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2008年8月31日 (日)

【学問・資格】 もう10年目か

 司法研修所(弁護士・裁判官・検察官になる人の学校)を卒業して10年になります(51期)。

 法曹には、10年目には、熱海、20年目には、京都で、司法研修所同期が集まるという慣例があります。

 熱海での同期会は来週に控えています。

  10年のキャリアということは、もはや、若手でもないということでしょう(気分は、まだまだワカテの気持ちでいますが・・・)。

 司法研修所は、埼玉県和光市にありますが、私たちのころは、700人程度で、司法修習期間も2年もありました。

 前期修習は、平成9年4月から7月まで、和光市にある学校で、実務修習を受ける準備として、要件事実をたたきこまれます。

 8月から翌年の11月までは、実務修習として、弁護士事務所、地方裁判所、地方検察庁に配属され、それぞれの観点から、仕事や考え方を学びます。

 どの仕事も非常に魅力的で、どの職業につくか悩んだものです。

 弁護士も、裁判官も、検察官も、また、裁判所書記官も、事務官も、家裁調査官も、検察事務官も、事務員さんも、魅力的な人ばかりでした。

 裁判所保健センターの事務官の方には、親代わりのように、大変親切にしていただきました。

 12月から翌年3月は、後期修習として、再び、和光市に戻り、2月にある2回試験(研修所の卒業試験のようなもの)に合格するため、猛勉強をすることになります。

 司法研修所の中には、体育館があり、その中には、アスレチック施設もあるため、それを利用したり、また、近くの樹林公園でジョキングをしたり、市民プールで、泳いだりしていました。

 ジョッキングのしすぎで、腰を痛めて、教官訪問ができなかったことが悔やまれます。

 前期・後期いずれも、講義は多種多様なものがあり、実務の第一線の方が講師であり、大変勉強になったのを記憶しています。

 ただ、集合修習の成績は余りよくなく、特に刑事裁判は最悪のようです。2回試験の成績は、平均点くらいみたいですが・・・

 実務修習では、過酷な司法試験受験の反動から、よく遊んだ記憶もありますが、他方で、実務修習の起案は人よりもたくさんこなし、また、アフターファイブには、簿記学校やスポーツクラブに行っていました(アフターナインは、飲んでいましたが)。

 教官や指導担当の方と、つりにいったり、カラオケやボーリング・テニスをしたり、うどんを食べ歩いたり、いろいろ楽しかったな。

 合コンもたくさんありましたが、私は性格が奥手なため、もっぱら会費負担要員であり、合コンに参加しても、もっぱら同期の修習生とばかり話をしていたことを思い出します。お酒が入れば、おもしろいようなのですが、肝心な本人が余り覚えていません。

 仕事では女性と話せるのですが、プライベートになると急に話せなくなります。家内とは自然に話せたので、気があったのでしょう。

 地検の指導教官から、「きみたちは古き良き時代の最後の修習生だ」と言われていましたが、現在の修習生の状況を考えれば、まさにそのとおりになっています。大変いい時代に、司法修習をさせていただいたことについて、天に感謝しています。

 さて、地方でマチ弁をして10年ですが、法曹としてどの程度自分が成長したのか、同期に合う前に、不安で一杯です。現在、新人弁護士などについては、「法曹の質」云々が言われていますが、肝心な自分自身の質がどうなのか・・・・

 また、法曹としての経験は積んだとしても、人間としての人徳はどうなのか?これも不安です・・・・ 自信過剰となり、最近、謙虚さが欠けているのではないのか等々

 10年ぶりに再会する人が大半なので、いろんな意味で、いい刺激を受けるのではないかと思って、今から、どきどきしています。

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2008年8月26日 (火)

【離婚・夫婦】 離婚後5年以内に支給される見込みがある将来の退職手当(退職金)の財産分与について、「退職時に一定額を支払うよう命じた原判決」を変更し、「退職手当支給額(手取額)と退職時期を変数とする計算式を定め、これにより定まる金額を退職時に支払う」よう命じた事例(大阪高裁平成19年1月23日)

