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2009年9月30日 (水)

2009年度新司法試験合格者 中大2位

 9月25日付け中央大学学員時報が送られてきました。

 第1面には、今回の衆議院選挙で、中大出身の議員が19名誕生したとの記事が大きく載っていました。民主党出身がかなり多いですね。

 私のゼミの友達で、2回ほど民主党公認で国政選挙に出馬したのがいますが、今回は何故か出馬しておらず、大変残念です。

 それと、2009年度の新司法試験合格者上位15校(合格者数)についての記事も載っていました。中大らしい記事ですが・・・・

 第1位は、東大で、合格者数216名 合格率約55%

 第2位は、中大で、合格者数162名 合格率約43%

 第3位は、慶大で、合格者数147名 合格率約46%

 第4位は、京大で、合格者数145名 合格率約50%

 第5位は、早大で、合格者数124名 合格率約32%

 第6位は、明大で、合格者数96名  合格率約31%

 第7位は、一橋で、合格者数83名  合格率約62%

 第8位は、神戸で、合格者数73名  合格率約49%

 第9位は、北大で、合格者数63名  合格率約40%

 第10位は、立命館で、合格者数60名 合格率約24%

 法科大学院間の格差も深刻で、上位10校で合格者の57%を締める。全体の合格率は、約27%です。

 全体的な印象としては、結局、旧司法試験の上位校が、新司法試験の上位校に名前を並べている印象を受けました。

 また、上位10校でも、合格率は、7位の一橋が約62%、10位の立命館が約24%とかなり開きがあります。

 ただし、旧司法試験時代と比べると、早大と上智大学(14位)、同志社大学(13位)に元気がありません。神戸大学は、上位10校の常連校となっており、阪大(11位)よりも、よい成績を残しています。

 旧司法試験では、晩年は、中大は5位に低迷していたことを考えると、今は東大に次に2位を確保しているので、「法科の中央」は一応面目を保てていると思います。

 また、一時期、神戸大学の大学院に在籍していた身としては、神戸大学の躍進もうれしいものがあります。

 

2009年9月29日 (火)

ネットスーパー

 ネットスーパーについては、1年くらい前に、TVで取り上げられていたことがありましたが、楽天市場で、生まれて初めて、直接、ネットスーパーを目にすることがあり、ここまで時代がすすんだのかと思い、少し驚きました。

 楽天市場では、紀ノ国屋のネットスーパーでしたが、インターネットで調べてみると、イオンなどたくさんのスーパーがネットスーパーを手掛けていることを知り、二重にびっくりしました。

 スーパーマーケットネットショップ比較というサイト、ネットスーパー比較ガイドというサイト、全国のネットスーパーを比較しようというサイトもあり、見ていてあきがきませんでした。

 イオンショップ

 イトーヨーカドー 

 確かに、スーパーを訪ねなくても商品を購入できるため便利ではありますが、手に取りながら買い物を楽しむということはできなくなるため、私にとっては、一長一短です。

 現在のところは、多忙な兼業主婦や独身サラリーマン向きかもしれません。

 弁護士の法律相談も、ネット法律相談というのが、当たり前になるかもしれませんね・・・

2009年9月28日 (月)

【交通事故】 低髄液圧症候群と高次脳機能障害が否定された事例 神戸地裁平成21年6月24日判決

 交通事故判例速報No518(H21・8)号で紹介された神戸地裁判決です。

 私も似たような案件を「加害者」側でいくつも抱えていますが、「被害者」の方は、精神的肉体的な苦痛が大きいためか、解決を要するのに5年位かかる場合も少なくありません。

 神戸地裁平成21年6月24日判決の事案は以下のとおりです。

 平成15年12月23日、交通事故発生。

 本判決が認定した事故態様は、緩やかな下り勾配の道路でX車両が信号待ちで停止していたところ、X車両の後方で一旦停止したYが、車内に落ちたものを拾う際にフットブレーキを踏んでいた足が浮いてしまい、X車両に衝突したという「軽微な」追突事故です。

 Xは、本件事故によって低髄液圧症候群を発症したとして長期間の入通院をしながら、度々Y宅に訪問して長時間自らの症状を訴えました

 そのため、平成17年12月5日、YがXに対して、債務不存在確認訴訟を提訴しました。

 約1年経過した平成18年12月14日、XがYに対して、損害賠償請求の反訴を提訴しました。

 Xについては、平成20年7月29日を症状固定日とする後遺障害診断書が作成されており、同年12月18日には、自賠責から14級10号の等級認定が出されています。

 また、平成21年2月24日に作成された診断書では、Xに高次脳機能障害の疑いがあると指摘されていました。

低髄液圧症候群については以下のとおりです。

Xが主張する低髄液圧症候群を裏付ける医証としては、A医師の意見書とB医師の診断書です。

 A医師の意見書については、裁判所は、①篠永正道医師らが提唱する脳脊髄液減少症ガイドライン2007とも全く異なるものであり、医学的知見として確率したものであるかどうか疑問であること、②A医師がXに低髄液圧症候群が発症していると判断した各根拠がいずれも低髄液圧症候群の発症を根拠づけるものではないことを理由に、A医師の意見書は根拠にならないとしました。

 B医師の診断書については、脳脊髄液減少症ガイドライン2007を基準とはしているものの、現時点で、脳脊髄液減少症ガイドライン2007を基準として脳脊髄液減少症の有無を判断することには躊躇を覚えざるを得ないとして、B医師の診断書も根拠にはならないとしました。

 結局、裁判所は、突発性低髄液圧性頭痛についての国際頭痛分類による診断基準(ICHD-Ⅱ)の診断基準にXの症状をあてはめ

 ①座位又は立位で増悪する頭痛を認めるに足りる資料がないこと

 ②低髄液圧症候群を示す画像上の資料もないこと

 ③座位髄液初圧が60㎜水柱未満であったことを認めるに足りる証拠はないこと

を根拠に、Xには低髄液圧症候群が発症していなかったと判断しました。

 なお、Xの診療録には、硬膜外自家血注射によって、Xの症状が改善したとの記載もありましたが、裁判所は、①そもそも起立性頭痛が認められていないこと、②硬膜外自家血注射による治療効果を期待して診療を受けたXにとっては、硬膜外自家血注射を行ったこと自体の心理的効果(プラシーボ効果)によって、症状の改善を期待できることを指摘して、硬膜外自家血注射後に症状が改善したとしても、これによって直ちにXが低髄液圧症候群であるとすることはできないと判断しました。

 →「プラシーボ効果」という用語は初めて知りました。

 

 高次脳機能障害についても、典型症状と診断基準の一般的基準を示した上、本件事案にあてはめた上、否定しました。

 まず、高次脳機能障害の典型症状については、脳外傷後の急性期に始まり、多少軽減しながら慢性期に続く、①認知障害(記憶・記銘力障害、注意・集中力障害、遂行機能障害等)、②行動障害(周囲の状況に合わせた適切な行動ができない、複数のことを同時に処理できない、職場や会社のマナー、ルールを守れない、話の要点を相手に伝えられない、行動を抑制できない、危険を予測して回避行動をすることができないなど)、③人格変化(受傷前にみられなかったような自発性低下、衝動性、易怒性、幼稚性、自己中心性、病的嫉妬、強いこだわりなど)であるとした上で、Xには、認知障害、行動障害、人格的変化が生じたとまで評価することはできないとして、Xに高次脳機能障害の典型的症状が認められないとしました。

 次に、高次脳機能障害の有無の判断基準については、(1)脳外傷による高次脳機能障害は、意識消失を伴うような頭部外傷後に起こりやすい、(2)経時的な画像資料を通して脳室拡大、脳萎縮等の有無を確認することが必要であるとの一般論を指摘した上で、本件事故後にXに意識消失等の意識障害があったと認めるに足りる証拠や、高次脳機能障害と判断できるに足りる画像資料がないから、Xは高次脳機能障害の診断基準を満たしていないと判断しました。

 症状固定時期についても、A医師の診断書は平成20年7月29日と記載していましたが、裁判所は、この診断書はXに低髄液圧症候群が発症していることを前提にするものであるから、この診断書に記載された日を症状固定日とすることはできず、Xの診療録上の主訴などを総合考慮して、平成17年8月末としています。 なお、この日は、Yが任意保険会社を通じて支払った治療費の終期と一致しています。

 

 素因減額については、平成15年12月から平成17年8月までの治療費につき、減額を認めませんでした。ただ、症状固定までの期間が長いことから、1割程度の減額はあってもいいのではないかとは思いました。平成17年9月以降の治療費は否定されているようなので、全体のバランスをとられたのかもしれません。

 

 このような経緯を辿る事案は少なくないことから、参考になる裁判例だと思います・・・

 

2009年9月27日 (日)

「笑って覚える商業専門用語辞典」、「用語革命小売りのことば」

 現在、小売り関係の用語について少しでも理解を深めようと思い、流通の第一線に携われている方の書籍を購入して読んだりしています。

 法律関係や歴史関係の書籍なら、理解しながら読めるのですが、お客としてならともかく、これまで、流通分野全般には経営の一員として携わったことがないため、用語の理解が十分ではなく、最近、この種の関係の書籍を読んでいます。 

 「用語革命小売りのことば」は、門外漢の私にとっては、難解な内容に思えました。

 ただ、「本部の幹部たちから、従来の惰性的なやり方を観念的に聴取するよりは、まず現場に足を運んで、自らの目で売場や商品を見、自らの手で調理加工を体験し、自らの耳で店員や顧客の声を聞くことは極めて大切な基本行動であります」と書かれています。 

 ただし、顧客の声といっても、たとえば、青果類を店の入り口と出口のどちらに置くべきかと質問をすると、重くて傷みやすいものであることから、アンケートは出口と書かれることが多いようですが、現実は、入口においた方がよく売れるそうです。

