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2009年5月27日 (水)

【倒産】 民事再生法174条2項3号

 ダイジェスト金融商事重要判例(平成20年度版)(銀行法務21)で紹介されている最高裁決定です(平成20年3月13日)。

 最高裁平成20年3月13日は、

 民事再生法174条2項3号所定の「再生計画の決議が不正の方法によって成立するに至ったとき」には、議決権を行使した再生債権者が詐欺、強迫又は不正な利益の供与等を受けたことにより再生計画案が可決された場合はもとより、再生計画案の可決が信義則に反する行為に基づいてされた場合も含まれると解するのが相当である。

 本件再生計画案は、議決権者の過半数の同意が見込まれない状況にあったにもかかわらず、Xの取締役であるBから同じくXの取締役であるCへの回収可能性のない債権の一部が譲渡され、Xの関係者4名がXに対する債権者となり議決権者の過半数を占めることによって可決されたものであって、本件再生計画の決議は、法172条の3第1項1号の少額債権者保護の趣旨を潜脱し、再生債務者であるXらの信義則に反する行為によって成立するに至ったものといわざるを得ない。したがって、本件再生計画を認可しないとした現決定は正当である 

 と判断しました。

 なんとなく違和感を感じますが、解説者によれば、もともと可決されないものが債権譲渡を受けたことにより可決されるに至ったということが重要視されたということのようです。

 重判解説では、譲り受けた者が内部者であった点が重視されたと解説されています。

 再生法の申請を行うときに、気をつけないといけませんね。

 

 

2009年5月26日 (火)

高松出張

 最近 sun ですね。

 昨日は、高松出張で、また、腰痛のため、大変でした・・・

 四国ロースクールで教鞭をとっておられる司法修習生時代の恩師に、挨拶のため、訪問しました。大学生や大学院生が、子どもにみえるのは、歳のせいか・・・ まだまだ若いと思っていましたが、着実に、歳だけ重ねているようです。

 長女からは、「よぼよぼパパ」といわれる始末です・・・

 さっそく、妻に、湿布を貰いに、フジグランの薬局にいってもらいました。 

 fuji お買物は、フジグラン今治店 または、フジ今治店で heart01

【金融・企業法務】 数口債務と開始時現存額主義の適用

 ダイジェスト金融商事重要判例(平成20年)で紹介されている裁判例(大阪高裁平成20年5月30日)です。

 金融機関Yは、B社に対して、5口の貸付債権を有し、これを担保するため、個人Aに連帯保証させたうえ、B社所有の建物およびB社と物上保証人Cとが共有する土地にそれぞれ根抵当権を設定していた。

 開始決定当時のYのB社に対する債権額は、元本だけで約1億2500万円にのぼったが、Yの前記土地建物の任意売却代金によって、合計約1億2500万円の弁済を受領した。

 Yは、Aの破産手続において前記の弁済額を控除しない約1億2700万円をもって届け出を行い、かつ、全額について破産債権査定の決定を受けた。

 Aの破産管財人Xがこれを不服として提起した破産債権査定異議の訴えの控訴審が本件です。

 大阪高裁は、保証人破産の場合において主たる債務者からの弁済により複数口の債権のうちの一部の口の債権が完済されている場合には、債権の全額が消滅した場合に該当するという理由により、管財人を勝たせました(管財人の勝ち)。

 ところが、Yは、Bの破産手続きにおいても、本件と同額の破産債権を届け出をしており、こちらの大阪高裁(平成20年4月17日)では、本判決と正反対の判決が出ています(管財人の負け)。

 つまり、明らかに事実関係を共通する両事件において、全く正反対の結論が出てしまったわけです。

 感覚的には、5月判決の方が落ち着きはいいですが、債権の口というとになれば、人為的に操作が可能であり、これが基準だと濫用事例も出てくるのでは?と思います。

  

2009年5月25日 (月)

【金融・企業法務】 民訴法248条による相当な損害額の認定

 ダイジェスト金融商事判例(平成20年度版)(銀行法務21)で紹介されている最高裁判決です(平成20年6月10日)。

 事案は、損害が発生したことは明らかであるが、損害額の立証がきわめて困難な場合に、現新が、損害額はこれを算定することができないとして請求を棄却したことに対して、最高裁は、民訴法248条により、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づいて、相当な損害額が認定されなければならないと判断して、原審の判断を棄却して、差し戻しをしました。

 なお、平成20年度重判解説は、加藤新太郎先生によるものですが、加藤先生によると、民訴法248条の法的性質は、証明度軽減説と、裁量評価説との対立があるようです。

 加藤先生は、この判決は、裁量評価説を前提にしているものと考えておられるようです。

 損害立証の基礎となる事実については原則的証明度が必要であるが、民訴法248条は、損害額の評価については裁量的であることを許容したものと考える説のことです。

 加藤先生は、私が司法修習生のときに、研修所の事務局長をされていました。釧路支部に転勤されたことがあるようですが、その時の失言を、釧路失言とは述べて、あまり笑えない冗談をおっしゃっておられたことを記憶しております。

 時折、購買部の書棚で本を読んでおられたことをみかけたことがありました。懐かしいですね。

2009年5月24日 (日)

エミフル MASAKI

エミフル MASAKI に行ってきました。

 まず、今治から、車で使わないアクセス方法の1つをご紹介します。

 JR四国を利用して、JR松山駅 そこから、伊予鉄を利用して、松山市駅に出て、郊外線である郡中線(3番ホーム)に乗り換え、「こいずみ」駅に降りて、徒歩5分足らずのところにあります。

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 とっても小さな駅ですが、ここから、エミフルの巡回バス(無料)もでています。

016  エミフルの途中の子どもの遊び場です。

030  エミフルの玄関です(1番ゲート)。巡回バスでいけます。

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 玄関から入ると、ものすごい数の茶葉をそろえているお茶屋さんがありました。

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 ものすごく賑わっていました。

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 スポーツ用品屋さんの前の鹿と熊ですが、子どもが少し怖がっていました。

022  いや、本当に道に迷うくらいの巨大なスペースでした。これほどの規模の施設は初めて経験しました。

021 噴水です。出たり、止まったり、こどもたちが遊んでいました。びっしょりに濡れた子どもさんもいました。

 えっ 伊予鉄の切符代、もらえるんだったの???

