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2009年6月30日 (火)

【金融・企業法務】 保証する意思で金銭消費貸借契約書の借主欄に署名押印した場合であっても、民法446条2項の所定の書面に該当する

 旬刊金融法務事情No1870(6月25日)号搭載の大阪高裁平成20年12月10日判決です。

 事案は、以下のとおりです。

 保証する意思で金銭消費貸借契約書の「借主」欄に署名押印した場合であっても、民法446条2項の書面に該当するのか?ということです。

 民法446条2項 保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない

 大阪高裁は、以下のように理由をつけて、民法446条2項の書面に該当するとの判断をしています。

  (民法446条2項の趣旨) 民法446条2項が保証契約について書面を要求する趣旨は、保証契約が無償で、情義に基づいて行われる場合が多いことや、保証契約の際には保証人に対して現実に履行を求めることになるかどうかが不確定であり、保証人において自己の責任を十分に認識していないことが多い 

                     ↓それ故に

 保証を慎重にならしめるために保証意思が外部にも明らかになっている場合に限って契約としての拘束力を認める

                     ↓そうすると

 Yは、ZのXに対する債務を保証する意思で、金銭消費貸借契約書の借主欄に署名押印したというのであるから、これによって、主債務者であるZと同じ債務を連帯して負担する意思が明確に示されていることに違いはなく、保証意思が外部的に明らかになっているといえる

                     ↓従って

 Yは、借主として作成された金銭消費貸借契約書は、民法446条2項所定の書面に該当する

 

 ただ、なんで、保証人を引き受けたはずなのに、借主欄になったのかな? 

 請求原因の認否には、「甲野から、携帯電話で、保証人ではなく債務者になってほしいとの依頼があり、それは困ると拒絶したものの、喫茶店において、同席していた乙川から、甲野がかえすと言っているから借主になってや」と言われたため、やむなくそのとおりに契約書を作成した」となっています。第1審の半分も薄いためよくわかりません。 

2009年6月29日 (月)

【交通事故】 増額事由のある場合の、死亡慰謝料

 いわゆる赤い本によれば、交通賠償における「独身の男女」の場合の、死亡慰謝料は、2000万円~2200万円が、一応の目安とされています。

 問題は、加害者に故意又は重過失または著しく不誠実な態度がある場合に、どの程度増額されうるのか?ということです。

 増額事例を赤い本から拾ってみました。

(1) 3900万円

  これは、17歳男子高校生の事案ですが、①加害者は無免許運転の常習者であること、②事故当時酩酊状態であったこと、③同乗者の制止を無視して赤信号無視で交差点に進入したこと、④衝突後頭部から大量の血を流して倒れている被害者に対して、「危ないやないか」と怒鳴りつけ、持ち上げて揺すり、投げ捨てるように元に戻したというケースです。

(2) 3750万円

 これは、19歳の飲食店勤務の男子店員の事案ですが、①加害者らの危険運転行為により加害車両と衝突して転倒後、加害車両の底部に巻き込まれたまま約212㍍に渡りひきずられ、後輪に輪禍されて死亡したというケースです。

(3) 3100万円

 これは、19歳の女子大生の事案ですが、①飲酒運転、②救護措置を講じなかったこと、③飲酒運転が日常的であったこと、④実母が抑うつ状態になっているころ、⑤次兄も本件事故が遠因となって大学を中退したというケースです。

(4) 3100万円

 これは、17歳アルバイトの男性の事案ですが、①わき見飲酒運転、②一時停止違反、③ひき逃げというケースです。

 これらが、3000万円を超えるケースは以上のとおりです。

 総額事案の大半は、3000万円ですが、

 例えば、19歳男子学生の事案では、①重過失、②事故後逃走、③逮捕後完全黙秘、④刑事裁判でも被害者の速度違反によるものと主張し、⑤被害弁償は全くせず、⑥謝罪の言葉すら述べないというケースですが、

 3000万円を超えるケースとその内容のひどさはかわりませんが、3000万円とされています。

 3000万円とそれを超えるケースの違いですが、事案のひどさは余り変わらないように思えます。3000万円を超えたその理由が、原告の請求の仕方が原因だったのかどうか、その原因についてはよくわかりません。

 死亡事案だと、一家の支柱など他のケースをみても、(1)の金額が一番の最高値でした。

 増額事案とされていない独身の男女の事案では、最低値が2400万円、最高値が3100万円でした。最多値は、2800万円でした。目安よりも、なぜかはるかに金額が多くなっています。

 これらのデーターから考えると、死亡慰謝料は、増額事由の有無にかかわりなく、3000万円位は請求していた方がいいかもしれません。

 但し、赤い本の基準である2000万円から2200万円は、おそらくは、多数のデータの分析の結果でしょうから、赤い本で特に事案として紹介されているのは、珍しいケースだったのかもしれません。ただ、裁判所の和解で示される慰謝料金額は、やはり、赤い本の目安の金額を示されることが少なくありませんが・・・

 

2009年6月28日 (日)

【金融・企業法務】 譲渡禁止特約に反して債権を譲渡した債権者が譲渡の無効を主張することの可否

  旬刊金融法務事情No1870(6月25日)号で紹介された最高裁判決です。

 事案の概要は、以下のとおりです。

 Xが、A社に対する債権を、Y社に譲渡したのですが、当該債権には、譲渡禁止特約がついていました。A社は、債権者不確知を理由に供託しました。XとYとの間で、債権の帰属を巡って争われました。

 原審は、債権には譲渡禁止特約がついていることを理由に、債権譲渡は無効として、Xを勝たせました。

 最高裁は、反対に、Yを勝たせました。

 論点的には、譲渡禁止特約に反して債権を譲渡した債権者が、譲渡の無効を主張することができるのか?ということになります。

 私の受験時代の記憶によると、譲渡禁止特約って、物権的効力があるはず(念のために法曹同人の新択一受験講座で確認)。

                     ↓そうすると

 債権譲渡の効力は生せず、物権的効力だから、誰でもその無効が主張できるはず

                     ↓従って

 原審のような判断に、理屈上はなるように思われます。

                     ↓しかし

 譲渡禁止特約は、債務者の利益を保護するためにふされるもの

                     ↓とすれば

 「譲渡禁止の特約に反して債権を譲渡した債権者は、同特約の存在を理由に譲渡の無効を主張する独自の利益を有しない

                     ↓従って

 「債務者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであるなど特段の事情がない限り、その無効を主張することは許されない」ということになります(最高裁判決)。

 ここからは、XかそれともYかを勝たせるか決められるのは、債務者であるA社ということになります。

 譲渡禁止特約がついた案件は、債権の譲渡の各当事者は、債務者Aにお願いすることになります。これはこれで、債務者の立場が強くなりすぎて、困ったことも生じるかもしれませんね。

  fuji  お買い物は、フジグラン今治店フジ今治店へ   fuji

2009年6月27日 (土)