 じっくり読めばよくほど味が出るような書籍ですが、時間が不足しが立ちな私には味が出るまでの時間はとれないため、星二つとしました。

 他方、「笑って覚える商業専門用語事典」は、絵で説明されており、わかりやすいです。商業界の綾小路きみまろのような印象を受けました。やや皮肉的に説明されているのがおかしかったです。

 

2009年9月26日 (土)

最近の 新人弁護士 の 質

  新人弁護士の質に関する話を最近ちらほら聞くようになっています。

 私が聞くところによれば、新人弁護士の質については、かなり二極化が進んでいるようです。

 大手渉外事務所の同期の弁護士(もうパートナーになっています)からは、「T大ローやK大ロー出身の新人弁護士は、結構できる人がおおいよ。」と言っていました。他方で、「あまり聞いたことのないロー出身の方は、採用の段階でしかわからないが、今ひとつ」という趣旨の話をされていました(私自身はT大ローやK大ローの教育の中身は知りません)。 

 また、最近、新人弁護士を採用したという知り合いの複数の弁護士からは、「社会常識がないのですぐにやめてもらった」などと消極的な話を聞かされました。

 法科大学院出身だから質が悪いというのではなく、おそらく問題の本質は、合格者の数を増やしすぎて、旧司法試験の時代には受かることができないような人たちまで合格してしまっているというところにあるのだと思います(これは新司法試験実施以前の旧司法試験下での合格者急増した時の現象と同じです。)。

 ただ、法科大学院制度のもとでは、法科大学院の存在意義を求めるため、ある程度の合格人数の維持は前提となります。

 また、法化社会実現のためには、ある程度の弁護士の数を増やすこと自体については、反対できません。

  ある弁護士のブログ(記事が削除)に、最近の新人弁護士について酷評されている内容のものがありました。この内容とあまり変わらないことを知り合いの弁護士から聞いたことがあります。

  安藤先生のブログ

 つれづれなるままに

 手遅れにならないうちに、旧司法試験のように、だれでもが受験できるような試験に戻して、法曹の数がそれでも不足しているというのであれば、その試験制度の合格者数を増やすことで十分足りるのではないかと思います。原則として法科大学院を卒業しないと法曹になれないなんて、全く不合理極まりないと思います。

 どうしても法科大学院制度が前提だと、お金と時間がかかりすぎです。

 そして、法科大学院といっても、司法試験の結果を考えると、上位校と下位校ではその教育内容にかなりの差があるのではないかと推測されます。

どうしても法科大学院制度を前提とするのであれば、上位校だけを存続させて、司法試験の合格率を7から80%とする方法もあります。

高いお金と時間を費やす法科大学院の人気を高めるためには、司法試験の合格率をあげるしかありません。人気を高めなければ、優秀な人材は少なくなります。

 司法に対する国民の信頼を得るためには、これからどんどん誕生していく新人弁護士の養成課程に、私たち既存の弁護士もどんどん意見を述べていかなければならないのではないかと思います。

 ニュースでもいろいろ議論されているようです。

 

2009年9月25日 (金)

チェーンストアエイジ 2009・9・15号

 ダイヤモンド社が発売しているチェーンストアエイジという雑誌の9月15日号です。

 9月15日号は、日本の小売業1000社ランキングでした。

 その中に、日本スーパーマーケット協会会長ヤオコーの川野会長のインタビュー記事が載っていました。

 最近、SMでは、低価格路線に奔走している傾向にありますが、「自社の思想が具現化されている商品、自店のあり方が表現されている商品をつくりたいところです」、「(SM業界として、廃棄ロスが少なくする研究などもする必要がありますか?)鮮魚が漁港から中央市場に届くまで1日を要しています。その一日を店舗直接配送などの策で短縮できれば店頭での商品の寿命は1日延びることになります」、「これまでの日本は生産者主権のような政策が散見できましたが、これを生活者主権に変えていきたいと思います」などは、考えさせられました。

GMSで、従業員1人当たりの売上高のトップは、イズミさんで、約2億円です。売上高純利益率も、イズミさんで、4%、2位は、ユニーさんで、3.5%、3位は、イオンですが、1.6%で、1位と2位が他社を圧倒的に引き離している状態です。

 解説記事には、「逆風が吹く中、GMS各社は何とか苦境を脱しようと立て直しに懸命だ。イオンは品揃えを絞り込んだり、地域特性に応じた品揃えを強化したりしているし、イトーヨーカー堂も不振店舗のDS(ディスカントストア)業態への転換を進めている。米ウォルマート傘下の西友は依然最終赤字が続いているものの、EDLP(エブリデーロープライス)戦略に的を絞り、「ディスカントリテーラー」への転換を図っている。」(同書P67)と記載されています。

 地域別動向中国四国編では、フジについて、「フジは、ドミナントエリアがバッチングしないユニー(愛知県)とイズミヤ(大阪府)との協力関係を深め、8月21日に3社共通のPB「スタイルワン」22アイテムを発売した。同社は8月9日ディスカウント業態1号店のZY高岡店(松山市)を開業し、低価格競争にも余念のないところを見せている。ローカル、リージョナルチェーンが群雄割拠する中国四国地区だが、このビック3(マルナカ、イズミ、フジ)を軸に業界再編が進んで行きそうな気配だ」(同書P87)と紹介されています。

 ちなみに、愛媛に関連する企業1000社(売上高)は以下のとおりでした。

  40位  フジ fuji    GMS     312,439千円

 388位  コープえひめ CO     30,651千円

 448位  サークルケイ四国 CVS 25,518千円

 458位  レディ薬局 DGS      24,986千円

 577位  セブンスター SM      18,600千円

 678位 エーコープえひめ SM    15,192千円

 784位 サンクス西四国 CVS    12,532千円

 796位 松山生協 SM         12,438千円

 851位 大屋 DGS           11,288千円

 884位 中四国セイムス DGS    10,531千円

 なお、サークルケイ四国は、本社は松山ですが、役員は今治出身者が少なくないようです。

 弁護士も法律関係だけではなくこのような業界誌も読んでいかないと時代から置いていかれそうです・・・

2009年9月24日 (木)

弁護士情報提供サービス ひまわりサーチ

 日弁連は、弁護士へのアクセスをより容易にするため、弁護士の自己紹介などを紹介した検索システムを構築しています。

 ひまわりサーチというシステムです。

 私は新しいものが好きですので、ひまわりサーチが出来たときには、早速登録させていただいたのですが、少し時間が経過して、情報などが古くなったことから、今回、訂正した紹介文に差し替えました。

 字数制限などもあって、十分紹介しきれていないところもありますので、まだまだ改善しなければいけないなあと思っています。

 改善した方がいいことなどのご意見がございましたら、ご指導下さい。

 ひまわりサーチ

 

2009年9月23日 (水)

【建築・不動産】 不動産の売買契約が、売主に意思能力がないことを理由に、無効とされた事例 東京地裁平成20年12月24日

 判例タイムズNo1301号(9月15日号)で紹介されている裁判例です。

 事案は、売主Xが、Y1との間で、売買契約を締結し、Y2のY1に対する貸付金を保全するために、Y2名義の根抵当権設定がなされている案件です。

 裁判所は、XとY1との間の売買契約は、意思無能力を理由に、無効として、また、民法94条2項類推適用を否定して、Y2の根抵当権設定も無効として、Xを勝たせました。

 解説によれば、「意思能力については、その不存在を主張する側がその立証責任を負うところ、意思能力は行為者の精神状態にかかわり外面からはわかりにくいものであることや行為者が一応は法律行為をしたことが判断の前提になることなどから、一般にその立証は困難と言われているようです。

 そのため、意思能力の不存在が認められて法律行為が無効とされた裁判例は少ないと言われています。

 当事者の表示をみて、ふと疑問に思ったのは、Xには後見人がいないようです。あれ、大丈夫なのかな?と感じました。

 判決文をよく読むと、「原告は、本件訴訟を提起するにあたって後見開始の審判等を受けていないが、この事実をもって直ちに、原告が本件売買契約の意味内容を理解していた事実を推認することはできない。」と記載されていました。

2009年9月22日 (火)

訃報 いずみ観光の矢野栄専務ご逝去

 いずみ観光の専務取締役である矢野栄さんがお亡くなりなりました。

 矢野専務とは、平成11年に私が法律事務所を開業した時からのお付き合いで、以降、公私ともに、ご指導を賜りました。

 また、交際の広い専務から仕事をご紹介していただくことも、たびたびで、特に開業したころは、大変助かりました。

 また旅行業などについても丁寧に教えていただきました。

 2年ほど前から専務とはスポーツクラブで時々会うことがあり、私のメタボ姿を案じられてか、お会いするたびにいろいろ声をかけていただきました。

 専務は私と異なりメタボにも縁遠い体型をされており、長時間プールで歩いておられたのを今のように思い出されます。

 7月にも、プールで専務と会って、昔話などもきかせていただいたりしていました。大変お元気そうだったので、訃報を聞いて、本当にびっくりでした。

 14日午後7時から、お通夜がありましたので、ご出席させていただきました。たくさんの方が来訪され、専務の交際の広さを感じました。

 62歳で本当に早すぎる年齢です。

 体調を崩されたのは突然のことのようです。

 ご冥福をお祈り申し上げます。

2009年9月21日 (月)

過払金返還 益々業者の抵抗が強くなるばかり・・・

 過払金の返還については、大手サラ金会社が、ついに、個別計算での過払金の半分、しかも、2年から3年の長期の分割払いを強く主張してくるようになり、頭を抱えています。

 依頼人の中には、利息制限法を引きなおしても負債が残る場合もあり、過払い金はその支払いの原資にと考えているからです。

 驚いたのは、提訴して期日を重ねても、このような申し入れをしてくるばかりか、地裁事件でも、簡単な答弁書を提出して、以降、裁判所や代理人に全く連絡してこないか、連絡してきても、期日の前日という考えられないタイミングで連絡してくることです。

