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2008年9月29日 (月)

【交通事故】 人身傷害補償保険による損害填補及び代位の範囲についての考察

 交通事故の被害者が、人身傷害補償条項付きの自動車保険契約の被保険者であり、訴訟前に人身傷害補償保険金の支払を受けた場合に、保険会社が被害者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得する範囲(逆に言えば、被害者がこれによって加害者に対して有する損害賠償請求権を喪失する範囲)については、最近、ホットな話題であり、このブログでも紹介しています。

 判例タイムズNo1274号によれば、この点について判断された大阪地裁平成19年12月10日(確定)が紹介されていましたので、③の裁判例として紹介いたします。

 最近は、差額説が有力ですが、以下のとおり、差額の基準を巡って対立しています。

 人傷基準差額説 支払われた保険金は、人傷基準損害額のうちの被害者過失部分に相当する額にててん補され、その残部について代位する

 訴訟基準差額説 支払われた保険金は、訴訟において認定された被害者の損害額のうち被害者過失部分に相当する額にててん補され、その残部について代位する 

(地裁レベル)

① 平成18年6月21日 大阪地裁 判タ1228号

    差額説(人傷基準差額説)

② 平成19年2月22日 東京地裁 判タ1232号

    差額説(訴訟基準差額説)

③ 平成19年12月10日 大阪地裁 判タ1274号

    差額説(訴訟基準差額説)

(概説)

 ③の裁判例のケース

 (1)全体の損害額 

    2億3341万0887円

 (2)被害者の過失部分(25%)に相当する損害額

      5835万2721円

 (3)人傷保険金

      1530万5052円

 (4)あてはめ

  5835万2721円>1530万5052円

  なので、訴訟基準差額説からは、保険会社は代位しない。

  この議論が生じてから、少しずつ、人傷保険をもらっていることを抗弁として主張する加害者側代理人が増えつつあります。新しい保険商品がでますので、勉強することが増えて、困ります。

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2008年9月28日 (日)

【法律相談】 無料法律相談のチラシ

 いや、大変びっくりしました。ついに、今治にも、法律事務所の法律相談のチラシが入るような時代になったようです。しかも、東京からです。ということは、今治だけではなく、全国津々浦々に配布されているのでしょうね。

 これまでは、電話帳やラジオ程度で、東京の法律事務所の広告やCMに接する程度でしたが、いよいよ、自由競争にむけての弁護士大淘汰時代がやってきたようです。

 「広告」の題名は、「借金問題を取扱う弁護士が借金の整理・解決法を相談」 電話・FAX・メールで全国どこからでも受付と記載されています。但し、「地元の中小業者からの借入等、最寄りの弁護士への依頼が望ましい場合があります。」と明記されています。

 早速、このちらしを配布した法律事務所のHPをみましたが、HP上の情報からは、弁護士1人でされておられる事務所のようです。

 また、HP上からの情報では、債務整理の概要説明、債務整理の弁護士費用説明がなされていますが、それ以外の案件の説明はほとんどみあたりません。このことから、この法律事務所は、債務整理案件を多く取り扱っていることが想像されます。

 しかしながら、そもそも、債務整理事件といっても、過払い事件だけではなく、負債が残りきちんと債権者に弁済しなければならない事件も多々発生します。きちんと弁護士が直接面談して、支払い能力の有無なども確認しなければ、履行可能な弁済計画案を立てることはできないのではないかという認識を私は強く持っています。

 また、高齢者の方のように、ご相談者の表情をみながら、説明しなければ、ご相談者が弁護士の説明を理解されているのかどうかわかりにくいケースもあります。

 従って、直接、ご相談者やご依頼人と面談のできない案件を、積極的に受けるという手法自体については、消極的な見解です。

 他方で、このチラシがうたっているように、弁護士による法律相談を、電話でしかも無料で気軽に受けられるというのであれば、多重債務に悩んでおられる方にとっては大変便利で、ありがたいということになろうと思います。

 ただ、全国からこのような電話相談が多数かかってきた場合、弁護士がたくさんいる事務所であればともかく、弁護士がごく少数しかいない事務所で十分に対応できるのだろうかという心配はあります。

 また、地元にしか店がないような中小の金融業者であれば、提訴が必要な場合、裁判所の管轄は地元の裁判所にならざるをえず、このような案件まで積極的に引き受けるのであれば、大変だろうなと思います。なぜなら、このような業者の場合、取引履歴を開示しない、開示しても過払金を支払わない、負債が残ると一括弁済を要求するなど面倒な業者が多いからです。私の事務所でも、慰謝料などを請求する事案は、圧倒的に中小の金融業者に対してです。

 さらに、依頼した弁護士に対して不満がある場合に直接に面談してその不満を伝えにくいという難点があります。今治でも、都会の債務専門の事務所に依頼しておきながら、開示などについて非協力的な業者に対する対応を巡り不満が大きくなり、そのあげくに、辞任され、当該案件だけその対応を地元の弁護士にご相談に訪れる方が中にはおられます。

 当然のことですが、「広告」なので、チラシの内容については、自己PRであり、その内容が正しいのか検証する方法はありません(弁護士会に尋ねても教えてくれません。)。

 もっとも、法曹人口大増員時代を控え、消費者のニーズにあった法律事務所のみが生き残れるのでしょうから、一概に、このようなチラシの効用を否定的に考えることはできません。なぜなら、消費者の側からすれば、相談している弁護士が、相談案件にどのくらいの知見や経験があるのかどうか、依頼した場合の弁護士費用はどのくらいになるのかなど、弁護士を選択する場合の情報提供が地方の場合、残念ながら、まだまだ不十分といわざるをえないからです。

 とはいえ、チラシをみて、遠方の弁護士に依頼するかどうかも、結局、消費者自身で様々な利点やリスクを考慮して、自己決定していただくことになります。

 法科大学院制度スタート以降、法科大学院の教育の格差、新司法試験の合格率の高さ、司法研修所での修習期間の短さ、司法研修所の卒業試験の不合格率の高さなどから、新人弁護士の能力にかなりのばらつぎが生じている時代が到来しています。

 それでは、どのような弁護士がいいのでしょうか?

 それを判断する基準は? 

 中には、法律事務所の能力を示すために、訴訟の勝敗率をあげているところがありますが、実はそれはあまりあてになりません。

 例えば、訴訟が過払い事件であるところが大半な事務所の勝率は、かなり高いです。他方で、税務や医療過誤、行政事件はなかなか厳しいです。また、中には、勝てそうな案件しか受けない方もおられますが、当然、勝率は高くなります。

 弁護士という仕事は、大工さんのような職人のような要素を多分にもっているのですが、大工さんと異なり、業務の内容から、他人に知られたくないという要素を含んでいるため、仕事のせいかは、なかなか外部にわかりずらいのです。

 結局、基準としては、誠意をもって、また、研究熱心に、仕事をしてもらえるかどうかにかかりますが、前者については、頼んでみないとわかりません。但し、後者については、弁護士のHPやブログ、書籍でおおよそのことはわかります。

 しかし、地方だと、弁護士のHPやブログは少なく、また、多くの書籍をご執筆されている方も少ないかと思います。

 私自身も、今治であればともかく、それ以外の地域の弁護士が、どのような事件を多く扱っているのか、どの分野について研究熱心なのかについては、ほとんどわかりません(ですので、○○事件に強い弁護士を紹介しろと言われてもさっぱりなのです。)。弁護士会HPのひまわりサーチで探すしかありません。 

 お勧めなのが、数件の事務所を法律相談に訪ね、その中から、相性の合いそうな事務所を選択する方法が無難ではないかと思います。 

 この方法であれば、複数の弁護士を比較もできますしね。

 私の事務所でも最近はこのようなルートできておられる方が増えています。coldsweats01

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2008年9月27日 (土)

【交通事故】 最近の外傷性低髄液圧症候群 刑事判決追加

 外傷性低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)についての裁判例については、このブログでも、よくとりあげさせていただいております。

 交通事故判例速報No507(H20・9)(交通春秋社)から、低髄液圧症候群が刑事裁判で問題となった事例(消極2例)が紹介されていましたので、追加させていただきます(それ故に、刑事判例編を1項目もうけました。)。 

民事判例編 

積極的判例

 (地裁判例)

