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2008年5月31日 (土)

【金融・企業法務】 危機時期における預金拘束の適法性

 旬刊金融法務事情No1835(5月25日)号に、「危機時期における預金拘束の適法性」というテーマで、伊藤眞教授の論文が掲載されていました。

 貸付先が破綻しそうな時に、預金を引き出そうとしても、凍結され、引き出すことができない場合があります。

 伊藤先生は、普通預金のような要求払い預金については、銀行は、預金者から適時かつ適式に払戻しが求められれば、直ちにそれに応ずべき義務を負っているにもかからわず、預金債権の債務者である銀行が、その一方的な行為によって預金の払戻を拒絶し、預金債権を拘束することが、いかなる理由によって、許されるのかとして問題提起をされておられます。

 裁判例としては、①東京地裁平成3年2月18日、②東京地裁平成19年3月29日がありますが、結論として、預金拘束について適法と判断しています。

 但し、伊藤先生は、預金拘束は、違法であるとのご見解であり、先生が倒産法の権威者であることから、金融機関に対して、預金拘束が違法であると主張される弁護士さんが増えてくるかもしれません。

 なお、5月25日号から、金融機関は弁護士に何を期待しているのかという連載を新たに開始されるみたいです。興味深く拝読させていただきます。happy01 

 

2008年5月28日 (水)

「法テラスの債務整理」というブログを読んで

 法テラス経由の債務整理で、相談者の一部から、生活扶助証明書を示して、「これ見せたらタダになるって聞いたんやけど、あんたこんな俺から金取るん?」と言われたという話が、杉本智則弁護士のブログで、ご紹介されていました。

 杉本弁護士は、「最近の法テラスの債務整理の依頼者はこんな感じであまり正当ではない方が増え、受任しても書類を持ってこなかったり、分割金を一度も払わなかったりとやりたい放題です。」、「これまで、できる限り依頼者の負担にならない費用設定を心がけてきましたが、このような好意が、『当たり前』と思われ、軽く裏切られるにであれば、私も費用設定や、受任範囲を検討せざるをえません。」と続けられています。

 私も、昔、法テラス経由の債務整理のご相談で、「費用は法テラスに言ってください」という態度を取られたことがあります。

 また、法テラスではありませんが、先日の裁判所の無料法律相談会で、ある相談者が、私に自己破産の申立書類に書いて欲しいと言われましたが、作成するのであれば、弁護士費用がかかると説明すると、「今日は、無料の日ではないのか」と言われ、唖然としたこがありました。

 別人ですが、ご相談の後、相談者の身内と称する方から、電話で、なぜ、自己破産を受けてくれないのか、なぜ、分割払いで対応してくれないのかなどとクレームを入れられたこともあります(分割払いも、相談者の人柄などをみて対応していたのですが、その件では、問題が生じる可能性があると考え、お断りさせていただきました。)。

 実際、分割払いでご相談者とトラブルと嫌になりますね。1年位、連絡もないため、支払っていただけるのかどうか確認のため連絡をとったら、「お金のない人に請求した。慰謝料だ。」などと開き直られたことがありました。そのまま泣き寝入りを強いられましたが・・・

 最近、ごく一部ですが、特に、債務整理系で、自己中心的なご相談者がみられることが生じたように思われます。

 そのため、私の事務所では、すでに、受任を制限させていただいております。

 受任させていただいている方は、いずれの方も誠実な方ばかりなので、大変気持ちよく仕事をさせていただいております。

 弁護士大増員社会をむかえ、これからは、弁護士の世界も自由競争社会ですから、これまでのように、扶助事件だから、国選事件だからなどという理由で、積極的に受けることをなかば事実上強制されるような時代は、大変残念ですが、終焉を迎えつつあるように思われます。

2008年5月25日 (日)

こどもと一緒に松山に行ってきました

 子どもを連れて、松山にでかけてきました。

 まず、特急電車を使い、40分程度で、松山駅につきました。bullettrain          

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  路面電車の乗り場からの撮影したものです。かわいらしいですね。          

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  松山駅構内に飾られている、アンパンマンの駅員さんです。「こんにちは」です。

