのでしょう・・・・

 貧窮する可能性の高い資格に、優秀な人材が集まるとは思えません。

 

2009年11月17日 (火)

民事訴訟協議会

 16日、松山地裁で開催された「民事訴訟協議会」に、参加してきました。

 午後3時からでしたが、弁護士会からの議題の提出や質疑応答が、特定の弁護士に偏っている状態でした。

 出席者は中堅以下の弁護士がかなりの割合を占めており、裁判所に対して、意見を述べるベテラン・長老の先生の出席が少なかったのは、残念でした。

 来年の同じ時期に開催されるようですが、若手弁護士からももう少し活発な意見がでることを希望したいと思います。

 私自身も、気になっている問題を提出いたしました。

 民事裁判で、相手方の弁護士から、準備書面や書証が、提出期限になってもでてこず、ケースによっては、結審当日に大量に出されることがあります。

 裁判所の方で、提出期限を定めても、回答や調査するために、少し時間が必要だと思われる事案については、提出期限を過ぎても余り文句をいうつもりはありません。

 ただ、そのような事情のない案件の場合に、当日提出されたり、或いは、結審日に交付を受けるというのは、非常識だと思います。せめて、前の日には、提出していただけないと、白紙で、期日にのぞむことになります。

 とはいっても、残念ながら、裁判所の方から、相手方代理人に対して、きつく注意することは余りないのですね。

 私のクライアントは、やる気満々の方が多いので、相手方代理人の対応について、私に対してクレームが入り、その対応に苦慮することも少なくないです。

 古くて、新しい?問題ですが、提出期限にルーズな代理人は、若手・中堅弁護士には余りみかけたことはありません。

 私自身、そのような事をしないよう、自戒していきたいと思います。

2009年11月16日 (月)

【交通事故】 追突され頸髄損傷負い、低髄液圧症候群・歩行障害等請求の36歳女子は、自律神経失調症状受診帰途の受傷等から、約1年後14級10号症状固定以外の因果関係を否定した

 自動車保険ジャーナルNo1806号(11月12日号)で紹介された京都地裁平成12年3月25日判決です。

 自保ジャーナルの要約判旨は、以下のとおりです。

 平成12年12月28日、自動車運転中の36歳女子が普通貨物車に追突され、頸髄損傷等を負い、歩行障害等の後遺障害を残し、7800万円余の損害額を請求する事案につき、追突事故の発生は自律神経失調症状で受診の帰途で、以来多彩な愁訴等で多数病院受診、うつ病、低髄液圧症候群診断もあるが、約1年で症状固定、後遺障害は自賠責同様「14級10号に相当」と認定、それ以外の時期、症状との因果関係を否認した。

 原告は、約7800万円の請求をしましたが、裁判所は、約400万円の賠償を認めました。

 将来の介護料は否認されても仕方がないのかもしれませんが、治療費関係費・通院交通費、入院雑費も、本件事故との因果関係を否定されて、認定金額は0円とされています。

 低髄液圧症候群については、判断で、「原告は、同月20日、同病院において、頭痛及び嘔気がある旨述べた。同病院医師は、これに対して、脊髄造影後の低髄液圧症候群と判断して点滴を施した。」と記載されているだけで、テイズイについては、どのように判断されたのかわからないままになっています。

 この判例は、テイズイについては、あまり参考価値のない判決だと思います。

 頸髄損傷については比較的詳しく審理されています。

 この種のケースでは、心因的な素因減額の主張がなされることが少なくありませんが、被告からはその主張はなされていないようです。 

2009年11月15日 (日)

大変ありがたいことです 全国建築審査会協議会から表彰されました

 私は、今治市の建築審査会の委員を務めていますが、委員の任期が10年を経過したため、先日、全国建築審査会協議会から、表彰をいただきました。

 全国建築審査会協議会表彰規程をみれば、表彰されるためには、長年にわたり建築行政の推進に多大な貢献をされた全国特定行政庁の建築審査会委員を表彰することにより、その業績をたたえるという要件が必要だそうです。

