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2009年9月 6日 (日)

【消費者法】 利息制限法超過の金利の収受行為が不法行為にならないなんて 平成21年9月4日最高裁第二小法廷

 過払い利息の起算点については、最高裁第二小法廷の判決は、最高に良かったのですが、同じ日に出された同じく第二小法廷の判決(最高裁平成21年9月4日)は、最低でした。

 最高裁のHPにも紹介されています。

 事案は、取引が2つある事案で、①昭和55年11月から平成9年1月までの取引は、過払金が約116万円が発生していますが、②平成16年9月から同19年1月までの取引は、利息制限法で引き直しても負債が残るというケースです。

 このようなケースの相談は、よくあります。うん うん 

 当然、サラ金の方は、①取引については、消滅時効を援用するため、借り手の方は、どうしても、争い方は、(1)一連取引だとか、(2)①取引については不法行為とか、(3)少し法律構成をひねって、相殺などとの主張を行うことがあります。

 今回の最高裁判決によって、(2)の①取引については不法行為という主張は事実上封殺されたことになります。coldsweats02 weep crying

 ①取引は、昭和55年11月から始まっているので、貸金業法施行前の取引で、みなし弁済の適用がない事案であり、高松高裁では、不法行為を認めていた案件です。なお、高松高裁の判決は、私が関与した事案でした。

 貸金業法施行時点ですでに過払い金が発生した事案の場合には、不法行為が成立する可能性はあるとは思いますが、当該時点での過払い金の金額はそれほど大きくならないのではないかなあと思います。

  最高裁は、

 不法行為を構成するのは、上記請求ないし受領が暴行、脅迫等を伴うものであったり、貸金業者が当該貸金債権が事実上、法律的根拠を欠くものであることを知りながら、又は通常の貸金業者であれば容易にそのことを知り得たのに、あえてその請求をしたりしたなど、その行為の態様が社会通念に照らして著しく相当性を欠く場合に限られる

 と判示しました。

 この最高裁の判断により、多くの事案では不法行為が成立することは考えられないため、不法行為構成の目的、即ち、取引終了して10年を経過した過払金については、請求をすることが困難になりそうです。

 今後は、不法行為構成は減って、相殺構成が多くなるのではないかと思いますが、どうでしょうか?

 私の記憶だと、相殺構成は、横浜地裁などで数例あったと記憶していますが、この種のケースにおいて自動債権(過払い金)の認識がない点がサラ金側から反論されていたかと思います。

 なお、原審の広島高裁でも、不法行為構成は否定されています。上告が受理されたことから、逆転かな?と思われるような経緯を辿っていますが、結果は残念なことになっています。この判決の悪影響は、極めて大きいでしょう。

 この最高裁判決が出たことから、これまで不法行為を認めてくれていた裁判所の判断が大きく異なるようになるでしょう。

 そうなると、古い取引で生じた過払金が、本当に、もったいないですね。

 じきに、判例雑誌に登載され、解説がのると思いますので、よく研究してみたいです。  

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コメント

何時も拝見しております。相殺できる案件ですよね。(第二取引残債務有り=受働債権)

先生の詳しい分析記事を、待っています。

何度も申し訳ありません。
第一取引過払金が、時効成立と、判示された今時点でも、
別訴で、相殺可能だと思います。(509条・505条・506条)
今回の、一審原告を救済可能だと思うのですが……。

1 相殺の趣旨から考えると、相殺適状時に対立した債権の認識が必要と考え方もあるようで、なかなか難しいところもあります。

2 とはいっても、以下の判例のように、相殺を認めた判例もありますが、理屈の問題もあり、横浜地裁の判断のように借り手側にたつような判断を、すべての裁判所がしてくれるとは限りません。
 http://www.hyogoben.or.jp/hanrei/hanreihtml/080905.html

http://www.hyogoben.or.jp/hanrei/hanreihtml/080331.html

 ただ、すべての裁判所が横浜地裁の裁判官の考え方を採用するよう努力していく必要はありますので、今まではわき役的な論点だった相殺を本格的に勉強していく必要があります。

田舎弁護士さま、ご回答有難うございました。
いつも、有意義で解り易い説明で助かっています。
引き続き、楽しみに記事更新を待ちます。

何度も申し訳ありません。
田舎弁護士先生に、ご意見伺いたいのですが

最高裁平成19年2月13日判決
【第2の貸付けの以後であっても】第1貸付け過払い金の存在を知った借主は、
不当利得としてその返還を求めたり、第一貸付け過払い金の返還請求権と第二の
貸付けに係る債権とを【相殺】する可能性があるのであり……
【第2の貸付けの以後であっても】とは、リアルタイムで相殺適状時点で
借主が存在(自働債権の)を知らなくても…