 目的は、松山城近くの、県立美術館で開催されている人体の不思議展をみにいくことにありました。building

 飾っている人体模型が、模型ではなく、本物と知ってびっくりです。全て、死体、死体です。研究のためとはいえ、あまりいい気分にはなりませんでした。子どもも、恐怖の余り、顔がひきっていました。

 美術館のレストランで、食事をすませ、近くの松山城を訪ねました。         Pa0_0040

  まずは、ロープウェイ街にむかいました。

 学生街と観光地がミックスしているような状態です。

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 もうすうぐ、ロープウェイの駅です。 cat  

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 媛だるまが迎えてくれます。かわいらしいのか、少し不気味なのかは、人それぞれかもしれませんが・・・

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 いよいよ、ロープウェイに乗ります。たくさんの人が待っていました。

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 松山城の案内板です。  

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 松山城が少しみえてきました。もう少しです・・・

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 広場にでました。

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 松山城天守閣です。中に入ってみましたでござる。大人1人500両なり。

  坂がきついため、結構いい運動になります。そこで、電車に乗って、道後温泉にむかいました。  

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 椿湯です。道後温泉本館は混雑しているので、いつも、こちらを利用しています。

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 道後温泉駅に、坊ちゃん電車が到着していました。

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 帰りは、普通電車で今治にむかいました。

 子どもも、結構、楽しんでくれたようです。happy01                       

2008年5月23日 (金)

【消費者法】 過払金 最高裁平成20年1月18日判例の影響

 判例時報No1998号(5月21日号)に、最高裁平成20年1月18日の判決が紹介されていましたが、取引の個数の具体的な判断基準を示したものでした。

 この判例については、何度もこのブログでも取り上げていますが、今回、ご紹介したいのは、この判例の基準に従い、個数を検討した下級審判例です。

 山形地裁酒田支部平成20年2月14日の事案は以下のとおりです。

 ①昭和63年5月12日から平成3年5月27日までの取引(第一取引)

 ②平成4年8月3日から同10年5月18日までの取引(第二取引)

 ③平成14年2月25日から同18年7月25日までの取引(第三取引)

 個別計算だと、①取引については、過払金として約75万円、②取引については、過払金として約71万円、③取引については、負債として約70万円が残存している案件です。

 山形地裁は、

 先ほどの最高裁の基準に従い、

 ①取引と②取引の中断期間が1年2ヶ月、②取引と③取引の中断期間が3年9ヶ月であること

 ①及び②取引についての契約書返還の有無が明らかでないこと

 カードの発行や失効についても明らかでないこと

 を理由に、契約の個数を、3つと判断しています。

 貸金業者が同一の会員番号を付して管理していたことは、一連取引について有力な証拠とはならないと判断しました。

 中断期間が1年2ヶ月って、そんなに長いのかなと思いますが、いかがでしょう。

 

2008年5月20日 (火)

【弁護士考】 また大阪か

 毎日新聞のニュースによれば、手抜き国選弁護を行ったという理由で、大阪弁護士会のベテラン弁護士が懲戒を受けたようです。

 否認事件で被告人の承諾なしに証拠を全て同意? こりゃまずいでしょう。

 国選弁護は、弁護士にとっては経済的には余りメリットがないため、昔から、「あまりきちんと弁護してもらえないのではないか」という話を聞きます。

 個人的な感想からいえば、若手弁護士の時代は、国選弁護にも非常に熱心ですが、事務所を経営するようになると、あまり採算を度外視したこともできないため、それなりの弁護になるのではないかと想像しています。

 自白事件ですと2,3回で終わるためにまだいいですが、否認事件だと、1年はかかるため、熱心に弁護を行うのであれば、相当の時間と労力が必要であり、受け取れる国選報酬を考えると、司法修習を国費でまかなってくれたご恩返しと考えないとできないような仕事です。

 なお、私は、刑事弁護は原則として私選弁護では受けていませんので、受任を義務化されている国選弁護を常時2~3件程度やっているに過ぎません。都会の弁護士からみると結構やっているように思われますが、田舎だと少ない方だと思います。

