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2009年9月 2日 (水)

【建築・不動産】 第2弾 住宅瑕疵担保履行法セミナー講演録 

  平成21年8月16日、愛媛新聞社主催で行われた住宅瑕疵担保履行法のセミナーの講演録(同社住宅公園パル)ができあがりましたので、今後の参考のため、アップしておきます。皆様の参考になれば嬉しく思います。

                    記

1、ただいまご紹介に預かりました弁護士の寄井真二郎です。
  大変暑い中、また、「住宅瑕疵担保履行法セミナー」というさらに暑くなりそうなセミナーに参加していただき、大変ありがとうございます。
  今日、セミナーに参加されている方は、近々、住宅を購入されようとしている方だと思います。  私も自宅を購入する際に心配したことがあります。 それは、ひょっとして、欠陥住宅だったらどうしょう。欠陥住宅を売りつけた業者が夜逃げしてしまったらどうなるのだろうか?

 欠陥住宅って、まさか自分にはと思う方もおられるかも知れません。

  しかし、私が法律相談の中で増改築含めて欠陥住宅の相談は、決して少なくありません。中には、些か神経質ではないかと思われる相談もありますが、地盤が沈下してそのため床が傾いて、五角形の鉛筆が転がるような家の相談もありました。 

  今回のセミナーは、欠陥住宅だったとしても、構造や雨漏り防止部分という重要な部分に欠陥があった場合には、消費者を保護するための法律ができましたので、今回は、その法律の概要について説明させていただくことになります。

  また、本日は、国土交通省から、住宅瑕疵担保履行法の担当官の四反田さんもお見えになっておられます。個別の質問については、四反田智裕さん(国土交通省住宅局住宅生産課)から、わかりやすい解説を頂戴できればと思います。

  では、早速、レジュメに沿って、住宅瑕疵担保履行法の概要について、説明させていただきます。
 
 
2、P1をご覧下さい。

□住宅瑕疵担保履行法の名称にある「瑕疵」とは、本来あるべき性能がないことであり、住宅でいうと、耐震性や防水性など、本来住宅が持つべき性能がないことを意味します。
 
□住宅瑕疵担保履行法ができた背景には、住宅の瑕疵の問題が生じていたことが挙げられます。すなわち、平成10年ころに、秋田県の第三セクターが建設した住宅に欠陥が続出した、いわゆる「秋田県木住問題」が発生しました。平成17年には、構造計算書偽装問題、いわゆる姉歯問題が発生しました。 同時期に、戸建て住宅のフランチャイズメーカーで たいりょくかべ(構造上重要な壁)の量が足りない住宅が、数百戸判明するという事件がありました。また、直接の売主や請負主ではありませんが、建材メーカーが耐火建材の試験データーをごまかして認定を受けていたという事件がありました。これらは、新聞などで大きく取り上げられたものです。しかし、これ以外にも、雨漏りや建物の傾きといった欠陥住宅の事例は少なくありません。
   
   
3、P2をご覧下さい。

□ 欠陥住宅問題に対応した制度としては、今から9年前の平成12年4月にスタートした住宅品質確保法という法律があります。この法律では、それまで事業者によってまちまちであった瑕疵担保責任期間(いわゆる保証期間)ですが、構造と雨漏り防止部分については、最低でも10年を義務づけました。これにより、消費者に不利な契約、例えば期間が短かったり、内容が限定されていたりしたら、そのような契約は無効になりました。

   
□ 構造や雨漏りの防止部分というのは、具体的には、構造については、柱や梁、基礎、土台といった、地震や建物の重さに対する強さの部分、雨漏りの防止は、屋根や壁、窓のサッシといった雨水が室内に入ってくるのを防ぐ部分です。   

4、P3をご覧下さい。

□ この住宅品質確保法によって、建物を建てたり売ったりする者には、瑕疵担保責任、つまり保証責任があります。しかし、姉歯問題では、保証責任のある不動産会社、つまりヒューザーは倒産してしまいました。その結果、補修や損害賠償が出来ない、つまり責任が果たせず、そのつけは、買い主に廻ってきました。 買主は、欠陥住宅のローンを抱えながら、自らの負担で、建て替えや補修を行うということになりました。
   
□ こうした姉歯問題を教訓に、事業者が倒産しても消費者につけを廻さない仕組みについて政府や国会で議論が行われました。
その結果、万が一、事業者が倒産したりしても、消費者が負担しなくてもいいように、予め住宅事業者に補修費用を確保させておくための法律が成立しました
 これが、本日、ご説明する住宅瑕疵担保履行法です。