 過去の私の業績からすれば、とても恥ずかしい限りですが、私も、人間ですので、もらって大変うれしいです・・・・

 立派な賞状と、大内人形をいただきました。

  いっそう頑張りたいと思います。

 最近、住宅瑕疵担保履行法の講習会の講師をしたり、指定確認検査機関の法律顧問に就任したり、建築がらみの裁判を引き受けたり、「建築関係」の縁が深くなってきています。

 交通事故分野だけではなく、そろそろ「建築分野」も、勉強する必要が生じているようです。

 さらにさらに頑張っていきたいと思います。

 ご指導とご鞭撻宜しくお願いいたします。

 

2009年11月14日 (土)

【建築・不動産】 株式会社愛媛建築住宅センター 創立10周年パーティ

   11月13日、株式会社愛媛建築住宅センターの、創立10周年パーティに、招かれました。

 道後温泉(松山)の大和屋本店で行われました。event

 大和屋さんは、オーナーが大学同窓のためかOB会の総会や、また、弁護士会の忘年会に利用されることが多いため、過去何度か利用させていただいています。

 ただ、1回も、お風呂に入ったことはありませんが・・・virgo

 愛媛建築住宅センターは、平成10年6月、建築基準法が改正され、これまでの特定行政庁が行ってきた確認・検査業務が民間の認可機関でも出来ることとなったことに伴い、新たに愛媛県の指定を受けた公正中立な機関として、「愛媛建築住宅センター」が指定され、平成12年6月より業務を開始いたしました。

 今回は、来賓の一人として出席し、かつ、祝辞を述べさせていただくという大役を引き受けさせていただきました。

 料理やお酒も、大変おいしくいただけました。さすが、大和屋さんです。wine

 また、余興のビンゴゲームも、全員参加の非常におもしろかったです。私は、66等でしたが、最終の67等は、ウィンでした。66等は、いかをみりん醤油であぶったものですが、子どもたちは大好物だったので大喜びでした。

 諸先生、諸先輩の方々を前に、非常に緊張いたしました。coldsweats01

 ご出席者の中には、私の顧問会社の社長様や、建築士をしている高校の同級生もいて、少し、緊張が緩和されました。ありがとうございました。happy01

 そういえば、最近、研修会の講師や、顧問先企業の行事に来賓などとして、出席させていただくことが、少しずつ増えています。karaoke

 このような経験を積むことで、普通は、次第になれてくるのでしょうが、元来非常に気の小さい私にとっては、毎回毎回、緊張の連続です。coldsweats02

 私が家を建てた際に、愛媛建築住宅センターには、建築確認申請のほか、住宅性能評価書を作成していただくなど、大変お世話になっています。heart01

 住宅性能評価書は、思ったほど値段がかかりませんので、安心を買うつもりで、愛媛建築住宅センターにお願いされたらいかがでしょうか?happy01 

2009年11月13日 (金)

【交通事故】 被害者が、下請け業者の従業員に被害者所有自動車を運転させて作業現場に向かう途中の交通事故について、下請け業者の従業員の過失を被害者の過失と同視した事例 名古屋高裁平成21年2月12日

 交通事故判例速報No521号搭載の裁判例です。

 大きな争点としては、被害者側の過失という論点があります。

 第1審の名古屋地裁(平成20年6月27日)は、

 確かに、本件事故当時、XがY3の実質的な使用者であったことが認められ、また、XはX車の保有者であったことも認められる。

 しかし、その一方で、XとY3との間には、身分上、生活上の一体関係までは認められないことに鑑みると、上記事実をもってしても、本件事故によるXの損害をY1に賠償させるにあたって、Y3の過失をXの過失と同視してY3の過失に相応する部分をXの損害から控除すべき理由はない

 と判断しました。

 ところが、第2審の高裁(平成21年2月12日)は、被害者側の過失を認めました。

 以下、判旨を引用します。

 本件事故当時のY3の運転は、Xの指揮監督の下にXの業務の執行につき行われたというべきであるから、Y1との関係で民法722条2項の過失相殺をするに当たっては、公平の見地に照らし、Xの実質的被用者Y3の過失をX側の過失として考慮するのが相当である。

 Xは、Y1とY3とが共同不法行為者であり、過失割合は内部の求償問題であって、Xには関係がない旨を主張するが、上記のとおりのXとY3との指揮監督関係、力関係等からすれば、Y3の運転行為は、Xとの一体的な関係の運転ということができ、Y3の独立した単独行為ということはできない