 ① 横浜地裁・平成20年1月10日 自保ジャーナル第1727号(控訴中)

 (概要)

 ①の裁判例は、乗用車を運転して交差点を直進中、対抗右折乗用車に追突され、頭部打撲等から低髄液圧症候群を発症したとする事案です。裁判所は、被害者に、激しい起立性頭痛等があり、副作用の強いホルモン剤等服用しても改善しませんでしたところ、ブラッドパッチ療法で仕事ができるまで改善されたことなどから、原告は本件交通事故後に低髄液圧症候群に罹患したと認定、17ヶ月後に治癒したと認められた事例です。現在、控訴されているようです。

 

 消極的判例

 (地裁判例)

 ① 岡山地裁・平成17年1月20日 交民38巻1号107頁

 ② 神戸地裁・平成17年5月17日 交民38巻3号681頁

 ③ 横浜地裁・平成17年12月8日 交通事故判例速報478号

 ④ 横浜地裁・平成18年9月24日 自保ジャーナル1692号

 ⑤ 前橋地裁桐生支部・平成18年12月25日 自保ジャーナル1676号

 ⑥ 福岡地裁・平成19年5月17日 自保ジャーナル1692号

 ⑦ 横浜地裁相模原支部・平成19年6月26日 自保ジャーナル1698号

 ⑧ 福岡地裁田川支部・平成19年10月18日  自保ジャーナル1713号

 ⑨ 東京地裁・平成19年11月27日  自保ジャーナル1717号 

 ⑩ 大阪地裁・平成19年3月14日   自保ジャーナル1717号

 ⑪ 東京地裁・平成20年2月28日 自保ジャーナル1727号(控訴中)

 ⑫ 横浜地裁・平成20年1月30日 自保ジャーナル1727号

 ⑬ 神戸地裁・平成19年4月26日 自保ジャーナル1727号

 ⑭ 静岡地裁浜松支部・平成19年12月3日(裁判官・酒井正史・矢作泰幸・神原文美) 判タNo1273号

 (概要)

 ⑨の裁判例は、日本神経外傷学会が組織した頭部外傷に伴う低髄液圧症候群作業部会の中間報告の示した診断基準が最新かつ国際頭痛分類の診断基準をふまえた客観性を有する見解であると指摘し、同基準の概要は、

 前提基準として、起立性頭痛又は体位による症状の変化があること、

 その基準に該当した場合に、

(1)造影MRIでびまん性の硬膜肥厚増強、

(2)腰痛穿刺にて低髄液圧の証明 

(3)髄液漏出を示す画像所見

のいずれかを満たすことで、低髄液圧症候群と診断し、

 更に、外傷性と診断するための条件として、

 外傷後30日以内に発症し、外傷以外の原因が否定的であること

を満たすことが必要と判断しました。

 そして、当該事案においては、これらの要件を欠き、外傷性低髄液圧症候群について、否定しました。

 ⑩の裁判例は、判旨自体はさらりとその理由を述べているに過ぎませんが、それ故に汎用性のある判例ともいえます。

 原告の脳脊髄液減少症の後遺障害に対する主張に対しては、

 まず、脳脊髄液減少症は未だ病態や診断基準が確立されていない疾病であるため、その認定にあたっては慎重に行う必要があるとして、

 (1)脳脊髄液減少症の特徴的な症状である起立性頭痛や特徴的な所見である硬膜下腔の拡大、小脳扁桃の下垂などを認めるに足りる証拠はないこと

 (2)RI脳槽脊髄腔シンチグラフィでの早期の尿中集積所見や、MRミエログラフィによる胸椎部での高信号の所見については、診断基準に採用することに批判的な立場もあることに鑑みれば

 現状においては、原告が脳脊髄液減少症に罹患したと認めることはできない」と判断しました。

  ⑪の裁判例は、乗用車を運転、停車中に乗用車に追突されて、頸椎捻挫等から低髄液圧症候群を発症したと主張される29歳男子につき、頭痛訴えが事故1年4か月までに1回であり、国際頭痛学会の低髄液圧症候群からも耳鳴りの訴えが1年4か月後であり、典型的症状の起立性頭痛がなく、原告が低髄液圧症候群を発症したと認めるに足りる証拠はないとして否認されました。

 原告は、医師が、(1)原告が本件事故後により難治性の後頸部痛及び頭痛が持続し、平成15年10月23日の初診時にも、上記症状を訴え、夕方になると症状が悪化すると訴えたこと、(2)頭部造影MRIにより円蓋部での大脳の下垂及び小脳扁桃の下垂が認められたこと、(3)同年11月25日でのRI脳槽シンチグラフィーにより髄液の腰部での早期漏出が認められたことを根拠に、低髄液圧症候群であると確定診断されたことを理由に、低髄液圧症候群を主張していました。

 ⑫の裁判例は、自転車を押して歩行横断中、停車しようとした乗用車に軽く衝突されて転倒、腰部打撲等から約1年の症状固定後低髄液圧症候群を発症、12級神経障害を残したとして主張された案件です。裁判所は、発症は、2年後であり、特徴的な症状である継続的な頭痛がほとんどない他、更年期障害、心因的症状の重複で、低髄液圧症候群は本件事故との因果関係はないと否認しました。

 ⑬の裁判例では、裁判所は、7歳男子の低髄液圧症候群等は頭を打っておらず、3日後運動会参加、バットで頭部打撲等から原因不明とし事故との因果関係を否認しました。

 ⑭の裁判例では、鑑定人が、低髄液圧症候群の発症を認めていたにも拘わらず、裁判所は、(1)低髄液圧症候群につき、病態が明らかでなく、診断の際には、頭痛等の多彩な症状と、画像診断(頭部MRIによる髄液減少所見及びRI脳槽シンチグラフィー、腰痛MRミエログラフィーによる髄液漏出所見)とが重要であるとされているものの、いまだ診断方法は確立されていないという医学的知見を前提に、(2)本件において、頭部MRIにおる髄液減少所見及び腰痛MRミエログラフィーによる髄液漏出所見は認められないこと、(3)Xの症状は、低髄液圧症候群の症状に一致するものの、外傷性頸部症候群の症状とも類似しており、外傷性頸部症候群である可能性を払拭できないこと、(4)A医師とは別の医師が、Xの症状はXの低血圧に由来すると診断していることなどから、A医師の診断及び鑑定結果は採用できないとして、低髄液圧症候群の発症を認めませんでした。※1鑑定が肯定されていても、判決は否定しています。※2治療費についても、症状固定後の治療費として原則として因果関係を否定としながらも、病院が低髄液圧症候群と診断したことなどを理由に、ブラッドパッチなどの治療費を認めています。これって、加害者側保険会社は、病院に請求できるのでしょうかね。 但し、他方で、寄与度減額として3割を減じています。

 (高裁判例)

 消極的判例

 ① 福岡高裁・平成19年2月13日 判例時報1972号、自保ジャーナル1676号、交通事故判例速報489号

  (概要)

 ①の裁判例は、 (1)追突事故により低髄液圧症候群、外傷性脊椎髄液漏の傷害を受けたとの被害者の主張について、ⅰ右傷害の最も典型的な症状である起立性頭痛が見られないこと、ⅱブラッドパッチ療法では症状が余り改善しなかったこと、ⅲRI脳槽造影では脊椎髄液漏の所見が見出せなかったことなどを理由に、被害者に脊椎髄液漏があるとするにはなお合理的な疑問があるとして、その主張を認めなかったものの、

 (2)被害者主張の治療費のうち、低髄液圧症候群の関係の治療費は事故と因果関係が認められない筋合いではあるが、低髄液圧症候群との診断をし、その治療をしたのは医療機関側の判断と責任によるものであるから、被害者が現にその関係の治療を支払っている以上、それを安易に減額することは相当ではないとして、被害者の主張する治療費のほぼ全額を損害と認めたものの

 他方で、(3)右被害者の頸椎捻挫の症状が長期化した背景には、本人の心因的要素があると考えざるを得ないとして、損害の公平負担な観点から民法722条を類推して、その損害のうち治療費と文書料を除いた額の50%を減ずるべきとしました。

刑事判例編

 消極的判例

 ① 平成20年4月21日 福岡地裁 自保ジャーナル1742号、交通事故判例速報No507

 ② 平成20年5月19日 静岡地裁 自保ジャーナル1742号、交通事故判例速報No507 

  