 ひどい場合には、判決が言い渡された場合にいたってはじめて、交渉を開始してくるところがあります。

 また、昨年までは、地裁事件であれば、弁護士を選任していた業者が、最近は、期日を重ねても弁護士を選任してこず、弁護士費用も不足しているのかな?と逆に心配になったりします。

 以前は、比較的気前よく支払っていた相手も、最近では、「当社の窮状を知ってほしい」とか述べて、個別計算、消滅時効、過払い利息なしを前提とした過払い金元本の、40%から50%を、裁判所で提案してきたりしています。

 従来普通に支払ってきたところが、「契約の切り替え」と称して、過払い金を戻すところか、負債を支払えとか言ってきます。

 今年は、昨年と比べても、強制執行事件が増え、いろんな意味で大変です。

 他の弁護士から話をうかがったり、インターネットで調べると、同じような傾向にあるようです。

 他方で、お客さんの要望は、当然、弁護士に依頼すれば、「交渉」で、「過払い金全額」が、容易に返還されるものと思われているため、「話が違う」とか思って、弁護士に対して不満を抱かれることもあります。

 私の事務所では、過払い金返還の手順や、およその見込みについて、「面前で」、説明するのですが、1回だけですが、「インターネット(2チャンネル)で知った情報とは異なる」という質問を受けたことがありました。

 本当に、非常に大きな手間がかかるようになりました・・・・

 大阪に出張に訪れた際に、地下鉄の広告は、司法書士さんの過払金の広告であふれかえっていましたが、その広告の内容をみれば、「簡単に返還される」と誤解されても仕方がないなあと思います。

 田舎でも、相変わらず、過払い金返還のご相談は多いですが、数年前のように、比較的容易に回収できた時代ではなくなりました。

 ただ、裁判所の裁判の予定表をみると、相変わらず、過払い金返還訴訟の件数は多いようです。近い将来件数が急減した場合、つまり、過払バブルが弾けた場合、過払い金返還を主たる収入源とする事務所は、冬の時代を迎えることになります。

 そろそろ冬に備えて身支度する必要がありそうです。 

2009年9月20日 (日)

弁護士まで、薬物汚染か・・・

覚せい剤所持 札幌弁護士会副会長を逮捕日テレNEWS24

 いや、腰を抜かしてしまいました。弁護士、それも、弁護士会の現役の副会長が覚せい剤の所持で逮捕されるなんて、前代未聞のことです。

  この弁護士のHPをみると、この弁護士の業務は、民事専門のようですが、多重債務者の救済にも熱心に取り組んでおられるようです。また、真面目な中堅弁護士として評判も良かったようです。知的財産も積極的に受けられているようです。

 ご自宅も大変立派で、外形上は、ある意味、少なくない街弁が理想としている経済的には恵まれた人生を歩まれていたのではないかと思います・・・

 そして、経歴や年齢からすれば、今まさに働き盛りといっても過言ではないでしょう。

 仕事などの大きなストレスがたまっていたのでしょうが、弁解の余地はありません。

 何があったのでしょう

 いつから使っていたのでしょうか・・・・

 弁護士という仕事は結構ストレスがたまりますが、そのストレス解消の方法が重要です。

 違法行為に手を染める解消の方法は、最悪ですね。お客さんやスタッフにも大きな迷惑をかけます。そして、退会命令程度の重い懲戒は回避できないでしょうから、自分自身や家族の今後の生活設計も大きく狂うことになります。

 イライラを解消する方法の選択が重要ですね。

 私の場合は、プールに泳ぎに行ったり、子どもを連れて小旅行をしたりすると、イライラが収まりますね。適宜、小さなストレスをためずそのつど発散するのが大切ではないかと思います。

 反面教師としなければならない事件です。

2009年9月19日 (土)

過払金狂想曲 アイフル 事業再生ADR着手

  ついに、アイフルも、私的整理の手続きをとったことが、ニュースにより判明しました(毎日新聞)。

 そういえば、数ヶ月前に、アイフルからの、過払い金元本の50%程度しか支払えないなどとのお願いが、弁護士や司法書士のブログで話題になっていたことがありました。

 サラ金の大手と言えば、武富士、アイフル、アコム、プロミスですが、殊に、武富士とアイフルは、銀行傘下ではないため、余計に厳しいのだろうと思います。

 確かに、うちのような田舎弁護士での事務所でも、過払い金回収の金額は結構大きな金額になります。

 それを全国で一斉に弁護士や司法書士から請求されるのですから、貸金業者はどんどん廃業したり倒産したりしています。

 最近は、大手サラ金業者からも、過払金の2年や3年払いを強く主張されることが多くなりました。

 今はなんとか判決をとって強制執行をしたりしてなんとかしのいでいますが、最近は強制執行してもほかの差し押さえ債権者が何十人もぶらさがっていることも多くなりました。

 アイフルといえば、チワワのかわいいCMが思い出されます。

 あの頃はサラ金各社は空前の利益を出していたはずですが、時代の急激な変化を感じます。

 弁護士の世界も、10年前は、司法試験は文系最難関の試験とされ、合格すれば、将来が約束されたはずですが、今では、司法試験に合格しても就職に困るような状態になってしまいました。

 

2009年9月18日 (金)

【消費者法】 司法書士と依頼者との間の債務整理委任契約について、契約書中の報酬の定めの一部が不明確であるとして、当該部分に係る報酬の合意の成立が否定された事例(東京地裁平成21年1月21日判決)

 判例タイムズNo1301号(9月15日号)で紹介された裁判例です。

 任意整理について、依頼人と東京の司法書士さんとのトラブル事案です。

 平成18年6月、Xさんが、7社の任意整理をY司法書士に依頼しました (武富士、丸井、イオンクレジット、アイフル、ライフ、プランネルを含む債権者7社)。

 平成18年7月 Y司法書士は、武富士を被告として、140万円の過払金返還請求訴訟を提訴して、裁判外で250万円の返還で示談しました。

 平成18年8月、Y司法書士は、アイフルとの間で、19万9000円の返還で示談しました。

 平成18年10月、Y司法書士は、Xに対して精算書を送付しました。

 入金 171万9000円

 出金 173万2151円

 内訳

 ① 事務所経費         3万5000円

 ② 債権調査・着手金    14万0000円

 ③ 基本報酬         14万0000円

 ④ 減額報酬        121万1751円

    過払訴訟         20万0000円

 平成18年10月 Y司法書士は、Xに100万円だけ返還しました

 平成19年1月25日、Xは、Yの委任契約解除したが、この段階で、アイフルと武富士以外の業者とは債務整理は未解決のままでした。

 裁判所は、Y司法書士の報酬について、過払金回収金額の約60%にのぼるのであり、これは債務整理を依頼したXの納得が得られるものとは到底考えられないと述べています。

 Y司法書士は、本来は過払金を280万円程度存在するケースにもかかわらず、140万円で簡裁に提訴し、裁判外で250万円支払う和解を成立させています。しかし、このような和解は、弁護士法との関係で重大な問題点を含んでいるのではないでしょうか?

 また、Y司法書士は、Xさんに対して250万円で和解することを告げていません。さらに、印鑑も、Y司法書士が購入した三文判を使って示談しています。このような事は許されていいのでしょうか?

 一生懸命多重債務者のために頑張っておられる司法書士さんも多いのに、残念なことです。 

2009年9月17日 (木)

【交通事故】 搭乗者傷害保険契約に基づく保険金請求訴訟について同一人を被保険者とする他の保険会社は法律上の利害関係がないとして補助参加の申し出を許さないとした事例 東京高決平成20年4月30日

 判例タイムズNo1301(9月15日)号で紹介された東京高裁の決定です。

 事案は、以下のとおりです。

 Aは、B運転のレンタカーに同乗中、同車が漁港内海に転落したため溺死しました。Aの相続人であるXらは、Aを被保険者とする搭乗者傷害保険契約に基づき、保険者Yを相手に保険金請求の訴えを提起しました(基本事件)。

 次いで、Aを被保険者とし、死亡保険金受取人がX1である普通傷害保険契約及び交通傷害保険契約の保険者であるZが、同訴訟に補助参加を申し出、これに対して、Xらは異議を述べました。

 補助参加するためには、訴訟の結果について利害関係を有することが必要であるとされていますが、この利害関係は、法的利害関係が必要とされています。

 原審は、基本事件の判断によりXらがZに対する請求を行うことが予想されること、ZのXらに対する支払い義務の判断事実が同一であることから、事実上の影響をもって、当該訴訟の判決が参加人の私法上又は公法上の法的地位又は法的利益に影響を及ぼすおそれがあるとして、補助参加を認めました。 

 Xらは、原審の決定を不服として、東京高裁に即時抗告しました。

 東京高裁は、原決定を取り消して、Zの補助参加の申し出を許さないとの判断をしました。

 以下はその理由です。

 ①XらとYとの間の保険契約による法律関係とZとXらとの間の保険契約による法律関係とは、同一被保険者につき死亡を原因とする保険金を給付する同種の保険契約関係をいうに過ぎず、相互に損害を補填しあう関係にある旨の主張立証はないから、何ら法的関連や関係がないこと

②基本事件において、争点である被保険者に生じた本件事故が偶然な外来の事故に当たるか否かが決せられたとしても、ZとX1との間で本件事故によるAの死亡についての保険金支払義務の存否につき法律上何らの影響するものではなく、ただ、同一の争点に対する判断として、これが参考にされ、事実上影響することがあるというに過ぎず、このような影響を与える関係を法律上の利害関係ということはできない

 通説・判例にたつと、東京高裁の考え方になるのでしょうが、結論としては、なんとなく釈然としません。

2009年9月16日 (水)

