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2008年3月31日 (月)

【弁護士考】 愛媛弁護士会会務報告書

 昨年度は、新規登録で、8名、登録換(入会)で、3名、逆に、登録換(退会)で、1名、合計12名の弁護士が、愛媛弁護士会の会員になられたようです。

 そのため、愛媛弁護士会の会員は、117名になっています。私が入会した10年ほど前のころは、70人程度だったので、随分増えたものです。

 常議員会などでは、司法修習生送別会修習分負担の件、修習生の懇親会費半額負担を今後検討する件が話し合われたようです。修習生(61期)が全部で28人のようですが、松山で修習生の受け容れ事務所の数を考慮すると、いろんな意味で過大な負担になっていると思います。つい10年ほど前は、わずか、6人程度だったのですから・・・

 また、当番弁護出動状況については、実名入りで、一覧表が作成されていました。

 昨年は、免除者以外の出動されていない方が、松山で、7名ほどおられるようです。今治支部では、昨年は、県の警察関係の委員会を努めている方を除いて、全員が概ね8件以上出動されているようです(7件が1名、8件が3名、9件、10件がともに各1名)(私が7件で最低になっていますが・・・よく出動していると思っていましたが、そうではなかったのですね。  (>_<) )。

 さらに、法テラス関係は、民事法律扶助事件や国選弁護人契約の状況などがいろいろと報告されていたようです。 

 最後に、極めて近い将来、弁護士間や隣接士業間、信託銀行やサービサーなどの企業との間の競争が激しくなることが予想されます。しかし、このような状況の下で、低廉な報酬しかいただけない従来の公益的活動を誠意をもって行うことができるのかどうか疑問を感じています。

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2008年3月30日 (日)

【弁護士研修】 日本交通法学会人身賠償研究会、船井総研経営セミナー

 金曜日午後から上京していました。

 初日は、日本交通法学会主催の、人身賠償補償研究会に出席してきました(場所は日弁連会館17階)。

 東京地裁交通専門部の3人の裁判官が、①同部の最近の判決等についての動向、②後遺障害事案における消滅時効の起算点、③従業員の死傷による企業損害についてというテーマでした。

 テーマ自体は、オーソドックスな内容ですが、解説者の鈴木裁判官は、中大の法職研究室で同室だったことから、懐かしく感じられました。

 なお、民事研究会から、4月中旬ころに、「脳脊髄液減少症の判例と実務」が出版されるようです。副題に、大発見か、暴論かと記載されていることから、現在、同症については、賛否が激しく対立しているところです。

 

 翌日は、船井総研(丸の内)の「大増員時代の地方事務所経営」というセミナーに参加してきました。

 船井総研の出入り口は、こんな感じです。  080329_163601_2

 

 座席表によれば、13人の弁護士が出席し、広島から3名、宮城、兵庫、千葉、埼玉、茨城、群馬、京都、静岡、石川、愛媛から、各1名でした。

 地域で1番の法律事務所になるためのいろんなノウハウを教えてもらいました。内容は、企業 ひ み つ です。

 午後は、地方公共団体の知人とあい、意見交換をしました。

 今日は、井の頭公園に行ってきました。

 井の頭公園の桜は、こんなかんじです。立派ですね。

 080330_110601

 

  満開でした。今日の雨で少しちってしまうかな。

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  ボートも、行列です。

 それから、学生時代過ごした阿佐ヶ谷にもいってきました。

          080330_123301

  駅前に、総合法律事務所がありました。

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  中杉通りも、さわやかな感じです。

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  桜が1本だけ咲いていました。

  学生時代住んでいたマンションも残っていました。

 

 丸善や、八重洲ブックセンター、日弁連地下1階の本屋さんにいってきました。

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2008年3月29日 (土)

【医療事故】 医師の説明義務

 判例タイムズ1260(4月1日)号に、京都地裁の裁判官が執筆された「医師の説明義務」という論文が紹介されていました。

 目次は、

 第1 はじめに

 第2 判例にみる説明義務の範囲

  1 説明義務の類型

  2 生き方の自己決定のための説明義務

    ※エホバの証人事件(最判平成12・2・29)

  3 治療方法選択の自己決定のための説明義務

    (1) 治療方法についての説明義務

    ※乳房温存療法=未確立の治療法の説明(最判平成12・11・27)

    (2) 治療方法が複数あるが、他方は、未確立の治療である場合

    ※乳房温存療法=未確立の治療法の説明(最判平成12・11・27)

    (3) 確立した治療方法が複数ある場合

    ※乳房温存療法の説明(高松高判平成17・6・30)

      帝王切開か経膣分娩かの説明(最判平成17・9・8)

 4 新たな説明義務

    (1) 医療機関の情報提供義務

    (2) 治療の顛末報告義務

 5 今後の問題点 

  田舎弁護士の事務所には、医療事故の相談はほとんどありませんが、医師の説明義務を弁護士の説明義務に置き換えても、興味深いかと思います。

2008年3月28日 (金)

【交通事故】 現在までの外傷性低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)についての裁判例

 外傷性低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)についての裁判例については、このブログでも、少しとりあげさせていただいております。

 昨日、平成20年3月27日発行の自動車保険ジャーナル(第1727号)が届き、低髄液圧症候群に関する裁判例4例(消極3例、積極1例)が紹介されていましたので、追加させていただきます(詳しい内容は自保ジャーナルにあたって下さい。)。

 積極的判例

 (地裁判例)

 ① 横浜地裁・平成20年1月10日 自保ジャーナル第1727号(控訴中)