  住宅瑕疵担保履行法が成立したのは、平成19年の5月です。そして、準備期間を経て、今年の10月1日から本格スタートします
 
 
  5、P4をご覧下さい。

□ この住宅瑕疵担保履行法のポイントは、住宅事業者に保険に加入するか保証金を供託するか、いずれかを義務づけていることです。つまり、万が一、瑕疵つまり欠陥が見つかった場合、事業者が倒産しても、保険金や供託金が支払われ、その範囲で、補修費用をカバーする内容になっています。対象住宅は、新築住宅です。建ってから1年以内で、まだ人が住んでいない住宅をいいます。そして、平成21年10月1日以降に引き渡される新築住宅ですから、これから住宅を取得される方は、まず、この法律の適用を受けることになります。
 
□ この保険や供託の申し込みを行うのは、消費者に住宅を引き渡す事業者です。消費者は手続を行う必要はありません。注文住宅の場合は、工務店やハウスメーカーです。建売住宅やマンションといった、分譲住宅の場合は、その住宅を販売する宅建業者です。但し、業者は保険料の支払いや供託金を預けることになりますが、その負担は、例えば、保険料については、同額の金額の請求を事業者から受けることになろうかと思います。
 
  6、P5をご覧下さい。

□次に、保険と供託が、どのような仕組みになっているのか、説明します。まず、保険からです。保険は、事業者が住宅専門の保険会社(保険法人といいます)に工事の前に申し込みます。保険法人は、現場検査を行った上で、保険を受け付けます。万が一、事業者が倒産したりして、欠陥を補修できない場合には、消費者は、保険法人に対して補修費用を請求できます。最大で2000万円まで支払われるので、殆どの欠陥はカバーできると言われています。

  お手元の漫画の小冊子13頁のQ4に、補修費用の他、一定範囲の修理のための調査費用や工事中の仮住まいの費用等も対象となります。但し、戸建て住宅の場合であれば、免責金額として10万円とされています。また、ご心配であれば、3000万円、4000万円、5000万円のオプションも用意されているようです。ただし、保険料は高くなります。   
   
□事業者が保険に加入しているかどうかは、契約時に書面の記載をすることになっているので、契約書をよくご確認下さい。お手元の漫画小冊子の13頁のQ6をご覧下さい。 保険加入の流れが、わかりやすく記載されていいます。 また、住宅の引渡時には、どこの保険に入っているか、限度額はいくらか、といった証明書も忘れずに受け取って下さい。

 万が一、事業者が保険に加入し忘れた場合でも、引渡前であれば、保険加入は可能です。ただし、工事中や完成後に加入する場合には、保険料が割高になりますので、基本は着工前の申し込みとご理解下さい。
   
 
7、P6をご覧下さい。

□住宅専門の保険会社である保険法人は、国土交通大臣が指定し、きちんとした業務を行っているかを監督します。現時点では、㈱住宅あんしん保証、(財)住宅保証機構、㈱日本住宅保証検査機構、㈱ハウスジーメン、ハウスプラス住宅㈱の5つの法人です。
 保険法人の所在地や連絡先については、お手元の漫画の小冊子16頁で紹介されています。
  保険料などについては、各社によって異なっております。詳しいことは、各社のHPをご覧下さい。
 
□また、保険に加入している住宅を購入した方で、事業者との間で紛争があった場合には、各地の弁護士会におかれた住宅紛争審査会を利用できます。住宅紛争審査会では、あっせんや調停・仲裁といった手続を、全部の費用が、1万円で利用できます。
 あっせんは、第三者が間に入り、双方の意見を聞いたり整理をしながら双方の理解をもって、当事者同士での円満な解決を目指す方法です。
調停は、第三者が間に入り、双方の意見を聞いたり整理をしながら、円満に和解させるための解決案を作成し提示します。解決案の実行には、当事者同士の承諾が必要です。
仲裁とは、第三者が間に入り、円満に和解させるための判断を下し、解決案を出します。あっせん、調停と異なり、事前に当事者間で仲裁に付する旨の合意が必要で、出された解決案が最終判断となります。

 愛媛では、愛媛弁護士会住宅紛争審査会があっせんや調停・仲裁という手続を行うことになります。連絡先や所在については、漫画小冊子に記載されていますので、必要な時にご確認下さい。
 
