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2009年7月31日 (金)

中央大学生の進路

  第457号の中央大学時報が送られてきました(7月25日号)。

  その中に、学部別非就職者の内訳表が記載されていました。

  それによれば、中大ロースクールには、52名(法学部からは51名)、他大学ロースクールには、121名(法学部からは114名)、進学しているようです。

  受験準備として、法学部に限定すると、公務員採用試験は25名、司法試験は21名、ロースクール試験は26名、公認会計士試験は9名、税理士試験は4名、弁理士試験・教員採用試験・専門職大学院試験は0名でした。司法書士試験の欄がないのは不思議でした。中央大学には、司法書士白門会もあり、司法書士試験を目指す人も少なくないはずなのに・・・次回の時には、直してもらいたいものです。

 司法試験関係は、合計で200名弱になりますが、20年前に、司法試験の受験のための浪人が年200名弱も誕生していたかというと、私の記憶だとそんなことはなく、すごい数になっているなあと思いました。

 我が母校についていえば、法曹界に対する人材供給量は、すごいことになっているなあと思いました。

 それはさておき、また、ロースクール試験のために、浪人する人が少なくないことにびっくりしました。一昔の感覚からすれば、司法試験さえ合格すれば、ほとんど希望する法律事務所に入ることはできたのですが、昨今の司法試験の容易化に伴い、より上位のローではないと就職が困難ということも考えられるため、「ロー浪人」という現象が発生しているのかもしれません。

 採用する方も、司法試験が余りあてにならないということになると、司法試験の順位や出身ローのブランド名で、採用を決めることもありうるからです。

 ただ、個人的には、お金のかかる法科大学院よりも、予備試験の合格枠を拡大して貰いたいと思っています。出身ローのブランドで、弁護士も序列が生じないよう、気をつけていかないといけませんね。

 

2009年7月30日 (木)

【金融・企業法務】 預金債権の執行について、差押命令送達の日から3営業日の間に発生する(増加する)預金部分について包括的差押命令が発せられた事例

 消費者法ニュース2009年7月号(80号)で紹介されている裁判例です。

 強制執行の対象となる預金は、送達時の時点の預金とされていることから、送達時以降に入金があった場合には、差押えの対象とはならないことになります。

 今回の裁判例のように、一定の時間的期間に生じる預金債権を将来債権として押さえることが可能となれば、強制執行の実を挙げることが可能となります。

 このような強制執行の申立については、平成20年11月7日の東京高裁決定、平成20年12月18日の東京高裁決定は、消極的ですが、平成21年3月5日付け奈良地裁決定平成21年3月25日付け高松地裁観音寺支部決定は、積極的な立場をとりました。

 奈良地裁や高松地裁の考え方が浸透しているのかまだまだ未知数ですが、詐欺商法構成員は、預金口座から頻繁に出金手続を繰り返すことにより、強制執行手続を不当に回避しようとする者もいるため、認められるとすれば、消費者の救済につながることもあるため、今後の決定例を注視していきたいと思います。

2009年7月29日 (水)

【倒産】 株式会社の取締役等の解任又は選任を内容とする株主総会決議不存在確認の訴えの係属中に当該株式会社が破産手続開始の決定を受けた場合における訴えの利益の消長 (最高裁平成21年4月17日判決)

 判例タイムズNo1297号(2009年8月1日号)搭載の最高裁判決(平成21年4月17日判決)です。

 論点は、破産手続開始の決定があった場合破産会社の取締役の地位について?ということです。

 当然終任説と、非終任説とが対立していますが、私の理解は、当然終任説に立っていました。また、それが、判例通説と思っていましたが、そうではなかったようです。

 原審の仙台高裁は、当然終任説に立っていましたが、最高裁は、非終任説に立ち、破棄差し戻しを行いました。

 判決文は、以下のとおりです。

 民法653条は、委任者が破産手続開始の決定を受けたことを委任の終了事由として規定する。

                   ↓

 これは、破産手続開始により委任者が自らすることができなくなった財産の管理又は処分に関する行為は、受任者もまたこれをすることができないため、委任者の財産に関する行為を内容とする通常の委任は目的を達し得ず終了することによるものと解される。

                   ↓

 会社が破産手続開始の決定を受けた場合、破産財団についての管理処分権限は破産管財人に帰属するが、

 役員の選任又は解任のような破産財団に関する管理処分権限と無関係会社組織に係る行為等は、破産管財人の権限に属するものではなく、破産者たる会社が自ら行うことができるというべきである。

                   ↓そうすると

 同条の趣旨に照らし、会社につき破産手続開始の決定がされても直ちには会社と取締役又は監査役との委任関係は終了するものではないから、破産手続開始当時の取締役らは、破産手続開始によりその地位を当然には失わず、会社組織に係る行為等については取締役らとしての権限を行使し得ると解するのが相当である。

                   ↓したがって

 株式会社の取締役又は監査役の解任又は選任を内容とする株主総会決議不存在確認の訴えの係属中に当該株式会社が破産手続開始の決定を受けても、上記訴訟についての訴えの利益は当然には消滅しないと解するべきである。

 平成16年の最高裁決定により、破産宣告(旧法)後に特定の会社財産が破産財団から放棄した場合には、旧取締役の管理処分権限は復活しないとされていますが、この考え方との整合性はとれているのだろうか?と少し悩んでいます。

 いずれにしても、当然には終任しないので、注意が必要です。

 

2009年7月28日 (火)

判例タイムズ No1297 新司法試験の合格者数について 石川明論文

 判例タイムズNo1297号に、慶大名誉教授の石川氏の「新司法試験の合格者数について」と題する論文が掲載されていました。

 この論文を読んで、学者の先生の認識にびっくりさせられました。

 石川氏によれば、

 ①合格者数を増やせば、当然合格者全体の平均学力は低下する、②現在の修習修了者の実務法曹としての実力は旧制度のそれを比較して一般的、平均的にいえば、明らかに劣っている