 と判示し、Y3の過失をXの過失と同視して過失相殺することを認めました。

 最高裁(平成21年9月29日)は、上告棄却・不受理と判断して事件は終了しました。

 被害者側の過失については、最高裁昭和51年判決の基準である「被害者本人と身分上、生活関係上、一体をなすとみられるような関係にある者の過失」という基準を定立しています。

 私も受験時代から、この基準を金科玉条のように使ってあてはめていました。

 ところが、最高裁平成20年7月4日判決が、経済的一体関係がない案件において、「本件運転行為に至る経緯や本件運転行為の態様からすればAの単独行為とみることはできず、上記共同暴走行為の一環をなすものというべきである。したがって、上告人との関係で民法722条2項の過失相殺をするに当たっては、公平の見地に照らし、本件運転行為におけるAの過失もBの過失として考慮することができると解するべきである」と判示してから、流れが変わってきました。

 従って、経済的一体関係がない場合でも、被害者側の過失として斟酌される場合があるので、注意が必要です。

2009年11月12日 (木)

【労働・労災】 労災保険法の保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じた場合に、被害者に対して休業給付金及び障害給付金として支払われた保険金を、加害者が被害者に対して負担する損害賠償債務の遅延損害金の支払債務に充当することの可否

 判例タイムズNo1305号(11月10日臨時増刊号)に、民法判例レビュー(第2期)第105回で、山口早大教授が紹介されていた大阪地裁平成21年2月16日判決が、目に入りました。

 最高裁平成16年12月20日判決は、

 不法行為の被害者の遺族が得た自賠責からの支払社会保険からの給付は、損害発生時から支払い時までに発生している遅延損害金にまず充当される

 と判断しています。

 大阪地裁平成21年2月16日判決は、

 自賠責保険及び任意保険と、労災保険とを区別して、労災保険給付の趣旨に鑑みれば、休業給付等は、加害者の被害者に対する損害賠償債務のうちの逸失利益に相当する部分のみを補償の対象とするものであり、これを超えて、同部分に対する遅延損害金という、上記損害賠償債務とは発生原因を異にする別個の債務をも補償の対象としているとみるのは困難であるとして、労災保険法の休業給付および障害給付として支払われた保険金を、加害者が被害者に対して負担する損害賠償債務の遅延損害金の支払債務に充当することを否定しました。

 (大阪地裁の考え方)

 自賠責保険・任意保険  → 民法491条1項(適用なしい準用)

 労災保険金         → 同一事由に基づく損害の元本充当

 この大阪地裁の判決は、最高裁平成16年判決の判断と一部異なっております。

 その理由はいくつか考えられます。

①労災保険金の支給を受けた被害者は、法律上当然に、保険給付の価額の限度でその損害賠償請求権を失うことになるが、これは、政府によって損害の填補がされるのに伴い、その限度で、被害者の損害賠償請求権が政府に移転し、これに伴って被害者が加害者に対する損害賠償請求権を喪失するからであって、上記保険給付によって加害者の被害者に対する損害賠償債務がその限度で消滅するからではないとして、被害者に対する労災保険金の支給は、債権の消滅原因となるものではないことを理由に、弁済の規定である民法491条1項の適用ないし準用ができない

②労災保険における休業給付及び障害給付は、加害者の被害者に対する民法上の損害賠償債務のうちの逸失利益(休業損害及び後遺障害逸失利益)と同一の性質の損害を填補するものであるため、これを超えて、損害賠償債務の遅延損害金という上記損害賠償債務とは発生原因を異にする別個の債務をも補償の対象としているとみるのは困難である

③仮に、遅延損害金をも填補すると考えた場合には、労災保険法12条の4の規定によって政府が取得する損害賠償請求権の範囲をどのように考えるかという問題が生じること

 実務的にも、平成16年最高裁判決の判断枠組みは、問題点が多いとして、歓迎されていないようです。

 被害者から依頼を受けたら、最高裁平成16年判決で計算して、加害者から依頼を受けたら、大阪地裁判決で計算するよう反論することになるかとは思います・・・・  

2009年11月11日 (水)