 調べていけばよかった・・・・

 詳しくは、こちら

2009年5月23日 (土)

海事博 今治

 現在、海事都市今治で、海事博覧会が開催されています。

 会場の1つである今治港近くのマルシェ広場の様子です。

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 マルシェ広場の受付です。

010  JA越智今治農協の、いちごのカキ氷とジェラードです。

026  これが噂のオレンジジュースがでる蛇口です。

 無料ですが、飲む人は募金してね。

016  クルーズに出発です。

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 海王丸です。昭和5年建造のようです。

017  すごい水飛沫です。今治港の灯台が見えます。

022  近見山が遠くに見渡せます。

027  マルシェ広場での様子です。

 

 今治港が古くて重要な港ということはわかりました。

 今治までこられましたら、フジグラン今治で、お買い物をheart01

2009年5月20日 (水)

【金融・企業法務】 建物および賃借権の優先譲り受け申し立て (最高裁平成19年12月4日決定)

 ダイジェスト金融商事重要判例(平成20年)(銀行法務21)で紹介されている最高裁決定(平成19年12月4日)です(平成20年重判解説民法5参照)。

 賃借人は、賃貸人の承諾なければ、賃借権を譲渡したり、転貸することはできません。

 ただし、借地借家法19条1項により、借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、または転借をしても、借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡または転貸を承諾しないときは、借地権者は裁判所に対し、借地権設定者の承諾に代わる許可を求める旨の申し立てることができます。また、同法3項は、借地権設定者は、みずから建物の譲渡および賃借権の譲渡、または転貸を受ける旨の申し立て(優先譲り受け申し立て)をすることができるとされています。

 最高裁決定の事案は、建物が借地と他の土地とにまたがって建築されている場合に、借地権設定者が、優先的譲り受けの申し立てをすることができるかという論点についてのものですが、最高裁は、借地借家法が裁判所に付与した権限を限定的にとらえて、優先譲り受け申立ては許されないと判断しました。

 原審や原々審によれば、建物を取得した者が借地権設定者に対して、借地権譲り受けに対する給付として、なんと、約3400万円の金員の支払いを命じています。まあ、都会での話ですね・・・

 ところで、最近、法律書のある本屋さんにいくと、債権法改正の書籍が多く出るようになっています。商法が会社法に代わってからわかりにくいようになったのですが、民法も同じようなことになることを大変恐れています。

 最近の新法の制定、法律の改正のスピードには、本当に、ついていくのがなかなか難しいですね。 

 

2009年5月18日 (月)

【交通事故】 日本交通法学会 定期総会(第40回)

 交通法学会出席のために、東京に出張しました。

 場所は、日大法学部3号館でした。水道橋です。水道橋といえば、私が大学生のころには、LECという司法試験予備校の本校があったところです。

 何年振りだろう。20年近いのではないかと思います。あのころは、府中からここまで週に2回ほど通学していました。三崎神社から法学部2号館までのあたりも、時の経過により、かなり変貌を遂げていました。

 話を戻します。

 午前は、飛行機の関係で、聴講できませんでしたが、個別報告として、定期金賠償方式や、運行供用者責任についての報告があったようです。

 午後からは、「自動車関連事故と傷害保険」と題して、3つの論点について、学者の先生からの研究発表がありました。

 まず、1つが、①傷害保険における「偶然性」の論点であり、自動車の水没事故にかかる最高裁平成18年6月1日についての説明がありました。

 最判平成13年4月20日(2つ、A・B)は、生保の災害特約についても、損保の傷害保険についても、ともに、保険事故の偶然性の立証責任については、保険金請求者がこれを負うと判断しました。

 ところが、最判平成16年12月13日(C)は、火災保険について、火災発生が偶然のものであることについては、保険金請求者はその主張立証責任を負わないと判断しました。Cは、A・Bとは事案を異にすると述べています。

 そして、最判平成18年6月1日、6月6日(D・E)も、車両保険(水没、傷)についてですが、保険金請求者は、偶然性につき、その主張立証責任を負わないと判断しました。Eは、Aとは事案を異にすると述べています。

 最判平成18年9月14日(F)は、火災保険について、保険金請求者は、偶然性につき、その主張立証責任を負わないと判断しました。

 最判平成19年4月17日(G)は、車両保険(盗難)について、保険金請求者が、被保険者以外の者が被保険者の占有に係る被保険自動車をその所在場所から持ち去ったことという外形的な事実の主張立証すれば足りるとし、最判平成19年4月23日(H)は、外形的な事実とは、被保険者の占有に係る被保険自動車が保険金請求者の主張する所在場所に置かれていたこと、及び、被保険者以外の者がその場所から被保険自動車を持ち去ったこと、という事実から構成されるものというべきであると判断しました。

 シンポでは、自動車保険の傷害保険についてはどのように考えるべきなのか、そもそもA・Bの判例は、事案の特殊性などから、射程範囲が限定されているのでは?とか、保険法80条との関係などが議論されました。

 ②最判平成19年10月19日の自動車のため池転落事故がとりあげられ、外来性の立証責任などが問題となりました。

 最後には、③交通事故における急激性の論点がとりあげられ、基礎疾患が協働原因となっている場合の傷害のてんほ可能性について報告がありました。

 日頃からあまり学究的なことは考えないので、考える訓練にはなりました。

 夜は、よくできる同期の弁護士を食事をともにしました。一次会では、おごっていただきました。2次会は、おもしろそうなお店に入りました。値段がびっくりするほど安かったです。 019