 その対策として、

 修習終了後判事補制度にならって、弁護士の場合にもとりあえず5年程度の弁護士補制度を造る

 というものです。

 基本的に自営業者であるに過ぎない弁護士に、「弁護士人口の著しい増加により生存競争が高度化」している状況のもとで、旧制度のそれと比較して実務法曹としての実力が一般的、平均的にいって劣っている方の指導など、できるわけがない。

 ほどんどの法律事務所が、弁護士が1名或いは数名程度の零細なものであることの認識が不足しているのではないかと思いました。 

 そして、法科大学院側の自助努力については、「簡単に定員削減、統合というが、既に施設を整え活用し、教育スタッフを揃えてしまっている私学にとり、定員の削減や統合をすることに要するエネルギーは異常に大きい」として、

 その対策を、

 (1)前述の弁護士補制度の他に、

 (2)法科大学院終了生に、弁理士資格ないし司法書士資格、あるいは制限された一定の範囲の訴訟代理人資格を取りやすい方法を考えることと述べています。

 (2)についても、無理矢理に法科大学院の存在意義を見いだそうとしているしか思えません。後者は新たな資格創出ですかね。司法試験に合格すればいいだけかと思うのですが・・・

 今回の論文は、法科大学院制度の失敗を棚上げし、弁護士事務所が新人弁護士を雇用して一人前の弁護士にするための研修を怠っているからだと責任転嫁しているようにしか読めませんでした。

2009年7月27日 (月)

全国に広告を出して大量の依頼を受け、依頼者と意思疎通できずにトラブルになる▽数百万円の過払い金返還を受けながら依頼者に報告しない――などの苦情が各弁護士会に寄せられているという報道

  仙台の坂野弁護士のブログで知りました。

 日弁連が債務整理の活動の指針を出すようですが、「いつもながら遅い対応」と思いました。

 田舎弁護士の地方でも、大都会の法律事務所などから、債務整理の広告が入ったりします。

 どんな弁護士なのかHPなどで調べてみると、中には、弁護士が高齢者で、所属事務所の弁護士の数は1名か少数であったり、場合により、過去に懲戒歴のある弁護士もいました。

 「全国対応で、相談は電話で無料」 

 便利なように思えますが、1人の多重債務者の生活状況や借入状況などを、直接弁護士が面談しなければ正確なところは把握できない場合が少なくありません。名義貸しや保証人がいる債務については、申告しない或いは隠している方は少なくありません。

 それでは任意整理は難しくなります。

 負債が残る場合も決して少なくないからです。

 私の事務所にでも、「電話で気軽に頼めるのはいいが、弁護士が対応したのは最初の1回だけで、あとは事務職員まかせで、こちらが電話しないと報告してくれない」などの苦情の相談を受けたことがあります。

 確かに、地元の法律事務所にも問題が全くないとはいえないかもしれません。たとえば、「相談者自身が取引履歴を持参してこないと債務整理は受けない」とか、「過払い事案なのにO和解で処理した」とか、「訴訟などで過払利息を請求していない」とかという話を聞いたことがあります。

 しかし、地元の法律事務所の場合には、事件処理について事務所を訪ねて容易にその説明を求めることができますが、都会の場合には、距離の問題からその手段が電話程度になることから、再三再四説明を求めてもはぐらかされてしまうということも考えられます。

 従って、多重債務の問題で困った場合には、愛媛弁護士会に気軽に電話していただいて、地元の弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

 また、今年の、9月、12月には、愛媛県の各地方局で、多重債務者の無料相談会を実施します。こちらに気軽にきていただいても結構です。

2009年7月26日 (日)

【金融・企業法務】 債権譲渡禁止特約と譲渡人からの援用の否定 最高裁平成21年3月27日

 旬刊金融法務事情No1873(2009.7.25)号で紹介された慶大の池田真朗先生の特別寄稿です。

 最高裁判決は以前にも紹介している平成21年3月27日の判決です。

 事案は、Xが、Aに対して、工事請負代金債権を有していた(但し、譲渡禁止特約付き)ところ、金融機関Yが、売掛債権担保融資保証制度に基づき、債権譲渡担保契約を締結し、債権譲渡を受けました。なお、Aが債権譲渡担保契約による債権譲渡につき承諾した旨の書面もありました。

 ところが、Xは、解散し、特別清算が開始され、Aが、上記工事請負代金債権の債権者が誰か不明ということで供託され、XとYとの間で、譲渡の有効性を巡って争われることになりました。

 最高裁は、債権譲渡禁止特約による無効を主張できるのは、Aだけとして、Xが無効の主張をすることは許されないと判断して、Yを勝たせました。

 これも、第1審、第2審では、Xを勝たせているため、逆転ホームランです。

 なお、解説からはよくわかりませんが、A名義の承諾書は有効なものではなかったようです。

 池田先生によれば、本判決の決定的な理由については、禁止特約を破って譲渡した譲渡人が、自ら譲渡禁止特約を理由に譲渡の無効を主張するところであるとしています。

 つまり、信義則違反が大きな理由だということです。

 問題は、破産管財人からの主張の場合も同じに考えられるのか?ということです。

 池田先生は、「専門外の問題でもありにわかには判断しがたいが、筆者としては、第三者性を理由に譲渡人本人やその清算人と別異に解釈するまでの合理性は乏しいのではないかと考えるがどうであろうか」と微妙な書き方をされています。

 もともと、池田先生は、「債務者が早々に供託しているのに、譲渡禁止の債権を譲渡した譲渡人の破産管財人が譲渡禁止特約を見つけだして譲渡の無効を主張しているところに、何らかの信義則違反の要素があるのではないか」と述べておられるくらいですから。

 管財事件の場合に、今回の最高裁判決が及ぶのかどうか、早く知りたいですね。

 

2009年7月25日 (土)