【金融・企業法務】 基礎から学ぶシンジケートローン契約 銀行法務21・11月

 銀行法務21で連載中の基礎から学ぶシンジケートローン入門です。

 最終回は、貸付金の回収というテーマです。

 シローンの場合も、貸付金を返済期限の到来により借入人から返済を受けることが原則的な方法です。

 しかし、資金を効率的に運用する見地から、貸付債権の流動化の有効な手段である債権譲渡によって、回収を図る方法もあります。

 但し、シローン貸付人間の公平性や団体性を確保するために、譲受人がシローン契約の各条項に拘束されることが債権譲渡の条件とされています。

 また、貸付人たる地位の譲渡も想定されています。但し、タームローンは、契約締結後速やかに貸付が実行されることが予定されていることから、実際に貸付を行う義務を第三者に移転する場面は稀とされているようです。

 借入人以外の第三者による弁済は、シローン上、原則として禁止されています。シローンの団体性維持のためです。

 最後に、借入人の財務状態が悪化して倒産した場合には、シローン貸付人間の公平や団体的取扱いを図る要請よりも、各貸付人の責任で自由に債権回収を行う要請が強くなることから、シローン契約による拘束を解き、各貸付人が借入人に対して有する貸付債権の独立性の原則という原点に戻すこともあります。これをシンジケート団の解体と呼びます。

 シンジケートローンについては、地方銀行がエージェントになることもあり、田舎弁護士も少し勉強しておかなければならない分野の1つになりつつあります。

 (閑話休題)

 最近、健康診断を行ったが、メタボ解消には遠いことが再認識させられました。体重は、95キロで、むしろ増加しているようです。

 スポーツクラブにはできるだけ通うようにしており、また、ダイエット用の下着を着用して、さらには、メタボのための漢方薬や特保飲料も飲んでいますが、効果がありません。風邪はひきにくい体にはなりましたが、お腹は出たままです。司法浪人自体の75キロに戻したいですが、なかなかです。pig

 やはり、beer や、 fastfoodや、 bottle を、ひかえんといかんなあと思います。

 とはいっても、モスのハンバガーはおいしいすぎるのですねえ・・・ 

2009年11月10日 (火)

【金融・企業法務】 留保所有権者が第三者に対して負う目的物撤去義務

 判例タイムズNo1305(11月10日)号で、掲載された田髙寛貴名古屋大学教授による論文です。

 駐車場のオーナーが、駐車場代を支払わず放置している所有権留保車両を、留保所有者に対して、撤去請求と損害賠償請求を行ったという事案です。

 第1審、第2審は、駐車場のオーナーからの請求を否定しました。

 最高裁は、破棄差し戻しをしました(平成21年3月10日判決)。

 判旨は以下のとおりです。

 本件立替払契約によれば、Yが本件車両の代金を立替払することによって取得する本件車両の所有権は、本件立替金債務が完済されるまで同債務の担保としてYに留保されているところ、

 Yは、Zが本件立替金債務について期限の利益を喪失しない限り、本件車両を占有・使用する権原を有しないが、Zが期限の利益を喪失して残債務全額の弁済期が経過したときは、Zから本件車両の引渡しを受け、これを売却してその代金を残債務の弁済に充当することができる

 留保所有権者・・・・の有する権原が、期限の利益喪失による残債務全額の弁済期・・・・の到来の前後で上記のように異なるときは、

 留保所有権者は、残債務弁済期が到来するまでは、当該動産が第三者の土地上に存在して第三者の土地所有権の行使を妨害しているとしても、特段の事情がない限り、当該動産の撤去義務や不法行為責任を負うことはないが、

 残債務弁済期が経過した後は、留保所有権が担保権の性質を有するからといって上記撤去義務や不法行為責任を免れることはないと解するのが相当である。

 なぜなら、上記のような留保所有権が有する留保所有権は、原則として、残債務弁済期が到来するまでは、当該動産の交換価値を把握するにとどまるが、残債務弁済期の経過後は、当該動産を占有し、処分することができる権能を有するものと解されるからである。

 もっとも、残債務弁済期の経過後であっても、留保所有権者は、原則として、当該動産が第三者の土地所有権の行使を妨害している事実を知らなければ不法行為責任を問われることはなく、上記妨害の事実を告げられるなどしてこれを知ったときに不法行為責任を負うと解するのが相当である。

 田髙教授によれば、残債務が僅少なときには、留保所有権を実行しないという選択が客観的にみても合理性があると評しうることはあろうと指摘されています。

 この問題はなかなか難しく、留保所有権者の立場の会社が顧問になる私にとっては、嫌な判例の1つです。

 