と読めるのですが、拡大解釈過ぎるでしょうか?
時間の許す時で、構いませんので、ご解答をお願いします。
お邪魔しました。 失礼します。

判決文中
「貸金業者が当該貸金債権が事実上、法律的根拠を欠くものであることを知りながら、又は通常の貸金業者であれば容易にそのことを知り得たのに、あえてその請求をしたりした」
これって悪意の受益者該当要件ではないでしょうか?
また、判決では
「この理は,当該貸金業者が過払金の受領につき,民法704条所定の悪意の受益者であると推定される場合においても異なるところはない。」としています。
そして当時のみなし弁済解釈が、下級審最高裁共にはっきりしていなかったから、不法行為には当たらないと判断しています。
しかしながら当時の解釈云々は、これまで貸金業者が散々主張してきたものであり、最高裁はそれらを否定してきたのです。

そうであるのだから
悪意の受益者該当ならば不法行為にも該当。
悪意の受益者否定ならば不法行為も否定。
こういう論理の方がすっきりするのではないでしょうか。
尚、私は貸金業法22条=告知義務(みなし弁済不成立を知っていたのだから法定利率経過での債務消滅が22条の債権証書返却時)
から不法行為を主張しました(負けましたが)。

悪意受益者と不法行為は、相当な部分が重複しているんだと、思います。
しかし、悪意の受益者と推定されているが、それは書証(17・18条書面を)を指し示して
有効なみなし弁済である事を、抗弁・立証できない事による
真実犠制に依るものであり、現実に『法律上の原因が無いと知っていたとまでは言えない』

真実犠制で、立証不能な側に、不利益を負担させているに過ぎない。
借主側の立証により、貸主に悪意(知りながら)が存在する。と認容されたものでは無いと思います。

附則6-1 旧貸金業法施行前の契約なら、『みなし弁済』自体が存在しないのですから、
当然悪意受益者と推定ではなく、【断定】できる。
それが、高松高裁の田舎弁護士先生関与案件の論旨だった。と理解しているのですが。
今回はさらなる、条件の限定をした。『契約締結だけでなく、元本消滅まで、旧貸金業法施行前に、存在する事』
若しくは、刑法犯罪である、暴力 強要などが存在する事。

感情論では、貸金業者の行為は、不法行為だと思うし私自身も、不法行為での個人提訴者です。
ただ、訴訟の原則として、PL法等を除き、不法行為構成は、【被害者側】に立証責任があります。
なので、真実犠制での、推定ではなく、【断定】が必要なんだと思います。

旧貸金業法施行前に、元本消滅が、構成要件として必要だ。という部分には、
予見可能性・回避義務違反という論点での、反論の余地があるように、感じています。

例え、旧貸金業法施行【後】に元本消滅した案件でも契約しただけで、
みなし弁済規定が存在しないのであるから、貸金業者なら、
当然に元本消滅の予見は容易に可能だった。そうすると、不作為の回避義務違反が存在する。

 これ相手方がどこだったか気になっているのですが、情報ありませんねぇ。

 書面がしっかりしていて平成18年で最高裁判決が出るまで43条の主張がまかり通っていた業者(ないしこれに準じる業者)相手なら、むしろ希望が持てる判決であるのですが。

 なお、相殺については、第二取引に残高がある場合、相殺して0という判断はオーケーなのですが、差し引き計算分が不当利得、との判断はなかなか裁判所はしてくれません。順次充当(=相殺)の計算も一顧だにしてもらえなかったな・・・。

第一取引過払い金が、第二取引の借入債務より、大きい(多額な)場合、
相殺しきれずに、差し引きで残りますね。その残余については、
【時効消滅する】っていう理解で、間違いないですかね?
508の適用になった場合は、そうなるのかな?と。

第二取引開始の初回貸付金債務で、相殺しきれない案件で、
後発の貸付金債務で、順次相殺という事例は、『田舎弁護士さま』
のご紹介下さった、横浜以外に、水戸地裁で2例あったのですが、
いづれも、『第一取引過払い<第二取引借入金債務合計』
で、順次相殺(相殺適状から10年以内)で残余無しに(結果、以降第二取引借入金債務=不当利得)なってました。
コメント欄で、数々失礼な振る舞い、申し訳ありません。

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