控訴事件を受任した弁護士が、控訴期間を徒過したため、依頼人敗訴の第一審判決が確定した場合において、控訴審において第一審判決が取り消される蓋然性があったとはいえないとして、保険会社に対する保険金請求が認められなかった事例(東京地裁平成21年1月23日判決)

  判例タイムズNo1301(9月15日)号で紹介された東京地裁平成21年1月23日判決です。

 ある弁護士が、Aさんから、Aさんを被告とする約2000万円の貸金返還請求事件(A敗訴)の控訴審の依頼を受けたところ、控訴期間までに控訴することを怠ったしまったため、A敗訴の判決が確定してしまったため、ある弁護士がAさんと示談して、1600万円を支払ったため、ある弁護士が、弁護士賠償保険を締結している損保会社に保険金請求を行ったケースです。

 ケースは、弁護士の初歩的なミスが原因ですが、初歩的である故に、おかしやすいミスの1つです。

 東京地裁は、控訴しても第一審判決が取り消される蓋然性があったとはいえないとして、保険金請求を棄却しています。

 不幸にしてこのような事故が発生してしまった場合、まず、どうするか?ですが、やはり、依頼人にきちんと説明して、謝罪を尽くすということが重要です。

 とはいっても、謝罪しても、金銭的な補償を求めてくることも当然考えられます。懲戒申立もちらつかされることもありえます。

 しかし、ここで示談してしまう必要はないと思います。特に弁護士賠償保険がついている場合には、対応については、損保会社と相談しながら、ケースによっては、別の弁護士に対応を依頼することが必要であると思います。

 そして、懲戒申立に備えて、きちんと交渉の記録もとっておく必要があると思います。

  う~ん これこそ、米国型訴訟ですね。

2009年9月15日 (火)

交通事故に基づく損害賠償に関する示談について、要素の錯誤による一部無効が認められた事例 名古屋地裁一宮支部平成20年12月16日判決

 交通事故判例速報No519で紹介された裁判例です。

 先行する示談について、その一部が錯誤により無効であることを裁判所は認めています。

 以下、引用します(同書P15)。

 交通事故に基づく損害賠償の示談につき、後遺障害についての等級認定を待ってこれに基づいて行うときは、特段の事情がない限り、前提となった等級認定をもとに、これ以外には当該交通事故に基づく後遺障害や等級認定が存在しないものとして、示談を成立させるものであって、前提となった等級認定や障害以外には、障害や別の等級認定がないことを前提とする旨の当事者の意思の合致があったと考えるのが、当事者の合理的な意思に沿うものであり、妥当な意思解釈であるというべきである。

                   ↓ すると

 本件では、上記特段の事情がないにもかかわらず、歯科関係の後遺障害やその等級認定の存在を当事者双方が失念したまま、本件示談を締結したものであり、他には障害や別の等級認定がないこととした当事者の意思表示につき錯誤があり、その限度では、Xら主張の錯誤無効の①②の主張は理由があるというべきである。

                   ↓ そして

 その錯誤無効の効果としては、脊柱関係について成立した示談を無効とするだけの理由はないので、本件示談を全面的に無効とするのではなく、歯科関係の障害につき、一切解決したものとする旨の本件示談の効力が無効となり(一部無効)、Aは、Yに対し、歯科関係の損害賠償を請求することができる。

  先行する示談の効力を否定或いは制限するための理論構成は、解説者の先生によれば、以下のとおりです(同書P17参照)。

 ①当事者の一方が示談の内容を了解しておらず、示談の意思表示がないとして、示談契約の成立を否定するもの

 ②示談契約を公序良俗違反により無効とするもの

 ③示談契約を心理留保により無効とするもの

 ④示談契約を錯誤により無効とするもの

 ⑤示談契約の強迫による取消を認めるもの

 ⑥示談契約中の権利放棄約款は、例文であって効力がないとするもの

 ⑦示談契約に、示談当時当事者が認識し得なかった著しい事態の変化が示談後に生じた場合には、権利放棄約款は解消できる趣旨の解除条件が黙示的に付されているとするもの

 ⑧示談契約により放棄された請求権は当時予想されていた損害につてのみであり、被害者は、後日、示談当時に予想できなかった損害が生じた場合にはその損害を請求できるとして、示談契約の内容を限定的に解釈するもの

 いろんな理屈の立て方があるようです・・・・

 解説の先生からの注意点は以下のとおりです(同書P18)。

 「示談の有効性が争われる事案では、一見すると、複数の法律構成が可能のように思われるケースも多々見受けられる。そこで、示談の有効性が問題となる事案では、示談成立に至る経緯や示談成立当時の感情をできる限り詳細に確認した上で、いかなる法的構成をとり得るかを検討する必要がある。」

 「また、交通事故に示談に際しては、後に示談の有効性が争われることを防ぐため、慎重かつ適切に示談を進めなければならないことは言うまでもない」

 肝に銘じておきます・・・

 

2009年9月14日 (月)

「ゆめタウン」勝利の方程式 ぱる出版 西川立一著

 パル出版からでている書籍です。著者は、西川立一さんという方で、大学卒業後は、西友に勤務して、現在は、マーケティング等のコンサルティング業務を行っておられる方のようです。

 「ゆめタウン」勝利の方程式という名前の書籍で、広島のスーパーであるイズミさんが急成長した理由について、わかりやすく書かれています。

 愛媛には、イズミの店舗がないため、愛媛ではあまり知られていない会社ですが、高松にも、大きなゆめタウンがあるため、高松市民であった私にとっては身近な店舗の1つでした。

 イズミという会社は、2007年度の決算によれば、業界第6位の地位をしめ、売上高約3800億円、経常利益194億円、経常利益率5.1%、販売管理費比率20.85という内容になっています。

 業界1位のイオンは、売上高は1兆9000億円、経常利益は、495億円であるものの、経常利益率は2.6%、販売管理比率31%であることから、イズミの財務内容は他社と比べて飛び抜けて良いことから、同社を広島発の流通革新企業と評価しています。そして、「収益という物差しでとらえてみると、真の勝者はイズミである。」(同書P180)と断じています。

 同社の特徴については、イオンと対比しながら説明されています。

 例えば、「自社で商品を開発するより、その分野を知り尽くしたメーカー、問屋の商品力を頼りに売り場を作り、販売に専念する。家具はニトリ、家電はベスト電器、カジュアルはユニクロなど、有力な大型専門店に任せる。こうしたスタイルは、過去、イオンのジャスコに代表される大手チェーンが売り場を拡大し、プライベートブランドの取り組みを強化していったのとは、真逆の方向である。」(同書P24)

 「店舗のゾーニングやレイアウトに対するスタンスは大きな差異がみられる。このことは何を意味しているのだろうか。イオンはどこにおいても競合に打ち勝てる最強のモデルづくりにまい進しているように思える。イズミはあえて店舗スタイルを標準化せずに、そのときどきでカスタマイズしながら、出店環境にフレキシブルに対応して適正化させていく。これに対して、もともとイオンは店舗を規格化した工業プロダクト志向が強いだけに、プロトタイプ化は当然の選択ともいえる。それに対して、イズミは逆を行くことで、間隙を縫って活路を見いだそうとしている用に思える。」(同書P160)

 「立地戦略において、イオンはフォーカスを郊外に絞り込んでおり、イズミは郊外、準郊外、中心市街地と選択肢を広げている。総じてイズミの手法は多様性に富んでおり、状況に応じた臨機応変の対応が可能であることがわかる。その一方でイオンは柔軟性に欠けるものの、事業モデルを綿密に作り上げてそれを水平展開していく。」(同書P162)

 規模、質ともに地域一番店

 小さな池の大きな魚

 これらは、イズミの考え方とされているようですが、今後、法律事務所の経営を考えるに際しても、考えさせられる言葉です。

 規模、質ともに地域一番店を目標としたいです。

 なお、先日、大阪出張に行きました。往復6時間位、電車に乗りっぱなしになります。この時間を使って、普段からあまりしない読書ができるので、ある意味、大阪出張は楽しみでもあります。 

2009年9月13日 (日)

【金融・企業法務】  米国民事訴訟法の現状

 11日は、きんざい主催の金融法務例会(大阪銀行協会)に出席しました。テーマは、「米国民事訴訟の現状」でした。

 やはり驚いたことは、アメリカでは、民事事件も陪審裁判を選択できるために、認められる賠償額が巨額になることもあるということでした。マクドナルドコーヒー事件では、286万ドルを陪審が認めたようですが、交渉の段階で被害者が提示した金額は、2万ドルだったようです。これに対して、会社側は800ドルを提示して拒絶して裁判になったようです。ただ、アメリカでも非常識な金額だったようで、裁判官が、60万ドルに減額して、控訴審では、それ以下で和解したというお話をうかがいました。

 また、驚いたのは、裁判所に支払う費用です。訴額に関係なしに250ドルで、また、請求額を特定する必要もないようです。

 さらにびっくりしたのは、訴状などの送達は、原告自らが行うことです。

 アメリカでは、裁判は交渉の1つとして考えられているようで、恐ろしい数の裁判所が設けられているようです。

 知的財産関連の案件も、陪審員が判断することがあるようですが、本当に大丈夫なのでしょうか?