【金融・企業法務】 動産の留保所有権者がその撤去義務や不法行為責任を負う場合を示した最高裁判決

 旬刊金融法務事情No1873(2009.7.25)号で紹介されたリーガルNAVIです。

 最高裁平成21年3月10日は、

 駐車場所有者である上告人Xが、駐車中の自動車につき、その購入代金を立替払いし立替金債務の担保として所有権を留保する被上告人Yに対し、土地所有権に基づき同自動車の撤去を認め、駐車場の使用料損害金の支払を求めた事案において、

 残債務の弁済期経過後の留保所有権者は、上記撤去義務や不法行為責任を免れないことを明らかにしています。

 残債務弁済期が到来するまでは、留保所有権者は、当該動産の撤去義務や不法行為責任を負うことはない

 残債務弁済期が経過した後は、撤去義務や不法行為責任を免れることはない。但し、不法行為責任については、妨害の事実を告げられるなどしてこれを知った時に負う

 それじゃあ、留保所有権者が、当該動産の権利を放棄した場合はどうなるかについては、NAVIでは、一般に、物権の放棄は公序良俗に反してはならず、第三者を害することはできないと解されていることから、権利放棄して、撤去義務を免れることも難しいようです。

 それじゃあ、留保所有権者が、債務者の同意なしに、引き上げていいのかという点についても、自力救済は許されないことから、仮処分か、民事執行手続によるしかないようです。

 この最高裁判決がでたことによって、例えば、債務者が破産すると、たちまち担保権者は、貸倉庫業者に対して、倉庫使用料相当の損害賠償責任を負担する立場に置かれることになります。

 第1審、第2審は、留保所有権者の撤去義務を否定していたので、まさに逆転ホームランの判決です。

 債権保全の場面で悩ましいところですね。

2009年7月24日 (金)

ここまで増えているのか、びっくりです 弁護士の数

 本日、愛媛弁護士会の常議員会(理事会)(松山)に、出席いたしました。常議員といっても、私の場合、名目的常議員coldsweats01であるため、まさに名前のとおりただ座っているだけですが、今回の議題の一つに、弁護士の数が急増していることから、現在の代議員会に出席する代議員の数では少なくなっているため、1人あたりの代議員が代理権行使できる数を増やすというものでした。

 その際に、平成16年度から、平成21年度までの、弁護士の数の推移表が配布されたため、改めて、みると、「これじゃあ、就職難が発生しても当然だな」と思うような内容でした。

 愛媛の場合、弁護士の数は以下のようになっています

H16年度   92名

H17年度   94名

H18年度   98名

H19年度  107名

H20年度  117名

H21年度  121名

 広島では、H16年度は、280名、H21年度は、380名

 札幌でも、H16年度は、336名、H21年度は、500名

 岡山では、H16年度は、181名、H21年度は、257名

 愛知県では、H16年度936名、平成21年度は、1259名

 小さなところでも、

 島根県では、H16年度は、25名、H21年度は、46名

 鳥取県でも、H16年度は、26名、H21年度は、50名

 徳島でも、H16年度は、46名、H21年度は、68名

 全体では、

 H16年度は、2万0265名が、H21年度は、2万6970名であり、約6000人以上も、5年前と比べて、増えています。

 そのため、弁護士の就職難が大きな問題となっており、ごく普通の新人弁護士に支払われる給料は、年々大きく減少傾向にあります。

 その反面、司法試験や法科大学院の人気は下がる一方で、将来の法曹の質も心配されています。

 やはり思い切って、お金のかかる法科大学院を廃止して、門戸がより開放されていた昔の司法試験に戻すべきだと思います。そして、裁判官でも10年の任期制度があるように、弁護士の場合でも最低限度の質を保てるよう更新制度を設けるべきでしょう。

 とはいっても、更新制度の場合には、ある程度、専門分野を選択できるようにしてもらいたいですね。私の場合、刑事訴訟法や刑法を聞かれたら、落ちてしまうかもしれないので・・・・

2009年7月22日 (水)

【交通事故】 飲酒運転に酔って死亡事故を引き起こした運転者の運転する自動車に事故直前まで同乗していた者の当該運転者に対する運転制止義務違反を理由とする共同不法行為責任が認められた事例(平成20年10月15日鹿児島地裁)

  判例時報No2041号(平成21年7月21日号)で紹介されていた裁判例です。

 本件事案は、本件事故の直前まで本件車両に同乗していたYの不法行為責任が追及された事案です。

 本件判決は、

 Zが、本件事故の際にAを発見するのが遅れたことについては、多分に飲酒による影響があったものと推認されるとして、

 Yとしては、既にその時点(C宅を出る前にY自身がZの顔が赤くなっているのをみた時点)でZに車の運転をさせれば、交通事故を惹起して他人に危害を加える結果となる蓋然性が高いことを、十分に予見することが可能であった

 この予見内容が、人の生命にも関わる重大な事態であったことからすれば、Zとは前記認定のような間柄にあったYには、条理上、Zが車を運転するのを制止すべき注意義務があったものと認めるのが相当である

 それにもかかわらず、Yは、Zの運転する本件車両に同乗したほか、その後、同車両から降りた際にも、Zが運転を継続するのを制止しなかったものであり、この注意義務違反の結果、その直後に本件事故が発生するに至ったものであるから、Yには同事故につき、Zとの共同不法行為責任があると認められる

 と判断しました。

 同乗中の事故ではなく、降車後に事故が発生しているところに特徴があります。

 飲酒を軽く考えている人がまだまだ少なくないですが、運転者であるZは、未成年者でありながら、懲役3年の実刑判決を受けています。

 飲酒して車を運転する行為は、殺人行為に匹敵します。絶対やめないと、大変な事になります。

 

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2009年7月18日 (土)