 

2009年11月 9日 (月)

過払金返還請求訴訟の弁護士費用

 本日、最高裁から、とてもとても残念な判決がでました。

 過払金返還請求訴訟についての弁護士費用を、事実上否定した最高裁判決です。

 この過払金返還請求訴訟の実体をまるでわかっていない判決を出したのは、最高裁第2小法廷の判決で、例によって、他の小法廷も追随した判決を出すものと予想されます。

 以下、判決文を引用します。

 不当利得制度は、ある人の財産的利得が法律上の原因ないし正当な理由を欠く場合に、法律が公平の観念に基づいて受益者にその利得の返還義務を負担させるものであり、不法行為に基づく損害賠償制度が、被害者に生じた現実の損害を金銭的に評価し、加害者にこれを賠償させることにより、被害者が被った不利益を補てんして、不法行為がなかったときの状態に回復させることを目的とするものであるのとは、その趣旨を異にする。

 不当利得制度の下において受益者の受けた利益を超えて損失者の被った損害まで賠償させることは同制度の趣旨とするところとは解し難い。

 したがって、民法704条後段の規定は、悪意の受益者が不法行為の要件を充足する限りにおいて、不法行為責任を負うことを注意的に規定したものにすぎず、悪意の受益者に対して不法行為責任とは異なる特別の責任を負わせたものではないと解するのが相当である。

 なんとも、なさけない判決です。

 ただ、不法行為責任と同一ということになると、最近出た最高裁のやはりなさけない判決の適用により、よっぽどの場合でなければ、弁護士費用は請求することはできないことになります。

 裁判所からは、「請求は維持しますか?」との質問をされるのでしょうが、せめてもの抵抗として、撤回をせず、判決をもらうことにしましょう。

【交通事故】 人身傷害補償保険金の支払と損害賠償請求権減縮の有無

 判例タイムズNo1305号(11月10日号)の判例評釈です。

 最高裁平成20年10月7日判例については、このブログでも何度も取り上げています。

 山本豊京大教授執筆の論文が紹介されていました。

 「第7 保険金支払実務における対応」(同書P45~P46)は、大いに示唆を受けましたので、少し引用させていただきます。

 「裁判基準差額説は、訴訟を遂行してまで救済を求めた被害者に最も多くの救済をもたらすものであり、裁判例・学説において徐々に有力化する傾向にある。しかし、裁判所や裁判外紛争解決機関が関与しない保険金支払実務や賠償実務においては、裁判基準差額説による問題処理はいまだ浸透していないのではないかと推測される。」

 「訴訟外の人傷保険支払実務においては、絶対説的感覚が案外に幅を利かせているのではないかとの疑いがある。

 実際、人傷保険金を支払った保険会社は、裁判基準損害額が明らかでない段階では、消滅時効の問題もあって、差し当たり既払保険金額相当額を加害者に請求せざるをえないと指摘されている。」

 「他に、『人傷一括払い』と称して、人傷保険会社が人傷保険金を支払った後、自賠責保険から自賠責保険金を回収するという実務も普通に行われている。」「被害者側の保険である人傷保険が自賠責保険から回収する関係では、絶対説による保険代位を前提にしているように見える。絶対説によれないとなると、被害者の過失が軽過失にとどまる限り、自賠責保険の運用上過失相殺はされないから、人傷保険会社と任意責任保険会社の間で自賠責保険金からどのように回収するかという問題が生ずることは避けられないことになる。」

 「より問題なのは、人傷保険金の支払を受けた被害者が、加害者に対し損害賠償請求をするのに対して、加害者(側の任意責任保険会社)から絶対説に基づく損害賠償請求権(一部)喪失の主張が提出された場合、保険知識・法的知識に乏しい被害者がその主張に異を唱えることは難しいのが通常であるという事実である。人傷保険会社も加害者(側の任意責任保険会社)も絶対説を前提とする問題処理を志向し、両者の利害の一致が見られるため、差額説を前提とすれば本来より多くの支払いを得られたはずの被害者が、両保険会社の狭間にはさまれて不利益なまま放置されることになってしまう。これは、しばしば被害者の示談代行者として立ち現れる人傷保険会社が、被害者との間で実は利益相反関係に立ちうることも意味している。」