 ところで、今日の日経の朝刊で、法科大学院に社会人入学者が激減している記事がのっていました。法科大学院の大きな目的の1つに、社会人など多様な人材確保ということがあったかと思いますが、社会人入学者が大きく経るということはその意味から問題だと思います。未習コースでありながら、法学部出身者は相当程度存在するようですし。法科大学院出身者でなければ、原則、司法試験を受けられないというシステムは、かえって、多様な人材を阻むことになるのではないかと思います。法科大学院制度の大きな見直しがきているのではないかと思います。

 

2008年5月12日 (月)

【消費者法】 過払金についての平成20年1月18日最高裁判例

 ブログでもなんどか紹介させていただきましたが、判例タイムズNo1264号(5月15日号)に、最高裁平成20年1月18日のクォークローン判決が紹介されていましたので、概要を説明させていただきます。

 事案は、比較的よくあるようなケースです。

 ①平成2年9月3日に、融資限度額50万円、利息を年29.2%、遅延損害金を年36.5%、弁済日は毎月1日とする基本契約を締結し、平成7年7月19日の間、金銭の借入と弁済を行いました(第1取引)。

 ②平成10年6月8日に、融資限度額50万円、利息を年29.95%、遅延損害金を年39.5%、弁済日は毎月27日とする基本契約を締結し、平成17年7月7日の間、金銭の借入と弁済を行いました(第2取引)。

 第1審の名古屋地裁(平成18年4月19日)は、取引中断期間が3年と長期に渡っていることなどから、第1取引と第2取引とは別個の取引であるとして、第1取引についての過払金については、消滅時効を認め、第2取引についての過払金しか、認めませんでした。

 原審の名古屋高裁(平成18年10月6日)は、第1取引と第2取引とは、実質上一体として1個のリボルビング式金銭消費貸借契約をなすという理由により、1連取引を前提とする過払金を認めました。

 これに対して、貸金業者側が上告しました。

 最高裁は、原則として、基本契約が異なる以上、第1取引の過払金は、第2取引の債務には充当されないとしました。

 しかし、例外として、「第1の基本契約に基づく取引により発生した過払金を新たな借入金債務に充当する旨の合意(充当合意)が存在するなど特段の事情がある」場合には、充当計算を認めました。

 そして、第1取引と第2取引とが事実上1個の連続した貸付取引であると評価することができる場合には、充当合意が存在すると認め、その判断基準を明らかにしました。

 ①第1取引の期間の長さや中断期間の長さ

 ②第1取引の契約書の返還

 ③第1取引のカード失効の手続の有無

 ④第1取引終了後第2取引までの貸主借主の接触の状況

 ⑤第2取引が締結される経緯

 ⑥第1取引と第2取引の利率等契約条件の異同

 最高裁は、中断期間が約3年であること、利息遅延損害金の利率が異なることなどを前提にすれば、充当合意が存在するとは解することができないので、それ以外の事情を検討させるために、高裁に差し戻したわけです。

 逆説的にいえば、中断期間が約3年だとしても、差し戻し後の審理によっては、充当合意があると判断される場合もありうることで、差し戻し審を見守っていきたいと思います。

 当事務所の紹介のサイト  

2008年5月11日 (日)

【金融・企業法務】 第127回金融法務研究会 銀行取引約定書の今日的課題

 先日、金融法務研究会に出席のため、大阪(大阪銀行協会)にいってきました。train

 テーマは、「銀行取引約定書の今日的課題」というテーマで、富山大学の片岡宏一郎先生を囲んでの研修でした。

 ご承知の方も多いかと思いますが、全国銀行協会(全銀協)が昭和37年に、銀行取引約定書のひな型を作成してから、このひな型が銀行と企業との間の全ての与信取引の基本約定書として約40年間に及んで継続使用されてきました。

 しかし、公正取引委員会や日弁連などから、問題点を指摘されたことから、平成12年4月に、ひな型は廃止され、以降は、個別銀行が単独に銀行取引約定書を作成することになりました。