過払金狂想曲

 過払い金のご相談は一向に減少しませんが、他方で、過払い金の回収は、日々、難しくなっています。

 題して、過払金 協奏曲 じゃなかった 過払金狂想曲

 (すべてフィクションです)

序 章

私     「ようやく、判決で、300万円過払い金認められたね。高裁まで行って認められた判決だ。早速、差押しよう」

スタッフ 「銀行から回答がありました。先生、預金は、500万円位あるみたいですね。よかっ・・・ いや、先生 私たち以外にも、差押債権者が、30もあるのですが・・・合計3000万円位ありそうです。」

私    「が~ん」

第1章

私     「○▽社さん、過払い金返してください」

サラ金  「ちょっと待ってください。2年前に××先生に180万円を返還しています。」

私    「・・・・・」

依頼人 「うっかり忘れていました。」

私    「・・・・・」

第2章

依頼人 「10年取引して完済しています。取り返してください」

私    「わかりました」

取引履歴入手

私    「10年取引あるわりには、ページが2枚しかないな? あれ、1年に1回しか返済 いや、3年間 返済がないぞ・・・・」

第3章

サラ金 「過払金ご相談できませんか?」

私    「どういうことでしょう」

サラ金 「元本の1%を、半年後から3回払いで」

私    「・・・・」

第4章

電話  「過払金の返還を、折り込みチラシの○○法律事務所にお願いしたいのですが、信用できる事務所ですか?」

私    「・・・・ 都会の事務所なのでよくわかりません。」

 ※気になって懲戒歴を調べる。懲戒歴すごい

第5章

サラ金 「当社は苦しいのです。これからは、一律、元本の50%でお願いしたいのですが・・・」

私   「私に相談されても困ります。個々の依頼人次第なので」

サラ金 「そこをなんとか・・・ このままでは破たんします」

最終章

私   「裁判所でようやく和解できました。半年先入金ですが」

依頼人「半年先でもありがたいです」

半年後の夜 いきなりファックス文書が・・・・

    当社は民事再生の申し立てを▽□地裁に申し立てました

私   「・・・・・」

 さらに約1年後

私  「配当率、5%か・・・・」   

プロローグ

 それでも、テレビやラジオでは、「過払い金を取り戻して、生活を立て直そう」のCMが毎日のように放送されています・・・・

番外編

 弁護士会からファックス

 「今年の司法修習生(弁護士の卵)の内定率が昨年よりも悪化しています。雇用できるところは雇用をお願いします」

2009年6月26日 (金)

【金融・企業法務】 日経新聞株式譲渡ルール事件 上告審判決

 判例時報No2038号(平成21年6月21日号)で紹介された最高裁判決平成21年2月17日(第3小法廷)です。

 株式会社の従業員がいわゆる持株会から譲り受けた株式を個人的な理由で売却する必要が生じたときは持株会が額面額でこれを買い戻す旨の当該従業員と持株会との間の合意(株式譲渡ルール)が、有効かどうか争われた事案です。

 つまり、前述の株式譲渡ルールが、会社法107条や127条に反するかどうかが問題とされました。

 最高裁は、

 ①株式譲渡ルールは、日刊新聞の発行を目的とし、日刊新聞法1条に基づき定款で株式の譲受人を事業に関係ある者に限ると限定して、株式の保有資格を原則として現役の従業員等に限定する社員株主制度を採用している当該会社において同制度を維持することを前提に、これにより譲渡制限を受ける株式を円滑に現役の従業員等に承継させるためのものであること

 ②非公開会社である当該会社の株式にはもともと市場性がなく、上記株式譲渡ルールにおいては、従業員が持株会から株式を取得する際の価格も額面額とされていたこと

 ③当該従業員は、上記株式譲渡ルールの内容を認識した上、自由意思により持株会から額面額で株式を買い受けたものであること

 ④当該会社が、多額の利益を計上しながら特段の事情もないのに一切配当を行うことなくこれをすべて会社内部に留保していたという事情はないこと

 の事情の下では、本件合意は、会社法の規定に反するものではなく、公序良俗にも反せず、有効であると判断しました。

 これには、同じ様な最高裁判例があります。

 最高裁平成7年4月25日は、

 従業員持株制度に基づいて従業員に株式を取得させるに際し、会社と当該従業員との間で、退職の際には、株式を額面額で取締役会の指定する者に譲渡する旨の合意をしたという事案において、

 当該会社が非公開会社であること、従業員持株制度の趣旨・目的、原告らが同制度の趣旨内容を了解した上、株式を額面額で取得したことなどを考慮し、同合意は旧商法204条1項に反するものではなく、公序良俗にも反せず有効であると判断しています。

 なお、平成7年判決は、全従業員が約40名という小規模会社の例で、平成21年判決は、日本を代表する新聞社の例という事案です。

 従業員持株会については、私が司法試験を受けていたころから、Bレベルくらいの論点だったと記憶しています。その時は、無効説が有力だったような記憶がおぼろげに残っています。記憶間違いかもしれませんが・・・

 さすがに、公開会社の場合は、無効だと思いますが・・・

 

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2009年6月21日 (日)

【行政】 地方自治体の管理する公園において、不安定な状態にあった標識が倒れて、後頭部及び背部に当たった被害者が、公園を管理する地方自治体に対し国家賠償法に基づいて損害賠償を請求する場合に、地方公共団体に当該標識の管理に瑕疵があるとされた事例(東京地裁平成20年7月11日判決)

 判例時報No2037号(6月11日号)で紹介されている裁判例です。

 行政がらみの事件は、年に数件程度相談を受けることがあります。

 市道や公園、駐車場の欠陥などが中心です。

 国家賠償法2条1項にいう営造物の設置又は管理に瑕疵があったか否かについては、最高裁昭和53年7月4日が、当該営造物の構造、用法、場所的環境及び利用状況等諸般の事情を総合考慮して具体的個別的に判断すべきである旨判示しています。

 区の管理責任の有無については、

 標識が不安定な状態にあることを認識し、本件事故当日の午後には補修を行う予定で準備をしていたところ、他の現場の補修を優先したことから、標識の補修が後回しになったという経緯、

 本件事故の翌日には本件標識を動かないようにチェーンで固定して、本件標識が抜かれた穴については穴埋めも行っているという事情

 からすれば、区が応急の措置により利用者に危険が及ばないようにすることが可能であったと認められる

                  ↓そうすると

 営造物の安全性に欠如があることを認識した後、時間的に管理者において遅滞なく一定の措置を講じて営造物を安全良好な状態に保つことが不可能であったとはいえない

                  ↓したがって

 本件標識の管理に瑕疵があった

 