(概要)

 ①の裁判例は、検察官が「加療約5年以上の頭痛、頸部痛、視力低下及び集中力・記憶力低下などの障害を伴う外傷性脳脊髄液減少症の傷害」として起訴した事案ですが、裁判所は、検察官指摘の他覚的所見については、医師の意見がわかれていること等に鑑み、他覚的所見を全て否定し、客観性に疑問が残るとして、被害者が低髄液圧症候群であることを否定しました。

 ②の裁判例は、検察官が「加療約2185日を要する脳脊髄液減少症等の傷害」として起訴した事案ですが、裁判所は、国際頭痛分類の低髄液症候群の診断基準にも、新たに提唱された脳脊髄液減少症の診断基準にも該当しないと判示して、従来の低髄液圧症候群であることも否定しました。

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2008年9月26日 (金)

【交通事故】 最近の外傷性低髄液圧症候群の裁判例 

 外傷性低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)についての裁判例については、このブログでも、少しとりあげさせていただいております。

 判例タイムズ1273号(平成20年9月15日)号が届き、低髄液圧症候群に関する裁判例(消極1例)が紹介されていまいたので、追加させていただきます。

 積極的判例

 (地裁判例)

 ① 横浜地裁・平成20年1月10日 自保ジャーナル第1727号(控訴中)

 (概要)

 ①の裁判例は、乗用車を運転して交差点を直進中、対抗右折乗用車に追突され、頭部打撲等から低髄液圧症候群を発症したとする事案です。裁判所は、被害者に、激しい起立性頭痛等があり、副作用の強いホルモン剤等服用しても改善しませんでしたところ、ブラッドパッチ療法で仕事ができるまで改善されたことなどから、原告は本件交通事故後に低髄液圧症候群に罹患したと認定、17ヶ月後に治癒したと認められた事例です。現在、控訴されているようです。

 

 消極的判例

 (地裁判例)

 ① 岡山地裁・平成17年1月20日 交民38巻1号107頁

 ② 神戸地裁・平成17年5月17日 交民38巻3号681頁

 ③ 横浜地裁・平成17年12月8日 交通事故判例速報478号

 ④ 横浜地裁・平成18年9月24日 自保ジャーナル1692号

 ⑤ 前橋地裁桐生支部・平成18年12月25日 自保ジャーナル1676号

 ⑥ 福岡地裁・平成19年5月17日 自保ジャーナル1692号

 ⑦ 横浜地裁相模原支部・平成19年6月26日 自保ジャーナル1698号

 ⑧ 福岡地裁田川支部・平成19年10月18日  自保ジャーナル1713号

 ⑨ 東京地裁・平成19年11月27日  自保ジャーナル1717号 

 ⑩ 大阪地裁・平成19年3月14日   自保ジャーナル1717号

 ⑪ 東京地裁・平成20年2月28日 自保ジャーナル1727号(控訴中)

 ⑫ 横浜地裁・平成20年1月30日 自保ジャーナル1727号

 ⑬ 神戸地裁・平成19年4月26日 自保ジャーナル1727号

 ⑭ 静岡地裁浜松支部・平成19年12月3日(裁判官・酒井正史・矢作泰幸・神原文美) 判タNo1273号

 (概要)

 ⑨の裁判例は、日本神経外傷学会が組織した頭部外傷に伴う低髄液圧症候群作業部会の中間報告の示した診断基準が最新かつ国際頭痛分類の診断基準をふまえた客観性を有する見解であると指摘し、同基準の概要は、

 前提基準として、起立性頭痛又は体位による症状の変化があること、

 その基準に該当した場合に、

(1)造影MRIでびまん性の硬膜肥厚増強、

(2)腰痛穿刺にて低髄液圧の証明 

(3)髄液漏出を示す画像所見

のいずれかを満たすことで、低髄液圧症候群と診断し、

 更に、外傷性と診断するための条件として、

 外傷後30日以内に発症し、外傷以外の原因が否定的であること

を満たすことが必要と判断しました。

 そして、当該事案においては、これらの要件を欠き、外傷性低髄液圧症候群について、否定しました。

 ⑩の裁判例は、判旨自体はさらりとその理由を述べているに過ぎませんが、それ故に汎用性のある判例ともいえます。

 原告の脳脊髄液減少症の後遺障害に対する主張に対しては、

 まず、脳脊髄液減少症は未だ病態や診断基準が確立されていない疾病であるため、その認定にあたっては慎重に行う必要があるとして、

 (1)脳脊髄液減少症の特徴的な症状である起立性頭痛や特徴的な所見である硬膜下腔の拡大、小脳扁桃の下垂などを認めるに足りる証拠はないこと

 (2)RI脳槽脊髄腔シンチグラフィでの早期の尿中集積所見や、MRミエログラフィによる胸椎部での高信号の所見については、診断基準に採用することに批判的な立場もあることに鑑みれば

 現状においては、原告が脳脊髄液減少症に罹患したと認めることはできない」と判断しました。

  ⑪の裁判例は、乗用車を運転、停車中に乗用車に追突されて、頸椎捻挫等から低髄液圧症候群を発症したと主張される29歳男子につき、頭痛訴えが事故1年4か月までに1回であり、国際頭痛学会の低髄液圧症候群からも耳鳴りの訴えが1年4か月後であり、典型的症状の起立性頭痛がなく、原告が低髄液圧症候群を発症したと認めるに足りる証拠はないとして否認されました。

 原告は、医師が、(1)原告が本件事故後により難治性の後頸部痛及び頭痛が持続し、平成15年10月23日の初診時にも、上記症状を訴え、夕方になると症状が悪化すると訴えたこと、(2)頭部造影MRIにより円蓋部での大脳の下垂及び小脳扁桃の下垂が認められたこと、(3)同年11月25日でのRI脳槽シンチグラフィーにより髄液の腰部での早期漏出が認められたことを根拠に、低髄液圧症候群であると確定診断されたことを理由に、低髄液圧症候群を主張していました。

 ⑫の裁判例は、自転車を押して歩行横断中、停車しようとした乗用車に軽く衝突されて転倒、腰部打撲等から約1年の症状固定後低髄液圧症候群を発症、12級神経障害を残したとして主張された案件です。裁判所は、発症は、2年後であり、特徴的な症状である継続的な頭痛がほとんどない他、更年期障害、心因的症状の重複で、低髄液圧症候群は本件事故との因果関係はないと否認しました。

 ⑬の裁判例では、裁判所は、7歳男子の低髄液圧症候群等は頭を打っておらず、3日後運動会参加、バットで頭部打撲等から原因不明とし事故との因果関係を否認しました。

 ⑭の裁判例では、鑑定人が、低髄液圧症候群の発症を認めていたにも拘わらず、裁判所は、(1)低髄液圧症候群につき、病態が明らかでなく、診断の際には、頭痛等の多彩な症状と、画像診断(頭部MRIによる髄液減少所見及びRI脳槽シンチグラフィー、腰痛MRミエログラフィーによる髄液漏出所見)とが重要であるとされているものの、いまだ診断方法は確立されていないという医学的知見を前提に、(2)本件において、頭部MRIにおる髄液減少所見及び腰痛MRミエログラフィーによる髄液漏出所見は認められないこと、(3)Xの症状は、低髄液圧症候群の症状に一致するものの、外傷性頸部症候群の症状とも類似しており、外傷性頸部症候群である可能性を払拭できないこと、(4)A医師とは別の医師が、Xの症状はXの低血圧に由来すると診断していることなどから、A医師の診断及び鑑定結果は採用できないとして、低髄液圧症候群の発症を認めませんでした。※1鑑定が肯定されていても、判決は否定しています。※2治療費についても、症状固定後の治療費として原則として因果関係を否定としながらも、病院が低髄液圧症候群と診断したことなどを理由に、ブラッドパッチなどの治療費を認めています。これって、加害者側保険会社は、病院に請求できるのでしょうかね。 但し、他方で、寄与度減額として3割を減じています。

 (高裁判例)

 消極的判例

 ① 福岡高裁・平成19年2月13日 判例時報1972号、自保ジャーナル1676号、交通事故判例速報489号

  (概要)