 但し、全銀協は傘下銀行に対して、銀取に関する留意事項を通知しましたが、条項例については示されませんでした。

 今回の研修では、銀取の主要条項について、わかりやすくご解説していただきました。

 特に興味深く思ったのが、第4条の担保の中で、増担保請求についてのご解説でした。

 例えば、平成19年1月30日東京高裁は、金銭消費貸借契約書の増担保等の記載がされた条項に基づく増担保請求が認められなかった事例を取り上げられました。

 金融商事判例NO1226号には、判例の要旨として、

 金銭消費貸借契約書の「借主または連帯保証人の信用が悪化するなどした場合には、担保もしくは増担保を差入れ、または連帯保証人を立て或いは追加し、または債務の一部もしくは全部を弁済する」等が記載された条項は、

 増担保等の設定に限局しても、具体的な増担保等の対象となる物件、設定すべき担保の書類、内容等設定される増担保等を特定する事項が何ら定められていない状況の下では、

 債権者が増担保等の対象となる物件、担保の種類、内容を特定して一方的に増担保等の設定を請求する意思表示をするのみで、その請求が不相当でない限り、そのとおりの内容の増担保等が設定される形成権を債権者に与えたものと解することはできず、債権者の、その請求に係る不動産につき、債務者に対する増担保請求を認めることができない

 と判断しました。

 この高裁の判例を受けて、ある弁護士は、金融法務事情で、個別の融資案件について、必要がある場合には、契約書上、増担保請求ができる条件や増担保の種類、対象物件、内容などをより具体的に取り決め、その権利性を明確にしておくなどと、同誌NO1808号のオピニオンで述べられておられます。

 しかし、片岡先生は、銀行が優越的地位を濫用して要請する場合にあたるから、このような対応は消極的であるべきとされています。研修会にアドバイザーとしてご出席されておられる弁護士の久保井先生も同様のご意見でした。pencil

 今回の研修会では、主要銀行の銀取条項の対照表、鹿児島大学の村山教授の銀行取引約定書ひな型廃止後の銀行取引約定書改定動向など、一般では手に入れることのできない資料も手に入れることができました。銀取については、銀行から、仮差押などの債権保全や債権回収の依頼を受ける際に、添付を欠かすことのできない書類ですが、体系的な研修は受けたことがなかったため、大変勉強になりました。

 閑話休題。近時、インターネットなどの通信手段の発展により、都会と異ならない情報を入手することができるようになりましたが、やはり、自宅ではなかなか勉強といっても、身に入らない点も否定できません。積極的に研修に参加することは、いい刺激を受けることにつながります。good

 私の場合、日弁連関係の研修を除き、継続的な研修は、ほぼ、交通事故、金融法務、建築関係に限定されつつあります。

 一時期は、知財研修も積極的に受けていたのですが、田舎では、ご依頼やご相談が少ないため、最近では、かなり、消極的になっています。手広く行うほど、知識が習熟しているわけでもないため、後回しになっています。coldsweats01

 また、一時期、司法試験の受験科目に選択科目がなくなってしまったことから、倒産や労働などの司法試験予備校の講義テープを入手することが困難なことがありましたが、新司法試験になって、選択科目が広がったことから、テープの入手が容易になったのはありがたいと思いました(ちなみに、私は、国際公法選択でしたが、私の業務では使わないため、一般的なマチ弁になるのであれば、倒産や労働を選択した方が仕事には役立つでしょうね。)。税務や会計の知識は、マチ弁でも、ないと不便です。司法試験予備校って、租税法の講義はやってないみたいですね。あればありがたいのですが・・・租税法関係で、何かいい講座をご存知の方、ご教示下さい。happy01

  なお、余談ですが、こんなサイトに登録されていました。

2008年5月10日 (土)

松山 に行ってきました (^_^;)

 先日、取引先の方と、松山に行ってきました。

 松山といえば、まずは、道後温泉でしょう。    

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 いわずとしれた道後温泉本館。観光客だらけです。

 

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 道後温泉近くのホテルです。オールドイングランド道後山の手ホテルと言います。     

 

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 ホテルの中も、シックで落ち着いています。

       

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 シングルの部屋も、セミダブルで、結構広いです。ロビーと同じく、落ち着いた外観です。

 松山出身の有名人といえば? 正岡子規先生でしょう。というわけで、子規堂に行ってきました。

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  お寺の中に、子規が幼年時代を過ごした建物が残っていました。