 昔、行政を相手の事件を受けたことがありましたが、相手方の自治体は10名程度出席し、当方は、依頼人と私だけでした。それでも、一部勝訴の珍しい裁決例だったらしく、愛媛新聞に紹介されたことがありました。

2009年6月20日 (土)

【交通事故】 人身傷害補償保険と保険代位

 交通事故判例速報No516(H21・6)(交通春秋社)で紹介された裁判例です。

 まず、人身傷害補償保険と保険代位については、以下のような場合で問題になります。

 例えば、保険会社が被保険者(被害者)に人身傷害補償保険金を支払った場合、被害者の加害者に対する損害賠償請求権をどの範囲で代位取得するかという問題場面(保険会社からの求償場面)

 或いは、

 例えば、保険会社が被保険者(被害者)に人身傷害補償保険金を支払った場合、被害者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得した場合に、原告の被告に対する損害賠償請求権を一部喪失したという抗弁が提出されるという問題場面(被害者からの損害賠償場面)

 保険代位についての考え方は、

 絶対説、比例配分説、差額説の3とおりの考え方がありますが、現在では、差額説のうち、訴訟基準差額説か、人傷基準差額説かの対立が中心であり、個人的なイメージとしては、訴訟基準差額説が、最も有力な考え方になっているのではないかと思います。

 最近の裁判例では、

 人傷基準差額説を採用しているのは、

 ①大阪地裁平成18年6月21日判決

 訴訟基準差額説を採用しているのは

 ①東京地裁平成19年2月22日判決

 ②東京高裁平成20年3月13日判決(修正説)

 ③名古屋地裁平成19年10月16日判決

 が挙げられます。

 今回、速報で取り上げられていたのは、③名古屋地裁平成19年10月16日判決です。

 当該裁判所は、

 一般条項23条1項が、保険会社が代位取得する権利の範囲について、「支払った保険金の額の限度内で、かつ、被保険者の権利を害さない範囲で」と制限しているのは、被保険者の利益を尊重して、保険金の支払がなされてもなお填補されない損害がある限り、被保険者が優先して損害賠償請求できるものとし、保険会社は被保険者の権利を害しない残額について損害賠償請求権を代位できるとしてものと解される

                     ↓そして

 そもそも本件人身傷害補償保険特約は、支払保険金の計算方法について、人身傷害補償条項損害額基準によって算出された損害額から、賠償義務者から既に支払われた金額や自賠責保険によって支払われた保険金等を除いた金額とされ、被保険者の過失についてはなんら規定していないから、保険会社は、被保険者の過失の有無、割合に関係なく、被保険者が被った損害を保険金額の限度で上記計算された金額を支払うことを内容とした保険である。

                     ↓とすれば

 被保険者が人身傷害補償保険金の支払を受けた後に、加害者に対して損害賠償請求をする場合において、被保険者にも過失があるとされたときは、

 人身傷害補償保険金はまず損害額のうち被保険者の過失割合に該当する額に充当され、

 人身傷害補償保険金が被保険者の過失割合に対応する額を上回る場合にはじめて、その上回った額について、被保険者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得できると解する

                     ↓あてはめ

 人身傷害補償保険金1億460万9912円と原告太郎の過失割合5%にあたる1367万3622円との差額である9093万6290円につき保険代位が生じる

 高裁での判断が待たれます。

 (閑話休題)

 ところで、昨年は、複数名の司法修習生の方の事務所訪問があったのですが、今年は、まだ誰もきませんね。優秀な事務員さんを採用したため、昨年と異なり、積極的に、新人弁護士さんを採用する意欲がなくなったからだと思います。また、昨年と異なり、日弁連の方でも、積極的に採用して欲しいと喚起するビラも送ってこなくなったように思えます。礼儀正しく、優秀な方であれば大歓迎ですが、ただ、出身ローは、「中央大学」か「神戸大学」出身者であれば、母校の後輩のお世話にも繋がるので、よりいいなあと思いますね。1年目の年俸は、600万円位かな?2年目からはわかりませんが・・・coldsweats01

 埼玉弁護士会で、適正な弁護士人口増加に関する決議についての決議があったようですね。確かに、今のままだと、将来が不安で、金銭的な見返りの少ないプロボノ活動を行う心の余裕なんてなくなりますね。 

 

2009年6月19日 (金)

【金融・企業法務】 顧問企業が1社増えました

 10年前に独立開業して以降、縁あって、時折、お客様をご紹介していただける方がおられるのですが、その方が経営の第一線を退くということで、後継者の方に相談のホットラインを敷いておきたいという思いから、当事務所に対して、法律顧問の委嘱をいただきました。

 新しい顧問先は、船舶関係の会社なので、船舶分野では、当事務所では、2社目となります(合計12社)。

 今後、10年で、合計20社を目指します。

 顧問料は、ご依頼の会社にとっては固定経費となるので、それに見合うサービスをどのような形で、ご提供させていただくことができるのか、考えねばなりません。

 また、顧問先企業様におかれましても、こんなサービスを提供して欲しいとのご要望がありましたら、ご遠慮なしに、どんどん当事務所にまでメールをいただければと思います。

2009年6月18日 (木)

SFCGのホームページ

 最近、SFCG(旧商工ファンド)の相談が増えています。

 昨年は、「きちんと支払っているのに、一括で返せ」とか、「1日遅れただけで一括請求の内容証明郵便がきた」などという、普通ではありえないような相談がほとんどでした。

 新聞やTVなどでこのおうな同社の対応は取り上げられ、社会的にも大きな問題になっていました。

 SFCGって、これまで、法律を駆使した手法を徹底しており、財務状況は、他社と比較するとよいのではないかと想像していましたが、突然、民事再生の申立が行われ、その後、4月21日に、東京地裁から破産手続開始決定を受け、とうとう、倒産してしまいました。

 今受けている相談の多くは、SFCGから、破産届出書が発送されたので、みてほしいという内容です。相談者は、SFCGとの取引なんて忘れている方もいて、完済過払い債権者も忘れない、さすが、SFCGの破産管財人の弁護士の瀬戸先生は、たいしたもんだなと思っています。

 次に、相談が多いのは、○○銀行から、SFCGの債権を譲り受けたとして、当行に支払って欲しいという内容の相談です。これが、同社が破産するきっかけとなった、債権の二重譲渡の問題です。これについても解決方法がホームページで示されています。