 ①の裁判例は、 (1)追突事故により低髄液圧症候群、外傷性脊椎髄液漏の傷害を受けたとの被害者の主張について、ⅰ右傷害の最も典型的な症状である起立性頭痛が見られないこと、ⅱブラッドパッチ療法では症状が余り改善しなかったこと、ⅲRI脳槽造影では脊椎髄液漏の所見が見出せなかったことなどを理由に、被害者に脊椎髄液漏があるとするにはなお合理的な疑問があるとして、その主張を認めなかったものの、

 (2)被害者主張の治療費のうち、低髄液圧症候群の関係の治療費は事故と因果関係が認められない筋合いではあるが、低髄液圧症候群との診断をし、その治療をしたのは医療機関側の判断と責任によるものであるから、被害者が現にその関係の治療を支払っている以上、それを安易に減額することは相当ではないとして、被害者の主張する治療費のほぼ全額を損害と認めたものの

 他方で、(3)右被害者の頸椎捻挫の症状が長期化した背景には、本人の心因的要素があると考えざるを得ないとして、損害の公平負担な観点から民法722条を類推して、その損害のうち治療費と文書料を除いた額の50%を減ずるべきとしました。

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2008年9月25日 (木)

【消費者法】 印刷画工業者とリース会社の電話機のリース契約について、特定商取引法に関する法律の適用を認め、クーリングオフの権利行使による契約解除が有効と認められた事例(名古屋高裁平成19年11月19日)

 判例時報2010号(9月21日号)で紹介されている裁判例です。

 事案は、Xさんは、個人で印刷画工を業として行っていたのですが、平成15年12月8日、リース会社Yとの間で、電話機1台についてのリース契約を締結し、平成16年6月1日には、もう1台のリース契約を締結して、平成18年5月までにリース料金として、約55万円を支払いました。

 ところが、平成18年7月に、本件リース契約には、特定商取引に関する法律の適用があるとして、特商法9条の規定により、クーリングオフの権利を行使して、Yに対して、不当利得の返還を求めた事案です。

 第1審の名古屋地裁は、Xさんは、個人事業者であることは明らかだとして、クーリングオフは認めませんでした。

 名古屋高裁は、本件リース契約は、Xの営業のために若しくは営業として締結されたものとは認められないとして、特商法26条1項の適用除外にあたらないとして、クーリングオフを認めました。

 判時の解説には、「電話機のリースに関し、経済産業省は、平成17年12月6日通達を改正し、電話機リースなどにみられるリース提携販売については、特商法の適用対象であること、リース会社だけではなく販売業者にも規制が及ぶこと、事業名で契約しても主として個人用家庭用に使用するためのものである場合には適用が及ぶことを明確化した。本判決は、電話機リース取引について、経済産業省の前記通達の正当性を法解釈として追認し、特商法の適用を認めたものである」として、積極的に評価されています。

 電話機リースのご相談は、年に数件ありますが、まず、個人事業主がほとんですね。電話代が安くなるというのがキャッチセールスです。皆さんも慎重に検討してから、契約締結するかどうか、考えましょう。

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2008年9月24日 (水)

【書籍・雑誌】 Q&A 過払金返還請求の手引 第3版

 去年よりも減ったとはいえ、まだまだ過払金返還請求を含む任意整理のご依頼は相当数あります。

 そして、最近は、残念なことに、示談交渉では話がつかず、提訴に踏み切る案件が急増しています。従来、話し合いでは、8割、9割返還すると言っていたところが、話し合いでは、1割から3割程度しか返さないと回答するところが増えています。

 また、返還時期もひどい業者の場合、示談してから1年先というのがあります。本当に払ってくれるのかどうか怪しいです。

 さらに、判決確定しても、1円も返済せず、やむなく強制執行をしても、すでに他の債権者から20件以上差押えされ、配当がほとんど期待できないケースも出てきました。ここまでくるといっそ破産してくれた方がいい場合もあると思います。

 そして、まだまだ体力のある会社も、裁判になると本格的に争ってくるところも増えており、準備書面の起案に頭がいたいところです。現在、頭を抱えている事案は、検討や起案などに100時間は使っていると思います。

 一番腹が立つのが、負債が残ると一括で返せと言ってくるのに、過払いの場合だと、判決が出ても無視してくる業者です。その対策として、過払いの方から債権譲渡を受けて相殺という議論もあるようですが、法律問題以前に、弁護士倫理上何か問題がありそうで、なかなか踏み切れません。

 今考えているのが、過払金の債務名義で、負債の残っている借入金を差し押さえるという方法を考えていますが、弁護士倫理上大丈夫なのでしょうか? 債権者と第三債務者が依頼人の場合になるのですが、債権者と第三債務者の同意を得ておれば、弁護士倫理上問題ないようにも思われますが、それでいいのか、誰かご教示してください。<(_ _)>

 そのような中で、民事法研究会から、今年の5月にでた、Q&A過払金返還請求の手引は、お勧めの1冊です。

 地方で悩んでおられる弁護士、司法書士、そして、提訴されている多重債務者の方、是非、ご購読されることをお勧めいたします。

 収録されている判例が豊富で、闘えます。 

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2008年9月23日 (火)

【地域情報】 今治市長選

 来年、2月19日で、今治市長の任期が満了するため、市長選が予定されています。

 今治市は、人口規模でいえば、四国第5の都市で、県庁所在地を除けば、四国第1の都市であるにもかかわらず、地場産業のタオルや縫製などの景気低迷が続いているため、閉塞感が漂っています。

 私の事務所に相談にこられる繊維関係者は、破産などの債務整理の相談が多く、ここ数年前から、非常に深刻な状態に陥っています。

 また、最近では、今治のシンボルともいえる今治大丸が今年末で閉店を発表するなど、閉塞感に拍車がかかっているような状態です。

 さらに、金曜日夜に、松本町や共栄町にある飲食街を訪れても、景気がよくならないため、人もまばらな状態が続いています。

 このままでは、四国における今治市の地位は低下する一方です。

  市長選には、愛媛新聞の報道によれば、現職の市長と県議の方が出馬されるようですが、いずれの方が当選するにしても、この閉塞感を早く吹き払い、元気な町づくりを実現してただけることを期待します。

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2008年9月21日 (日)

【介護・遺言・相続】 遺産分割事件の運営 家庭裁判月報No9 

 今日は、雷が伴った雨が降り、近くの小学校の運動会もとりやめになってしまいました。

 午後からは、事務所に出て、準備書面をせっせと作成するなど、明日の準備に追われてしまいました。グレーゾーン金利の収受が不法行為を構成する判例は結構あるのですが、大半が慰謝料にとどめられており、過払金全額が損害として認められているのは、現時点で私に判明しているのは、松山地裁西条支部と神戸地裁くらいです(但し、慰謝料が認められている裁判例は、過払い金も不当利得として認められているので、過払い金が損害にあたるのかという判断がいらなくなっているのですね。)。兵庫県弁護士会の判例検索システムで、調査する必要がありそうです。

 夜は、家庭裁判月報No9(法曹会)を少しだけ読みました。大阪高裁の永井裁判官が、遺産分割事件の運営について 初めて遺産分割事件を担当する裁判官のためにと題された論文が載っていました。

 遺産分割事件を扱う要領がコンパクトにまとめられており、参考になりました。

 ただ、代理人にとっても耳の痛い話がありました。

 「基本的な裁判例や新しい裁判例(最近では、後述する賃料債権や生命保険についての判例のほか、再転相続における特別受益の取り扱いについて最高裁判所平成17年10月11日決定については常にフォローする必要があり、当事者や代理人弁護士が古い文献に基づいて攻防を展開するようなときは、早い段階で軌道修正する必要がある。」と書かれています。

 でも言い訳する訳ではありませんが、なかなかフォローするのは時間的余裕がなく、難しいのです。私など、交通事故、保険法、離婚、遺産分割、金融法務、企業法務、消費者問題については、なるべく注意してフォローするようにしていますが、刑法、刑事訴訟法などについては、司法研修所を卒業してからというものの、まともなフォローはしていません。受験時代は、刑法は得意科目だったのですが、弁護士になってなってみると、刑事弁護は、私の性格とは余り合わないみたいです。

  (閑話休題)