 非常に裁判が多く、民事だけでも年間1700万件もあるようです。

 小泉さんの司法改革は、アメリカに倣えということで、次第に、アメリカナイズされていますが、むしろ日本の司法制度の方がすぐれていたのではないかと思いました。

 先日、司法試験の発表がありましたが、三振になった方(これ以上受験できない)も相当数おられたようです。司法試験の合格率が低迷しているため、法科大学院の人気も年々衰える一方で、そのため、優秀な人材が法曹を目指しずらい状態になっています。そりゃ、お金と時間もかかる、合格率は低い、就職は超氷河期 誰がいくかというような有様です。

 一刻も早く、法科大学院を廃止して、旧司法試験を復活させるか、あるいは、法科大学院を統廃合して定員を2000人程度として1500人程度を合格させるしかないでしょう。 

2009年9月12日 (土)

【交通事故】 警察車両による交通事故に関し、府警本部の問題のある対応につき、府警擁護とも思われる救済認定を行った事例

 交通事故判例速報No519(H21・9)号で紹介されている裁判例(大阪地裁平成21年6月30日)です。

 解説された弁護士の説明によると、大阪府警の交通事故に対する対応は、概ね、以下のとおりです。なお、本件で問題となった事例の警察車両には、任意保険が付保されていなかったようです。

 ①治療費は、被害者に健保使用させ、病院への患者自己負担額支払いは、自賠責保険への被害者請求により自賠責保険会社から直接病院へ支払って貰う

 ②休業損害支払も被害者から自賠責保険へ請求するよう要請する(手続協力、補助等は行うようである。)

 ③後遺障害の認定、請求も、当然被害者自身から自賠責保険へ請求手続をするよう要請する

 ④①~③の扱いの例外は基本的に認めない

 ⑤裁判になった場合も、大阪府警本部や大阪府の職員数名(毎回3名以上)が法廷に出頭し、弁護士などの専門家が代理人となることはあまりない。裁判期日毎に、何人もの職員が谷町4丁目の府警本部庁舎から西天満の裁判所へ出頭される

  なお、カルテの場合、外国語を含んでいるため、当該部分については、裁判所法74条、民事訴訟規則138条1項により、訳文を添付する必要があります。大阪府警は、当初、翻訳せず、裁判所に提出されたようです。

 

 愛媛県警の警察車両は、任意保険入っているのでしょうか?

2009年9月11日 (金)

【金融・企業法務】 利益相反管理をめぐる実務対応 銀行法務21・9月増刊号

 銀行実務21・9月増刊号です。

 今回の増刊号は、「利益相反管理をめぐる実務対応」というテーマの書籍で、あの有名な長谷川俊明法律事務所の編著によります。

 業法については、余り相談を受けない田舎弁護士には疎いところが少なくありません。coldsweats01

 早速、勉強のために、地元の金融機関の利益相反管理に関する規定(方針)を調べてみました。

 伊予銀行

 愛媛銀行

 愛媛信用金庫

 東予信用金庫

 越智今治農業協同組合 (9月中旬ころ掲載される予定) 参考HP

 今治立花農協協同組合

 参考 13漁業協同組合  

 なお愛媛銀行の指針は、見やすいように感じました。

 主要行等監督指針及び中小地域監督指針は、以下のように記載されています。

 ①利益相反管理方針には、利益相反の特定方法、類型、管理体制(役職員の責任・役割等を含む)や管理方法(利益相反管理の水準・深度に差異を設ける場合は、その内容及び理由を含む)、管理対象の範囲等が明確化されているか。また、当該管理方針は、金融グループ内会社等の営む業務内容や規模等が十分に反映されているか。

 ②利益相反管理方針の概要を公表するに際しては、利益相反管理方針の趣旨が明確に現れているものになっているか。また、公表方法は、例えば、店頭でのポスター掲示やホームページへの掲載など、顧客等に対して十分に伝わる方法となっているか。

 増刊号にはいろいろ記載されていますが、やはり、事例に則して考えるのがわかりやすいので、増刊号で紹介されているケースを見ながら考えた方がわかりやすいです。

 競合関係又は対立関係にある複数の顧客に対して、資金調達に係る助言を提供する場合については、利益相反のおそれが高いことから、「一方の取引の中止や取引内容の変更を検討すべきでしょう」とされています。

 もともと、利益相反管理体制の構築が金商法で義務づけられたのは、ファイアーウォールの規制が緩和され、証券子会社との兼職が認められるようになり、その代わり、利益相反行為は規制されたというところにあるので、田舎弁護士のような地方では、金融機関に証券子会社を有しているところは少ないと思うので、その意味では余りメリット感がないように思えます。

 ただ、座談会で、地方金融機関の方が、「長い目でみれば、コンプライアンスや顧客保護という面では、利益相反というものがクローズアップされることによって、不当性のあることをやってはだめだという意識が行員の中に醸成され、コンプライアンスや顧客保護レベルは高くなってくるということは確かだと思います。」(同書P88)と述べておられることから、全くメリットがないというわけではなさそうです。

 座談会で出てきた「ブリ・ハマチ・イナダ」という生け簀理論は、わかりやすいたとえでした。

 また、金融機関の監査役や監事に就任した場合には、このあたりについても充分なチェックが必要なので、大変だなと思いました。

 とはいっても、地方の弁護士の場合には、ある特定の分野だけの専門ということはできず、広く、浅くというのは宿命ですね。

2009年9月10日 (木)

【金融・企業法務】 手形の商事留置権 東京地裁平成21年1月20日判決

 過払金ネタが続いたので、暫くは過払金の話はお休みして、銀行法務21(9月号)で紹介されていた九州沖縄地区銀行実務研究会のレポートです。

 このような研究会が、中四国地方であれば、私も参加するのに残念だなあと思いました。経済法令研究会さん、是非企画して下さいな。

  閑話休題

 あの有名な東京地裁平成21年1月20日判決、つまり、手形の商事留置権についての判決を、紹介します(以前にもこのブログで取り上げたことがありますが、もう一度復習のつもりで取り上げます)(事案、争点、判旨については、銀行法務21P24から実質的に引用。一部割愛)。

 1 事案

 債権者である銀行は、債務者より、再生手続開始の申立に先立ち、手形金合計約5億6225万円を取立委任のために裏書譲渡を受けていましたが、再生手続開始決定以降、本件各手形を取立、合計約5億6225万円を受領しました。

 債権者である銀行は、再生債務者との間の銀行取引約定書において、担保権の特約として、占有する有価証券等の処分による有価証券等の処分による債務への充当および法的手続の申立てによる期限の利益の喪失を約定していました

 そして、債務者からの取立金の返還請求に対し、銀行は、銀行取引約定に基づき、合計約9憶円の当座貸越債権の一部に充当する、または、同債権の一部と債務者の銀行に対する手形取立金返還請求権を対当額で相殺する旨の意思表示をしました。

 2 判旨

 ① 商事留置権は、民事再生法53条1項及び2項により、再生手続によらないで行使することができる別除権として定められている

                     ↓しかし

  商法において、商事留置権に優先弁済権を付与する旨の定めはなく、民事再生法においても、商事留置権に優先弁済権を付与する定めが見当たらないことからすれば、再生手続において、商事留置権には優先弁済権が付与されていないものと解すべきことになり、商事留置権本来の効力の範囲内で別除権としての権利行使をしうるにとどまる

 ② 金融機関が本件条項(銀行取引約定)を設けることによって優先的に債権回収を図ることが可能になると解すると、

                     ↓批判

  再生手続における商事留置権の地位を債権的合意により、容易に変更することができることになり、他の商事留置権者との関係において、かえって不合理・不公平といえることもあわせて考慮すると、銀行の主張を採用することはできない

 ただ、この判例のように、銀行が取立をしたお金を返還しなければならないとすれば、別除権として認めた意味を喪失します。しかも、手形の場合は、遡求権との関係で、取立を余儀なくされます。

 控訴されているようですが、この判例の影響は実務に大きな影響を及ぼしており、田舎弁護士のような地方の支店でも、時折話題にでることがあります。

 

  

   

 

 

  

2009年9月 9日 (水)

フジグラン 重信 に 遊びに行ってきました

 フジグラン重信に、遊びにいってきました。フジグラン重信は、数年前に1回だけ訪ねたことがありましたが、その時は15分くらいしか滞在しませんでした。今回は、半日、遊びました。

 かなり大きなお店です。駐車場も結構ひろかったです。隣に大きなダイキの店があります。

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 今治からだと、湯ノ浦インターから高速に乗って、川内インターで降りて国道11号線沿いに進むコースが便利です。アクセス方法は、このHPを参照ください。国道11号線を進むと、この大きな G の看板が見えてきます。

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 店舗自体は、結構な田舎にあるのですが、商品の品ぞろえは充分で、店舗も広かったです。

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 衣類関係は結構充実しています。また、健康関連グッツもたくさんありました。私は、脚にやさしい靴を購入しました。革靴ではないのですが、ヨネックスが販売しているもので、外観上、ビジネスシューズの代用にもなりそうです。①割引きでした。また、九州の物産の特産会をやっていました。九州各地のラーメン8個、カステラ1箱、からし明太子2箱など、ツイツイ買ってしまいました。九州の物産がたくさん積まれていました。

014  そして、フジグラン重信には、なんと、映画館があるのです。子どもたちを連れて、ナイトミュージアムⅡを観ました。コメディアン映画で、ものすごく楽しく、久しぶりに笑いました。 カールおじさんの家というのもおもしろそうですね。house 

 ものすごく活気があって、元気いっぱいの店舗でした。また、訪ねてみたいと思います。楽しく過ごさせていただきました。こどもたちも大喜びでした。happy01

祝 50万 アクセス 達成

 ついに、アクセス数が、50万を超えました。第一目標を達成です。

 第二目標として、平成23年末までに、類型でアクセス数100万を目指したいと思います。

 これからも、おもしろい? sign02 有益な情報をどんどん発信していきたいと思いますので、今後とも、宜しくお願いいたします。happy01

 今年中には、50万を達成するものと予想していましたが、過払金請求関係の記事を載せてから、常時一日1000件程度のアクセスが確保されたため、思いのほか早かったと思います。

 

2009年9月 8日 (火)

【行政】 公立小学校の教員が、女子数人を蹴る等悪ふざけをしていた2年生の男子を追いかけて捕まえ、胸元をつかんで壁に押し当て大声で叱った行為が、国家賠償法上違法とはいえないとされた事例 平成21年4月28日最高裁第三小法廷