 判例タイムズNo1272(9月1日)で紹介されている裁判例です。

 原審(神戸地裁尼崎支部平成18年3月16日)は、離婚後5年以内に支給される見込みのある将来の退職手当の財産分与について、夫が退職が支払われた時点で、550万円を支払うよう命じました。

 しかし、定年までなお5年あることから、その間に退職手当の算定基礎である本棒の変動、あるいは、退職事由の如何により、退職手当の実際の支給額が、相当程度変動する可能性があります。

 大阪高裁(平成19年1月23日)の判決の意義は、

 退職金の財産分与について、判決時に定めた一定額ではなく、退職金の手取額と退職時期を変数とする計算式に基づき定める額、すなわち、判決言渡時点で、不確定な変動する額の支払いを命じた

 ところにあります。

 解説によれば、「退職時点での金銭支払を命じるときでも、原判決のように判決時に定めた一定額の支払を命ずる方法をとる場合が一般的である」、「退職金の不確実性に対処した高裁レベルの判例として参考になるものと思われる」とされています。

 また、この場合の執行や保全についても、若干解説されており、参考になります。

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2008年8月25日 (月)

【地域情報】 山火事

  笠松山が燃えています。笠松山は、今治市南部にある小さな山ですが、南北朝の昔に、大きな戦争のあった由緒ある山です。

  その山から煙がもうもうと出ています。

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 噴火してみたいです。自衛隊のヘリコプターも懸命の消火作業です。ニュースによれば、民家の近くに火が迫っているようですが、一刻も早く消火されることを祈るばかりです。  080825_160501_edited_2

2008年8月24日 (日)

【地域情報】 愛南町 四万十川 松野町 88カ所

   今週末は、ある事件の処理のため、愛南町に出張いたしました。

 愛南町には私は生まれて初めて訪れましたが、名前のとおり愛媛県の一番南にある地域です。今治は、愛媛県で一番北にあるため、まさに北から南へということになります。

 また、愛南町といっても、私が訪ねた場所は、まさに宿毛市(高知県)と隣り合わせの所であり、愛南町の中心部からもさらに1時間以上かかりました。

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 かわいらしい学校(愛南町)です。080823_150601

 私も思わず通いたくなります。

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 沈下橋(四万十市)の案内板 080823_161801_2

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 宿泊したホテルです(ホテル星羅)(旧西土佐村)

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 四万十膳です(2750円) 手長エビのフライ、かつおのたたき、青さのてんぷら、牛肉の陶板焼など地場の食材が盛りだくさんです。1日6食しか用意されていないみたいです。早い者勝ちです。

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 ホテル3階の部屋からみた四万十川です。奥は広見川になります。080824_075801

 朝ご飯です。ごはんがおいしいです。

080824_095901 ホテルのフロント(1階)です。

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 カヌー館ではカヌーや屋形船などのいろんな情報を仕入れることができます。

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080824_110701 屋形船からの景色です。魚と同じ視線ですね。

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松野町でのお魚館の様子です。

 「080824_120401.3gp」をダウンロード

 「080824_120601.3gp」をダウンロード

 帰りは、札所3か寺を訪れました。

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 今年は、札所を逆の順番で巡礼する人が多いみたいです。

2008年8月22日 (金)

【交通事故】 暴走仲間の過失を被害者側の過失として認めた最高裁判決(最高裁平成20年7月4日)

 交通事故判例速報No506(平成20年8月)(交通春秋社)で紹介されている最高裁判例です。

 事案は、中学校時代の先輩、後輩の関係のある、AとBが、自動二輪車を交代で一方が運転し他方が後部に同乗して走行していた際に、C運転車と衝突したことにより、発生した交通事故において、同乗者BのC運転者の運行供用者に対する損害賠償額の算定にあたって、いわゆる被害者側の過失として、運転手Aの過失相当分を過失相殺することができるのかが争われた事案です。