 

 

 ホテルもきれいでよかったです。

020

また、利用してみたいです。

 第2日目は、いつものどおり、本屋さんめぐりをしました。墓埋法関連の本を複数冊購入したところ、同期の弁護士から、マイナーな分野勉強しているねと言われました。 

 

2009年5月17日 (日)

【交通事故】 交通事故の加害者Yが被害者Yに賠償すべき人的損害の額の算定に当たり、Xの父が締結していた自動車保険契約の人身傷害補償条項に基づきXが支払を受けた保険金の額を控除した原審の判断に違法があるとされた事例(最高裁平成20年10月7日判決)

 判例時報No2033号(5月1日号)で紹介されている最高裁判決です。

 上告代理人の一人は、高次脳機能障害等の案件で著名な弁護士の先生のようです。非常に優秀な方なので、一度、この先生のもとで修業をしてみたいくらいです。

 原審の大阪高裁の判決は、結果的には、???の内容です。

 Xは、人身傷害補償条項に基づいてA保険会社から、567万5693円の支払いを受けました。

 大阪高裁(平成19年9月20日)は、Xに発生した損害額を1億7382万8332円と計算し、Xの過失割合を50%として、過失相殺後の8691万4166円から、なんと、先ほどの567万5693円を差し引いてしまったのです。

 差額説が脳みそに染みついている身としては、「それはおかしいやろ???」と思いますし、判例時報の解説も、「本件における原判決の誤りは単純なもののように思われる」と酷評されています。

 ただ、判時の解説をよく読んでみると、人傷社のA社が、代位取得を理由に、支払済みの保険金額から自賠責(120万円)で回収した金員を控除した残額の支払いを請求しているのですね。そして、これが併合しているのですね。しかも、A社の請求部分は確定してしまっているのですね。

 これが前提だと、Xの損害金から約567万円を控除すると、Yが支払う金額は結果的には一致しそうです。ただし、A社の契約者であるXにとっては、不利益ですが・・・・

 A社とXの代理人が共通だとこのような処理をしてしまうかもしれませんが、Xが上告までされていることをみると、A社とXの代理人は、別人だと思われます。

 人傷社に、弁護士費用特約がついていたり、あるいは、人傷社の紹介で弁護士に依頼されることは少なくありません。利益相反にならないよう、注意しなければなりませんね。

 大阪高裁の判決日は、平成19年9月なんですよね。この論点は、いまや非常にポピュラーなので、高裁の裁判官が知らないということないと思うのですが・・・ でも、原判決は、「損益相殺」の見出しで、人傷保険金を論じているみたいなので、ひょっとすれば・・・ 上告受理申し立て書には、「人身傷害補償保険契約と保険代位に関する極めて初歩的な法解釈上の誤り」、「全くの誤解」などと原判決を酷評しています。

 最高裁平成20年10月7日は、過失相殺後の約8691万円から約467万円を差し引いたのは、おかしいとして、破棄して、大阪高裁に戻しています。

 差し戻し審は、結論的には、現在主流の差額説に立つでしょうから、Xの手取りは、元本として、567万円ほど増えるはずです。

 問題は、Yは、確定しているA社からの請求、これは、567万円を含んでいると思いますが、2重請求を強いられますね。本来は、差額説に立てば、Xの過失相殺に目減りしている金額は大きいので、代位できないものと考えられますから、A社の請求は、棄却されるべきものなのでしょう。なんで、A社は、求償請求をおこしたのかな?、とてもとても不思議です。

 A社は、回収しているとすれば、Yに返金するのですかね。でも、確定しているしねえ。どうするんでしょう・・・pen

 でも、高裁の裁判官でそれであれば、人傷保険金を損益相殺と同じに考える「専門家」の先生、おられるかもしれませんね。ng

 自分も反面教師にされないよう、頑張りたいと思います。pencil

 すでに反面教師にされているかもしれませんが  coldsweats01

 

2009年5月16日 (土)

【消費者法】 高松高裁平成21年2月19日判決 今治簡裁平成21年1月14日判決

 消費者法ニュースNo79(2009年4月)号で紹介された裁判例です。

 高松高裁平成21年2月19日判決(対ネットカード)は、過払金返還請求訴訟に係る弁護士費用、架空請求を原因とする不法行為に基づく慰謝料と弁護士費用を認めた事案です。なお、高松高裁は、平成20年10月30日も、本件と同様の判断を示しています。

 ただし、この判決で前提とする取引は、昭和58年6月25日に開始された取引であり、貸金業法附則6条1項により、みなし弁済規定の適用がないケースです。

 今治簡裁平成21年1月14日判決(対エルアンドエムワールド)は、取引期間が平成13年以降であるにもかかわらず、架空請求として慰謝料5万円を認めた事案です。

 この今治簡裁の判決は借り手の救済を図ることができる特筆すべき判決ではないかと考えています。

 ただし、判決の場合、一般的に、任意で回収するのは困難になっています。強制執行まで強いられますが、全額回収できるのは次第に難しくなっています。

 私の場合、業者から甘くみられたと思われた場合には、訴訟費用の確定の申し立てまでしています。

 

2009年5月15日 (金)