 ところで、いきなり話が飛ぶのですが、●猫先生のブログが大炎上しているようです。いつもは感心して拝見させていただいているのですが、ここ最近の記事はどうかな?と思われる印象を受けます。coldsweats01ちなみに、私の嫁は、A学院卒です。M治やA学院は、十分に立派な学校だと思うのですがね・・・私の出身高校(田舎ですが一応進学校です)でも、成績は上の方でなければ、入れない学校です。というか、そもそも、18歳時点での学業成績で、将来性があるとかないとか考えるなんてナンセンスだと思うのですが・・・coldsweats02 いつものように、民法や保険法などの解説記事をお願いしたいと思います。そちらの方が勉強になります。<(_ _)> 

 依頼者にとって少しでも有利な結果が得られるよう、日々研修や尋問技術などを磨き、また、依頼者から信頼が得られるよう日々徳を高めていきたいと思います。

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2008年9月16日 (火)

【地域情報】 情報公開審査会

 今日は、情報公開審査会に出席しました。委員会のメンバーは、大学教授、弁護士、司法書士など合計5名です。

 先般、愛媛県の小さな町に対して、情報公開請求を行った事案がありましたが、その小さな町では、例がないということで、大変な騒ぎになってしまいました。shock

 しかも、情報公開請求って、任意代理は認められていないのですね。面倒この上ないです。

 今日は、審査会委員としての立場でしたが、守秘義務がかせられているので、内容は全くの秘密ですが、3時間近く時間がかかり、大変でした。building

 事務所に戻ると、机の上は、書類の山です。また、期限間近の準備書面や訴状などの宿題が一杯です。効率よく仕事ができるようにしたいなあ。そのためには、優秀な秘書も必要ですが、債務整理関係は、優秀な方がおられるので、大変助かっています。(*^_^*)

 私の事務所では、交通事故案件が、半分近くしめるなど割合が高いので、交通事故関連で優秀な方がいれば助かるのですが・・・ coldsweats01

 最近では、中小企業の企業法務も少しずつご相談案件が増えていますので、こちらも、研修をしていかなくてはなりません。crying

 なんかやたらとやること多く、優先順位をつけるのが一苦労です。

 そういえば、今年の新司法試験は、中央ローが、2位で、合格率も非常によかったみたいです。母校のロースクールなので、大変喜ばしい限りです。happy01 来年、新事務所に移転したら、新人弁護士さんを採用したいなあーと思ったりしています。heart04

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2008年9月15日 (月)

【地域情報】 玉井千鶴子氏勲章祝賀会

 先ほど、玉井千鶴子先生の叙勲祝賀会が、今治国際ホテルでありましたので、出席してまいりました。

 玉井先生は、長年、美容業界の貢献が認められ、春に叙勲(旭日単光章)されました。

 私の席は、なんと来賓者と同席の席で、大変恐縮してしましました。

 祝辞では、特に、Y参議院議員の先生の内容が良かったなあと思いました。玉井先生のお人柄などがよく伝わったと思います。時折、政治家の方で、結婚式などで、主役とは関係のない政治的心情を延々と述べる方がおられますが、Y先生の祝辞にはそれが感じられず、主役のお人柄の説明に徹していたため、よかったと思います。

 主役の玉井先生の挨拶は相も変わらず時折笑いをとる内容を含んでおり、大変おもしろかったです。

 玉井先生、本当におめでとうございました。

  隣席は、県議のK先生と、司法書士のK先生でしたが、参考になるお話をいろいろうかがいました。

 私の弁護士登録して10年になりますが、弁護士業界のために貢献できたことがあろうか?自省するばかりです。coldsweats01

 今回は、地域情報なので、少し、今治をご紹介します。

 まず、大島の亀老山展望台から、今治方面の風景です。

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 来島大橋がみえます。少し曇っていますが・・・

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 今治の老舗の定食屋、かねと食堂です。

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 おそばです。600円だったかな。おいしかったです。ウズラの卵付き。娘は、うどんでした。さぬきうどんと異なり、うどんにはこしはありませんが、その軟らかさが今治独自のお汁になじんで違う意味で美味しかったです。

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2008年9月14日 (日)

【交通事故】 自損事故により自動車の運転者、同乗者が負傷し、自動車が破損した場合に、運転者が事故の状況について虚偽の申告をしたとして免責を認めたが、同乗者、所有者について免責を認めなかった事例(福岡高裁平成20年1月29日)

 判例時報No2009(9月11日)号で紹介されている裁判例です。

 事案は以下のとおりです。

 X1がX2所有の普通乗用車にX3を同乗させて運転中に、同車を運動公園の防護柵及び電柱に衝突させる交通事故を発生させ、同車が破損するとともに、X1、X3が負傷したため、Xらが、保険契約を締結していたYに対して、保険金を請求した事案です。

 X1とX2は夫婦、X3は夫婦の子どもという関係です。

 原審は、本件事故は、X1が故意に起こしたものであるから、Yは免責されるとして、Xらの請求を棄却していました。

 高裁は、本件事故がX1の故意により引き起こされたものと断ずることはできないことを前提に、X2とX3の保険金請求は認め、X1の請求については、不実申告をしたことを理由に保険金請求を否定しました。

 なんとも中途半端な印象を受けます。

 高裁は、X1に保険金請求に絡む詐欺の前科があるということは、再び刑事責任を問われる危険性を冒してまで、本件事故を作出するであろうかという疑問をも喚起しないではおかないのであって、この点をまともに取り上げるのはいささか躊躇されるものがあると判示しています。

 これは、いささか我々の経験則から離れているご見解のようにも思えます。

 保険会社側は、上告等の申立を行っていますが、このような中途半端な控訴審の判断を確定させるのは、今後同様の疑義事件を誘発する可能性を含み、問題を含む判断ではないかと考えます。

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 閑話休題

 昨日は、修習生K氏が事務所訪問にこられたため、久しぶりに、夜のお店(料理屋→バー→クラブ→クラブ→ラーメンや)をはしごしました。( ̄ー ̄)ニヤリ

 K氏は、すでに九州の大きな法律事務所から内定がでており、2年ほどイソ弁をして、さらに、弁護士過疎の地方の支部で、開業するようです。

 是非とも、法化社会実現のために、頑張っていただきたいものです。 

 ただ、現在の修習期間が1年であることは、勉強をするのにも、就職活動をするのにも、やはり、不十分な期間なようです。

 また、地方での就職を希望している人は、だいたい就職先が決まっているようですが、東京を希望されている人は、非常に厳しい状況にあるようです。都会にこだわると、就職先が決まらないまま、2回試験を迎える人が相当数でるのではないかとのことのようです。

 2回試験も相当する落第するのではないかという危機感も抱いております(私のころも、前年度に5人程度落第して、私たちの期は相当危機感を抱いて勉強したものです。)。

 そうはいいながらも、K氏は、実務修習を、それなりに楽しんでおられるようでした。

2008年9月13日 (土)

【第130回金融法務研究会例会】 高齢者取引と金融実務 in 大阪銀行協会

 昨日、きんざい主催の、金融法務研究会例会に参加してきました(大阪)。

 今回のテーマは、高齢者取引と金融実務と題して、第一線でご活躍されている地方銀行の法務責任者の方が、講師でした。

 高齢者取引については、私の顧問銀行の窓口担当者から、時折、ご相談を受けます。が、私が知り得るのは、相談を受けたケースだけ、つまり、ごく一部分だけであり、今回のように、第一線でご活躍されている方のお話は、現場を知る上で、大変貴重なものです。

 高齢者取引の問題点については、

 取引伝票の代筆依頼などの高齢者本人との取引に関連する問題と、

 委任状持参者からの払戻請求などの本人以外との取引に関連する問題

とに、わかれます。

 これらに対して、どのように対処すべきかについては、講師の先生が、フローチャートを作成していただいておられますが、このチャートが大変役に立つと思います。

 なお、後日問題を生じるのを可能な限り防止するため、

 成年後見制度の勧奨

 日常生活自立支援事業利用の勧奨

を勧めておられます。

 成年後見制度については、特に、法定後見については、弁護士にとっても、ルーチンワークの1つですが、最近では、任意後見を利用されているケースも、少ないものの、まれに相談を受けることがあり、大変参考になります。