【交通事故】 保険実務コンプライアンス 

 旬刊金融法務事情No1872(7月15日)号の特集記事です。

 平成22年4月1日から、ついに「保険法」が施行されることになりますが、私のように田舎弁護士の場合でも、交通事故がらみの損害保険等を中心に、業務に少なくない影響を与える法律であるため、残り1年もありませんが、少しずつ勉強をしていく必要がありそうです。

 早速、条文にあたりますと、第1条から第96条までの構成で、会社法と比べて少ないため、少し安堵しました。章も、①総則、②損害保険、③生命保険、④傷害疾病定額保険、⑤雑則の、5章だけです。

 事例研究(損害保険)ケース1では、質問応答義務(告知義務)についての問題を取り扱っています。

 保険法第4条は、

 保険契約者又は被保険者になる者は、損害保険契約の締結に際し、損害保険契約によりてん補することとされる損害の発生の可能性(危険)に関する重要な事項のうち保険者になる者が告知を求めたもの(告知事項)について、事実の告知をしなければならない

 と定めています。

 従って、自動車保険の申込書に記載された質問が、前述の「告知事項」にあたる場合、顧客はこれに回答しなければならないということになります。

 告知義務違反がある場合には、保険者は要件を充たせば解除できます(保険法第28条1項)。

 しかし、告知事項については、具体的に定められていないため、その範囲が問題となります。

 告知事項以外の事項についての質問も、解説によれば、解除の効果と結びつかないのであれば、保険法第7条(片面的強行規定)に違反しないのであれば、可能ということになっているようです。

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2009年7月17日 (金)

 新人弁護士 募集 ???

  昨日、地裁某支部の出張がありました。 3人くらいの見たことのない若い弁護士さんに遭遇しました。おそらくは、今年登録されたばかりの新人弁護士さんだろうと思われましたが、挨拶もなかったので、そのままになりました。まあ、ここまで人が増えれば、仕方がないのでしょうね。coldsweats02

 小泉さんの間違った司法改革により、弁護士の数は急増し、それに反比例するかのように、法科大学院に対する人気は減少するばかりです。

 現在は、顧問先様や元のお客様の紹介により、まずまず多忙な毎日を送らせていただいております。

 ただ、私の事務所の場合、40%が交通事故、30%が債務整理、20%が企業金融法務と、やや分野が偏ってきております。そして、残りの10%は、件数は少ないものの、ものすごく分野が広く、大変な状態です。

 もとより、交通事故の分野については、非常に興味を抱いている業務であり、将来も主軸にしたいと考えております。

 それと平行して、企業金融法務の分野についても、少しずつ、拡大させていきたいと考えておりますが、交通事故以上に分野が広く、私1人では、能力的に限界を感じるようになっています。

 そこで、「知財や、労働、税務の実務」を、法科大学院できっちりマスターした新人弁護士さんが来てくれればいいかな?と思うようにもなっています。

 待遇は?と質問されたら、年俸600万円位だろうとは思います。

 ただ、昨今、司法修習生や新人弁護士の質云々が議論されているので、やはり、司法試験は少なくとも真ん中よりは上位の成績は必要であろうと思います。なお、中央大学或いは神戸大学のロースクール出身者や社会人経験者(正社員)であれば、大歓迎ですね。

 礼儀正しく、また、負けず嫌いな方がいいですね。happy01 

 興味のある方は、お手紙でお知らせ下さい。

2009年7月16日 (木)

【金融・企業法務】 約束手形の取立委任を受けた銀行が、委任者の再生手続開始決定後に、同手形を取り立て、その取立金を商事留置を根拠に当座貸越債権に充当することが許されないとされた事例(東京地裁平成21年1月20日)

  判例時報No2040(平成21年7月11日号)で紹介された東京地裁平成21年1月20日の判決です(合議)。

 事案は、以下のとおりです。

 Xが、銀行であるYに対して約束手形の取立を委任していたところ、Xがその後に再生手続開始決定を受けたにもかかわらず、Yが同手続開始決定後に同約束手形により取り立てた金員を自己のXに対する債権の弁済に充当したため、Xが、Yによる右弁済の充当は許されないとし、Yに対して、取立金相当額の返還を求めた事案です。

 これに対して、Yは、右手形につき、商事留置権を有し、別除権者であるから、右手形を取立自己の債権に充当することは許されると反論しました。

 本判決は、

 ①Yは、右手形につき、当座貸越債権を被担保債権とする商事留置権を取得したと認められるが、民事再生法においては商事留置権には優先弁済権が付与されていないものと解するべきである

 ②破産手続においては、商事留置権は特別の先取特権とみなされ、商事留置権を実行したことによる回収金についての優先弁済が認められているが、民事再生法には、破産法と同様の規定が設けられておらず、そのような相違があったとしても不合理であるとはいえない

 ③同手形の取立金の債権への弁済充当は許されず、弁済への充当には法律上の原因がないことに帰する

 などと判断して、再生債務者の請求を認容しました。

 いや、銀行にとって厳しい判断ですね。

 この事案だと、なんと、約5億6000万円の案件です。

 手形には商事留置権が成立しているものと思いますが、これじゃあ、商事留置権って、民事再生の場合には意味がなくなりますね。

 高裁に控訴されていますが、控訴審では、反対の結論がでることもありうるのではないかと思います。

2009年7月14日 (火)

最高裁平成20年7月10日 期限の利益喪失特約だけでは、悪意者ではない???

 弁護士の中山知行先生のブログで知りました。嫌な判決がでたものです。

 平成20年7月10日の判決です。最高裁は、過払金請求を抑制する気になり始めたのかもしれません。

 確かに、先日、大阪を訪ねた際、乗車した地下鉄、当たりを見回すと、なんと6つの隣接業種の広告が貼り巡らされていました。適切な過払金が容易に回収できるように読めるため、なんとも品位のない嫌な気分になりました。幸いなことに、弁護士の広告は見つけることができませんでしたが(たまたまなんでしょうが)、TVのCMでは同じように不快感を抱いたものがありました。債務整理事件なんて、1人1人の管理が大変で、弁護士1人の場合、20件から30件くらいが限度ではないでしょうか?それ以上だと、チェックや面談に費やす適切な時間がとれないのではないでしょうか?