 「混乱の原因の過半は、問題を十分に考え抜いて策定されてとは思われない約款にある。」

 「条項内部や条項相互間の実質的不整合を除去するなど、約款の根本的な見直しが急務であると思われる。その際に、請求権代位につき差額説の内容を片面的強行規定として立法した保険法25条1項2号の内容趣旨が十分に踏まえられるべきであることは言うまでもない。」

 この平成20年の最高裁判決の要旨は、被害者側に立った場合、よく引用させていただいています。

 

2009年11月 8日 (日)

最近、マルチ商法のパンフレットを目にしました。

 先日、知人から、あるパンフレットを渡されて、「相談にのって欲しい」と頼まれたため、そのパンフレットの内容をみたら、腰を抜かす位驚きました。

 なんと、典型的なマルチ商法のパンフレットです。

 「仕入、販売」という題目のもと、売上げ毎に、昇格し、かつ、売上げ額に応じて、「ボーナス」が支払われるという仕組みです。

 自動車獲得為のボーナスもあるらしい。

 マルチ商法は、連鎖販売取引といって、新しい会員を組織に加入させれば利益が得られると言って商品やサービスを契約させ、さらに次の会員を勧誘させるという形で、販売組織を連鎖的に拡大していく取引のことです。商品を売ったり、新たな会員をつくったりした場合に、組織から報奨金などをもらえる仕組みになっています。

 販売組織には何層ものステージがあり、多く売ったり会員を勧誘したりして成績を上げるほど組織の上位に就くことができます。上位の人ほど報酬額が上がり、大きな利益を得られる仕組みになっています。

 最初はまわりの友人が買ってくれても、それには限りがあります。家族、同級生、職場の人だけであれば、すぐに行き詰まり、その結果、大量の在庫と仕入れ代金の支払いが残ることになります。

 今回の件でその手法に驚いたのは、マルチ商法とは全く関係のない講習会で、突然、勧誘されている点です。特定商取引法で、勧誘するに先立って、勧誘する旨を相手方に告げることが義務づけられているはずです(特定商取引法33条の2)。これは、行政処分の対象となる行為です。

 知人の話によれば、会場ではマルチ商法だと気づいている人はいなかったようです。非常に巧妙なやり方で、申請書も、複写式とはなってはいるものの、表紙の書面と、下の書面とが内容が異なっている代物だったようです。

 マルチ商法は、人間の儲けたいという欲求をくすぐることによって成り立っている商法です。

 このような危険な商法が何故か法律では禁止されていません。

 但し、余りにもトラブルを起こしやすい取引であるため、特定商取引法で、さまざまな厳しい規制が定められています。

 今後、知人に対して、どのような働きかけを行うのはわかりませんが、特定商取引法の規制を守っていないのであれば、知人を守るためにも、行政処分の申立なども検討せざるえないでしょう。

 

2009年11月 7日 (土)

【保険金】 保険金受取人の親権者が被保険者の殺害に関与していたとしても、保険金受取人自身と同一に評価できる者の故意行為によって発生した場合と認めることができないとして、保険会社の免責を認めなかった事例 名古屋高判平成21年4月24日

 判例時報No2051号(平成21年11月1日号)で紹介された名古屋高裁平成21年4月24日判決です。

 保険会社は、被保険者Aの死亡には、受取人Xらの親権者である元妻Bが関与しているとした上、Bによる保険事故の招致は、保険金受取人であるXの行為と評価すべきであるとし、保険金受取人の故意として、免責されるべきであると主張しました。

 本判決は、

 保険事故が、第三者の故意行為により発生した場合でも、その第三者の行為が保険金受取人の行為と評価できるときには、免責条項の適用の余地があるが、

 Xらは、いずれも学齢に達し、保険金の受取人が自分達であることが認識できるし、XらがAとともに日本で生活していた者であることからすると、

 保険金の実質的取得者がBであるとまでは認めがたく、また、Bの行為をXらの行為と同一に評価することはできない

 AがXらのことを考えて保険契約を締結したものであることからすると、Xらによる保険金の受取りを否定することは、Xらの利益を著しく侵害するものであって相当とは認め難いと判断し、

 Yらの免責の主張を排斥し、1審判決を相当として、Yらの本件控訴を棄却しました。

 最高裁に上告受理申立がされています。

 ただ、BがAの殺害に関与していたという事実はどのようにして証明されるのでしょうか? 

