【弁護士考】 これも戒告処分なのか? 自由と正義10月号
「自由と正義」という日弁連発行の月刊の刊行物があります。
昨日、2008年10月号が送られてきました。懲戒処分の公告という欄がありますが、反面教師などとしたいため、まず、この欄から読む弁護士が少なくありません。
大阪の弁護士さんがある事件で戒告処分を受けていましたが、上告受理申立を行わなかったという理由だけで、戒告処分を受けるのであれば、なかなか厳しいご時世になったものです。
事案は、Xさんから依頼を受けて、Y銀行に対して、不当利得返還請求事件、土地抵当権設定登記抹消登記手続請求事件について、Xさんの代理人として、B先生が就任したところ、控訴審で、いずれの事件も敗訴していましました。
そのため、B先生は、Xさんから、上告申立は行ったのですが、上告受理申立については行わず、その後、上告申立はいずれの事件も棄却され、Xさんの敗訴判決が確定したという事案です。
大阪弁護士会は、Xさんから上告受理申立について明示の依頼があったか否かはともかくとして、控訴審判決に対する不服申立にXさんの意思があることが推認されることからすれば、「職務懈怠」といわざるをえないと判断しています。
どういう事案かはあまり説明されていませんが、一般的には、「銀行」を相手方とする裁判ですから、Xさんにとってもなかなか厳しい裁判ではないかと想像します。
想像どおりだと、上告受理したとしても上告審でひっくりかえる可能性はかなり低いのではないかと思います。
しかし、弁護士会は、戒告処分としています。
これは、上告理由だけだと理由が限定されるため、やはり、上告受理という手続がある以上、これも併せて申立をする必要があるのでしょう。
私の場合は、いつも、上告兼上告受理申立書を出していますが、やはり依頼人とのトラブルを回避するため、十分な説明と必要な手続は全て行っておく必要があるようです。
上告兼上告受理申立の事案は、一般的に、逆転する可能性は極めて低いのですが、なかなか敗訴の理由について納得していただず、依頼人を納得させる一つの方法として、「低廉」な弁護士費用で上告等の申立を行う先生が少なくないのではないでしょうか?
私自身、上告等の申立をしたのは、過去10年で2件程度、されたのも、2件程度ですが、いずれも、当事者との間で感情的な対立が激しい事案でした。
おそらくは、B先生とXさんとの間で感情的な対立が背景にあるのではないかと思いますが、私自身は、この事案でしかも上告不受理が確実と思われる事案だったとすれば、戒告は些か厳しいのではないかと思います。
つまり、上告受理申立により、勝訴の蓋然性がどの程度あるのかという点も十分に考慮されるべきではないかと思います。
弁護士会は、おそらくは、上告審で審理されるという期待感を重視したのだと思いますが、個人的には、やはり、勝訴の蓋然性も重要な要素として考慮されるべきではないかと思います。
ただし、弁護士会の見解が上告審で審理されるという依頼人の期待感を重視し、この事案を職務懈怠としている以上、今後も、私自身の職務としても、依頼人に対する説明を一層尽くし、かつ、必要な手続は全て講じる必要があります。
でも、本音をいうと、「負け筋案件」は、余り受けたくないのですね。負けると、弁護士のせいにする方も一部ですがおられますし、また、成功報酬金もいただけないので・・・・
敗訴の可能性が高いというと、立腹される方もおられます。 ![]()
とはいっても、負け筋案件で、和解に持ち込み、負けの度合いを小さくさせた時は嬉しいです。![]()
私の場合、原告事件で負け筋案件を受ける時は、依頼者の気持ちを共感できる場合、顧問先の紹介がある場合に限定されます。
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