 経済法令研究会からでている銀行法務21・9月号にも、高齢者との金融取引上の実務対応が特集記事として載っていました。

 講師の先生もおっしゃられておられましたが、法定後見以外は、圧倒的に件数は少ないようですが、私の事務所では、6月に、補助手続を行いました。昨年の統計だと、法定後見2万2000に対して、補助は、わずか900くらいしかないみたいです。貴重な経験でした。

 話を戻りますが、日常生活自立支援事業については、会場の金融機関参加者もほとんど聞いたことがないようですし、私も、頭の片隅に、あるだけでしたが、今回の研究会では、日常生活自立支援事業についても、わりと時間を割いて説明していただきました。

 ちなみに、今治市のHPです。

 個別の高齢者取引の問題点への対応についても、様々なアドバイスをいただきましたが、ここでは企業秘密ということで、開示いたしません。coldsweats01

 私の事務所でも、成年後見、遺言などの、高齢者に対するサポートを積極的に行っていますが、日常生活自立支援事業への参加、或いは、財産管理業務(個人法律顧問)などに対するサポートも、考えていかなければなりませんね。

 それはそうと、第3回目の新司法試験の合格発表がありました。合格率は30%を超えていたようで、合格者も2000人を超えているようです。

 しかし、それにしても、法科大学院の格差が相当大きくなっていますね。

 今日も、ロー出身の司法修習生の方が、事務所に遊びにこられますが、名門校出身者でも、かなり就職活動は大変になっているようです。

 私の母校でも、出身者を積極的に雇用してくれとの手紙をいただいています。

 反面、数が増えるということは、社会に対する影響力も増すわけであり、また、弁護士の業務も、かなり多角化していくのではないかと思いますね。

 

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2008年9月12日 (金)

【消費者法】 多重債務ウィーク相談 今治

 昨日、愛媛県東予地方局今治庁舎にて、第1回多重債務者向け無料相談会が、行われました。

 今治からは、相談弁護士は、私と、M弁護士だけでした。松山や新居浜の先生に応援にきてもらうような状況で、少し寂しい限りです。

 私は、前回は、西条の地方局で、対応しましたので、2回目となります。

 ご相談者は、今治市から14名、新居浜市から1名、西条市から7名、上島町から1名でした。

 私の相談ブースでは、今治市と西条市の各担当者と一緒に相談にのりました。

 私の担当は、4名でしたが、市役所の法律相談と異なり、相談時間についてはかなりとれました。

 本人ではなく、身内の方が心配してご相談に訪れているケースもありました。

 ただ、身内の方だけが訪ねられているケースは、内容はよくわからないため、具体的な相談ができないという難点があります。

 年齢はお若い方は少なく、概ね50歳以上の方がほとんどでした。

 調停や個人再生、破産、過払金などの債務整理の概要を説明したにとどまりますが、それでも、安心された方が多かったように思います。

 このように行政と協力して相談にのれる体勢が少しずつ構築されており、これを機会に相互協力できる体制造りに努めたいと思います。

 また、多重債務に陥る方の中には、やはり金銭管理がルーズな方もおられます。中学での法教育の必要性を感じます。

 地方でも、過払金という言葉がかなり浸透してきましたが、弁護士に頼めば取引期間が極端に短くても過払金が回収できると強く誤解されている方も中にはおられ、最近では、この言葉がかなり一人歩きしているのではないかと思っています。

 今回の相談では、幸いなことに、そのような方はおられませんでした。happy01 

 さらに、最近は、廃業や経営悪化により、過払い金の回収が困難になっているケースも増えています。東京地裁に差押え申立をしている案件もありますが、先客の差押えが多数あるため、なかなか難しいみたいです。

 時折、地方在住者でありながら、都会の債務整理中心の事務所に依頼し、その事務所が辞任した業者について、なんとかならんだろうかというご相談がありますが、なんとなく落ち穂拾いみたいな気分になります。

 最後まで面倒をみてあげればと思うのですが・・・・

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2008年9月11日 (木)

【金融・企業法務】 銀行が機械払システム全体を無権限者による払戻しを排除できるように組み立て、運営するように注意義務を尽くしている場合には、無権限者が真正な盗難キャッシュカードを用いて届出の暗証番号を入力し、預金の払戻を受けたときであっても、銀行は、キャッシュカード規定の免責規定により免責されるとした事例(東京高裁平成20年3月27日)

 旬刊金融法務事情No1836(6月5日)号で紹介されている東京高裁の裁判例(平成20年3月27日)です。

 事案は、預金者が盗まれた自己のキャッシュカードをコンビニエンスストアのATMで使用され、普通預金1200万円弱が払い戻されたことについて、銀行の過失があり払戻が無効であるとして、払い戻された預金及び遅延損害金の支払いを求めたものです。

 いつものことながら、銀行は、①免責規定による免責、②債権の準占有者に対する弁済を主張して争いました。

 結論からいえば、地裁も高裁も、免責規定による免責を認め、銀行を勝たせました。

 原審(東京地裁)は、

(1)「銀行(その提携先も含む)の設置した現金自動支払機を利用して預金者以外の者が預金の払戻しを受けたとしても、銀行が預金者に交付していた真正なキャッシュカードが使用され、正しい暗証番号が入力されていた場合には、銀行による暗証番号の管理が不十分であったなど特段の事情がない限り、銀行は、現金自動支払機によりキャッシュカードと暗証番号を確認して預金の払戻をした場合には責任を負わない旨の免責約款により免責される(最高裁平成5年7月19日)」

 暗証番号の管理が不十分であったなど特段の事情を認めるに足りる具体的な事実ないし証拠はない

 (2)「本件免責規定のような機械払システムにおける免責規定は、銀行側が一方的に組み立てた弁済受領者の権限の機械的な判定システムに依拠して免責の効力を認めるものであるから、当該システム全体が安全性を有することが当然の前提となっており、当該システム全体が安全性に欠ける場合には、免責の効力は認め難いことになる。

 当該システム全体が安全性を有するものといえるためには、

 払戻しの時点においてキャッシュカードと暗証番号の確認が機械的に正しく行われたというだけでなく、

 銀行において、機械払システムの利用者の過誤を減らし、預金者に暗証番号等の重要性を認識させることを含め、同システムが全体として、可能な限度で無権限者による払戻しを排除し得るように組み立てられ、運営されるよう注意義務を尽くしていたことを要するというべきである。」

 そして、原審は、払戻時点における社会情勢やコンピューター技術水準を基準に、暗証番号、払戻限度額の設定、異常取引検知システムにかかる過失の有無を検討し、本件事案では、過失はなかったと結論づけています。

 なかなか預金者にとっては厳しい判決ですが、預金者敗訴で確定されています。 bearing

 

 司法研修所51期の記念大会では、同期の弁護士・裁判官・検察官から、「ブログ見ているよ。」、「しまなみ通信読んでいるよ。」との言葉をいただきました。また、現在、ブログを、3名の方が定期購読(発信)されていますが、その中に、同期の優秀な弁護士がいたとは驚きです。ありがとうございました。

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2008年9月10日 (水)

【交通事故】 歩行者同士の接触事故

 厳密言えば交通事故ではありませんが、判例タイムズNo1271(8月15日)号に、交差点における91歳の女性歩行者と25歳の女性歩行者の衝突事故について、25歳女性の注意義務違反を否定した高裁の裁判例(東京高裁平成18年10月18日)が紹介されていました。

 判例タイムズの発行日からすれば、少し古い事例ですが、上告上告受理申立中のようです(結果はまだでていないのでしょうか)。

 第1審は、25歳女性の注意義務違反を認めましたが(3割過失相殺)、高裁は否定したようです。

 第1審は、

 ①道路を歩行する者は、自己の身体的能力に応じて、他の歩行者の動静を確認した上で、歩行者の進路を選択し、速度を調整するなどして他の歩行者との接触、衝突を回避すべき注意義務を認め、

 ②歩行者の中には、幼児、高齢者、視覚等の障害者など一般の成人に比べて、知覚、筋肉、骨格等の身体的能力が劣るため、歩行の速度が遅く、体のバランスを崩しやすく、あるいは、臨機応変に進路を変えることが不得手であり、ひとたび衝突、転倒すると重い傷害を負いやすいといった特質を備える者が一定割合存在していることに鑑みると、健康な成人歩行者が道路を歩行するに当たっては、自己の進路上にそのような歩行弱者が存在しないかどうかにも注意を払い、もし存在する場合には進路を譲ったり、減速、停止したりして、それらの者が万一ふらついたとしても接触、衝突しない程度の間隔を保つなどしてそれらの者との接触、衝突を回避すべき注意義務を認めました。