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   子規の勉強部屋です。

 

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  昔の路面電車です。昭和40年ころの物のようです。狭かったのですね。

  

 また、松山出身の映画監督といえば、 伊丹十三氏が有名ですが、郊外に伊丹十三記念館がありました。       Pa0_0004_2

 伊丹監督はいつも難しい顔をしているように思えたため、大変気むずかしい方かと思っていましたが、実際には、大変フランクで明るい方であることがわかりました。

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 「お葬式」の一場面をセットにしていました。

                                   

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 「タンポポ」のポスターです。

 喫茶室のトイレの横に貼っていました。

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 十三饅頭です。ごく普通の味でした。饅頭よりも、チョコレートケーキの方が美味でした。

     

 今治に住んでいると、松山は隣町であるため、かえって観光施設を訪れる機会が少ないですが、それ以外にも、正岡子規記念館、松山城、道後公園や、88カ所のお寺など、楽しく過ごせる施設は、少なくないように感じました。

2008年5月 9日 (金)

【建築・不動産】 土地の売買契約について、地中に建築資材等の廃棄物が埋設されていたことが隠れた瑕疵にあたるとして、売主に対する損害賠償請求が認容された事例(東京地裁平成19年7月23日)(控訴)

 判例時報No1995(4月21日)号搭載の東京地裁の判例です。

 平成12年8月28日、Xさんは、Yから、土地を約8700万円で買いました。

 平成16年5月ころ、地中を掘削したところ、大量の廃棄物が発見されました。

 そこで、Xさんは、Yに対して、瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求する調停を申し立て、平成17年1月19日、不成立により終了し、1月31日、本件裁判を提訴しました。

 まず、(1)産業廃棄物が瑕疵に該当するかどうかについては、

 「本件土地の地中に、広範かつ大量に本件廃棄物が埋設されているところ、本件土地は、本件廃棄物の存在によりその使途が限定され、通常の土地取引の対象とすることも困難となることが明らかであり、土地として通常有すべき一般的性質を備えないものというべきであるから、本件廃棄物の存在は、本件土地の瑕疵にあたるものと認める」

 と判断しました。

 次に、(2)Yは、Xは本件土地を購入した後である平成13年8月31日ころ、ユンボを用いて掘削し、廃棄物が埋設されていることを知ったのであるから、1年の除斥期間により、Yに対しては請求できないという点については、

 「Xが本件土地の盛土部分に異物が混入していることを認識していたとしても、そのことによって、本件廃棄物の存在を知ることができたとはいえない」

 「Xが、本件土地に本件廃棄物が埋設されていることを実際に認識したのは、本件土地を第三者に売却しようと考え、その準備のために本件土地の土壌調査を行った平成16年5月18日ころであり、Xは、平成16年中に、Yを相手方として、本件土地の瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求する調停を申し立て、また、Xは、平成17年1月31日に本件訴訟を提訴したのであるから、除斥期間に関するYの主張には理由がない」

 と判断しています。

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2008年5月 8日 (木)

【金融・企業法務】 商法(H17改正前)266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間 ・ 最高裁平成20年1月28日

 判例時報No1995(4月21日)号搭載の最高裁判例です。

 論点は、改正前の商法266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権が、商法522条にいう「商行為によって生じた債権」として、5年の消滅時効期間にかかるかどうかです。

 見解として、10年とする見解と、5年とする見解が対立していました(なお、遅延損害金の利率についても、年5%説と、年6%説が存在しているようです。)。

 最高裁は、10年とする見解を採用しました。

 理由は、以下のとおりです。

 本号に基づく取締役の会社に対する損害賠償責任は、取締役がその任務に懈怠して会社に損害を被らせることによって生ずる債務不履行責任であるが、

 法によってその内容が加重された特殊な責任であって、商行為たる委任契約上の債務が単にその態様を変じたにすぎないものということはできず

 また、商事取引における迅速決済の要請は妥当しないから、商法522条を適用ないし類推適用すべき根拠もない

 として、本号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効は、商法522条所定の5年ではなく、民法167条1項により、10年と解するのが相当