【交通事故】 共同不法行為と過失相殺

 判例タイムズNo1291(5月10日)号に、判例評釈として、「共同不法行為と過失相殺」と題する論文(新美明大教授)が掲載されていました。

 私の頭が悪いためなのか、いつも混乱してしまうのが、絶対的過失相殺と相対的過失相殺の議論です。

 わからなくなった場合には、専門訴訟講座交通事故訴訟を参考にするのですが、同書のP500には、このように定義づけられています。

 絶対的過失=損害発生の原因となった全ての過失の割合(絶対的過失割合)に基づく被疑者の過失による過失相殺をする

 相対的過失=各加害者と被害者との関係ごとにその間の過失の割合に応じて相対的に過失相殺をする

 三者間の同時交通事故についての最高裁平成15年7月11日は、絶対的過失相殺の手法によっています。事案は、カーブ入口付近に非常点滅灯を点灯させずに走行車線にはみだして駐車していた車両Bを追い越すために中央線を越えた車両Aとその対向方向から40キロオーバーで走行してきた車両Cとが衝突して、Cが損害を被った交通事故について、A及びBに、Cに対する共同不法行為が成立するとした上で、Aに代わってCの損害を賠償した原告共済組合が、Bに対して、Aの過失割合を超えてCに賠償した部分を保険代位に基づいて求償した事案です。

 最高裁は、B対A対Cの各過失割合を、1対4対1であると認定した上、まず、Cの過失(6分の1)を考慮した6分の5に、5分の4を乗じた6分の4であるから、原告共済組合はこれを超える部分すなわち6分の5から6分の4を控除した6分の1について、Bに対し求償権を取得したと認定しました。

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 これに対して、順次発生した交通事故と医療過誤との共同不法行為を認めた最高裁平成13年3月13日は、被害者遺族が医療機関を被告とした訴えにおいて、相対的過失相殺の手法により、交通事故における被害者の過失を斟酌して、医療機関が支払うべき損害額を減額することを認めませんでした。

 新美先生によれば、平成13年判決と平成15年判決は、その文言からみる限り真っ向から対立しているようであるが、相対的過失説と絶対的過失説との棲み分けを示すものであり、実質的には対立していないと述べておられます。

 問題は棲み分けであり、例えば、最高裁平成21年7月4日判決の「暴走バイクがパトカーと衝突して、バイク同乗者が死亡した事故の場合」はどのように考えるべきかが問題となります。

 当該判例は、新美教授によれば、絶対的過失や相対的過失という減額ではなく、被害者側の過失として処理し、分割責任で対応することを示したものと説明されています。

 あ~ やっぱり わからん。

2009年5月14日 (木)

【金融・企業法務】 顧客情報の流用

 ダイジェスト金融商事重要判例(平成20年版)(銀行法務21)で紹介されている裁判例です。

 医師向け有料職業紹介事業を営む原告X社が、従前、原告に勤務し、かつ、原告と同じく医師向けの優良職業紹介事業を営むY社に勤務する被告Aが、X社を退社するにあたり、原告が管理している医師情報を無断で持ち出し、Y社の事業の執行として、医師情報に基づき、294名の医師に対して、電子メールであいさつ状を出した行為が、不法行為に該当するかどうかが問題となった事案です。

 東京地裁平成19年1月26日は、

 労働者は、労働契約に基づく付随義務として、信義則上、使用者の労務に服したことにより知りえた営業上の秘密を他にもらしたり、使用者の得意先を自分で利用しないようにする義務を負うとして、

 原告が本件持ち出し情報の持ち出しと利用を許諾していない以上、違法性が推定されると判断しました。

 解説の先生も、本判決の考え方に立脚すると、退職者が在職中の得意先にアクセスすると、退職者が退職時に特段の守秘義務契約や誓約書の差し入れをしていなくても、本件のような問題が必然的に生じうることに留意されたいと説明されています。

 労働者にここまでの義務を負わしていいのかどうか、本件事案では何かこのような義務を負担させてもよい事情があったのかなどが知りたいですが、なぜか、解説記事が薄くて、このあたりの事情はよくわかりませんでした。

 

2009年5月13日 (水)

【金融・企業法務】 ナナボシ粉飾決算損害賠償請求事件

2009年5月12日 (火)

【金融・企業法務】 監査法人の善管注意義務

 ダイジェスト金融商事重要判例(平成20年版)(銀行法務21)で紹介されていた東京地裁平成20年2月27日判決です。

 監査法人であるYが、XとAとの間の架空取引を看過して適法意見を表明したことが、Xとの監査契約上の善管注意義務違反にあたると主張して、Yに対して、監査報酬相当額の損害賠償を求め提訴した事案です。

 ①Yの行った監査手続において、A社社印と回答者印が押印され、XのA社に対する売掛金の残高についてX側保管の監査証拠書類から認めるものと相違がない旨回答がなされた確認状がYに返送されていること

 ②売上取引テストにおいて、仕入先からA社までの商品の流れを検証し、また、証憑との突合せをなすことによって、XとA社との間の取引における注文書や発注内示書の売上金額、売上商品名、規格に矛盾がないかを検討し、さらに、Xの取引担当者に対してヒアリングを実施していること

 ③Yは、XがUターン取引を行っていないかを検証するため、棚卸資産の分断的手続きを実施して異常がなかったことを認めていること

 を理由に、Yの善管注意義務違反を否定しました。

 真面目にやっていれば心配ないということでしょうか?