 このあたり、さらに、すばらしいのは、SFCGの破産管財人が運営するホームページがあることです。

 破産管財人が運営するホームページがあるなんて、なんて、斬新な発想なのだろう。感銘しました。

 ホームページでは、Q&Aも、充実しており、非常にわかりやすいです。

 今から思うと、同社相手の利息制限法を引き直すことを前提とした交渉は、事実上不可能であり、過払い事案であればまだしも、負債が残る事案では、公正証書や連帯保証人をつけていることから、非常に嫌な相手方でした。

 また、私が受験生時代に民事訴訟法で大変お世話になった亡Y教授が、同社の代理人弁護士だったことを知って驚いたことがありました。

 5月に入って、急激に債務整理の相談が多くなったように感じます。とくに、新居浜・西条方面でのお客さんが非常に増大しています。 

2009年6月17日 (水)

【金融・企業法務】 共同相続人が相続し、共有状態にある株式に関する権利行使者の定め、株主総会における議決権の行使が権利濫用にあたり、許されないとされた事例(大阪高裁平成20年11月28日判決)

 判時No2037号(6月11日号)で紹介された裁判例です。

 同族会社の紛争です。亡Aの保有株式の、8分の6を承継した甲さんと、8分の2を承継した乙さんとが、会社の支配をめぐって争いになった事案です。

 会社法106条は、株式が2以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者1人を定め、株式会社に対して、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができないと定めています。

 権利行使者を定めるに当たっては、持分の価格に従い、過半数をもって決することができると解されています。

 そして、権利行使者を定めるに当たっては、①共有者間で協議が必要か、②要するとしてどの程度の協議を要するか、③協議が十分でない場合には、過半数を有する者による権利行使が権利の濫用に当たるのかが問題となります。

 本件事案は、協議を十分に行ったとしても、その決定に変更が生じる可能性は全くなく、また、協議についても一応は持ちかけられていたのですから、高裁の判決には大きな疑問を感じます。

 民法252条の解釈として、協議まで必要だったのかな?と思いますが、大阪地裁平成9年4月30日判決は必要説にたっているみたいです。

 権利行使者が自己の判断で共有状態にある全株式につき権利行使をすることができるとされているため、権利行使の弊害も予想されると解説されていました。

 田舎でも同族会社の紛争が多いので、結構、大切な知識かもしれませんね。

  fuji お買い物は、フジグラン今治店フジ今治店へ fuji

2009年6月16日 (火)

行列をしてはいけない弁護士

  自由と正義6月号で、懲戒を受けた弁護士の公告がのっていました。

 一部、戒告事案を紹介します。

 (戒告)

① 2003年に、解雇無効確認訴訟の再審訴訟の提起、株主の地位確認事件、遺産分割調停事件について、依頼を受けたものの、後2者の事件については処理したものの、前1者については、難事件であるため、再審請求の申立に着手しなかったというものです。弁護士の方にて、難事件であることについては説明していたのですが、辞任などその他の適切な措置を講じることなく漫然と放置したという点が懲戒の理由です。

  う~ん。再審訴訟なんて、非常に難しい案件だと思いますが、難しいと説明するだけでは足りず、「他の弁護士に頼め」ということまで必要なのですね。少し、酷のような気がします。無理であれば、無理という気持ちが必要ですね。

② 訴訟の相手方について、準備書面や控訴理由書などに、裏付けもないのに、プライバシーを暴き、その名誉感情をいたずらに損なう事項を言葉汚く述べ立てたことが、訴訟の攻撃防御を尽くす範囲をはるかに超えているという点が懲戒の理由です。

  最近、特に、都会の弁護士さんは、表現がきつい方がいますね。依頼人も怒って、懲戒申立をして欲しいと述べられることがあります。無用なトラブルを招かないよう、自戒が必要ですね。

③ 内部通報者制度の外部通報窓口の担当弁護士が、会社に対して実名を通知した事案です。

  この事案、一読すると、なんて酷い弁護士だろうと思いますが、実際は、実名を伝えることについては通報者が同意している案件です。

 ですが、弁護士会は、実名通報が例外であること、実名通報によって通報者が受ける不利益、実名通報に至ったのは担当弁護士の呼びかけにおうじたものであることを理由に、秘密保持義務違反があるというのが懲戒の理由です。

 う~ん。弁護士会の懲戒理由は、あまり説得的なものではないと思いますね。実名通報が例外、通報者が受ける不利益なんて、通報者自身にも認識していたのではないでしょうか?

 これで懲戒とは、酷だと思います。

④ 弁護士会照会で得た回答書を、シンポジウムで配布した行為です。

 しかし、これは、懲戒でも仕方ないように思えます。そのような利用は、およそ回答者が想像することができないからです。ただ、シンポジウムということですから、配布した弁護士は善意で行ってしまったことなのでしょう。

⑤ これはすごいです。医師の診断書の証拠価値を弾劾するため、虚偽の事実を申し述べて当該医師の診断書を作成してもらい、この程度の診断書であればいくらでも作成してもらえるとしてその証拠価値を弾劾したものです。

 う~ん ここまではできませんね。不正な方法にて診断書を得ており、手続上問題があると思いますね。よっぽど許せない事情があったのでしょうか?

 

 油断をしたり、熱くなったりすると、自分でもやってしまいかねないような事案が少なくありません。しかし、③の案件は、どうしても戒告にするほどの事案ではないと思うのです。弁護士会と私の感覚がずれているようなので、注意していなければなりませんね。coldsweats01

2009年6月15日 (月)

またまた フジグラン 松山店

 昨日の日曜日、息子を連れて、フジグラン松山に、遊びにでかけました。

 まずは、普通電車にのって、菊間町の瓦館を、訪ねました。

 実は、こどもがはまっている遊びが瓦館にあるのです。

 それは、滑り台ではありません。

 ねんどDE遊ぼうなのです

 息子は、ドラゴンボール3個、電車の駅1軒、車1台、私は、大・小の鉛筆立て、特大ドラゴンボール1個です。train

 また、実習館の前は、たくさんのバラが植えています。現在は、あまり花はありませんが、5月ころはきれいだったのではと思います。

 瓦館では、いまや、常連の親子連れになっているようです。coldsweats01

 さて、昼ごはんをどこで食べようかなと思いましたが、息子が、フジグラン松山の、青山という広島風のお好み焼き屋さんのファンになっていることから、菊間駅から普通電車に乗って、松山にむかうことにしました。

 フジグラン松山では、北海道展をやっており大変ににぎやかです。

 024

 フジグラン松山店です。車の展示会もやっていました。

023  フジグラン松山店内の青山のサービスセットです。おいしくて、大もり2皿頼んでしまいました。

022  息子の、御用達のおにぎりです。息子は将来おにぎり屋さんになるため、日夜、おにぎりの研究に没頭しているとかで、「ここのおにぎりには負けるわい」とか一人前の口をきいています。