 

 

2009年11月 5日 (木)

【金融・企業法務】 風評損害・経済的損害の法理と実務 民事法研究会

 升田純中央大学法科大学院教授(元判事・弁護士)による書籍です。

 風評損害・経済的損害の法理と実務という内容の書籍で、平成21年9月17日に発行されました。

 田舎弁護士でも参考になる裁判例がいくつか紹介されていました。

 [37] 信販会社、信用情報管理業者の履行遅滞に関する虚偽の情報提供による信用損害を認めた事例(大阪地判平成2年7月23日)

 正確には、信販会社に対してのみ、信用情報を提供するにあたっての配慮義務違反の債務不履行を求め、慰謝料等として、金11万円の賠償を認め、信用情報管理業者に対しては、登録情報が不利益であるときの通知義務はないとして、請求を否定しました。

 [102] 賃貸人の新建物の建築、再入居の提案に応じて旧建物を明け渡した賃借人が、新建物への入居を拒否されたことによって生じた借家権喪失、営業上の逸失利益の損害を認めた事例(東京地判平成8年5月9日)

 この判決は、借家権喪失の損害として、1380万円、3年間の営業上の逸失利益として、1422万3534円、引渡遅延(約4ヶ月)による営業上の逸失利益として、189万9019円を、相当因果関係のある損害として認めたものです。

 この種のトラブルは、[103] の判例でも紹介されています。

 [125] 銀行から正当な定期預金の解約等を受けた顧客の銀行に対する抗議のビラ配布等による損害賠償責任につき、営業妨害の損害を認めた事例(東京地判平成11年7月1日)

 名誉毀損行為として、慰謝料100万円の賠償が命じられています。

 [127] パチンコ店の開業規制を定める法律を利用した同業者の営業妨害活動によるパチンコ業者の逸失利益等の損害を認めた事例(札幌地判平成14年12月19日)

 パチンコ会社が、パチンコ店の開業を計画し用地を取得し、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づき許可申請を行いました。ところが、同業者Yが、用地から50メートル以内に保有していた土地を児童遊園として、社会福祉法人に寄付し、同法人が児童遊園の設置の認可を受けたことから、北海道条例によって、新規にパチンコ店の許可を得ることができなくなった案件です。

 裁判所は、約10億414万円という巨額の損害賠償額を算定しました。

 なお、[128]には、控訴審、上告審の経緯などが紹介されています。

 控訴審では、なんと逆転敗訴となっていたようですが、最高裁では、再び、不法行為を認め、札幌高裁に差し戻しているようです。

 筆者は、このように注意を喚起しています。

 「この事案のような類型の営業権侵害の事例は、企業法務の実務上、伝聞、噂話として聞くことがあり、効果的な競争排除の方法とか、効果的な反対運動の方法と位置づけられていたようであるが、裁判例の公刊物として公表されているのは稀な事例である。法令の規定を利用して同業他社の事業の進出を妨害したり、反対運動の1つの手段として使用することは、法令の規定が裏付けになるものであり、事情によっては、効果的な方法であるということができるが、その目的、手段、時期によっては、違法な方法として評価される可能性がある。また、不法行為にあたることもありうることから、注意が必要であり、この判決は、そのような注意を喚起する1つの事例である。」(同書P415)

 私も、このような話を、伝聞、噂話として聞いたことがあります。その時は、「へえ」と心の中で思いましたが、やはり大きな問題が生じうる手法のようですね。

 なんせ、第1審では、賠償金が10億を超えていますから。怖いですねえ。

2009年11月 4日 (水)

【金融・企業法務】 銀行法務21 11月 銀行における投資信託・保険商品販売時の法的留意点

 銀行法務21・11月号で掲載された記事です。

 そういえば、最近、めっきり寒くなりました。裁判や打ち合わせに追われるような生活をしていますが、油断をすると、風邪を引きやすいので、健康管理には留意しています。

 さて、銀行における投資信託・保険商品販売時の法的留意点というテーマの記事です。

 銀行窓口における、投資信託や保険商品の販売に関しては、投資信託については平成10年12月から、保険商品については、平成14年10月の個人年金保険等の解禁に始まり、平成19年12月には全面的に解禁されていることについては、ご承知のとおりです。