2009年5月11日 (月)

【金融・企業法務】 会計監査人の責任

 ダイジェスト金融商事重要判例(平成20年度)(銀行法務21)で紹介されている東京地裁平成19年11月28日の判決です。

 会社法429条1項2項(旧商法特例法10条)は、以下のとおり、会計監査人の第三者に対する責任規定をおいています。

 1項 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。

 2項 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りではない。

 4号 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録

 X銀行は、融資先のA会社に、その貸借対照表を含む決算資料を参考資料として、シンジケートローンを組み、融資を実行したものの、じきに、A社が民事再生手続開始を申し立てて、X銀行の融資の大半が回収できなくなったため、会計監査人である公認会計士が作成した監査報告書中の貸借対照表等が適正との意見は虚偽記載であるとして、旧商法特例法10条に基づき、貸出金相当額の損害賠償を求めるため、提訴した事案です。

 まず、会計監査報告に虚偽記載があったとしても、会計監査人が企業会計審議会が定めた監査実施基準に準拠した監査手続実施し、その過程において、会計監査人として通常要求される程度の注意義務を尽くした場合には、旧商法特例法10条但し書きの規定により、免責される。

 ↓

 企業会計審議会の定めた監査実施基準の内容は、抽象的

日本公認会計士協会の定めた監査実施基準に準拠して監査を実施した場合には、企業会計審議会の定めた監査実施基準に準拠した監査を実施したといえる

 →この場合には、免責される

 本件の場合も結論として、これらの要件をみたした監査であるから、免責されると判断しました。

 

 私を含めてですが、弁護士の少なくない人数の者は、会計学の知識は乏しいのですね。習いませんからね。昔、教養選択科目で、会計学があり、確か、Wセミナーの成川学院長が指導されていたような気がしますが、勉強しておけばよかったなあと思います。そういえば、大学の授業でも、会計学はあったなあ。後悔先に立たずです。

 とはいっても、田舎弁護士が扱う事件の大半は、幸いなことに、会計学の知識は不要ですが・・・ 一時期、せめて、松山の大栄教育にでも通学しようと検討しましたが、時間がなくて、できませんでした。残念です。

 

 

2009年5月10日 (日)

【金融・企業法務】 カネボウ少数株主損害賠償請求事件控訴審判決

 ダイジェスト金融・企業法務重要判例(平成20年度版)(銀行法務21)で紹介されている裁判例です。

 産業再生機構は、カネボウから、C種類株式を取得していましたが、Yファンドに、C種類株式全部を、相対取引で、1株201円で売却しました。

 Yファンドは、カネボウの普通株式1株162円で買い付ける公開買い付けを行いました。

 カネボウの普通株式を有しているX株主が、YがC種類株式を取得する際には、公開買い付けを行う必要があったのにこれを行わなかったとして、その保有する株式について、201円での売却機会が与えられなかったとして、Yを提訴しました。

 解説の先生によれば、公開買い付け規制の例外規定の適用については、種類株式が発行されている場合には、その種類ごとに判断するというのが金融庁の見解であり、実務もこのような解釈に従って、相対取引によって種類株式の取得が行われてきたそうです。

 東京高裁平成20年7月9日判決は、「株券等についてとくに限定は加えられていないという文理に照らすと」という理由により、当該買付対象とされた種類株式に係る株券等の所有者だけではなく、買付対象外の株券等も含めたすべての株券等の所有者が、25名未満であり、かつ、そのすべての所有者から同意を得ていることが必要であると判断しました。

 解説の先生によれば、「最高裁が、本判決を維持するのか、また、維持する場合に本判決と同様の理由によるのかが注目される」と説明されておられます。

 私も、一度、公開買い付けに応じようかどうか迷ったことがありましたが、不透明なところが気に入らず、早々に、市場で売却してしまったことがあります。

 

2009年5月 9日 (土)

【金融・企業法務】 ヤクルト株主代表訴訟控訴審判決

 ダイジェスト金融商事重要判例(平成20年度)(銀行法務21)で紹介されている裁判例(東京高裁平成20年5月21日)です。

 本件は、ヤクルト本社が、平成3年から平成10年まで、デリバティブ取引を行い、平成10年3月期に特別損失を計上して、最終的に約533億円の損失を被ったことに関し、当時の役員らに善管注意義務違反等があるとして、同社の株主が提起した株主代表訴訟です。

 解説の先生によれば、「本件は、大規模事業会社におけるリスク管理体制の構築義務や、担当取締役以外の取締役・代表取締役の善管注意義務の内容などについて判示した高裁判決である。」と紹介されています。

 まず、一般論として、

 ヤクルト本社のような事業会社がデリバティブ取引を行うにあたっては、各取締役は、取締役会等の会社の機関において適切なリスク管理の方針を立て、リスク管理体制を構築するようにする注意義務を負う

 ↓

 具体的にどのような方針を定め、どのように管理するかは、一義的に決まるものではなく、そこには幅広い裁量がある。

 ↓

実際にデリバティブ取引の実務を担当する取締役は、

 (1)取締役会等の会社の機関において定められたリスク管理の方針、管理体制に従い、そこで定められた制約に従って取引をする注意義務を負う

 (2)個々の取引の実行にあたっては、法令、定款、社内規則等を遵守した上、事前に情報を収集、分析、検討して、市場の動向等につき適切な判断をするよう努め、かつ、取引が会社の財務内容に悪影響を及ぼすおそれが生じたような場合には、取引を中止するなどの義務を負う

代表取締役については

 下部組織等(資金運用チーム・監査室・監査法人等)が適正に職務を遂行していることを前提に、そこから挙がってくる報告に明らかに不備、不足があり、これに依拠することに躊躇を覚えるというような特段の事情のない限り、その報告等を基に調査、確認すれば、その注意義務を尽くしたものというべきである。

その他の取締役については

 相応のリスク管理体制に基づいて職務執行に対する監視が行われている以上、特に担当取締役の職務執行が違法であることを疑わせる特段の事情が存在しない限り、担当取締役の職務執行が適法であると信頼することには正当性が認められるのであり、このような特段の事情のない限り、監視義務を内容とする善管注意義務違反に問われることはない

 しかし、533億円、巨額ですね。リスク管理体制の構築が大切ですね。 

 

2009年5月 8日 (金)

【金融・企業法務】 中国銀行株主総会出席禁止仮処分事件

 ダイジェスト金融商事重要判例(平成20年度版)(銀行法務21)で紹介された裁判例です。

 Yは、X銀行との返済猶予交渉に右翼団体に交渉を依頼したり、直接交渉では、「頭取の頭を蜂の巣にする」等の脅迫めいた発言や、大理石製の灰皿やライターケースを机に叩きつけるといった行動をとりました。