 それから、近くの温泉に入り、特急電車に乗って、今治に戻ってきました。帰りの電車では、私も、息子も、confident でした。

 駅からは「眠たい」という息子をおぶって帰途につきました。

2009年6月14日 (日)

【金融・企業法務】 いわゆるフルペイアウト方式によるファイナンス・リース契約中の、ユーザについて民事再生手続開始の申立があったことを契約の解除事由とする旨の特約の効力 最高裁平成20年12月16日判決

 旬刊金融法務事情1869(6月15日)号で紹介された最高裁平成20年12月16日判決についてです。

 事案は、以下のとおりです。

 リース業者Xが、リース契約のユーザであるYにつき、Yが民事再生手続開始の申立を行ったため、「このような申立てがあったときは、リース業者は催告しないで契約を解除することができる旨」の特約(再生解除特約)による本件リース契約の解除を主張して、Yに対して、解除日の翌日からリース物件の返還日までに係るリース料相当額の損害金の支払いを求めた事案です。

 本件リース契約は、リース業者がリース期間中にリース物件の取得費、金利及びその他の経費等を全額回収できるようにリース料の総額が算定されている、いわゆるフルペイアウト方式のファイナンス・リース契約となっています。

 第1審は、再生解除特約を有効として、解除日から返還までの約1億1000万円の損害金を認めました。共益債権に該当するため、真っ青です。

 第2審は、再生解除特約を無効として、リース期間満了以降返還までの約90万円の損害金を認めました。

 なんと、約1億1000万円  →  約90万円  に減額されたのです。

 最高裁は、第2審の判断を、正しいと認めました。

 以下、その要旨です。

 民事再生手続は、経済的窮境にある債務者について、その財産を一体として維持し、債務者と全債権者との間の民事上の権利関係を調整して、債務者の事業または経済生活の再生を図るものであり、担保の目的物も民事再生手続の対象となる責任財産に含まれる

 ファイナンスリース契約におけるリース物件は、リース業者がリース契約を解除してリース物件の返還を求め、その交換価値によって未払いリース料等の弁済を受けるという担保としての意義を有する

 リース契約に於いて再生解除特約による解除を認めることは、このような担保としての意義を有するにとどまるリース物件を、一債権者と債務者との間の事前の合意により、民事再生手続開始前に債務者の責任財産から逸出させ、民事再生手続の中で債務者の事業等におけるリース物件の必要性に応じた対応をする機会を失わせることを認めることに他ならない

 民事再生手続の趣旨、目的に反することは明らかであるとして、再生解除特約を無効としました。

 解除特約の射程範囲ですが、

 第2審の理由付けは、再生債務者の事業又は経済生活の再生を図ることが困難となるということに対して、

 最高裁の理由付けは、一債権者と債務者との間の事前の合意により、民事再生手続開始前に債務者の責任財産から逸出させ、民事再生手続の中で債務者の事業等におけるリース物件の必要性に応じた対応をする機会を失わせることを認めることに他ならない

ということをあげていることから、

 リース契約のユーザーについての法的倒産開始の申立てがあったことを理由とする解除特約の効力について広く妥当するものと考えているように思われると、解説されていました。

 ただ、破産手続にも適用があると考えるのは感覚的に難しいような気がしますが・・・ 

 解除特約の相談は結構ありますね・・・

  

2009年6月13日 (土)

過払利息(法定利息)の発生時期

 今日、うまれて初めて、弁護士さんの事務所によるTVコマーシャルをみました。若い女性が多重債務者の親族らしい方の心配をしているような内容でしたが、びっくりです。この前は、司法書士さんの事務所によるTVコマーシャルをみましたが、一瞬、サラ金さんのコマーシャルではないかと錯覚してしましました。yen

 東京や大阪の地下鉄には、過払金を取り戻す広告に溢れていますが、どんどん倒産したり廃業したりしている所もあるため、依頼人と後日トラブルにならないのか心配です。bomb

 それはさておき、今日は、過払利息の発生時期についてのお話です。

 最高裁平成21年1月22日判決は、過払金の消滅時効の起算点を取引終了日と判断したものですが、最近、消費者金融から、その判決との「整合性」と称して、過払利息(法定利息)の発生時期も、取引終了日であると主張してくることが、非常に多くなりました。

 最高裁は、過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引において、過払金返還請求権の消滅時効の起算日を同取引が終了した時点と判示しました。その根拠は、過払金充当合意の存在におり取引継続中に借主が貸金業者に対して過払金の返還請求を行使することが想定されていないことをあげています。

 サラ金は、過払金充当合意の存在する当事者間において、取引終了以前には過払金の返還請求権の行使が想定できないという点は、最高裁判決のような過払金の不当利得返還請求権の消滅時効が問題となる場面と、不当利得返還請求権の法定利息の発生時期が問題となる場面とで、何ら異なるものではない と主張してくることがあります。

 そして、大変残念なことですが、消費者金融の主張を認める高裁判例も出ているようです。

 例えば、札幌高裁平成21年4月10日判決は、

 (判決書の原典不見当であるため、正確かどうかはわかりませんが・・)

 民法704条の利息は、悪意の受益者が受けた利益に付して返還すべきものであるから、利息の起算点となるのは、不当利得返還債務の弁済期からであると解される。

 過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引において、その取引の終了前は、悪意の受益者が受けた利益、すなわち、過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引において、その取引の終了前は、悪意の受益者が受けた利益、すなわち、過払金が発生しても、その行使に法律上の障害があるから、過払金の弁済期は取引終了の日の翌日であると解される。

 従って、上記取引の継続中は、たとえ過払金が発生しても、これに利息を付した上で、その後の借入金の元本に充当することはできない

 と判断しました。

 最高裁平成21年1月22日判決以前にも、過払利息の発生時期を、取引終了時と考えた高裁判決があります。相手方は、この高裁判決も金科玉条のように用います。

 大阪高裁平成20年4月18日判決(裁判官・若林諒・小野洋一・冨田一彦)です。原典は、兵庫県弁護士会の判例検索でみることが可能です。

 この判決は、基本契約に基づく継続的金銭消費貸借契約において、契約当事者間に過払金充当合意が存在することを認定した上で、

 過払金の不当利得返還請求権の金額や内容は、後の貸付への充当が行われないこととなる取引終了日以降に確定するのであり、当該時点までは金額や内容が不確定浮動的であって、後の貸付への充当の有無、充当額等により変動することが予想されるから、利得の金額や内容も不確定浮動的であり、これにつき利息を付して返還させることは、当該利息の金額や内容自体不確定浮動的である上、不当利得制度を支える公平の原理をも考慮すると、不相当である