 顧客に対する説明義務について、投資信託の場合と保険商品の場合とに分けて説明されていました。

 投資信託の場合

 金販法3条で、「理解されるために必要な方法および程度による」重要事項を説明義務する義務があります。

 金商法37条の3で、「理解されるために必要な方法および程度による」契約締結前交付書面の交付が義務づけられています。

 保険商品の場合

 保険業法300条 重要事項説明義務

 特定保険契約に関しては、契約締結前交付書面の交付

 意向確認書面の作成(金融庁の保険監督指針)

2009年11月 3日 (火)

【交通事故】 脳脊髄液減少症の判例と実務 杉田雅彦著 民事法研究会

 脳脊髄液減少症の判例と実務 (民事法研究会)

 平成20年4月20日に発行された書籍です。随分前に入手したのですが、手に入れたころは、脳脊髄液減少症の依頼事件はなかったため、後回しにして、「積ん読」しただけでした。

 最近、久しぶりに脳脊髄液減少症の交通事故「被害者」のご相談を受け、幸いにも、弁護士費用特約も付保されている案件であることから、近い将来、提訴も視野に入れることを希望されているため、「裁判の仕事の合間に」少しずつ読んでいくことにしました。

 そういえば、数年前に、市役所の無料法律相談で、テイズイについての相談を受けたことがありました。相談者からは、弁護士の中には、「テイズイ ?」という方もおられるとかで、大変困っておられました。

  第1章 脳脊髄液減少症とPTSD

 論者は脳脊髄液減少症事案がPTSD事案と同様の経緯を辿るのではないかと予想されています。

 第2章 篠永正道医師らの見解

 「篠永医師らの主張する脳脊髄液減少症は、従前の一般的低髄液圧症候群の概念を拡大しようとしているものである」と説明しています。

 第3章 篠永正道医師らの見解に反対する見解

 反対論者である吉本智信医師、大谷清医師、馬場久敏医師、遠藤健司医師の見解を紹介し、その後に、脳脊髄液減少症支持者である喜田村医師、竹下医師、美馬医師の見解についてコメントを示した上、著明な法律家である藤井弁護士、溝辺弁護士、加藤弁護士、羽成弁護士の見解を紹介しています。

 第4章 脳脊髄液減少症に関する法律家的疑問点

 筆者の疑問点を25にまとめて提起しています。脳脊髄液減少症は、仮説ではないかと大きな疑問を投げかけています。

 第5章 「脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)」肯定判決の考え方

 福岡地裁行橋支判平成17年2月22日判決、鳥取地判平成18年1月11日、福岡地裁小倉支判平成18年12月13日については、筆者から大きな疑問が出されています。他方で、横浜地裁平成20年1月10日判決については、「従来の低髄液圧症候群ではないか」と論評されています。

 第6章 「脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)」否定判決の考え方

 福岡高判平成19年2月13日判決、東京地判平成19年11月27日、東京地判平成20年2月28日判決が、否定判決の中でも特に重要です。

 第7章 脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)裁判の総括的状況分析

 第8章 医学会(界)の動向

 脊椎脊髄ジャーナル19巻15号、関連学会等の動向について解説されています。

 第9章 脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)に対する国の対

 公明党さんが熱心みたいです・・・

 第10章 脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)とマスコミ報道

 「脳脊髄液減少症否定判決が多いのに、否定の判決はほとんど報道されていないのは不思議である。これもPTSD報道の場合と似ている。このようなマスコミ報道の姿勢に惑わされてはいけない」

 第11章 脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の損害賠償の範囲

 脳脊髄液減少症についての裁判例の多くは否定判決であるため、患者サイドに厳しい内容の判決が少なくありません。神経症状事案として後遺症が認められたとしても、最低級の14級止まりで、逸失利益の喪失期間も制限的に判断されているばかりか、EBPの治療費を否定したり、素因減額を理由に大幅減額されているケースもあるようです。

 この書籍は、むしろ、テイズイについては、消極的な判断をされている弁護士の方によるものなので、被害者側の立場では、読めば読むほど、その立証の壁に突き当たってしまいます。 

« 2009年10月 | トップページ | 2009年12月 »

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

書籍紹介(労働・労災)

無料ブログはココログ