 控訴審は、A・B・Cの過失割合は、6対2対2であるが、Aの過失をいわゆる被害者側の過失として考慮することができないので、20%だけ減額して、80%の割合による請求を認めました。

 ところが、最高裁は、Aの過失も被害者側の過失として、考慮すべきだとして、控訴審の判断を破棄しました(平成20年7月4日)。

 そうすると、単純に考えると、60%の請求になるものと思われますが、これについては、いくつか考え方がわかれてしまうようです。

 また、被害者側の過失は、被害者と身分上ないしは生活関係上一体をなすともられるような関係のある者の過失をいうものと定義づけられていますが、AとBとの間にはそのような関係はありません

 結論としては妥当だとしても、従来の基準との整合性をどのように考えるのか、わかりずらいです。

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2008年8月21日 (木)

【金融・企業法務】 銀行が預金者に再発行したカードが郵送途中に郵便局で詐取され、犯人により同カードを使用して預金が払い戻されたことにつき、預貯金者保護法により銀行により補償義務が認められた事例(大阪地判平成20年4月17日)

 判例時報No2006(8月11日)号で紹介されていた裁判例です。

 再発行されたカードを詐取され預金を引き出しされた預金者が、銀行に対して、預貯金者保護法5条1項に基づく填補として預金払戻額及び手数料の支払いを求めた事案です。

 預貯金者保護法はご承知のとおり平成18年2月10日から施行された法律ですが、解説者によれば、「本判決は同法の適用についての訴訟における裁判所の判断であり、先例は見当たらず、今後同法の適用についての紛争解決の参考となろう」と説明されています。

 同法5条1項は、以下のとおり規定しています。

 預貯金者は、自らの預貯金等契約に係る真正カード等が盗取されたと認める場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、当該預貯金契約を締結している金融機関に対し、当該盗取に係る盗難カード等を用いて行われた機械式預貯金払戻しの額に相当する金額の補てんを求めることができる。

 本件事案の主要な争点は、

 ①4条1項が本件払戻しに適用されるかどうか

 ②原告の重大な過失により本件払戻が行われることになったかどうか

 ですが、

 ①については、本件払戻は原告に交付されることなく第三者が詐取した再発行カードにより行われたものであり、法4条1項の「偽造カード等」に該当する

 ②についても、原告には犯人が再発行カードを取得するについては重大な過失があったとは認められない

 と判断し、

 銀行の原告に対する填補義務を認めました。

 なお、債務不履行に基づく債務者の責任を追及するための弁護士費用については、最高裁昭和48年10月11日を引用して、認めていません。

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2008年8月19日 (火)

休み明け

 お盆休みが17日で終了し、18日から通常の業務に戻っていますが、次から次に、ご依頼やご相談をいただき、てんてこ舞いをしています。

 とはいっても、交通事故や相続、離婚、債務整理という分野が大半を占めていますが・・・・

 そのような中で、今日は、四国のある上場企業の役員会に招かれるという大変貴重な経験をさせていただきました。

 私が生活している地域では、上場企業はほとんどなく、私の顧問先も、いわゆる中小企業が多いため、社長に直接ご説明すれば足りるのですが、今回は、上場企業の意思決定過程の一部を垣間見ることができました。

 ただ、最近は、離婚事件でさえ(=これまで離婚は弁護士であれば誰でも扱えるように思われていました)、多数の判例や法令の改正をふまえなければ、戦えない事案(=依頼人に有利な結果が得られない)となっており、専門分野とまでもはいわなくても弁護士によって得意不得意の差は生じるようになっているように思われます。

 私の場合、仕事は事務所で全てすますようにしており、自宅では、得意分野や開拓したい分野の研鑽に努めているところです。

 また、40歳代に突入し、健康に不安を感じていることから、昨年5月から、週4回程度スポーツクラブに行って2キロ前後泳ぐようにしていますが、非常に非常に残念ですが、いまだにメタボな体型を維持しています。