 それはともかく、最高裁は、概ね以下のように述べます。

 ①平成18年判決は、債務者が利息制限法1条1項所定の制限を超える約定利息の支払を遅滞したときには、当然に期限の利益を喪失する旨の特約(期限の利益喪失特約)の下で制限超過部分を支払った場合、その支払は原則として貸金業法43条1項にいう、「債務者が利息として任意に支払った」ものということはできない旨判示している

 ②平成19年判決は、貸金業者が制限超過部分を利息の債務の弁済として受領したが、その受領につき貸金業法43条1項の適用が認められない場合には、(1)当該貸金業者は、同項の適用があるとの認識を有しており、かつ、(2)そのような認識を有することに至ったことについてのやむを得ないといえる特段の事情(平成19年判決の判示する特段の事情)があるときでない限り、法律上の原因がないことを知りながら過払金を取得した者、すなわち民法704条の「悪意の受益者」であると推定される旨判示している。

 今回の最高裁は、平成19年判決の判示する特段の事情に関するものです。

 期限の利益喪失特約下の支払いの受領というだけでは悪意の受益者とは認められないとしました。

                  ↓

 そのため、制限超過部分の支払について、それ以外の同項の適用要件の充足の有無充足しない適用要件がある場合は、その適用要件との関係で上告人が悪意の受益者であると推定されるか否かを検討しなければ、上告人が悪意の受益者であるか否かの判断ができない

 ←この後者の、充足しない適用要件がある場合は、その適用要件との関係で上告人が悪意の受益者であると推定されるか否かというのはわかりにくいですね。

 この判決のため、今後は、一層、過払い利息はとりにくくなりそうですね。示談交渉の際でも、過払い利息については、つけずに、過払金元本の何割という提示が増えるのではないかと思います。

 今後は依頼人にも説明をする必要がありそうです。 

 

2009年7月13日 (月)

パルティ フジ 夏目

 今治から松山市街を海沿いのルート(国道196号線)で訪ねることが時々あります。

 旧北条市の郊外にあるパルティフジ夏目です。

 先日の休みに、子どもを連れて買い物にいきました。

 途中に、菊間の瓦館にたちよって、先月、制作した置物を引き取りにうかがいました。

 085 さて、パルティフジ夏目ですが、河をこえたところにあります。

 また、駐車場も広く停めやすかったです。

 衣料品が豊富で、しかも、安かったです。また、バッハ書店で、英和辞典(アンカー)を1冊購入しました。子どもには、ポケットモンスター図鑑を買ってあげました。

 そのあと、コスタ北条(温泉)で、子どもとゆっくり過ごしました。

2009年7月12日 (日)

【交通事故】  ㈶日弁連交通事故相談センター 本部研修

 肝心な研修内容の詳細について説明することを忘れていました。

 ①高次脳機能障害事案の受付・初期相談の留意点

 著名な溝辺克己先生が講師です。

 高次脳機能障害については、私が過去関与した事案は、すでに等級が確定している案件ですが、今回は、それ以前の初期相談についての留意点についての解説でした。

 レジュメに、気になる記載がありましたので、紹介します。

 「鞭打ち関連脳症(WAE)は、今後、大きな議論を呼ぶ。MTBI(脳震とう症)に関し、「軽度外傷性脳損傷」(石橋徹著)は参考に値するが、WAEの啓蒙書であると同時に、後遺障害評価については、触れていない」、「PTSD・低髄液圧症候群などの【むち打ち関連難治じ事案】は、WAE議論とあいまって、外傷性高次脳機能障害との関連について、今後も激しい議論を呼ぶ」

 ただ、現在のところ、裁判所の判断は消極的ではないようです。たとえば、東京地裁平成21年2月19日は、「軽度外傷性脳損傷という傷害類型が存するかは疑問であるが」とされています。

 

 ② 保険金請求の可否 

 著名な高野真人先生が講師です。

 ケース1は、Yさんが友人X所有の車(保険もX契約)を借りて、Yが運転し、自損事故をおこした結果、Yの子供V1と、Xの子供V2、そして、Xが大けがをしてしまった事案です。

 V1が、Yに対して請求できるかという質問に対しては、

(1) 自賠法3条自体は○ 

 自賠責保険の被保険者性○ 免責無

 任意保険 の被保険者性○ 免責有 ※被保険者の子+運転中の者の子

 V1が、Xに対して請求できるかという質問に対しては、

(1)自賠法3条自体は○ 

 自賠責保険の被保険者性○ 免責無

 任意保険 の被保険者性○  免責有 ※運転中の者の子

 V2が、Yに対して請求できるかという質問に対しては、

(1)自賠法3条自体は○

  自賠責保険の被保険者性○ 免責無

  任意保険 の被保険者性○ 免責無 ←ここ間違えました。

  ※Yは、被保険者Xの子ですが、「この賠償責任条項の規定は、それぞれの被保険者ごとに個別に適用します」ということから、Yとの関係では被保険者の子にあたらないからです。

  したがって、Xとの関係では、被保険者の子にあたるため、免責有ということになります。

 Xが、Yに対して請求できるかという質問に対しては、

 まず、自賠責3条も×となります。

 次に、民法709条でも、賠償請求自体はできますが、任意保険は、まさに記名被保険者に該当するため、無理となります。

 ずいぶん昔に、まさにこのケースと同じような案件を取り扱ったことがありますが、自賠責保険も任意保険も使えず、困り果てたことがあります。

 ケース2は、Vは、下請会社乙の従業員で、玉掛作業者、Aは、ZVの同僚で、オペレーター、Bは、元請会社甲の従業員で、現場監督者ですが、BとAのミスが競合して、Vが大けがをした事案です。