 平成19年の定時株主総会では、Yは株主でないことを理由に入場を断られたが、その際に、「今度来るときは武器を持ってこないといけない」などの発言をして、同年自己名義で1000株株式を取得しました。

 Xは、平成20年開催予定の定時株主総会へのYの出席禁止を求める仮処分を行いました。

 岡山地裁(平成20年6月10日)は、Yが所持品検査を受け、武器類の不所持を証明しない限り、株主総会への出席は認めないとの判断を示しました。

 気になる条文が、会社法315条の議長の総会秩序維持権についてですが、この条文は、議長権限が本来的には株式会社に帰属すること否定することを否定する趣旨のものではないとして、条文上の問題点をクリアしています。

 解説の先生は、労働争議や取引トラブルの抗議行動を行うために、株付けをして株主総会に出席しようとする者が後を絶たない。本決定は、条件付きながらも、東証1部上場会社の申立を認めたものであり、実務上の意義は大きいと解説されています。

 地方でも、同族会社の株主総会などが紛糾することがありますので、その対処法として、参考になります。

2009年5月 7日 (木)

【金融・企業法務】 モリテックス株主総会決議取消事件

 ダイジェスト金融商事重要判例(平成20年度版)(銀行法務21)で紹介されている裁判例です。

 Yは、上場会社であり、Xはその筆頭株主です。平成19年6月に役員選任議案の定時株主総会開催される予定であったことから、筆頭株主のXが、株主総会に先立ち取締役選任の件などを議案とする株主提案権を行使して、Yの株主に対して委任状勧誘を行いました。

 Xが取り付けた委任状は、Yによる招集通知の発送前に行われたことから、Y提案の役員選任議案の内容がわからず、委任状は、☆1「役員選任の会社提案がなされた場合には、Xに白紙委任する」程度の記載でした。

 その後、Yは、Xの提案と異なる選任議案を上程する株主総会招集通知等を株主に発送したが、☆2その際に、議決権を行使した株主は、賛否にかかわらず、くおカード1枚(500円)を贈呈する旨の記載がされていました。

 Yは、本件株主総会において、上記委任状を無効なものとして取り扱ったため、会社提案議案が可決され、株主提案議案は否決された。

 そこで、Xは、株主総会決議取消を求め提訴しました。

 委任状の有効性については、東京地裁(平成19年12月6日)は、以下のとおり判断しました。

 委任事項における白紙委任との記載にかかわらず、本件委任状によって、本件会社提案については賛成しない趣旨によめるとして、有効であると判断しました。

 次に、会社法120条1項は、株主の権利行使に関して行われる財産上の利益の供与を禁止していますが、例外的に、①当該利益が株主の権利行使に影響を及ぼすおそれのない正当な目的に基づき供与される場合であり、かつ、②個々の株主に供与される総額も会社の財産的基礎に影響を及ぼすものでないときに、例外的に、違法性を有しないと基準を立てます。

 本件事案においては、②の要件は充足するものの、①の要件は充足しないとして、結局会社法120条1項の禁止する利益供与に該当すると判断されています。

 これは感覚的にわかります。私も、「Yさん、500円くれるんか、じゃあ、いれてあげんとかわいそう」と思ってしまいますから。

 裁判所も、「本件会社提案に賛成する議決権行使の獲得をも目的としてものであって」と言い切っています。

 委任状合戦は、中小企業でもよくある相談の1つなので、気をつけないといけませんね。 

2009年5月 6日 (水)

淡路小旅行

 GWの2日を利用して、淡路島に小旅行に行ってきました。

 まず、目指したのは、阪神・淡路大震災の原因となった野島断層(北淡震災記念公園)でした。

  041

 upwardleftこれが野島断層です。前方の地盤が上昇したうえ、右側方向にずれています。

040 upwardleft「神戸の壁」です。神戸の長田市場の防火壁で多くの人の命を救ったのだそうです。

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 「べっちゃないロック」というのだそうです。ピラミッドの形をしています。

 次に、昼食をとるため、「ありい亭」(焼き肉店)を訪ねました。 044

 建物の「淡路瓦」が立派です。建物後ろに牛小屋がありました。予約が必要ですね。淡路牛で、脂身は少なく食べやすい。店員さんはアルバイトのよう。おかみさんらしき人がひたすら電卓をうっていた。

043 本当に、建物が立派です。左となりがたぶんオーナーの屋敷だと思うのですが、お城のような構えのお家でした。

 近くには、「たこせんべいの里」がありました。たくさんの車が駐車していたので、好奇心の余りのぞいてみました。fuji

 045

 工場の見学もできます。驚いたのは、たこせんべいの種類の豊富さです。コーヒー飲み放題です。

 たこせんべいも事実上食べ放題です。ついつい、おみやげに買ってしまいますね。

 

027

 pencil宿泊ホテルは、淡路ウェスティンに泊まりました。

淡路海峡公園の中にあり、サービスのよさには満足です。

037部屋(7階)から眺めた国際会議場です。淡路で国際会議って・・・・あまり使い道がないような・・・

034 7階フロアーから撮影した明石海峡公園方面(山側)です。

 

 次は、明石海峡公園です。clovercloverclover

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 ゲートです

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 100万枚の帆立て貝を敷き詰めているとのことです

032

 絵画のような景色です。

 

 ウェスティンホテル近くにある松帆の郷という温泉施設でしたが、ロッカーの確保だけに1時間くらいかかるとかで、とても待てないので、撮影だけして撤退しました。

038  ここからは、明石や神戸の景色がみれます。

 

 

 それから、同行の友人が、ブルーベリージャムに凝っているのですが、淡路ブルーベリージャム園に行ってみたいということで、訪ねてみることにしました。cherry

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 つかみとりとの案内板がありますが、訪ねた時期が早かったようで、あと3週間くらいだそうです。

023

 二反程の農地に、数種類のブルーベリーを植えています。

022 少し実がなりかけているのがわかります?