 控訴審は、

 Yが友人と並んで人の流れに従ってゆっくりと歩いて本件交差点の中央付近に至り、目指す店舗を探そうと首を左後方に向け歩みを止めにかかった瞬間、Yの右肩から背中、腰にかけてXが接触したとの事実認定をもとに、Yの有責性を見いだすことは困難であり、YがXを発見し、Xとの接触を回避することが可能であったという事実は認められず、Yに注意義務があったとはいえないとしました。

 解説によれば、

 歩行者同士の衝突事故について、損害賠償を認めた事例は、東京地裁平成1年3月31日、東京地裁平成4年5月29日だそうですが、いずれの事案も、加害者は小走りをしていた事案であり、本件のように通常に歩行していた事案とは異なるみたいです。

 交通事故でも、高齢者の方が被害者の案件は、処理が大変面倒なことが少なくないですね。 

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2008年9月 9日 (火)

【離婚・夫婦】 家庭裁判月報

 8月から、最高裁事務総局家庭局監修の家庭裁判月報を定期購読することにしました。

 法曹会が発行元で、定価は、2600円です。

 更生保護における犯罪被害者等施策についてなどの論文が掲載されていますが、あまり、マチ弁には関係なさそうです。

 マチ弁の業務に役立ちそうなのは、家事関係裁判例ですね。

 ①婚姻費用の分担に関する処分の審判に対する抗告審が抗告の相手方に対し抗告状及び抗告理由書の副本を送達せず、反論の機会を与えることなく不利益な判断をしたことが憲法32条に反しないのかという論点の裁判例(最高裁平成20年5月8日

 ②未成年者の祖父母による子の監護者指定の申立を家事審判事項に当たらないとして不適法却下した事例、未成年者の親権者母による祖父母を相手方とする子の引き渡しの申立を、家事審判事項に当たらないとして不適法却下した事例(東京高平成20年1月30日

 日々日々、仕事と研修に努めたいと思います。pig

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2008年9月 8日 (月)

【金融・企業法務】 盗難通帳による不正な預金払戻しと預金者の過失

 旬刊金融法務事情No1843(8月25日)号に紹介されている大学教授の論文です。

 旅館を営むXさんが、宿泊客であるAにより、預金通帳と届出印を盗まれ、これらのもとに預金払戻請求に応じたYに対し、600万円の払戻を求めた裁判例を紹介されています。

 原審(福岡地裁平成18年3月2日)は、Yによる免責約款および民法478条による免責の主張を排斥したうえ、過失相殺の主張に対しては、公平の観点から過失相殺の規定を類推適用して、①Xは本件預金通帳及び届出印を預金ダンスの中に小引き出しに一緒に入れて保管していたこと、②Xにおいて宿泊者に対し安易に海外旅行の予定の情報をもらしたことにより窃盗の対象に選ばれたことを理由に、2割の過失相殺されてしまいました。crying

 これに対し、控訴審(福岡高裁平成18年8月9日)は、①過失相殺の類推適用自体を否定し、②仮に、類推適用できるという見解にたったとしても、預金者に重過失などの相当程度の過失があった場合に限定して類推適用を認めるべきだとして本件ではそのような事情がないとして、全額の返還を認めました。happy01

 過失相殺類推適用説の背景には、不正な預金払戻し事件においては、銀行も被害者なのだから、過失ある預金者は応分にその損失を負担すべきだということがあるのでしょう。

 預金者と銀行などの金融機関との間には、圧倒的な情報量の差異は否定できず、安易に過失相殺の規定が類推適用されるのは、いかがなものかと考えます。

 なお、本号の金融法務ブログには、ある会社が少額の差押えを受け、差押えされた金融機関がその会社と密接な関係にあったことから、大変な騒ぎになったことが紹介されていました。

 私の事務所では、ここ2年ほどから、保全・執行の案件が少し多くなっています。変わり種としては、通行妨害禁止の仮処分や、動産執行ですね。不動産仮差押か、金銭執行か、建物収去(退去)関係がほとんどですけど。

 動産執行は、成果はあまりないにもかかわらず、結構、手間(時間と費用)がかかるのですね。 

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2008年9月 7日 (日)

【弁護士考】 司法研修所51期10周年記念大会  熱海

  (大会前日)

 平成20年9月6日、熱海後楽園ホテルで、司法研修所第51期生10周年記念大会があります。

 長年の法曹界の慣習として、研修所卒業後10年目に、熱海に、20年目に、京都に集うことになっています。

 明日、6時間程度をかけて、今治から熱海に行きます。

 10年ぶりに、卒業アルバムを広げました。

 若いです。モヒャ━━((゜Д゜Uu))━━!!!!!!

 私は、3組に所属していましたが、全員で、61名です。教官は、転勤された方を含めると、8名になります。裁判教官や検察教官は、所長や検事正になっていることからすれば、10年の長さをしみじみ感じます。

 (7日)

 ようやく、帰ってきました。熱海から今治まで、新幹線を使った場合、ずっと座り続けたため、腰を痛めました。往復の時間を利用して、辰巳法律研究所の宇賀行政法解析講座を聴いていました(講師の先生の言葉遣いはなんとかならないものだろうか・・・)。

 それはさておき、

 記念大会の会場になったホテルは、熱海後楽園ホテルです。

080907_101901_edited  フロントです。080906_191901_edited_2

 クラス懇親会での料理です。080907_104601_edited

 ロープウェイから眺めたホテルです(中央の高いビルです)

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 全体懇親会のようすです。出席率60%くらいのようです。

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 ホテルの部屋からみた熱海の夜景です。 080906_184701_edited_2

 突然あがった花火です。びっくりです。

 

 帰りの新幹線にまで時間があるので、今日は少し熱海観光をしてきました。

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  ロープウェイ乗り場です。080907_114301_edited

 ロープウェイがやってきました。080907_115001_edited

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 熱海城からの様子です。 080907_104902_edited

 熱海城の山側にあるなんかの建物です。かなり老朽化しています。現在、どのような使われ方されているのだろうか。屋上は駐車場になっているようですが・・・

080907_103401_edited 秘宝館です。Hなものを陳列している館です。080907_110401_edited

人形館です。フランス人形が一杯飾っていました。

 大勢の消防団が演習をしていました。自衛隊車両や船もでていました(熱海城から撮影)。

 「080907_104501.3gp」をダウンロード

080907_120401_edited あの有名なお宮と貫一です。最近は、男女が逆転しているかもしれませんが・・・ 

 研修所を卒業して10年ですが、多くの方が、社会的に意義のある事件に積極的に取り組んでいたり、官庁出向や留学をして研鑽を積んでおられたり、そのような話を聞いて、いい意味での刺激になりました。

 そして、相当多くの方が、倒産や労働、知財、交通事故など、専門分野を構築しておられるようです。

 また、容貌や体型も、全然変わっていない人から、20年位ふけたようにみえる人までいろいろでした。私も、ふけ組のようです。weep

 私生活も、子どもの話題もでました。

 新司法試験も結構話題にのぼりました。実力に問題があると思われる底辺層が相当数増えていること、また、起案力が十分でない者が増えたことなどが話されていました。

 さらに、都会の大きな法律事務所の実質上の就職活動は、(司法試験に合格するのは当たり前であることから)すでに、ロー生の段階で決まっているようです。

 私たちのころは、司法試験が難しかった(合格者数が少なかった)ため、それが一応の能力を保障していましたが、現在の合格率では、司法試験にそのような機能を持たせることはできないようです。

 大きな事務所に就職するには、学部のレベルで、東大か京大でも入学するしかないようですね。

 私大生にとっては、司法試験は、一発逆転の方法だったのですが・・・ 

 どの方も、これからの弁護士業界について大変な危機意識を抱いており、創意工夫をされているようです。

 閑話休題

 熱海には、平成4,5年ころに、大学の友人達と一緒に訪れたことがありますが、幸いなことに、そのころより、格段ににぎやかになったような印象を受けました。そして、ビーチがかなりきれいに整備されたような気がします。