 自賠責保険金の請求については、玉掛作業者は、運転者の補助者に該当するから、「他人」性を欠き、×ということになるようです。が~んですね。

 任意保険金の請求については、乙に対しては、「業務に従事中の使用人」として、免責あり

 Aに対しても、「使用者の業務に従事中の他の使用人」として、免責あり

 元請会社である甲に対しては、「Vの実質的使用者だからといって、免責の場合の使用人にはならない」として、任意保険金は認められる可能性があります。

 現場監督Bに対しては、そもそも被保険者性を欠くことになります。

 このような研修に参加して、しかも、名指しで質問され、間違うなどいい体験をしました。眠気さましにもなりますしね。仕事以外は、子どもと遊ぶか、勉強をしているかという生活を続けていますが、視野が狭くなるのが難点ですね。異業種交流会のようなところも積極的に参加していきたいとは思いますが・・・

 研修会の後の懇親会では、新人弁護士や若手弁護士の方が多かったのにはびっくりしました。調子にのって、少しアルコールを飲みすぎたようです。反省しています。

2009年7月11日 (土)

【交通事故】 (財)日弁連交通事故相談センター主催 本部研修会

 今日、大阪から戻ってきました。

 今回は、贅沢に、電車はグリーン席を使ったので、いつもの大阪研修とは異なり、戻ってきても身体がさほど疲れていません。

 が、事務所に戻ると、私の机の上には、書類の山が、3つほど積もっている状態です。思わず、が~ん です。

 078

 泊まった大阪のホテルです。梅田に近く便利です。昔は、全日空ホテルだったようですが、今は少し呼び名が違うようです。

084  朝食です。バイキングですが、上品でおいしかったです。

081  オムレツと、ハンバーガーは、手作りでその場で作ってもらいました。オムレツのトッピングは、チーズ、ハムです。

 

 ホテルは申し分ありませんでした。

 また、研修の舞台となった大阪弁護士会館、まるでホテルのようです。こんなに贅沢な施設作って、大丈夫なのかなと他会の会員ですが、心配になるほどです。贅沢に作っているためか、会議室は大変心地よかったです。

 ただ、今回、大阪にきて、不愉快になったことがあります。それはタクシーの運転手の接客態度が、ひどすぎることです。1回だけならともかく、3回乗って、いずれも不愉快な思いをしました。

 例えば、ヨドバシカメラ梅田店から乗ったタクシーは最悪としかたとえようがなかったです。「大阪弁護士会館でお願いします」というと、「どこそれ?」、地図を見せると、「道反対」 再び、「道反対」、 「道反対でもいいですけど」というと、何もいわず走らせ、しかも、雨が降っているのに、客側の窓ガラスを閉めないので、雨が室内に入り込みますが、一向に気にならないようでした。

 他の2台も似たり寄ったりで、「もう大阪では、タクシー乗りたくない」です。

 ラジオをずっとつけぱなしにしている運転手もいたなあ・・・ たまたま接客態度の悪いタクシーに運悪くあたったと思うことにしたいですが・・・

 それで、今日はできるだけ公共機関を使うようにしました。

  例によって、ジュンク堂大阪本店で3時間、ヨドバシカメラの地下2階文房具(売り場)で1時間、すごしてしまいました。今日もたくさん本を買ってしまいました。

2009年7月 9日 (木)

【交通事故】 明日は、(財)日弁連交通事故相談センター 本部研修会

 明日、大阪で、(財)日弁連交通事故相談センター主催の本部研修会があります。

 場所は、大阪弁護士会館会議室です。

 テーマは、「高次脳機能障害の初期相談、受付の留意点」、「保険金請求の可否 事例を通しての研究」、「相談・示談あっせん業務についての意見交換会」です。

 午後6時からは懇親会です。

 講師の先生の名簿をみると、あの交通事故賠償の再構築(ぎょうせい)の編者の先生方です。交通事故の分野の超一流の先生から指導をいただけるなんて、大変すばらしいことです。

 この研修会の存在は、松山のN先生に教えて貰ったのですが、大変ありがとうございました。

2009年7月 8日 (水)

【金融・企業法務】 相続預金払戻しに関する窓口対応上の留意点

 銀行法務21・7月号(No704号)で紹介されている特集記事です。

 大手都市銀行の法務部スタッフによって執筆されたものです。

 いくつか私が把握していなかった知識も得られ、大変有益でした。

 たとえば、検認を受けた自筆証書遺言の場合には、当該遺言の有効性の確認のためには、「銀行実務上は、被相続人本人が作成したかどうかの確認のため、遺言書の筆跡を、生前の被相続人本人が記載し提出した書類(印鑑票、諸届出書類等)にある筆跡と対照して照合したり、銀行が把握している被相続人の生前の生活実態や縁故関係からみて、遺言の内容に不自然な点はないかどうかを注意して確認する」。

               ↓有効性を十分に確認できない場合

 銀行実務上は、その遺言に基づき預金払戻しを請求してきた者のほか、法定相続人や受遺者等の利害関係人から、その預金払戻しにつき了解を得ておくべき

 次の設例は、参考になります。

 たとえば、窓口で、Aが、預金名義人Bに相続が開始したとして、「友人AにC銀行D支店の口座番号▽◎○■の定期預金を遺贈する」旨の遺言書を提示して、当該預金について名義書換請求をしている。遺言書どおりの申し出である以上、銀行として、Aの請求に応じてよいか? 

                ↓

 銀行実務としては、相続人等の遺贈義務者と受遺者Aとともに、当該預金口座の名義書換に応じるので、A単独の請求には応じられないという回答になっています。

 上記は、特定遺贈ですが、包括遺贈の場合には、「包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有するので、相続財産に預金が含まれている場合、包括受遺者は共同相続人とともに遺産分割を行うことになります」と説明されています。

 包括受遺者とは、財産に対する抽象的な割合でしか示されていない場合をいいますが、割合ではなく、それでは、「すべての遺産を遺贈する」という場合はどうでしょうか?