020 ブルーベリー園には、オーナーが仕事をされていました。

019

 残念ながら、ジャムは売り切れだそうで、近くの販売店(レストラン)を紹介していただき、そこで購入させていただくことになりました。

018  おいしそうな実になりそうですね。

 オーナーの話の方によれば、ホームページもあるということで、さっそく調べてみました。

017 ラーウーベというお店になります。そこで、ジャムビンを、私は2個、友人は4個ゲットしました。(帰宅後いただきました。素朴な味でおいしかったです)

 

 なお、今回の旅行は、息抜きにということで、友人に計画していただきましたが、腰痛を再発し、かえって友人や親族に大きな迷惑をおかけすることになりました。深くお詫び申し上げます。  

2009年5月 5日 (火)

【建築・不動産】 賃料増減請求訴訟をめぐる諸問題

 判例タイムズNo1290、No1289号にて、賃料増減請求訴訟をめぐる諸問題と題する論文を特集掲載しています。building

 今、手元にあるのは、No1290号(5月1日号)ですが、参考になります。

 項目立ては、以下のとおりです。

第4 賃料額の決定に関する特約について

 1 賃料自動改定特約について

 (1)特約の有効性

 (2)特約が失効する時期

 (3)特約の存在と相当賃料額の判断

 (4)増減請求権行使後における特約による賃料改定の有無

 (5)経済事情の変動を考慮すべき期間

 2 不増額特約について

 (1) 有効な不増額期間

 (2) 「地代は3年ごとに当事者間で誠実に協議の上改定する」との約定

 (3)不増額特約の承継

 3 不減額特約について

第5  特殊な契約類型における賃料増減請求

 1 オーダーメイト賃貸について

 2 サブリース契約について

 3 売上歩合等で定められた賃料

第6 実体法上のその他の問題

 1 純然たる「賃料」以外の費目の増減請求

 (1) 駐車場の駐車料 → 賃料と同じ扱い

 (2) 共益費 →賃料に近い扱い

 (3) 保証金 →賃料とは異なる扱い

 (4) 敷金 ※賃料が増額された場合の、敷金増額補充義務について

 2 増額部分の支払い請求と消滅時効

第7 賃料増減請求と裁判手続

 1 賃料増減請求と民事調停

 (1) 調停前置主義

 (2) 簡裁における調停

 (3) 地裁における調停

 2 賃料増減請求訴訟の開始

 (1)訴額

 (2)管轄と移送

 (3)訴状の記載

 (4)訴訟形態

 3 賃料増減請求訴訟の審理

 4 判決での増減の幅

 5 賃料増減請求訴訟の周辺の問題

 (1)賃料額確定訴訟の許否

 (2)仮処分執行中の賃料増額請求の適否

 6 訴えの提起以外の方法によって訴訟上で賃料増額請求の効果を主張することの可否

 (1)訴えの変更としての賃料増減請求の訴えの適否

 (2)抗弁としての賃料増減請求の効果の主張

 地方でも、この種の相談は時折受けます。が、交渉で終わることが多いですが、結局、「契約書」の内容次第ですね・・・ 特に、オーダーメイト賃貸の場合は、賃料減額だけならまだしも、解除請求を受けた日には、目も開けられません。shock 

  

2009年5月 4日 (月)

【金融・企業法務】 所有権留保の対象物件が放置されている場合の留保所有権者の責任 (最高裁平成21年3月10日)

 銀行法務21No702(2009年5月)号で紹介された最高裁判決です。

 判決要旨は、以下のとおです。

 第三者所有の土地上に動産(車)が存在する場合、当該動産の購入代金の立替金債務の担保として、当該動産の所有権を留保している者は、立替金債務の弁済期経過後は、当該動産の撤去義務を負う

 私の顧問先にも、自動車会社があるため、余りありがたくない判決です。

 原審は、Yが所有する留保所有権は実質的に担保権の性質を有するものにすぎないから、Yは所有者として本件車両を撤去して本件土地を明け渡す義務を負わないと判断しました。

 最高裁は、

 留保所有権者の有する権原が、期限の利益喪失による残債務全額の弁済期の到来の前後で異なるときは、

 留保所有権者は、残債務弁済期が到来するまでは、当該動産が第三者の土地上に存在して第三者の土地所有権の行使を妨害しているとしても、特段の事情がない限り、当該動産の撤去義務や不法行為責任を負うことはないが、

 残債務弁済期が経過した後は、留保所有権が担保権の性質を有するからといって、撤去義務や不法行為責任を免れることはない。

 なぜなら、留保所有権は、原則として、残債務弁済期が到来するまでは、当該動産の交換価値を把握するにとどまるが、☆残債務弁済期の経過後は、当該動産を占有し、処分できる権能を有するものと解されているからである。

 一見わかりやすいように見えます。

 確かに、弁済期の経過後は、留保所有者は、当該動産を占有し、処分できると契約条項には盛り込まれているのが多いでしょう。

 しかし、Yが、Aに対する法的手段によらずして、車を持ち帰って処分することができるのでしょうか? このような場合、Aの協力を得るのは難しいと思います。Yが、Aに対して、裁判所に動産引渡の手続を経ずに、車を持ち帰って処分していいのでしょうか?Yとしては、立替金の残債務が回収できないばかりか、不法占拠者として、損害金まで請求されてしまい、踏んだり蹴ったりです。