 私は、刑事事件の弁護は余り好きではありませんが、今日、国選事件の被告人だった方から、感謝のお手紙をいただき、大変嬉しく感じています。日頃、特に国選刑事事件の弁護はストレスがたまることが少なくありませんが、弁護をさせていただいた方から、純粋な意味でのお礼の手紙をいただくのは嬉しい限りです。

 純粋な意味でのお礼の手紙と奥歯に物が挟まったような言い方をしたのは、手紙の中には、お礼を述べながらも、別件の(どうしようもない)民事事件を相談したいなどと、無料で弁護士を利用することをねらった手紙もあるからです。 

 いろいろ勉強したいことは山のようにありますが、一日のうち費やす時間は限られており、時間配分をどのようにするのかというのは、頭を悩ますところです。家族サービスも怠ることはできませんしね。happy01

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2008年8月18日 (月)

【弁護士考】 司法研修所2回試験不合格者数の推移

  日弁連新聞に、平成9年(考試実施年度)から平成19年度までの、司法研修所2回試験不合格者数の推移が紹介されていました。

 平成9年(49期)は、720人中、不合格者数は3人

 平成10年(50期)は、727人中、5人

 平成11年(51期)は、729人中、0人

 平成12年(52期)は、743人中、3人

 平成12年(53期)は、789人中、19人

 平成13年(54期)は、979人中、16人

 平成14年(55期)は、990人中、11人

 平成15年(56期)は、1006人中、11人

 平成16年(57期)は、1183人中、46人

 平成17年(58期)は、1189人中、31人

 平成18年(59期)は、1493人中、107人

 平成19年(旧60期)は、1453人中、60人

 平成19年(新60期)は、986人中、59人

 53期になって、不合格者が二桁になっているが、これは、司法修習期間が2年から1年半に短縮されていることが原因だろうか?

 57期になって、突然、50に近い不合格者が出ているがこれは何故だろうか?

 そして、59期に至っては、100人を突破してしまった。司法修習生の人数が1500人に近くなったのか大きな原因だろうか(前年度の修習生の人数は1200人弱)。

 旧60期(1453人)は、不合格者は60人程度に半減したものの、新60期は、1000人弱であるにもかかわらず、60人程度で高止まりになっている。この原因はどこにあるのか? 

 法曹の質について、検証が必要だろう。また、既存の法曹に対する質の検討も必要であろう。

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2008年8月14日 (木)

【旅行・地域】 大阪 USJ

 大阪へ旅行に行ってきました。大阪には、いつもは、きんざいの研修で月1回程度訪ねていますが、今回は、家族旅行として訪ねることになりました。

 昨年の家族旅行は、神戸・有馬温泉でしたので、阪神方面が続いていることになります。

 今治からは、JR、飛行機、船、バス、車などの方法を使うことが考えられますが、昨年、スペースワールドを訪ねた際、船を使ったのが結構肉体的にきつかったことから、それ以外の方法を検討しましたが、やはり、予算の関係上、バスを利用する方法を選択しました。

 今治からは、午前7時に出発して正午ころに梅田につきます。大人1名5000円なので値段的にも最もリーズナブルなのではないかと思います。

 梅田からは、鉄道を使い、天保山という所を訪ねました。どうやら日本で一番低い山のようです。

 天保山には、海遊館という水族館があります。これ目当てで天保山を訪れる人が大半です。

 天保山の施設には他にも、忍者屋敷や、昭和の香りを漂う飲食店も多数あり、結構楽しめます。

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 観覧車からみた海遊館です。

080811_195001  サントリーミュージアムからみた観覧車です。

080812_091001  シーガル大阪です。USJのオフィシャルホテルです。USJに隣接しているホテルよりも値段は安くなっています。海遊館からすぐの所にもあります。

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 海遊館のペンギンです。

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 海遊館のシンボルともいえるジンベイザメです。

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 魚たちが回遊している様子がわかります。

 