 また、遺留分を侵害する遺言がある場合の銀行の対応として、私は、減殺請求をされた場合には、請求権者の遺留分減殺の範囲をこえての弁済については消極的な見解を有していました。ところが、解説には、「銀行は、遺留分侵害の有無については、基本的に、気にする必要はありません」と書いています。これが減殺請求をされたことを銀行が知った後もこのような対応でいいのかは個人的には疑問を感じるのですが、そのあたりのことについては、解説でははっきりしたことはわかりませんでした。

 ところで、話がかわりますが、いつもながら、萬年先生の物語記事はおもしろいですね。会社を休眠会社にして5年間休眠を続け、そのことで法務局による職権抹消での清算手続という発想は浮かんだことがありませんでした。

 

2009年7月 7日 (火)

【金融・企業法務】 座談会 預金者の取引経過開示請求権に係る最高裁判決が金融実務に及ぼす影響

 金融法務事情No1871号(2009.7.5)の座談会です。

 委任を根拠として預金者の取引経過開示請求権を肯定した最高裁判決(最高裁平成21年1月22日)についての座談会です。

 座談会で話し合われた論点は、以下のとおりです。

1 過去の判例紹介

2 理論上の問題点

   ①(準)委任説と付随義務説、信義則説の問題点の比較

   ②普通預金の委任的要素を考える

   ③自動継続定期預金と委任の終了原因

   ④銀行、会社法、個人情報保護法等

(2)開示請求権の法的性格

   ①開示請求権者の範囲

   ②開示請求権は預金契約ごとに成立するか

   ③開示請求権の消滅時効

   ④預金の差押え・譲渡・担保設定と開示請求権

   ⑤開示済みの抗弁

   ⑥開示義務違反と債務不履行

(3)共同相続と開示請求権

   ①共同相続と開示請求権の単独行使

   ②「預金契約上の地位」を承継しない相続人の開示請求権

(4)被相続人のプライバシー

(5)17年最高裁決定との関係

(6)本判決の射程

  ①債権法改正との関係

  ②預金契約に対する射程

  ③貸金取引・外国為替取引等に対する射程

  ④他業態に対する射程

  ⑤貸金庫の場合

  ⑥印鑑票、伝票等の開示請求・質問権の有無

3 実務上の諸問題

(1)権利(義務)となる場合の問題点

  ①開示請求権の及ぶ期間

  ②照会手数料の徴収の可否

  ③調査嘱託と手数料

  ④取引店を特定しない開示請求

(2)開示請求権の濫用

(3)開示請求権者の判断に誤りがあった場合の責任と救済

2009年7月 6日 (月)

【交通事故】 低髄液圧症候群否定(さいたま地裁平成20年6月4日)

 交通事故民事裁判例集第41巻第3号(平成20年5月6月)で紹介されていた裁判例です。

 さいたま地裁平成20年6月4日判決は、

 原告は、本件交通事故により頚椎捻挫の傷害を負い、手足のしびれ、頸部痛等の症状が出現したものの、

(1)約半年間、低髄液圧症候群の基本的症状とされる起立性頭痛はみられなかったものであること

(2)原告は、H病院において低髄液圧症候群と診断され、腰椎部に3回、頚椎に1回の合計4回にわたりブラッドパッチ治療を受けたものの、さしたる効果のないままに終わっていること

(3)H病院の医師は、原告が低髄液圧症候群であると診断した根拠として、原告の起立性頭痛の訴えとGdMRIによる硬膜肥厚とを挙げるが、画像所見等、他に客観的根拠を挙げているものではないこと

(4)そもそも低髄液圧症候群自体、未だ不明な点が多く、確たる診療基準があるわけではないこと

 から、原告が本件事故により低髄液圧症候群を発症したとするには、なお合理的な疑いがあるといわなければならないと判断しました。

 低髄液圧症候群については、残念ながら、消極的な判例が続いています。

2009年7月 5日 (日)

【金融・企業法務】 賃借人破産における破産法53条1項による解除の規律

 銀行法務21・2009年6月号(No703号)で連載されている賃借人破産における破産法53条1項による解除の規律(井上計雄弁護士)という論文が、非常に興味を引きました。

 設例についても、よく相談を受ける内容です。設例を引用すると以下のとおりです(P22)。

 賃借人Aは、賃貸人Yからショッピングセンター内の店舗を期間10年とする建物賃貸借契約に賃借し、呉服販売を行っていた。賃借後、5年が経過した段階でAに対して破産手続開始決定がなされ、Aの破産管財人Xは、直ちに破産法53条1項に基づき、この賃貸借契約を解除した。賃貸借契約に次の条項が定められていた場合、これらの効力はどうなるか?

 ①「賃借人が契約期間満了前に本契約を解約しようとするときは、6ヶ月前までに賃貸人に予告しなければならない。賃借人が6ヶ月分の賃料を支払ったときは、即時に解約できる。」(予告期間条項)

 ②「賃借人が契約期間満了前に本契約を解約したときは、敷金の50%相当額の違約金を支払う。」(違約金条項)

 ③「本契約が終了したときは、賃借人は本契約終了から明け渡しまで賃料の3倍に相当する損害金を支払う。」(倍額損害金条項)

 回答は、銀行法務21の6月号を購入していただくとして、実務上の問題点をきれいに整理したうえ説明されています。

 

2009年7月 4日 (土)

【金融・企業法務】 民事再生手続開始決定の後にした、再生債務者に対する同人所有の建物についての根抵当権設定の請求及び右請求についての再生手続の監督員に対する同意を求める請求がいずれも棄却された事例(大阪地裁平成20年10月31日)

 判例時報No2039号(7月1日号)で紹介された裁判例です。

 原告である債権者の立場からいえば踏んだり蹴ったりの判決です。

 Xが、平成19年9月28日、Y1に対して、建物建築のために、2億円を融資しました。その際に、本件建物に完成後に極度額2億円の根抵当権を設定することに合意しました。