 判例時報No2045号(9月1日号)で紹介された最高裁判決です。

 事案は以下のとおりです。

 公立小学校の2年生であったXが、男性教員Cから違法な体罰を受け、これによりPTSDになったと主張して、当該小学校を設置管理するYに対して、国家賠償法1条1項に基づき、350万円程度の賠償を求めたものです。

 第1審 65万円を認めました。

 第2審 21万円に減額しました。

 最高裁 0円、即ち、Xの請求を認めませんでした。

 最高裁の判旨は以下のとおりです。

 Aの本件行為は,児童の身体に対する有形力の行使ではあるが,他人を蹴るという被上告人の一連の悪ふざけについて,これからはそのような悪ふざけをしないように被上告人を指導するために行われたものであり,悪ふざけの罰として被上告人に肉体的苦痛を与えるために行われたものではないことが明らかである。

 Aは,自分自身も被上告人による悪ふざけの対象となったことに立腹して本件行為を行っており,本件行為にやや穏当を欠くところがなかったとはいえないとしても,本件行為は,その目的,態様,継続時間等から判断して,教員が児童に対して行うことが許される教育的指導の範囲を逸脱するものではなく,学校教育法11条ただし書にいう体罰に該当するものではないというべきである。

 したがって,Aのした本件行為に違法性は認められない。

 Xの母親であるAは、小学校の関係者等に対して、C先生の行為について極めて激しい抗議行動を続けたようです。

 しかし、Xの行動は、やはり注意しないといけない対象であり、ある程度本気で叱るというのも教師の勤めだと思います。確かに、やや穏当は欠いていますが、先生も生徒のためにしかっており、このようなことで、提訴されるのであれば、教師は生徒をしかれなくなります。

2009年9月 7日 (月)

【建築・不動産】 第3弾 住宅かし担保履行法をご存じですか (9月5日付愛媛新聞)

 平成21年9月5日の愛媛新聞に、国土交通省住宅局住宅生産課の全面広告が載っていました(20頁目)。 pencil

 住宅かし担保履行法が、平成21年10月1日から、本格スタートとなります。この住宅かし担保履行法の概要について、主として、消費者に周知させるために、載せられたものです。

 私が8月16日に行ったセミナーの光景なども載っていました。happy01

 住宅かし担保履行法は、新築住宅を供給する事業者に対して、瑕疵(構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分)の補修等が確実に行われるよう、保険や供託を義務づけるものです。平成21年10月1日以降に引き渡される新築住宅が適用かのうです。万が一、事業者が倒産した場合等でも、2000万円までの補修費用の支払いが保険法人から受けられます。house

  まんがでわかる住宅かし担保履行法は、本当にわかりやすい小冊子です。(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターでは、無料で配布しているようなので、興味のある方は、お取り寄せさせることをお勧めします。また、同センターのホームページからも、ダウンロードすることもできるようです。eye

2009年9月 6日 (日)

【消費者法】 利息制限法超過の金利の収受行為が不法行為にならないなんて 平成21年9月4日最高裁第二小法廷

 過払い利息の起算点については、最高裁第二小法廷の判決は、最高に良かったのですが、同じ日に出された同じく第二小法廷の判決(最高裁平成21年9月4日)は、最低でした。

 最高裁のHPにも紹介されています。

 事案は、取引が2つある事案で、①昭和55年11月から平成9年1月までの取引は、過払金が約116万円が発生していますが、②平成16年9月から同19年1月までの取引は、利息制限法で引き直しても負債が残るというケースです。

 このようなケースの相談は、よくあります。うん うん 

 当然、サラ金の方は、①取引については、消滅時効を援用するため、借り手の方は、どうしても、争い方は、(1)一連取引だとか、(2)①取引については不法行為とか、(3)少し法律構成をひねって、相殺などとの主張を行うことがあります。

 今回の最高裁判決によって、(2)の①取引については不法行為という主張は事実上封殺されたことになります。coldsweats02 weep crying

 ①取引は、昭和55年11月から始まっているので、貸金業法施行前の取引で、みなし弁済の適用がない事案であり、高松高裁では、不法行為を認めていた案件です。なお、高松高裁の判決は、私が関与した事案でした。

 貸金業法施行時点ですでに過払い金が発生した事案の場合には、不法行為が成立する可能性はあるとは思いますが、当該時点での過払い金の金額はそれほど大きくならないのではないかなあと思います。

  最高裁は、

 不法行為を構成するのは、上記請求ないし受領が暴行、脅迫等を伴うものであったり、貸金業者が当該貸金債権が事実上、法律的根拠を欠くものであることを知りながら、又は通常の貸金業者であれば容易にそのことを知り得たのに、あえてその請求をしたりしたなど、その行為の態様が社会通念に照らして著しく相当性を欠く場合に限られる

 と判示しました。

 この最高裁の判断により、多くの事案では不法行為が成立することは考えられないため、不法行為構成の目的、即ち、取引終了して10年を経過した過払金については、請求をすることが困難になりそうです。

 今後は、不法行為構成は減って、相殺構成が多くなるのではないかと思いますが、どうでしょうか?

 私の記憶だと、相殺構成は、横浜地裁などで数例あったと記憶していますが、この種のケースにおいて自動債権(過払い金)の認識がない点がサラ金側から反論されていたかと思います。

 なお、原審の広島高裁でも、不法行為構成は否定されています。上告が受理されたことから、逆転かな?と思われるような経緯を辿っていますが、結果は残念なことになっています。この判決の悪影響は、極めて大きいでしょう。

 この最高裁判決が出たことから、これまで不法行為を認めてくれていた裁判所の判断が大きく異なるようになるでしょう。

 そうなると、古い取引で生じた過払金が、本当に、もったいないですね。

 じきに、判例雑誌に登載され、解説がのると思いますので、よく研究してみたいです。  

2009年9月 5日 (土)

【消費者法】 過払い利息の発生時期 平成21年9月4日最高裁第2小法廷

  平成21年9月4日最高裁第二小法廷判決です。

 これで、過払金利息の発生時期の論点は、過払金発生時から発生することで、決まったように思われます。

 判決文は、最高裁のHPにも紹介されています。

 判旨は、以下のとおりです。

  金銭消費貸借の借主が利息制限法1条1項所定の制限を超えて利息の支払を継続し,その制限超過部分を元本に充当すると過払金が発生した場合において,貸主が悪意の受益者であるときは,貸主は,民法704条前段の規定に基づき,過払金発生の時から同条前段所定の利息を支払わなければならない(大審院昭和2年(オ)第195号同年12月26日判決・法律新聞2806号15頁参照)。

                     ↓

このことは,金銭消費貸借が,貸主と借主との間で継続的に金銭の借入れとその弁済が繰り返される旨の基本契約に基づくものであって,当該基本契約が過払金が発生した当時他の借入金債務が存在しなければ過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含むものであった場合でも,異なるところはないと解するのが相当である。

 またまた、第二小法廷ですが、いつものように、第一小法廷も、第二小法廷も、同じ様な判断を示すことが予想されます。

 この最高裁の判決は、本当に嬉しいのですが、同じ日にでた同じく第二小法廷の判決は、悪い意味でショックです。

2009年9月 4日 (金)

【労働・労災】 団体定期保険(従業員全員加入型のAグループ保険)に基づいて被保険者である従業員の死亡により保険金を受領した会社は、その遺族に対して、社内規定に基づく給付額を超えて上記保険金の一部を支払うべきであるとした控訴審の判断に違法があるとされた事例 最高裁第3小法廷平成18年4月11日判決

 団体定期保険の相談については、特に、労災でなくなられた従業員の遺族の方から、時折に、ご相談を受けることがあります。

 やはりこの種の案件で有名なのは、住友軽金属工業事件における最高裁平成18年4月11日判決です(同じ部による判決が2つあります)。

 事案は以下のとおりです。

 従業員3200人の東証一部上場の被告会社から死亡給付金約1000万円を受領したにとどまる従業員の遺族である原告らが、当該従業員を被保険者として生命保険会社数社との間で死亡給付金をはるかに超える約6000万円の多額の団体定期保険契約を締結し死亡保険金を受領した被告会社に対して、死亡保険金の引渡を求めたケースです。

 判旨は、以下のとおりです。

① 被告会社が、被保険者である各従業員の死亡につき6000万円を超える高額の保険を掛けながら、社内規定に基づく退職金等として原告らに実際に支払われたのは各1000万円前後にとどまること

 被告会社は、生命保険各社との関係を良好に保つことを主な動機として団体定期保険を締結し、受領した配当金及び保険金を保険料の支払いに充当するということを漫然と繰り返してきたにすぎない・・・運用が従業員の福利厚生の拡充を図ることを目的とする団体定期保険の趣旨から、逸脱したものであることは明らかである。

                     ↓ しかし

 他人の生命の保険については、被保険者の同意を求めることでその適正な運用を図るこことし、保険金額に見合う被保険利益の裏付けを要求する様な規制を採用していない立法政策が採られていることにも照らすと、死亡時給付金として被告会社から遺族に対して支払われた金額が、本件各保険契約に基づく保険金の額の一部にとどまっていても、被保険者の同意があることが前提である以上、そのことから直ちに本件各保険契約の公序良俗違反をいうことは相当ではなく、本件で、他にこの公序良俗違反を基礎づけるに足りる事情は見当たらない

② 被告会社が、団体定期保険の本来の目的に照らし、保険金の全部又は一部を社内規定に基づく給付に充当すべきことを認識し、そのことを本件各生命保険会社に確約していたからといって、

 このことは、社内規定に基づく給付額を超えて死亡時給付金を遺族等に支払うことを約したなどと認めるべき根拠となるものではなく、他に本件合意の成立を推認すべき事情は見当たらない。

                    ↓むしろ

 被告会社は、死亡従業員の遺族に支払うべき死亡給付金が社内規定に基づく給付額の範囲内にとどまるのは当然のことと考え、そのような取り扱いに終始していたことが明らかであり