 法定利息がつくのは、基本契約に基づく一連の取引が終了し、過払金返還債権の金額や内容が確定した時点と判断しました。

 その他、地裁レベルの判決として、山口地裁宇部支部平成21年2月25日判決があるようですが、残念ながら、確認できていません。

 ほんの少し前は、法定利息の発生時期については、ほとんど問題にならず、むしろ、過払金返還請求権の消滅時効の起算点はいつかという形で問題になっていました。

 最高裁が今年の1月22日に、過払金返還請求権の消滅時効の起算点を、取引終了時説を採用したことにより決着(サラ金不利)がついたので、消費者金融側は、戦いの舞台を、今度は、過払い利息の起算点はいつかという問題提起を行い、消費者側弁護士や司法書士と激しい戦いを繰り広げています。

 この論点については、残念ながら、現在、あまり文献がありません。

 私も、試行錯誤を重ねて、準備書面を作成しています。あまり人に公表できるものではないので、早く、解説書がでればいいなあと思います。

2009年6月11日 (木)

フジグラン松山

 休みの日に、フジグラン松山に、こどもを連れていってきました。本当は、先週の日曜日に子どもたちを連れて訪ねた菊間の瓦館にもう一度行く予定だったのですが、今治駅まで来て、息子が普通電車よりも特急電車が先に今治駅に到着することを知って、急に、「やっぱり松山がいい」と言い出したため、急遽、目的地を、瓦館から松山に変更することにしました。

 気まぐれで困ります・・・

 特急電車にのると、電車の好きな息子の機嫌はよくて、「松山についたらご飯を食べよう」と言い出したため、フジグラン松山を訪ねることにしました。

 今治の人はあまり知らないかもしれませんが、フジグラン松山(地図は、JR松山駅から、徒歩5分程度の至近距離にあります。本社が隣接しているためかわかりませんが、商品の品揃えはよく、また、衣類関係も、安くていいものが置いてありました。

 吹き抜けの階段から下を見渡すことができ、息子が、「すごい」などと感嘆の声をあげていました。

 昼食は、青山という広島風のお好み屋さんで、お好み焼きを食べました。大盛りを注文したのでしたが、息子二人で完食しました。

 その後は、おもちゃ売場に連れて行ったのですが、息子もいろいろ目移りをして大変でした。息子はカードを購入しました。家で待っている娘には、レターセットをおみやげに購入しました。仕事で使う文房具なども買ってしまうのは悲しい性格ですが・・・(子どもと遊んでいても仕事のことが脳にこびりついているのは困った性格です)

 フジグラン松山を十分堪能したあとは、近くのキスケの湯に息子と入り、また、特急電車に乗って今治に帰りました。

 腰を痛がっている私の様子をみて、息子が一生懸命にリックサックを持ってくれたのですが、とうとう、バランスを崩して転倒し、けがをしました。

 近くのレディ薬局で、消毒液などを購入して家に戻りました。

 特大の絆創膏にしました。 

2009年6月10日 (水)

【金融・企業法務】 債権差押命令発令後に、債務者について破産手続開始決定がされた場合の執行手続取消しの可否(積極)

 旬刊金融法務事情No1868(6月5日)号で紹介されている裁判例です(東京高裁平成21年1月8日決定)。

 抗告人は、抗告人を原告、債務者を被告とする執行力ある判決正本に基づき、抗告人の債務者に対する賃料相当損害金等を請求債権として、債務者の第三債務者に対する敷金返還請求権について債権差押命令の申立てをし、執行裁判所により債権差押命令が発令されました。

 その後、債務者について破産手続開始決定がされ、破産管財人が、本件差押命令の取消しを求める旨の上申をしたため、執行裁判所は、債務者について破産手続開始決定がされたことを理由に、本件差押命令を取り消す旨の原決定をしたところ、抗告人がこれを不服として執行抗告をした事案です。

抗告人は、

 ①本件差押命令の請求債権は、破産法253条1項2号の非免責債権にあたるので、本件差押命令を取り消す理由はない

 ②債務者は、本件差押命令の債務名義の執行力を排除するためには請求異議の訴えを提起するべきである

 などとして、原決定は違法不当であると主張しました。

 ①については、

 破産手続開始決定により、本件差押命令は破産財団に対し効力を失い、破産管財人は、本件差押命令の差押債権を破産財団に属するものとして自由に処分し得るのであり、このことは請求債権が非免責債権であるかどうかによって左右されないこと

 ②については、

 破産手続開始決定により、債務名義に係る請求権の存否等が左右されるものではなく、原決定が債務名義の執行力を排除したものではないことは明らかであること

 として①及び②の主張を排斥しています。

 強制執行開始後に、債務者に対して破産手続開始決定がされた場合に、東京地裁民事21部では、債権執行事件については、破産管財人の上申があった場合には、差押命令を取り消すという運用であり、今回の決定はこの運用を是認したものです。

  fuji お買物は、フジに fuji

2009年6月 9日 (火)

【交通事故】 しまなみ海道を走ろう会~ツール・ド・しまなみサイクリング2003~

 判例時報No2036号(6月1日)で紹介された裁判例です(広島地裁尾道支部平成19年10月9日判決)(控訴)。

 舞台は、しまなみ海道を走ろう会~ツール・ド・しまなみサイクリング2003~で、起きた死亡事故です。

 主催者側に、運転者との間に共同不法行為が認められるのかという問題です。

 裁判所は、

 ①本件行事は、沿線住民との使用競合が避けられない一般道路を、200名近くの者がスポーツ系自転車に乗って時速30キロメートルを超えるスピードで走行する行事であるのに、そのことを沿線住民に周知広報等をしなかったことには手抜かりがあったこと

 ②本件行事参加者と一般歩行者が交錯しやすい場所にコース監視員を配置することを怠ったこと

 を理由に、共同不法行為を認めました。

 自転車事故とはいえども、死亡事故に発展し、しかも、被害者が高額所得者であったため、かなりの賠償義務が発生しました。

 この事件があってから、大会が行われることはなくなったようです。

 尾道市から今治市との間の行事であるため、大変残念です。自転車といえども、凶器になることを強く認識させられました。 

2009年6月 8日 (月)

今治市近見地区の民生委員研修会

 本日、今治市近見地区の民生委員の方に招かれて研修会の講師として、1時間ばかりの研修の講師を務めさせていただきました。

 場所は、近見小学校の教室をお借りして、債務整理を中心に破産、個人再生、任意整理(サラ金調停)などを、中心に、しゃべらせていただきました。

 特に破産というテーマでは、多数の民生委員の先生方から質問を受けました。

 ただ、現在、破産によって受けるデメリットが小さいものになっていることから、「借りたもん勝ち」というイメージが破産には強いため、破産制度自体に、余り評価がされていない印象を受けました。