 「080811_161501.3gp」をダウンロード

 「080811_162501.3gp」をダウンロード

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 近くのサントリーミュージアムからの海を眺めた光景です。結構、ロマンチックですね。

 

 翌日は、USJに向かいました。

 ホテルの裏側が港になっていました。   080812_091601_4

 乗組員はみんな若い女性でした。

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 100名くらいはのれそうな感じです。

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 10分くらいでUSJが見えてきました。

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 近鉄15階からのUBJ方面の眺めです。近鉄はチケット付のためかそれなりの値段がしました。

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 特に印象に残ったウォーターワールド。

 

 USJは、かなり暑かったです。また、スペースワールド同様、水をかぶるものもかなりありました。チケット付のプランにしましたが、2時間待ちが当たり前なので、優先権を確保できるエキスプレスを申し込んだ方がいいと思います。また、エキスプレス自体、すぐに売り切れてしまうために、早めに申し込んでいた方が無難です。

 待っている間の時間のロスを少なくすること(今回は行政法の講義テープを聴いていたのですが、家族からは厳しい視線が・・・・ happy02)、子どもが待ちきれず騒ぎ出すためその対策を講じる必要があります。

 汗をかくので、近くに温泉があると良かったなあ。happy01

 最終日は、梅田のヨドバシカメラで、子どものおもちゃを購入しました。また、職業病なのか、ジュンク堂ヒルトン店で、法律書もついでに購入してきました。結構、荷物は重たくなりました。

 しかし、ヨドバシカメラ方面から、ヒルトン方面に抜ける道(地下道)を整備してもらいたいものです。いつも、道に迷います。

 今治方面行きの高速バスの乗車場は、大阪駅から少し離れています(四季劇場の隣)ので、要確認です。

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2008年8月12日 (火)

【消費者法】 消費者法ニュース

 消費者法ニュース発行会議から、年に数回、「消費者法ニュース」という書籍が出ています。

 かなり前から定期購読しているのですが、年々、分厚くなり、きちんと読めない状況がここ1年続いています。

 例えば、4月号で、336頁、7月号で、368頁という厚さです。

 昔はこの半分ぐらいだった印象を持っているのですが、ここ数年で益々分厚くなる一方です。

 最近では、残念ながら軽く「判例和解速報」にだけ目を通す状態です。

 その中の注目判例は、松山地方裁判所西条支部平成20年3月18日の裁判例です。

 最近、慰謝料や弁護士費用の付加を意図し、あるいは、消滅時効を回避するため、不法行為で構成されることが増えています(No76・10頁)。

 (1)貸金業規制法施行前の取引については、①神戸地裁平成19年11月13日判決、②名古屋高裁平成20年2月27日判決があります。

 (2)貸金業法規制法施行後の取引について、「慰謝料や弁護士費用」を認めたものとして、③札幌高裁平成19年4月26日判決、④小樽簡裁平成19年9月18日判決があります。

 松山地裁西条支部平成20年3月18日判決は、貸金業規制法施行後の取引で、初めて、「過払金相当の賠償」を命じた裁判例になります。ただ、この裁判例の事案は、貸金業者の貸金業登録が平成1年6月29日であり、それゆえ、貸金業規制法施行後であっても、みなし弁済の適用を受けない事案のようですから、(1)の亜流と考えてもいいかもしれません。

 架空請求として不法行為を認めた事案があれば、どんどん教えてください。札幌高裁や大阪高裁もあったような気もしますが・・・最近、物忘れが酷くていきません。crying

 田舎でも、消費者法ニュースの購入や、43条の会議に登録するなどして、最前線の知識を得ることが可能になり、大変便利な世界になったものです。

 私のブログをPINE先生のブログでとりあげていただきましたが、先生のご指摘のとおりだと思っています。ありがとうございました。happy01

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2008年8月11日 (月)