 東京にいたころは、熱海はいつでもいけるという感覚をもっていましたが、四国に定住してからはこのような機会がなければ、いくこともできませんね。

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2008年9月 6日 (土)

【建築・不動産】 入会権 最高裁平成20年4月14日

 判例時報No2007(平成20年8月21日)号で紹介されている最高裁判例です(平成20年4月14日)。

 事案は、電力会社の発電所の建設用地(本件土地)について、原発建設に反対するXらが、自らは本件土地につき入会権を有する入会集団の構成員であるとして、電力会社と入会集団の他の構成員らに対し、入会集団の構成員たる地位に基づく使用収益権の確認を求めるとともに、電力会社に対して、その使用収益権による妨害排除請求権に基づき、所有権移転登記の抹消登記手続等を求めたものです。

 もともと本件土地は、明治24年当時、四代組の入会地として、その構成員である四代部落の世帯主全員の総有に属していました。昭和50年ころには使用収益する者はいなくなりました。

 明治24年ころ、4代組と同じく四代部落の世帯主で構成される四代区という権利能力なき社団が成立し、現在に至っています。

 平成10年、電力会社と4代区の区長とは、四代区の役員会の全員一致の決議に基づき、本件土地と電力会社の土地とを交換しました。

 そこで、Xらは、本件入会権の対象となっている本件土地の処分には入会権者全員の同意が必要であり、その同意のない交換契約は無効だと主張したのです。

 原審は、

①本件土地の入会権は、四代区が成立した段階で、共有の性質を有しない入会権に変化したので、時効により消滅した

②四代部落の世帯主を構成員とする四代区には、その役員会の全員一致の決議によってその財産を処分する慣行が存在し、本件土地は四代区の役員会の決議に基づいて有効に処分された

 と考えました。

 最高裁は、

①本件土地は四代部落の世帯主の構成員の総有に属するものであることは、四代区の成立の前後を問わず変わらない。→消滅時効の前提を欠く。

②しかし、民法263条は、共有の性質を有する入会権について、各地方の慣習に従う旨定めており、慣習は民法の共有に関する規定に優先して適用されるところ、

 慣習の効力は、入会権の処分についても及び、

 慣習が入会権の処分につき入会集団の構成員全員の同意を要件としないものであっても、公序良俗に反するなどその効力を否定すべき特段の事情が認められない限り、その効力を有する

 そして、原審と同様の判断を示して、結論としては、Xらの上告を棄却しました。

 入会権って、学生時代を含めてほとんど勉強した記憶がないですね。慣習上の物権くらいしか思い出しません。coldsweats01

 総有については、合有、総有、共有の区別で勉強しますけどね。抽象的であまり好きな分野ではありませんでしたが・・・

 記憶の片隅を掘り起こしながら、判例を読んでみました。 

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2008年9月 4日 (木)

【金融・企業法務】  預金の過誤払い 大阪高裁平成20年2月28日

 判例時報No2008(9月1日)号で紹介されている下級審裁判例(大阪高裁平成20年2月28日)です。

 不動産業を営む有限会社が、取引先から不動産売却代金の分割払代金の送金を受けるために銀行に普通預金を開設し、280万円程度を預金していたのですが、何者かによって全額引き出されてしまった案件です。

 預金者は、銀行に対して、預金契約に基づき払戻を請求したのですが、これに対して、銀行は、①払戻は普通預金等共通規定の条項によって免責されるとか、②払戻は債権の準占有者に対する弁済(民法478条)として有効だと反論しました。

 免責条項については、「民法478条の適用に関して銀行の責任を緩和するものではない」と解されていますので、結局、②の民法478条の要件を検討すればいいことになります。

 このような場合が発生した場合、銀行側は、民法478条の説明よりも、免責条項を説明して、被害者の請求をあきらめさせようとしますね。bleah

 過失の判断については、有名な最高裁昭和46年判決は、印鑑照合に係る注意義務の履行のみでは足りない特段の事情があるか否かを検討することになります。

 原審では、本件払戻については、払戻請求金額が多額であることや同払戻請求によって本件口座残高がほとんどなくなったことを考慮しても、特段の事情があったとは認められないと判断しました。

 これに対し、大阪高裁は、本人確認の書類の提示を求めるなどと記載したパンフレットの記載内容から、厳格な本人確認義務を導いた上で、同義務を履行しなかった銀行の過失を認めています。

 なお、上告されています。 

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2008年9月 3日 (水)

【消費者法】 過払金の消滅時効

 判例時報No2008(9月1日)号で紹介された下級審裁判例です。

 水戸地裁日立支部平成20年1月25日(西村康一郎裁判官)は、

 原告の主張する過払金返還請求権の性質は不当利得返還請求権であると解され、それは原告による個別の弁済によって生じたものであり、その発生と同時に権利行使が可能なものであるから、それらの発生時から10年の経過により時効により消滅すると解される。

 原告は、(1)消費者側は法律知識が乏しく、過払金が発生しているという認識がないとか、(2)消費者側から取引継続中、業者に対し過払金の有無を尋ねたり取引履歴の開示を求めたりすることは事実上期待できないなどと主張するが、

 このような見解は、過払金発生時から年5%の割合による遅延損害金が発生することと整合しないというべきであるし、権利行使の事実上の障害にすぎず、法律上の障害ではないというべきであるから、何らの消滅時効の進行を妨げるものではないというべきである

 と判示しています。

 ご存知の方も多いと思いますが、過払金の消滅時効の起算点については、①過払金発生時説、②最終弁済時説、③取引終了時説の3説がありますが、このところ、私が扱っている裁判でも、過払金発生時説を主張してくる相手方がいます。

 過払金発生時説ということになりますと、10年より前に発生した過払金は、原則としては、パーになりますので、消費者側の弁護士としては、許し難い考え方になります。pout

 このような判断(や過払金請求について弁護士費用を否定するような裁判所の判断)については、(損得抜きで)依頼人と相談した上、控訴して「正しい判断」に直してもらうよう心がけています。coldsweats01

  それはさておき、この水戸地裁日立支部の判断、実は、続きがあるのです。pencil

 この判決は過払金は発生から10年で消滅時効させていますが、それじゃ、10年前の過払金は全く意味がないのかといいますと、必ずしも、そうではないようです。

 裁判所は、続けて、基本契約に基づく貸付については、いったん過払金が発生したとしても、その後発生する新たな借入金に充当されるというのであるから、これらの過払金については、消滅時効の10年が経過する以前に、上記充当により消滅する可能性を考慮しなければならないと述べたのです。w(゚o゚)w

 ただ、この判断については、消費者側にとってはありがたいのですが、判時の解説は、「このような見解によった場合、末尾の別表に見られるとおり、極めて煩瑣な充当計算を要するものであり、この点をどのように評価するのかは考え方がわかれると思われる」として積極的に評価していないようにも思われます。

 最近、過払金がらみの判例は多数でていますので、少し、油断すると最新の判例や議論からおいていかれそうです。

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2008年9月 2日 (火)

【弁護士考】 2回試験(旧司法試験組)発表

 今日の読売新聞に、司法研修所2回試験の結果が取り上げられていました。

 これによると、受験した司法修習生(旧司法試験組)642名中、不合格者は、33名で、不合格率は、5.1%になるようです。

 過去の2回試験の推移については、法務省のHPにデータが載っています。

 また、同紙によれば、昨年は、旧司法試験組の司法修習生1468名中、71名(4.8%)、ロースクール組の司法修習生1055名中、76名(7.2%)だったと報道されています。

 私たちのころは、2回試験に合格しない人は、まれで、いても、数名止まりでした。

 一見すると、不合格率5%は、試験としては、広い門のように思えますが、今回の司法修習生は合格率数%の難関の(旧)司法試験を経ていることが大前提になりますから、その中から落とすということは、よっぽどのことがなければ落ちないはずです。

 合格者を増やしすぎたり研修期間を短縮したため、司法研修所の教育の質も相当程度落ちていることも大きな要因の1つになっているのではないかと想像しています。

 黒猫先生のブログにも、形骸化してゆく司法修習制度として警鐘を鳴らしておられます。

 せめて、法曹の養成については、十分な予算を獲得して、研修の質を落とさないよう努力していただければと思います。

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