 多数の質問が寄せられたため、用意していた原稿の3分の1程度しか、説明ができず、だいぶはしおってしましました。happy01

 貴重な体験をさせていただきました。 ありがとうございました。

 

   

スキー場でスキー滑降中に上方後部より滑降してきたスノーボードに追突され受傷した事故につき、スノーボード滑降者に対する損害賠償請求が認容された事例(さいたま地裁平成20年11月14日)

 判例時報No2036(6月1日)号で紹介された裁判例(さいたま地裁平成20年11月14日)です。

 事案は、Xは、平成19年2月17日、赤倉観光リゾートスキー場でゲレンデをスキーで滑降していたところ、Xの上方からスノーボードで滑降してきたYに追突され、左膝関節内骨折等の傷害を負い、入通院を余儀なくされたため、Xが、Yに対して、前方を注視し、下方を滑降している者との接触ないし衝突を回避できるようスノーボードの速度及び進路を選択して滑走すべき注意義務を怠ったとし、不法行為に基づいて、約530万円の賠償請求を提訴したケースです。

 判時の解説によれば、

 スキー場においては、多くのスキーヤーが滑降するため、衝突等の危険が高いが、スキーヤーは後方を確認しながら滑降することができないから、自動車の追突事故と同様、上方から滑降する者に、下方を滑降する者との衝突を回避すべき注意義務があることになろう

 と解説されています。

 当たり前の事ですが、交通事故事案ではないため、目新しく感じました。

 

2009年6月 6日 (土)

【倒産】 会社から自己破産の申立てを受任した弁護士が2年間申立てを放置した場合において、破産財団の損害につき弁護士の不法行為責任が肯定された事例(東京地裁平成21年2月13日)(控訴)

 判例時報No2036号(6月1日号)で紹介された裁判例です。

 事案は、以下のとおりです。

 平成17年12月2日、Y弁護士が、破産会社から自己破産の申立てを受任しました。同日、受任通知発送。

 平成19年12月、破産申立てを行い、平成20年1月16日、破産手続開始決定が言い渡されます。

 破産会社は、Y弁護士に依頼してから破産手続開始決定があるまでの間に、当時預金口座に存在した金員及びその後に預金口座に入金された金員の大半を使ってしまいました。 

 そこで、破産管財人が、Yに対して、不法行為に基づく損害賠償請求を提訴しました。

  Y弁護士は、破産申立てが遅れたのは、Yのもとに債権調査表がすべて届いたのが平成18年7月28日だったからであり、同年4月までに破産申立てをすることはできなかったと反論しています。

 この反論に対しては、債権者一覧表は申立ての後に遅滞なく提出することでも足りるのであるから、この主張をもって、破産申立ての遅滞に正当な理由があるとすることはできないと一蹴されています。

 東京地裁は、破産事件を受けその旨を通知した弁護士は、「可及的速やかに破産申立てを行うことが求められ、また、破産管財人に引き継がれるまで債務者の財産が散逸することのないよう措置することが求められる。これらは、法令上明文の規定に基づく要請ではないが、上述の破産制度の趣旨から当然に求められる法的義務というべきであり」、「破産管財人に対する不法行為を構成する」と判示しています。

 当然の理だと私も考えます。

 会社の場合で、2年は余りにもかかりすぎだと思います。

 この東京地裁の判決は、Y弁護士に支払った弁護士費用63万円についても、正当化されないとして、Yに対して、弁護士費用の返還を命じています。

 また、この判決は、預金口座からの自動引落しによる弁済を放置しておくことは、偏頗弁済や預金を受働債権とする相殺を防止できない結果となるから、破産申立てを受任した弁護士は、特段の事情がない限り、これらを防止するための措置を講じるべきと述べています。

 申立て代理人弁護士に対して、非常に重たい責任を負わしています。自己破産手続きを受任した弁護士は、債務者の行った行為の責任を取らされる可能性があります。同時廃止手続事案であればともかく、管財事件になる場合には、債務者のチェックが必要かと思います。

 私が自己破産手続きを申立てる場合には、管財事件見込みの場合には、かなり詳細な記録をつけておきます。管財人が調査しやすいようにするためです。ところが、申立て代理人の中には、きちんとした記録を添付してくれず、管財人が調査を行うと、次から次に財産が出てきて、本来は余納金もそこから捻出できたであろうと思われることから、結果的に債務者の不利益になってしまったケースがあります。

 とはいえ、私自身も、最近、あまりにも仕事が多忙になっていることに加え、法テラス経由の負担の重い事件も抱えてしまい、かなりオーバーワークになっています。明日、長期未済事件がないのか、確認したいと思います。

2009年6月 5日 (金)

一部請求の明示性

 「一部請求」の残部請求は、司法試験受験生であれば、誰でも深い知識がなければならない民事訴訟法上の論点です。

 例えば、損害賠償額が1000万円である場合、そのうちの100万円だけを取り出して、一部請求を行った場合、残部の900万円については、一部請求後の判決が確定した後に請求できるのかという形で問題となります。

 確定した判例によると、前訴で、例えば損害額1000万円のうち、100万円のみを訴求すること、つまり、一部請求であることが「明示」されていれば、訴訟物はその一部に限定され、前訴判決の既判力は、残部請求の後訴に及ばす後訴は許されるとされています。

 私が今調べているのは、「明示した一部請求」であることとは、どのような形で明示することをするのかということです。「請求の趣旨」にての、明示が必要であるかどうかです。

 超基本的な問題ですが、これまであまり深く考えたことがありませんでした。

 学説上は、訴状全体で明らかにするだけで足り、請求の趣旨に掲げる必要はないと解されているようです。

 この学説に立てば、請求の趣旨自体としては、「被告は、原告に対して、金100万円を支払え」でも、訴状全体から一部請求であることがわかれば、明示があるということになります。

 しかし、東京高裁平成12年7月26日判決(判例タイムズNo1096)について、解説者の綿引判事は、「本判決は、前記学説と異なり、訴状の段階で明示することまでは必要とされないものの、請求原因で特定された債権の一部を請求することが請求の趣旨及び請求原因の記載から判明するだけでは足りず、一部請求であることを請求の趣旨に掲げることを必要とする。あるいは、積極的に後訴があり得ることを予告することを必要とする、との趣旨のようである。」と説明しています。

 「一部請求であることを請求の趣旨に掲げることを必要とする」とは、例えば、「1000万円の一部である100万円を支払え」というような請求の趣旨が考えられますが、綿引判事は、「このような請求の趣旨が許されるのかには問題がある」と説明しています。