【消費者法】 預金債権を差し押えられた債務者に、扶養義務を負う子どもたちがあり、年金と長男の援助により生計を立てているとしても、債権者の債権回収の前に預金口座から230万円を引き出していることからすれば、債務者に誠実性や任意履行の意思が欠如しているというべく、債権範囲の変更を認めることはできないとされた事例(横浜地裁平成19年12月26日)

 判例タイムズNo1270(8月10日)号に紹介されていた裁判例(横浜地裁平成19年12月26日)です。

 事案は、Xさんが、Yさんに対する480万円の貸金債権の強制執行のため、YさんのZ銀行に対する60万円の預金債権の差押命令申立をしたところ、執行裁判所が差押え命令を発令したため、Yが、

 ①本件差押命令により差し押さえられた預金の原資は年金であるから、差押えは禁止されるべきである

 ②差押時の預金の残高は5万3176円であるが、そのうち3万6230円は年金の振り込みによるものである

 ③Yは高齢で年金収入と長男からの援助のみによって生計を立てており、今後の医療費・生活費のために是非必要である

 ことを理由に差押え命令の取消を求めました。

 横浜地裁は、

 ①差押えられた預金の原資が差押禁止とされている年金であっても、当該預金が差押禁止債権となるものではない

 ②差し押さえられた預金の原資が年金のみであるとは認められないし、預金の原資の一部が年金であったとしても、本件差押命令取消の決定的な理由付けとはならない

 ③Y自身の現在の収入としては年金だけであるとしても、本件預金の差押えによってYの生活に著しい支障が生じるとは認められないし、差押え範囲の変更を認めるべき必要性が存するとはいえない

 として、本件申立を棄却しています。

 債務者にて、230万円の預金を引き出していること、裁判所の手続に協力的でなかったこと(「裁判所の複数回にわたる照会の結果」)、債権者も年金生活者であることを考慮した上での判断になっています。

 まあ、裁判所が、「申立人の誠実性や任意履行の意思の欠如」とまで言い切っていますので、なかなか難しい事案だったのでしょう。

 

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2008年8月10日 (日)

【消費者法】 民事調停法17条に基づく調停に代わる決定には、民法95条は適用されないと判断した事例(大分地裁平成19年12月17日)

 判例タイムズNo1270(平成20年8月20日)号に紹介されていた裁判例です。

 この事案は、過払い事案であったにも拘わらず、簡易裁判所が民事調停法17条に基づく調停に代わる決定(17条決定)(お互いに債権債務がない)をしてしまった事案です。

 17条決定に、民法の錯誤無効の規定が適用されるのかが争点の1つになっています。

 裁判所は、

 そもそも、民法95条本文は、法律行為の要素に錯誤のある意思表示を無効とする規定であるところ、17条決定は裁判であり、裁判は裁判機関がその判断又は意思を決定の形式で表示する訴訟行為であって、当事者の意思表示を要素とする法律行為ではない。

 また、17条決定は当事者又は利害関係人の異議申し立てにより執行するから、その効力発生は当事者の意思に委ねられているということができるが、このことは、17条決定が当事者の意思表示を要素とすることを意味するものではない。

 そうすると、仮に、調停事件に関し、当事者に何らかの錯誤があったとしても、当事者の意思表示を要素としない17条決定が、当該錯誤により無効となることは法的にはありえないというべきである。

 と判断しています。

 17条決定の法的性質には、合意説と裁判説の両説の対立があるようですが、浅学の私は、単純に、決定だから裁判だろうと思っていました。

 錯誤無効以外にも、公序良俗違反、不法行為の主張をされていますが、ことごとく、退けられています。

  なお、被告は、既判力の遮断効について主張されていたようですが、これについては判示はなかったみたいです。

 また、仮に、錯誤無効の適用があるとしても、要素の錯誤といえるのかとか、債務者側に重大な過失があるかどうかという課題も残っており、なかなか複雑な問題を含んでいます。

 取引履歴の開示がされているにも拘わらず、裁判所が、過払金を指摘せずに、調停を行うということは、今では、なかなか考えにくいですが、平成16年当時の大分簡裁ではあったようです。