 今回の判例は、「立替払契約の解釈を前提とする判示」ということなので、今後は、立替払契約の条項を工夫する必要があります。

 今回の最高裁判決とは異なりますが、現在銀行法務21は、物語で学ぶ再建型任意整理というテーマで萬年先生執筆の記事が連載されています。ものすごくわかりやすくて参考になります。

2009年5月 3日 (日)

【金融・企業法務】 委託を受けない保証人が主債務者の破産手続開始後に取得した事後求償権を自動債権とする相殺が認められた事例(大阪地裁平成20年10月31日)(控訴)

 旬刊金融法務事情No1866(5月・5日15日)号では、判決速報で、大阪地裁平成20年10月31日判決が紹介されていました。

 事案は、破産者Aは、Y銀行との間で、当座勘定契約を締結して、預金の預け入れをしていました。破産者Aは、平成18年8月31日に破産手続開始決定を受けました。一方、Yは、4月28日、Aの委託を受けずに、Aの債権者であるBに対して、Aが同日から平成19年4月27日までの間にBに対して負う買掛債務及び手形債務の元本について根保証しました。Yは、平成19年3月27日28日に、Bに対して、代位弁済をして、6月12日、Aの破産管財人に対して、これによって取得した事後求償権と、AがYに対して有する預金債権とをそれぞれ対当額で相殺するとの意思表示をしたところ、Aの破産管財人が、相殺できないとして、預金の返還を求めた事案です。

 相殺が破産法上禁止されるのかという論点では、争点は、4つでした。

 ①☆Yが取得した事後求償権は、破産手続開始決定後の代位弁済に基づいて生じたものであるから、非破産債権であり、これを自動債権とする相殺は許されないのではないか?

 本判決は、破産法2条5項にいう「破産手続開始前の原因に基づいて生じた」とは、破産手続開始前に債権の主たる発生原因が生じていたことをいうとした上で、保証人は、保証契約を締結すれば、主債務者から委託を受けているか否かにかかわらず、保証債務を履行する義務を負い、保証債務を履行すれば当然に主債務者に対する事後求償権を取得するのであるから、事後求償権の主たる発生原因は弁済ではなく保証契約の締結であり、YB間の保証契約はAの破産手続開始前に締結されているから、Yが取得した事後求償権は破産債権であると判示しました。

 ②破産法72条1項1号の準用又は類推適用により禁止されるか?

 ※破産法72条1項1号「破産手続開始後に他人の破産債権を取得したとき」

 本判決は、(1)保証債務の履行により取得する事後求償権と、これにより代位行使が可能となる原債権とは別個の権利であるから、破産法72条1項1号の適用を受けないこと、(2)同号にいう取得とは、将来の請求権の場合には、将来の請求権の現実化ではなく、現実化する前の将来の請求権を取得することをいい、Yが将来の請求権としての事後求償権を取得したのはAの破産手続開始前の保証契約の締結であるから、同号を準用又は類推適用することはできないと判示しました。

 ③破産法72条1項2号乃至4号により禁止されるか?

 本判決は、YBの保証契約は、YがAの支払不能等の事実を知る前に締結されたものであるから、破産法72条2項2号ないし4号により、相殺は禁止されないと判示しました。

 ④同法104条により禁止されるか?

  本判決は、Bは、破産者Aの破産手続において債権届出をしていないから、同法104条3項ただし書きを適用する余地はないと判断しました。

 ※破産法104条3項 第1項に規定する場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者は、その全額について破産手続に参加することができる。ただし、債権者が破産手続開始の時において有する債権について破産手続に参加したときは、この限りでない。

 Yは、主債務者であるAから保証の委託を受けているわけではありませんが、破産手続開始決定より前に、保証契約を締結しているのであれば、事後求償権も、破産債権に該当すると言っていいのではないかと思います。

 解説者によれば、「本判決は、委託を受けない保証人の事後求償権の破産手続における取り扱いという、先例には乏しいが、今後新たな金融商品の開発、普及により、重要となると予想される問題について判断を示したもの」と評価されています。

2009年5月 2日 (土)

【金融・企業法務】 ピコイ新株発行差止事件

 ダイジェスト金融商事重要判例(平成20年版)(銀行法務21)で紹介されていた東京高裁の決定です。

 事案は、現経営陣が経営支配権を維持するために、新株予約権無償割当を行ったことに対して、株主が、著しく不公正な発行にあたるとして、新株発行を仮に差し止める旨の仮処分命令を申し立てを行ったケースです。

 私自身、最近の「株式」についてはあまり勉強していないために、解説を読んで驚いたのですが、特定の者は行使できず、付された取得条項におって強制的に金銭を交付され、議決権割合が希釈化されてしまうタイプの新株予約権があるのですね。

 それ自体、株主平等原則違反になるような気がしましたが、このようなタイプのものでも、「発行する余地があることは認められている」(西岡佑介弁護士の解説による)のですね。びっくりです。

 東京高裁(平成20年5月12日決定)は、現経営陣の新株発行については、株主平等原則の例外として許容される場合には該当せず、結局、著しく不公正な方法による発行に該当し、仮処分を認めています。

 およそ田舎弁護士では取り扱わない分野ですが、頭の体操にはなります。また、今更、基本書を熟読する時間的な余裕はないため、「会社法」の勉強方法としては、結構合理的な方法かなと思っています。

 

2009年5月 1日 (金)

おかげさまで、アクセス数 44万件を超えました

 おかげさまで、このブログのアクセス数は、ついに、44万件を超えました。

 年内に50万アクセスを達成できればいいなあと思います。

 今年のブログの方針は、企業法務、金融法務、交通事故(保険)の分野を、重点的につづっていきたいと思います。

 従来からの、家族法がらみの記事は、離婚弁護士のブログの方で、少しずつ書き綴っていきます。

 ところで、明日から、GWですが、充実したGWになるよう、計画を立てていきます(いまからだと遅いかも・・・)。

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