 そうすると、例えば、「被告は、原告に対して、1000万円のうち、100万円を支払え」という、内金の形で明示する方法が考えられます。

 しかし、平成12年の東京高裁は、「前訴第一審裁判所は、いわゆる「内金」請求と用語を混同したきらいすら窺われる」として、内金の形で明示することについて、消極的です。

 そもそも、昭和37年の最高裁は、「一個の債権の数量的な一部についてのみ判決を求める旨を明示して訴えが提起された場合」ですが、上告理由書によれば、請求の趣旨には単に10万円の請求をなし内金との記載はされておらず、請求原因において、内金であることが明確にされているケースでした。

 そうすると、学説が述べるように、請求の趣旨は、単純に、「被告は、原告に対して、100万円を支払え」として、請求原因にて、内金請求を明示すれば足りるはずです。

 最近の最高裁判決、例えば、平成20年度重要判例解説(ジュリスト)で紹介されている最高裁平成20年7月10日判決も、訴状の記載といった文字通りの明示がなくても、種々の事情の総合考慮の結果として一部請求の明示が認められうることがはっきりしたと、佐瀬学習院大学准教授が解説されています。

 ただ、そうなるはずですが、不安症の私は、平成12年の東京高裁判決があるため、不安が残っております。

 ①請求の趣旨及び請求原因で、内金請求であることを明確にして、②請求原因で、裁判の結果によっては、残部請求をすることを明確に予告する旨の記載をすれば、いいのかなあと、個人的な見解ですが、そのように考えています。

 平成12年の東京高裁判決は、事実経過をみると、交通事故が絡む案件で、2回にわたり、請求の趣旨を拡張して、その都度今後は請求の拡張はしない旨表明された事案のようです。そうだとすれば、例外的な判例という評価も可能かもしれません。 

 そうすると、訴状全体から、一部請求であることがわかればいいのだろうと思います。

 なぜなら、佐瀬先生も、判例解説で、「下級審の多くの裁判例は、損害のうちの一部のみを請求する旨が訴状等に記載されていれば明示を認め、そうでなければ明示を認めない扱いをする」と説明されているからです。

 実務家の方のご見解をうかがいたいです。

2009年6月 4日 (木)

事務所報No9 できました

  いつもは、当事務所の大事なお客さま向けに、年2回(4月と10月)、事務所報(しまなみ通信)をお送りさせています。

 しかし、今回は、10周年記念パーティーが、4月下旬に開催されたことから、変則的に、6月に、第9号をお届けさせていただくことになります。

 現在、その発送作業を行っており、2週間ほどで、お客様のお手元に届くかと思います。

 また、顧問先さまには、田舎弁護士の訟廷日誌を冊子にしたものを、メール便にて、お送りさせていただきます。

 お客さま及び顧問先さまに、当事務所をより一層身近に感じていただければ幸いです。

2009年6月 3日 (水)

【交通事故】 交通事故におけるむち打ち損傷問題 (保険毎日新聞社)

 私の事務所では、交通事故案件を、大量に取り扱っています。

 人身賠償事案の相当件数を、むち打ち損傷問題が絡む案件が占めます。

 むち打ちについては、身近な傷病名でありながら、よくわからないことも多く、平成21年3月に出されたばかりの保険毎日新聞社の「交通事故におけるむち打ち損傷問題」は、交通事故事案に積極的に取り組んでいる弁護士にとって、まさに身近に置いておかなければならない書籍の1冊としてお勧めです。

 低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)についても、かなりのページをさいて、紹介されていました。

 ①脳脊髄液減少症の発症、因果関係、②治療費、③休業損害、④後遺障害についても、これまでの公刊されている裁判例をわかりやく分析されていました。

 編集のK先生は、一昔前に、辰巳法律研究所(司法試験予備校)で教鞭をとっておられました。実務修習先も、出身大学も一緒で、しかも、大学の法律研究室は異なりましたが同じ階でしたし、最近の夏季研修の際には、挨拶させていただきました。最近、交通法学会の理事にも就任されて、いまや交通賠償の第一人者の先生です。 

2009年6月 2日 (火)

【交通事故】 16歳の少年の傷害保護事件において、送致事実中、被害者に脳脊髄液減少症が発症したと認定することはできないとし、顔面打撲等の限度で非行事実を認定した上で、少年を不処分とした事例(福岡家裁平成20年10月8日)

 正確には、交通事故ではありません。少年事件です。家裁裁判月報平成21年5月第61巻第5号で紹介されている裁判例です。

 福岡家裁平成20年10月8日は、

 被害者は、本件暴行を受けた後、脳脊髄液減少症の診断を受けているが、

 ①脳脊髄液減少症は現在医学界において一般に承認を得られているとは言い難い状況にあること

 ②被害者には客観的な髄液漏れは確認されていないこと

 ③被害者には脳脊髄液減少症の典型症状である起立性頭痛の症状が本件症状直後から持続的に引き起こされているとは認めがたいこと

 などからすれば、被害者に脳脊髄液減少症が発症したと認定するには合理的疑いが残るとして、脳脊髄液減少症について、消極的な判断を示しました。

 判断の手法は、交通事故のケースと同じ様な枠で判断されています。

 残念ですが、脳脊髄液減少症については、厳しい裁判例が続いていますね。

2009年6月 1日 (月)

【交通事故】 後退停止時に乗用車に逆突された軽四輪貨物車運転64歳女子に、過失3割認定、蜂窩織炎による右足関節症等で7割の素因減額を適用した事例

 自保ジャーナルNo1784(5月28日)号で紹介された松山地裁今治支部平成20年12月25日の判決です。

 原告は、右足関節部痛等を負い、後遺障害を残したとして、約4300万円もの支払いを求めました。

 これに対して、松山地方裁判所今治支部(平成20年12月25日)は、(1)原告の症状は、従前の障害が顕在化する契機となった限度で、因果関係を認める、(2)当初診断のとおり加療約2週間を要する程度とし、約6か月で症状固定と認め、(3)蜂窩織炎による右足の変形性足関節症等の身体的素因と心理的素因が後遺障害の発生遷延化に与えた影響で、70%の減額を施すと認定し、その結果、(4)原告の請求は棄却されました。

 素因減額については、過失相殺があるような場合には、競合することによって、賠償額が大きく減殺されることになります。本件事案では、過失相殺は30%とされていることから、70%×30%=21% つまり、79%控除されうることになります(ただし、当該事案では、公平の観点から、75%にとどめるのが相当であるとされています)。

 被害者側の立場では、どうしても「過失相殺率」だけに目がいきがちですが、素因減額の可能性についても、被害者から依頼を受ける際には、十分な説明をしておかなければ、後日、依頼人とトラブルになるかもしれませんので、注意が必要です。

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