 私の感覚からすれば、一般論としては、裁判所での判断が錯誤で簡単に無効になるのもどうかとは思います。

 ただ、調停利用者が後で不満を持たないように、適切に説示するなどのことはあってもいいんじゃないかなと思います。

 上告されていますので、高裁がどのような判断を示すのかが興味津々です。

 なお、過払い事案は、今年に入ってかなり下火になっています。感覚的には、去年の3分の1くらいまで減っているのではないでしょうか?来年には、昔のように年に数件くらいのレベルにまで落ちるのではないでしょうか。相手方の消費者金融機関もかなり淘汰されたようですし・・・ 

 過払い事案を主とする事務所は、かなり大変じゃないのかなと思います。過払い以外の一般民事事件は、松山でも、昔に比べて、半減しているのにかかわらず、弁護士の数だけは、急増していますから・・・・

 しかし、このまま、弁護士の数を増やし市場原理に委ねるのであれば、隣接業種との調整、広告規制の撤廃、公益活動の非義務化、高額な弁護士会の会費低減、非弁に対する規制強化も検討してもらいたいと思います。

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2008年8月 9日 (土)

【交通事故】 人身傷害補償特約の免責

 判例時報No2005(8月1日)号に紹介された下級審裁判例です。

 「仮免許」の取得者が運転する自家用軽貨物自動車の「荷台」に搭乗中に事故に遭い負傷した被害者が、当該車両を被保険自動車として締結された家庭用総合自動車保険契約に人身傷害補償条項に基づく保険金を請求した場合において、

 ①当該被害者は同条項の「被保険者の除外事由」にいう「極めて異常かつ危険な方法で搭乗中の者」に該当しない、

 ②当該被害は同条項の「保険者の免責事由」にいう「被保険者の故意又は極めて重大な過失によって生じた損害」に該当しないとして、

 当該被害者の保険金請求が認められた事例です。

 人身傷害補償条項に規定する「被保険者の除外事由」や「保険者の免責事由」の解釈適用が問題となった事案ですが、過去の裁判例では、これらの保険約款の解釈適用が特に問題となった事案はないようであるとの説明がなされています。

 「極めて異常かつ危険な方法」の判断にあたって、荷台への乗車だけではなく、荷台の状況、荷台での乗車場所、乗車人員、乗車している者の姿勢や体勢など総合的に見た上で、荷台に乗車した者として、社会通念上、通常のかつ安全な乗車方法とはいえず、通常のかつ安全な運転をしていたとしても、当該方法で乗車すれば、それを原因として乗車している者が傷害を負うなど損害を被る蓋然性が極めて高い場合に該当すると判断しました。

 結構、厳格な解釈です。

 また、「極めて重大な過失」とは、わずかの注意さえ払えば、たやすく結果を予見することができた場合であるのに、漫然とこれを見過ごしてきたような、ほとんど故意に近い著しい注意欠如の状態をいうと定義つけました。

 これも、厳格な解釈です。 

 人身傷害補償特約を巡る問題については、現時点では、7月30日のブログで紹介させていただいた論点が主たるものですが、今後10年でいろんな裁判例がどんどん出てきそうです。

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2008年8月 8日 (金)

【お知らせ】 夏期休暇期間

 暑中お見舞い申し上げます。

 8月10日から17日まで、弁護士法人しまなみ法律事務所は、夏期休暇期間に入ります。

 8月9日(土曜日)は、大掃除のため、事務所を開けておりますので、当事務所にご用向きのある方は、9日午後3時までに、ご連絡下さいますようお願いいたします。10日以降は連絡は不能となります。

 なお、18日は通常通りですが、休み明けであるため、できましたら、当事務所にご予約される方は、19日以降、ご連絡いただけますと大変ありがたく思います。

  弁護士法人 しまなみ法律事務所

2008年8月 7日 (木)