 と判断しました。

 判時の解説には、「本判決は、旧商法266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償債権の消滅時効期間についての最高裁として初めて判断を示したものであり、その趣旨は、会社法423条1項に基づく役員等の任務懈怠責任についても妥当するものと考えられ、実務上重要な意義を有する」(152ページ)と紹介されています。

 判例時報には、5年と考えるべきだとする上告受理申立理由が一部紹介されていました。結論として、最高裁のとるところにはなりませんでしたが、説得力のある上告受理申立理由はかようなものとしておおいに参考になりました。happy01

 クレサラ事件で著明な先生が作成されたようです。 

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2008年5月 7日 (水)

【建築・不動産】 賃借権の目的である土地と他の土地とにまたがって建築されている建物について、借地権設定者が、借地借家法20条2項、19条3項に基づき、自ら当該建築及び賃借権の譲渡を受ける旨の申し立てをすることの許否(最高裁平成19年12月4日)

 判例時報No1996(5月1日)号に搭載された最高裁の判例(平成19年12月4日)です。

 Aさんは、Y所有の土地(本件土地)とこれに隣接するZ所有の土地(本件隣接土地)をそれぞれ賃借し、両土地にまたがって建築されている建物(本件建物)を所有していましたが、本件建物は、競売に付され、Xが、本件建物を競売により買い受けました。

 本件建物の新所有者となったXは、土地所有者に対して、Xへの賃借権の譲渡につき、承諾を求めたところ、Zさんは承諾してくれたものの、Yさんは、承諾しませんでした。

 そこで、Xは、Yに対して、借地借家法20条1項に基づき、裁判所に承諾に代わる許可の申立を行いました。

 これに対して、Yさんは、借地借家法20条2項により準用される同法19条3項に基づき、自ら本件建物の譲渡及び本件土地の賃借権の譲渡を受ける旨の申し立て(優先譲り受けの申立)をしました。

 借地上の建物が、複数の借地上にまたがっている場合や、借地と借地権者の所有地とにまたがって建築されている場合において、またがり建物全体を対象とした優先譲り受けの申立が許されるかについては、見解が分かれていました。

 原々審は、Xが本件土地の賃借権の譲渡を受けることを許可する一方で、Yの優先譲り受けの申立を却下しました。

 Yは、本件隣接土地の賃借権の譲受けをも許可するようその申立を拡張しました。

 原審は、「Yが譲渡を受けることができるのは、Yが賃借権を設定した本件土地上に存する建物部分と本件土地の賃借権に限られる」として、「Yとしては、本件隣地土地の賃借権をYが譲り受けることについてZの承諾等を得ない限り、本件建物全体の譲渡を受ける旨の裁判を求めることは許されないが、Zはこれを承諾していない。よって、Yの申立は不適法である。」として、Yの抗告を棄却しました。

 最高裁も、抗告を棄却しました。

 「賃借権の目的である土地と他の土地とにまたがって建築されている建物を競売により取得した第三者が、借地借家法20条1項に基づき、賃借権の譲渡の承諾に代わる許可を求める旨の申し立てをした場合において、借地権設定者が、同条2項、同法19条3項に基づき、自ら当該建物及び賃借権の譲渡を受ける旨の申立てをすることは許されない」

 「なぜなら、裁判所は、法律上、賃借権及びその目的である土地上の建物を借地権設定者へ譲渡することを命ずる権限を付与されているが(同法20条2項、19条3項)、賃借権の目的外の土地上の建物部分やその敷地の利用権を譲渡することを命ずる権限など、それ以外の権限は付与されていないので、借地権設定者の上記申立ては、裁判所に権限のない事項を命ずることを求めるものといわざるを得ないからである。」

 判時の解説者によれば、「またがり建物についての優先譲受申立が許されるのかという、借地非訟の実務上長年未解決であった法律問題につき、初めて最高裁の判断を示したもの」と紹介されています。

 借地権設定者に対する保護については、賃借権譲渡の許可をする際に、付随処分として、財産上の給付額を高額にしたり、或いは、不利益が大きいことを理由に、賃借権譲渡の許可をしないということで対応できそうです。

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