 このような本件の事実関係の下で、被告会社が、社内規定に基づく給付額を超えて、受領した保険金の全部又は一部を遺族に支払うことを、明示的にはもとより、黙示的にも合意したと認めることはできないというべきである。

 控訴審は、遺族からの請求を認めましたが、最高裁は、残念ながら、遺族からの請求を否定しました。

 この最高裁判決の位置づけについては、太田剛彦判事によれば、

「本判決は、従来下級審判決が分かれていた雇用主会社が保険契約者・保険料負担者・保険金受取人、全従業員が被保険者となるAグループの団体定期保険について、被保険者の同意が個別的にとられず形式化している場合に、会社が高額の保険金を受領しながら従業員の遺族に低額の死亡給付金しか支払われなかったとしても、団体定期保険契約が公序良俗違反になるか否か、及び会社と従業員との間で会社が受領する保険金の一部を従業員の遺族に交付する黙示的合意が認められるか否かにつき、いずれも消極の判断を示したものであるが、あくまで本件の団体定期保険の事案限りのものと見るべきである」と解説されています(判例タイムズNo1245P149)。

 

 

2009年9月 3日 (木)

【消費者法】 最高裁平成21年7月17日第二小法廷判決(破棄自判)

 「過払金返還請求権の消滅時効は継続的な金銭消費貸借取引が終了した時から進行するとして、過払金返還請求および過払金発生時からの民法704条所定の利息の請求が認容された」、最高裁平成21年7月17日第二小法廷判決(破棄自判)(平成20年(受)第2016号不当利得返還請求事件)が、旬刊金融法務事情No1875(8月25日)号に紹介されていたことから、このブログでも紹介させていただきました。

 ところが、あるブログのコメント欄をみると、別の下級審判決と勘違いしているようなコメントがありました。

 そこで、インターネットで検索してみました。

 そうすると、確かに、この判決の日時でインターネットの検索を行うと、ほとんどヒットせず、わずかなブログだけが取り上げられていました。bearing

 少ないです。

 平井総合法律事務所のHP

 塚本司法書士のブログ

 しかしながら、旬刊金融法務事情NO1875には、きちんととりあげられています。

 以下、少し判決文を引用します。

 「前記事実関係によれば、本件基本契約1は過払金充当の合意を含むものであり、本件において上記特段の事情があったことはうかがわれないから、本件取引1により発生した過払金返還請求権の消滅時効は、本件取引1が終了した時点から進行するというべきである。

 そして、前記事実関係によれば、本件取引1がされていたのは平成2年4月17日から平成9年6月16日までであったというのであるから、消滅時効期間が経過する前に催告がされ、その6か月以内に本件訴えが提起されて消滅時効が中断したことは明らかであり、本件において本件取引1により発生した過払金返還請求権の消滅時効は完成していない。

 これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は、上記の趣旨をいうものとして理由がある。」

 ← ここまでは、消滅時効の話

 → ここから、利息の起算点の話

 「そして、前記事実関係によれば、本件取引1及び2により発生した過払金は合計83万4868円であり、貸主が悪意の受益者である場合における民法704条所定の利息は、過払金発生時から発生するから、平成19年11月30日までに発生した同条所定の利息は合計26万4513円であるところ、同日に被上告人が支払った38万0028円を利息、元本の順に充当すると、上告人の被上告人に対する過払金返還請求権は71万9353円が残存している。」

 上記最高裁判決についての、旬刊金融法務事情の解説も、以下のとおり引用します(同書P68~P69)。なお、①判決は、最高裁平成21年3月3日第三小法廷判決、②判決は、最高裁平成21年3月6日第二小法廷判決を指します。

 「①判決及び②判決は、その理由は示していないものの、過払金返還請求権の消滅時効の起算点を過払金発生時であるとした原判決を破棄した上で、過払金発生時からの民法704条所定の利息を付して請求認容の自判をしたり(①判決)、同様に上記利息を付した第1審判決を是認し控訴棄却の自判をした(②判決)もののようである。

 そして、③判決は、過払金返還請求権の消滅時効の起算点は継続的な金銭消費貸借取引が終了した時であるとしながら、貸主が悪意の受益者である場合における民法704条所定の利息は過払金発生時から発生するとして、過払金元本のほか、過払金発生時からの上記利息を認容する旨の自判をした。

 これらの判決はその理由について詳しく説示していないが、

 民法704条の文言は単に「利息」としており「遅延利息」ないし「遅延損害金」とはしていないこと

 仮に履行期の到来が同条所定の利息の発生要件とされるのであれば、同条前段は、履行期を経過して履行遅滞に陥れば遅延損害金を付加して返還しなければならないという自明のことを注意的に規定したにすぎないということになり存在意義に乏しいことや、

 悪意の受益者である貸金業者は取引継続中から過払金を運用することが可能であり、実際にもこれを利息制限法の制限を上回る利率で運用して利益を得ていたものと思われるから、取引終了前からの法定利息を付加して返還させたところで、実質的な公平を失することはないこと

 などが理由であるのではないかと推測される。」

 ← 以上が旬刊金融法務事情の解説

 どう考えても、過払い利息は、過払金発生時からと考えた最高裁判決だと考えるのが素直だと思います。

 他にインターネットで紹介されているブログなどがあまり見当たらないのですね。どうしてなんでしょうか?不思議です。coldsweats01

 ただ、ご心配であれば、当該旬刊金融法務事情を読んでみてください。

 あるブログでとりあげていただき、一日のアクセスが1000程度になっているため、再度、判決を少し詳しくご紹介させていただきました。

2009年9月 2日 (水)

【建築・不動産】 第2弾 住宅瑕疵担保履行法セミナー講演録 

  平成21年8月16日、愛媛新聞社主催で行われた住宅瑕疵担保履行法のセミナーの講演録(同社住宅公園パル)ができあがりましたので、今後の参考のため、アップしておきます。皆様の参考になれば嬉しく思います。

                    記

1、ただいまご紹介に預かりました弁護士の寄井真二郎です。
  大変暑い中、また、「住宅瑕疵担保履行法セミナー」というさらに暑くなりそうなセミナーに参加していただき、大変ありがとうございます。
  今日、セミナーに参加されている方は、近々、住宅を購入されようとしている方だと思います。  私も自宅を購入する際に心配したことがあります。 それは、ひょっとして、欠陥住宅だったらどうしょう。欠陥住宅を売りつけた業者が夜逃げしてしまったらどうなるのだろうか?

 欠陥住宅って、まさか自分にはと思う方もおられるかも知れません。

  しかし、私が法律相談の中で増改築含めて欠陥住宅の相談は、決して少なくありません。中には、些か神経質ではないかと思われる相談もありますが、地盤が沈下してそのため床が傾いて、五角形の鉛筆が転がるような家の相談もありました。 

  今回のセミナーは、欠陥住宅だったとしても、構造や雨漏り防止部分という重要な部分に欠陥があった場合には、消費者を保護するための法律ができましたので、今回は、その法律の概要について説明させていただくことになります。

  また、本日は、国土交通省から、住宅瑕疵担保履行法の担当官の四反田さんもお見えになっておられます。個別の質問については、四反田智裕さん(国土交通省住宅局住宅生産課)から、わかりやすい解説を頂戴できればと思います。

  では、早速、レジュメに沿って、住宅瑕疵担保履行法の概要について、説明させていただきます。
 
 
2、P1をご覧下さい。

□住宅瑕疵担保履行法の名称にある「瑕疵」とは、本来あるべき性能がないことであり、住宅でいうと、耐震性や防水性など、本来住宅が持つべき性能がないことを意味します。
 
□住宅瑕疵担保履行法ができた背景には、住宅の瑕疵の問題が生じていたことが挙げられます。すなわち、平成10年ころに、秋田県の第三セクターが建設した住宅に欠陥が続出した、いわゆる「秋田県木住問題」が発生しました。平成17年には、構造計算書偽装問題、いわゆる姉歯問題が発生しました。 同時期に、戸建て住宅のフランチャイズメーカーで たいりょくかべ(構造上重要な壁)の量が足りない住宅が、数百戸判明するという事件がありました。また、直接の売主や請負主ではありませんが、建材メーカーが耐火建材の試験データーをごまかして認定を受けていたという事件がありました。これらは、新聞などで大きく取り上げられたものです。しかし、これ以外にも、雨漏りや建物の傾きといった欠陥住宅の事例は少なくありません。
   
   
3、P2をご覧下さい。

□ 欠陥住宅問題に対応した制度としては、今から9年前の平成12年4月にスタートした住宅品質確保法という法律があります。この法律では、それまで事業者によってまちまちであった瑕疵担保責任期間(いわゆる保証期間)ですが、構造と雨漏り防止部分については、最低でも10年を義務づけました。これにより、消費者に不利な契約、例えば期間が短かったり、内容が限定されていたりしたら、そのような契約は無効になりました。

   
□ 構造や雨漏りの防止部分というのは、具体的には、構造については、柱や梁、基礎、土台といった、地震や建物の重さに対する強さの部分、雨漏りの防止は、屋根や壁、窓のサッシといった雨水が室内に入ってくるのを防ぐ部分です。   

4、P3をご覧下さい。

□ この住宅品質確保法によって、建物を建てたり売ったりする者には、瑕疵担保責任、つまり保証責任があります。しかし、姉歯問題では、保証責任のある不動産会社、つまりヒューザーは倒産してしまいました。その結果、補修や損害賠償が出来ない、つまり責任が果たせず、そのつけは、買い主に廻ってきました。 買主は、欠陥住宅のローンを抱えながら、自らの負担で、建て替えや補修を行うということになりました。
   