【離婚・夫婦】 書籍 要約 離婚判例 151

 学陽書房から、要約離婚判例151という書籍が、昨年12月に出版されています。本橋美智子弁護士が執筆されています。

 平成18年4月までの主要な最高裁や下級審裁判例を、1ページ程度に要約して紹介しています。

 10テーマに整理され、大変わかりやすいです。時代を反映してか、国際離婚にも相当なページをさいています。

 最初にテーマごとの傾向と実務で概要を説明してから、各判例についての解説に入るという形をとっています。

 面接交渉や子の引き渡しは相談案件としても少なくありませんが、実によくまとまっていると思いました。

 離婚事件は、「弁護士であれば、誰でもできる」と思われる分野ですが、この書籍に書かれている裁判例を十分把握されている「専門家」はそんなには多くはないのではないでしょうか。私自身、離婚事件は数多く受けてきましたが、この書籍からかなり有益な示唆を受けました。

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2008年8月 2日 (土)

【交通事故】 平成20年度日弁連夏期研修

   徳島で日弁連・四国弁護士連合会主催の夏期研修があり、私も参加いたしました。

 今、交通賠償実務の第一線で活躍されている古笛恵子弁護士を招いての、後遺障害をめぐる交通事故訴訟上の問題点というテーマで、講演していただきました。

 高次脳機能障害、PTSD、RSD、脳脊髄液減少症などの基本的な知識の他、相談の際に間違ったアドバイスを行ってしまいかねない点についても、簡潔にご教示いただけました。

 交通賠償案件に慣れていない弁護士の場合、自賠責で後遺症が認められたとして、その等級で逸失利益を請求してくる場合がありますが、その請求が裁判所でそのまま認められるとは限りません。

 ①腸骨採取による骨盤骨変形、②脊柱変形、③嗅覚味覚障害、④脾臓摘出、⑤鎖骨変形、⑥歯牙障害、⑦腓骨の偽関節、⑧1㎝から3㎝の下肢短縮を取り上げられました。

 腸骨採取による骨盤骨変形については、12級5号(14%)に該当しますが、労働能力喪失率は、0~14%であり、0も相当数あるようです。また、認めるとしても、採骨部位痛を理由に、喪失期間も、1、2年とする考え方もあるようです。

 脊柱変形についても、6級5号と、11級7号(最近、8級追加)がありますが、特に11級の場合(20%)の裁判所の喪失率は、0~35%となっており、簡単に計算できるわけではありません。

 嗅覚味覚についても、12級と14級(5%)がありますが、裁判所の労働能力喪失率は、0~14%であり、職業との関連も重要です。

 脾臓については、平成18年3月以前は、8級(45%)とされていましたが、裁判所は、0~45%と幅が広いようです。平成18年4月1日以降は、13級11号に格下げとなりました。

 鎖骨変形についても、12級5号とされていますが、裁判所は、0~14%であり、期間も短く判断される場合があります。

 歯牙障害についても、同様です。

 腓骨の偽関節についても、平成16年6月以前は、8級とされていましたが、裁判例は、0~45%になっています。平成16年7月1日以降の事故については、12級8号に格下げです。

 1㎝から3㎝未満の下肢短縮については、13級8号(9%)とされていますが、裁判例は、0~9%であり、期間も短く設定される場合があります。測定誤差の可能性も指摘されるようです。

 外貌醜状については、男女で等級が異なりますが、逸失利益については、よく争われます。性別、年齢、職業、醜状の程度などを吟味する必要があるようです。

 なお、RSD(反射性交感神経性ジストロフィー)については、これまで私自身扱ったことがなく、そのため、知識が足りないところがありましたが、今回の講演で、沿革を含めておさらいができました。平成15年の労災新基準だと、関節拘縮、骨萎縮、皮膚変化など目に見える形での所見が必要なようです。

 これまでの弁護士(特に地方の弁護士)は、広く浅く、事件を扱っていましたが、これからは、浅い知識では、弁護過誤にもつながるおそれがあり、一層の研修の必要性を感じました。

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