 10月29日、完成し、11月30日には、表示登記がされ、12月11日には、所有権保存登記がされました。

 平成20年1月29日、根抵当権設定に必要な書類を作成して、設定手続はY1が行うことを合意した。

 ところが、Y1がそれをしないまま、2月13日、民事再生手続の申立を行ってしまったのです。

 そこで、Xは、Y1と、Y1の監督委員Y2に対して、表題表示のとおりの裁判を提訴しました。

 大阪地方裁判所は、再生債務者は、登記をしなければ物権の取得を対抗できない民法177条の第三者にあたるとして、Xの各請求を認めませんでした。

 建物を建てる際の融資は、本当に慎重にしなければなりませんね。完成しても、担保権の設定登記を未了の段階で、倒産すると、本当に践んだり蹴ったりですね。

 ただ、X社は、Y1が進める民事再生については、協力しないでしょうね。Y1の債権が総負債のどの位の割合を占めるか気になるところですが・・・

 

 

2009年7月 3日 (金)

【交通事故】売買代金未払い中の車両の損害 (名古屋地裁平成20年5月16日判決)

 交通事故民事裁判例集第41巻第3号(平成20年5月6月)で紹介されている裁判例です。

 事案は以下のとおりです。

 新車(被害車両)の買主名義に所有権登録後、自動車販売会社(原告)の従業員が、購入した顧客に納車する途上に、被告車両による追突事故を受けた場合において、自動車販売会社が、加害者に対して、物件損害を請求した事案です。

 被告は、なんと、被害車両については、自動車販売会社の物ではなく、購入者の物であるという反論をしています。

 裁判所(名古屋地裁平成20年5月16日判決)は、契約では、自動車代金等を完済した時に自動車の所有権が移転する旨の定められているところ、代金の支払いがいまだなされていなかったから、被害車両の所有権は、原告会社に帰属していたと判断しました。

 ※買主を所有者とする自動車登録については、購入者の便宜のために行われたものに過ぎず、所有権の帰属に関する上記認定を覆すものではないこと

 ※実際の契約は代金一括払い契約ですが、この契約であっても、所有権移転時期に関する定めは適用されること

 まあ、常識から考えても、顧客の損害とするわけにはいきませんからね。

 上記判例は事例的な判例であり、ローン支払い中の事故の場合に直ちに適用されるのかどうかは検討する必要がありそうです。

2009年7月 2日 (木)

【金融・企業法務】 投資信託換金受付時における銀行の窓口対応の留意点

 銀行法務21(2009年6月号)(No703号)で紹介された名古屋地裁平成20年12月19日の判決です。

 事案は、以下のとおりです。

 平成19年1月15日、XさんがXの姉Gとともに、Y銀行を訪ね、投資信託等の換金を求めました。

 3月29日、Xさんは、Xの妹ともに、Y銀行を訪ね、「Gに法律事務所に連れて行かれそこで住所と氏名を書かされた。銀行さん、助けてください。」と述べた。

 3月30日は、Xさんは、X代理人とGとともに、Y銀行を訪ね、X代理人は、委任状を示して、投資信託等の換金を求めました。その時、支店長は、Xに対して、委任状を示し、その委任状にサインをしたかどうかを尋ねたところ、Xは「わからない」と答え、また、Xに対して払い戻しの意思を確認したところ、Xは何も答えませんでした。そのため、支店長は、投資信託等の換金には応じられない旨回答しました。

 7月12日、Xから、Y銀行に対して提訴し、平成20年5月26日の換金手続きにより受領した金額と平成19年3月30日等の基準価額の価額変動部分の金額を請求された事案です。

 名古屋地裁は、

 Yは、受益者に対し、委託者から一部解約金の交付を受けることを条件として一部解約金の支払義務を負い、Xは、Yに対して、上記条件の付された一部解約金支払請求権を有するものと解されるとしつつも、

 本件投資信託の換金方法には、上記の委託者に対する解約実行請求のほかに販売会社による買取の方法があり、いずれの方法によるかで課税上の取扱いが異なり、手続も異なるため、換金しようとする受益者は、販売会社に対して、いずれの方法によるかを示して換金を請求しなければならないとして、

 Xが指摘する時期においては、換金方法につき、解約実行請求か買取りの方法にいずれによるかを指示していないから、Xが解約実行請求の意思表示をしたものとは認められないとして、結局、Xに一部解約金支払請求権は発生していないと判断しました。

 結論として、裁判所は、銀行の勝ちとしていますが、解説者の方によると、「本判決の事案においては、詳細は明らかでないものの、Xの財産をめぐり親族間でトラブルがあり、YはXの意思確認を慎重に行うべきとの判断から本件訴訟に至ったとの事情があるようであり、裁判所としては、このような事情を背景にXの解約の意思表示につき慎重な認定を行ったのではないかと推測されます。」と紹介しているところから、ケースによっては、解約実行請求の意思表示を認めるべきであるとの判断がなされる場合もありうると思われますので、注意が必要です。

 

2009年7月 1日 (水)

訃報 マイケル ジャクソンさん 

 マイケルジャクソンさんが6月25日に亡くなりました。

 私の大好きな映画に、「ねずみのベン」という映画があります(1972年)。その映画のエンディングミュージックを、マイケルが歌っていました。

 子どものころに映画を見た時は、ずっと、女性が歌っていたかと思っていました。きれいに透き通る清らかな声だったからです。数年前に見た映画の再放送の際に、マイケルが歌っていたのを知り、驚きました。

 ここ10年は、マイケルについてはあまりよいニュースは聞かず、心配していました。

 最近、ロンドン公演があるという情報に接して、頑張ってほしいと思っていたので、今回の急死は大変に残念です。

 マイケルとはあまり歳が変わらないので、人の生き方の難しさを痛感させられます。

 合掌

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