□ こうした姉歯問題を教訓に、事業者が倒産しても消費者につけを廻さない仕組みについて政府や国会で議論が行われました。
その結果、万が一、事業者が倒産したりしても、消費者が負担しなくてもいいように、予め住宅事業者に補修費用を確保させておくための法律が成立しました
 これが、本日、ご説明する住宅瑕疵担保履行法です。

  住宅瑕疵担保履行法が成立したのは、平成19年の5月です。そして、準備期間を経て、今年の10月1日から本格スタートします
 
 
  5、P4をご覧下さい。

□ この住宅瑕疵担保履行法のポイントは、住宅事業者に保険に加入するか保証金を供託するか、いずれかを義務づけていることです。つまり、万が一、瑕疵つまり欠陥が見つかった場合、事業者が倒産しても、保険金や供託金が支払われ、その範囲で、補修費用をカバーする内容になっています。対象住宅は、新築住宅です。建ってから1年以内で、まだ人が住んでいない住宅をいいます。そして、平成21年10月1日以降に引き渡される新築住宅ですから、これから住宅を取得される方は、まず、この法律の適用を受けることになります。
 
□ この保険や供託の申し込みを行うのは、消費者に住宅を引き渡す事業者です。消費者は手続を行う必要はありません。注文住宅の場合は、工務店やハウスメーカーです。建売住宅やマンションといった、分譲住宅の場合は、その住宅を販売する宅建業者です。但し、業者は保険料の支払いや供託金を預けることになりますが、その負担は、例えば、保険料については、同額の金額の請求を事業者から受けることになろうかと思います。
 
  6、P5をご覧下さい。

□次に、保険と供託が、どのような仕組みになっているのか、説明します。まず、保険からです。保険は、事業者が住宅専門の保険会社(保険法人といいます)に工事の前に申し込みます。保険法人は、現場検査を行った上で、保険を受け付けます。万が一、事業者が倒産したりして、欠陥を補修できない場合には、消費者は、保険法人に対して補修費用を請求できます。最大で2000万円まで支払われるので、殆どの欠陥はカバーできると言われています。

  お手元の漫画の小冊子13頁のQ4に、補修費用の他、一定範囲の修理のための調査費用や工事中の仮住まいの費用等も対象となります。但し、戸建て住宅の場合であれば、免責金額として10万円とされています。また、ご心配であれば、3000万円、4000万円、5000万円のオプションも用意されているようです。ただし、保険料は高くなります。   
   
□事業者が保険に加入しているかどうかは、契約時に書面の記載をすることになっているので、契約書をよくご確認下さい。お手元の漫画小冊子の13頁のQ6をご覧下さい。 保険加入の流れが、わかりやすく記載されていいます。 また、住宅の引渡時には、どこの保険に入っているか、限度額はいくらか、といった証明書も忘れずに受け取って下さい。

 万が一、事業者が保険に加入し忘れた場合でも、引渡前であれば、保険加入は可能です。ただし、工事中や完成後に加入する場合には、保険料が割高になりますので、基本は着工前の申し込みとご理解下さい。
   
 
7、P6をご覧下さい。

□住宅専門の保険会社である保険法人は、国土交通大臣が指定し、きちんとした業務を行っているかを監督します。現時点では、㈱住宅あんしん保証、(財)住宅保証機構、㈱日本住宅保証検査機構、㈱ハウスジーメン、ハウスプラス住宅㈱の5つの法人です。
 保険法人の所在地や連絡先については、お手元の漫画の小冊子16頁で紹介されています。
  保険料などについては、各社によって異なっております。詳しいことは、各社のHPをご覧下さい。
 
□また、保険に加入している住宅を購入した方で、事業者との間で紛争があった場合には、各地の弁護士会におかれた住宅紛争審査会を利用できます。住宅紛争審査会では、あっせんや調停・仲裁といった手続を、全部の費用が、1万円で利用できます。
 あっせんは、第三者が間に入り、双方の意見を聞いたり整理をしながら双方の理解をもって、当事者同士での円満な解決を目指す方法です。
調停は、第三者が間に入り、双方の意見を聞いたり整理をしながら、円満に和解させるための解決案を作成し提示します。解決案の実行には、当事者同士の承諾が必要です。
仲裁とは、第三者が間に入り、円満に和解させるための判断を下し、解決案を出します。あっせん、調停と異なり、事前に当事者間で仲裁に付する旨の合意が必要で、出された解決案が最終判断となります。

 愛媛では、愛媛弁護士会住宅紛争審査会があっせんや調停・仲裁という手続を行うことになります。連絡先や所在については、漫画小冊子に記載されていますので、必要な時にご確認下さい。
 
  保険でなく、供託対象の住宅の場合には、住宅紛争処理審査会に申請することはできません。供託対象の住宅で、審査会への申請を行うことができるようにするためには、住宅品質確保法に基づいた住宅性能表示制度の利用が必要になります。愛媛では、株式会社愛媛建築住宅センターが住宅性能表示制度の業務を行っています。私事になりますが、私も、今年、住宅を取得しましたが、愛媛建築住宅センターから性能表示書をいただきました。「いきなり紛争処理はちょっと」という方には、住宅紛争処理支援センターが相談を受け付けております。電話番号は、お手元の漫画の小冊子の最後の頁に記載されています。
 
8、P7をご覧下さい。

□もう一つの仕組みが、供託制度です。供託は、保険と異なり若干わかりにくい法律用語ですが、事業者が、万が一の時に備えて、お金を、法務局に預かってもらっておくということです。供託では、事業者は、新築住宅の供給実績に応じて、半年ごとに一定額を法務局に預けます。万が一、倒産した場合には、この法務局に対して、消費者は必要な費用の還付を請求できます。但し、事前に、国土交通大臣が確認を行います。具体的なことについては、お手元の漫画小冊子11頁を後で確認下さい。

  ただ、中小の事業者では、供託金の負担が大きいため、保険制度を利用されることが多いと思われます。例えば、お手元の漫画小冊子15頁の問い8をご欄下さい。100戸供給実績のある事業者の場合、1億円を供託しなければなりません。保険だと、お手元の漫画小冊子13頁の問い4で少し記載されていますが、戸建て住宅で6~8万円程度とされているようです。
 
□事業者が供託をしているかどうかは、保険と同じように、契約時の書面に記載することになっているので、契約書をよく確認下さい。

 それから、注意していただきたい点があります。供託は、半年ごとに実績に応じて行われますので、供託前に事業者が倒産してしまうと、保証を受けられない場合があります。基準日の3月31日と9月30日以前でも前もって供託することは可能なので、事業者に「いつ供託するのか」「既に供託しているのか」「いくら供託するのか」といったことをよく確認しましょう。
 
 
9、最後に

 最後に、まとめさせていただきます。 住宅品質確保法で、事業者は、構造部分や雨漏り部分の瑕疵担保責任を、10年は負うことになりました。

 ところが、瑕疵担保責任を負っている事業者が倒産してしまうと、結局、被害者は泣き寝入りを強いられました。

 住宅瑕疵担保履行法は、事業者が倒産してもきちんと補修が受けられるようにしたものです。そして、その方法として、保険制度と、供託制度の2つの制度が用意されました。

 立法の書き方としては、供託が原則になっていますが、供託と保険のどちらが望ましいというわけではありません。供託又は保険のいずれかによっても、資力確保がなされ、同様の消費者保護が図られる仕組みにはなっています。どちらを選択するかについては、事業者のそれぞれの判断に基づき選択されることになります。

 また、ご説明申し上げたように、住宅瑕疵担保履行法は、全ての住宅に適用されるものではありません。例えば、中古住宅や、新しくても工事完了日から1年を経過した建物には適用がありません。
   
 今回、セミナーにご出席されている方は、新築住宅の取得を希望されている方が多いのではないかと思いますが、供託のように、供託する前にその会社が倒産してしまった場合には、補償を受けることができません。住宅瑕疵担保履行法は、あくまで欠陥住宅だった場合の事後的な救済の措置です。欠陥住宅をできるだけ取得しないという予防的な措置を講ずることが大切だと思います。
 

 欠陥住宅を掴まされないようにするためには、信頼のおける工務店、評判の高い工務店に依頼されることも大切です。
 

 それに加えて、第三者機関によって作成される住宅品質確保法に基づく住宅性能評価書を得ておくということも重要だと思います。
  業者に対して、住宅性能評価書の話をしてみて下さい。
  嫌がるようであれば、怪しい業者かもしれません。
 

 そして、万が一、欠陥住宅を掴まされた場合に備えて、きちんと保証を受けられるよう、保険加入しているか、或いは、供託をしているのか確かめてください。
 
 以上、ごく簡単ですが、住宅瑕疵担保履行法の概要について説明させていただきました。

 重要なことは、お手元の漫画小冊子に全て記載されていますので、新築住宅を取得されましたら、この冊子だけを保管していただき、万が一の時には活用していただければと思います。

 ご静聴ありがとうございました。

                                  以上です

2009年9月 1日 (火)

【交通事故】 介護料についての判例 千葉地裁平成20年7月31日

 交通事故民事裁判例集第41巻第4号(平成20年7月8月号)で紹介された裁判例です。

 千葉地裁平成20年7月31日の判例です。

 高次脳機能障害(第1級1号)を残した被害者(男・症状固定時24歳)の症状固定後の介護料として、

 当初の3年間は近親者による介護(1日当たり1万円)のみ、

 その後、父親が67歳に達するまでの8年間は近親者による介護(1日当たり5000円)と職業付添人による介護(1日当たり1万円)、

 それ以降は職業付添人による介護(1日当たり2万5000円)が相当である

 として算定された事例(1億3474万円)

 但し、過失相殺があるため、最終的には、全体の損害は、1億円を超えていません。

 24歳男性で、1億円弱・・・  今後の介護の負担を考えると到底まかなえるものではありません 

 介護する両親も大変ですが、被害男性の悔しさは表現できるものではありません。

 事故に遭わないよう日頃から注意が必要です。 

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