  保険でなく、供託対象の住宅の場合には、住宅紛争処理審査会に申請することはできません。供託対象の住宅で、審査会への申請を行うことができるようにするためには、住宅品質確保法に基づいた住宅性能表示制度の利用が必要になります。愛媛では、株式会社愛媛建築住宅センターが住宅性能表示制度の業務を行っています。私事になりますが、私も、今年、住宅を取得しましたが、愛媛建築住宅センターから性能表示書をいただきました。「いきなり紛争処理はちょっと」という方には、住宅紛争処理支援センターが相談を受け付けております。電話番号は、お手元の漫画の小冊子の最後の頁に記載されています。
 
8、P7をご覧下さい。

□もう一つの仕組みが、供託制度です。供託は、保険と異なり若干わかりにくい法律用語ですが、事業者が、万が一の時に備えて、お金を、法務局に預かってもらっておくということです。供託では、事業者は、新築住宅の供給実績に応じて、半年ごとに一定額を法務局に預けます。万が一、倒産した場合には、この法務局に対して、消費者は必要な費用の還付を請求できます。但し、事前に、国土交通大臣が確認を行います。具体的なことについては、お手元の漫画小冊子11頁を後で確認下さい。

  ただ、中小の事業者では、供託金の負担が大きいため、保険制度を利用されることが多いと思われます。例えば、お手元の漫画小冊子15頁の問い8をご欄下さい。100戸供給実績のある事業者の場合、1億円を供託しなければなりません。保険だと、お手元の漫画小冊子13頁の問い4で少し記載されていますが、戸建て住宅で6~8万円程度とされているようです。
 
□事業者が供託をしているかどうかは、保険と同じように、契約時の書面に記載することになっているので、契約書をよく確認下さい。

 それから、注意していただきたい点があります。供託は、半年ごとに実績に応じて行われますので、供託前に事業者が倒産してしまうと、保証を受けられない場合があります。基準日の3月31日と9月30日以前でも前もって供託することは可能なので、事業者に「いつ供託するのか」「既に供託しているのか」「いくら供託するのか」といったことをよく確認しましょう。
 
 
9、最後に

 最後に、まとめさせていただきます。 住宅品質確保法で、事業者は、構造部分や雨漏り部分の瑕疵担保責任を、10年は負うことになりました。

 ところが、瑕疵担保責任を負っている事業者が倒産してしまうと、結局、被害者は泣き寝入りを強いられました。

 住宅瑕疵担保履行法は、事業者が倒産してもきちんと補修が受けられるようにしたものです。そして、その方法として、保険制度と、供託制度の2つの制度が用意されました。

 立法の書き方としては、供託が原則になっていますが、供託と保険のどちらが望ましいというわけではありません。供託又は保険のいずれかによっても、資力確保がなされ、同様の消費者保護が図られる仕組みにはなっています。どちらを選択するかについては、事業者のそれぞれの判断に基づき選択されることになります。

 また、ご説明申し上げたように、住宅瑕疵担保履行法は、全ての住宅に適用されるものではありません。例えば、中古住宅や、新しくても工事完了日から1年を経過した建物には適用がありません。
   
 今回、セミナーにご出席されている方は、新築住宅の取得を希望されている方が多いのではないかと思いますが、供託のように、供託する前にその会社が倒産してしまった場合には、補償を受けることができません。住宅瑕疵担保履行法は、あくまで欠陥住宅だった場合の事後的な救済の措置です。欠陥住宅をできるだけ取得しないという予防的な措置を講ずることが大切だと思います。
 

 欠陥住宅を掴まされないようにするためには、信頼のおける工務店、評判の高い工務店に依頼されることも大切です。
 

 それに加えて、第三者機関によって作成される住宅品質確保法に基づく住宅性能評価書を得ておくということも重要だと思います。
  業者に対して、住宅性能評価書の話をしてみて下さい。
  嫌がるようであれば、怪しい業者かもしれません。
 

 そして、万が一、欠陥住宅を掴まされた場合に備えて、きちんと保証を受けられるよう、保険加入しているか、或いは、供託をしているのか確かめてください。
 
 以上、ごく簡単ですが、住宅瑕疵担保履行法の概要について説明させていただきました。

 重要なことは、お手元の漫画小冊子に全て記載されていますので、新築住宅を取得されましたら、この冊子だけを保管していただき、万が一の時には活用していただければと思います。

 ご静聴ありがとうございました。

                                  以上です

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