 (概要)

 ①の裁判例は、乗用車を運転して交差点を直進中、対抗右折乗用車に追突され、頭部打撲等から低髄液圧症候群を発症したとする事案です。裁判所は、被害者に、激しい起立性頭痛等があり、副作用の強いホルモン剤等服用しても改善しませんでしたところ、ブラッドパッチ療法で仕事ができるまで改善されたことなどから、原告は本件交通事故後に低髄液圧症候群に罹患したと認定、17ヶ月後に治癒したと認められた事例です。現在、控訴されているようです。

 

 消極的判例

 (地裁判例)

 ① 岡山地裁・平成17年1月20日 交民38巻1号107頁

 ② 神戸地裁・平成17年5月17日 交民38巻3号681頁

 ③ 横浜地裁・平成17年12月8日 交通事故判例速報478号

 ④ 横浜地裁・平成18年9月24日 自保ジャーナル1692号

 ⑤ 前橋地裁桐生支部・平成18年12月25日 自保ジャーナル1676号

 ⑥ 福岡地裁・平成19年5月17日 自保ジャーナル1692号

 ⑦ 横浜地裁相模原支部・平成19年6月26日 自保ジャーナル1698号

 ⑧ 福岡地裁田川支部・平成19年10月18日  自保ジャーナル1713号

 ⑨ 東京地裁・平成19年11月27日  自保ジャーナル1717号 

 ⑩ 大阪地裁・平成19年3月14日   自保ジャーナル1717号

 ⑪ 東京地裁・平成20年2月28日 自保ジャーナル1727号(控訴中)

 ⑫ 横浜地裁・平成20年1月30日 自保ジャーナル1727号

 ⑬ 神戸地裁・平成19年4月26日 自保ジャーナル1727号

 (概要)

 ⑨の裁判例は、日本神経外傷学会が組織した頭部外傷に伴う低髄液圧症候群作業部会の中間報告の示した診断基準が最新かつ国際頭痛分類の診断基準をふまえた客観性を有する見解であると指摘し、同基準の概要は、

 前提基準として、起立性頭痛又は体位による症状の変化があること、

 その基準に該当した場合に、

(1)造影MRIでびまん性の硬膜肥厚増強、

(2)腰痛穿刺にて低髄液圧の証明 

(3)髄液漏出を示す画像所見

のいずれかを満たすことで、低髄液圧症候群と診断し、

 更に、外傷性と診断するための条件として、

 外傷後30日以内に発症し、外傷以外の原因が否定的であること

を満たすことが必要と判断しました。

 そして、当該事案においては、これらの要件を欠き、外傷性低髄液圧症候群について、否定しました。

 ⑩の裁判例は、判旨自体はさらりとその理由を述べているに過ぎませんが、それ故に汎用性のある判例ともいえます。

 原告の脳脊髄液減少症の後遺障害に対する主張に対しては、

 まず、脳脊髄液減少症は未だ病態や診断基準が確立されていない疾病であるため、その認定にあたっては慎重に行う必要があるとして、

 (1)脳脊髄液減少症の特徴的な症状である起立性頭痛や特徴的な所見である硬膜下腔の拡大、小脳扁桃の下垂などを認めるに足りる証拠はないこと

 (2)RI脳槽脊髄腔シンチグラフィでの早期の尿中集積所見や、MRミエログラフィによる胸椎部での高信号の所見については、診断基準に採用することに批判的な立場もあることに鑑みれば

 現状においては、原告が脳脊髄液減少症に罹患したと認めることはできない」と判断しました。

  ⑪の裁判例は、乗用車を運転、停車中に乗用車に追突されて、頸椎捻挫等から低髄液圧症候群を発症したと主張される29歳男子につき、頭痛訴えが事故1年4か月までに1回であり、国際頭痛学会の低髄液圧症候群からも耳鳴りの訴えが1年4か月後であり、典型的症状の起立性頭痛がなく、原告が低髄液圧症候群を発症したと認めるに足りる証拠はないとして否認されました。

 原告は、医師が、(1)原告が本件事故後により難治性の後頸部痛及び頭痛が持続し、平成15年10月23日の初診時にも、上記症状を訴え、夕方になると症状が悪化すると訴えたこと、(2)頭部造影MRIにより円蓋部での大脳の下垂及び小脳扁桃の下垂が認められたこと、(3)同年11月25日でのRI脳槽シンチグラフィーにより髄液の腰部での早期漏出が認められたことを根拠に、低髄液圧症候群であると確定診断されたことを理由に、低髄液圧症候群を主張していました。

 ⑫の裁判例は、自転車を押して歩行横断中、停車しようとした乗用車に軽く衝突されて転倒、腰部打撲等から約1年の症状固定後低髄液圧症候群を発症、12級神経障害を残したとして主張された案件です。裁判所は、発症は、2年後であり、特徴的な症状である継続的な頭痛がほとんどない他、更年期障害、心因的症状の重複で、低髄液圧症候群は本件事故との因果関係はないと否認しました。

 ⑬の裁判例では、裁判所は、7歳男子の低髄液圧症候群等は頭を打っておらず、3日後運動会参加、バットで頭部打撲等から原因不明とし事故との因果関係を否認しました。

 

 (高裁判例)

 消極的判例

 ① 福岡高裁・平成19年2月13日 判例時報1972号、自保ジャーナル1676号、交通事故判例速報489号

  (概要)

 ①の裁判例は、 (1)追突事故により低髄液圧症候群、外傷性脊椎髄液漏の傷害を受けたとの被害者の主張について、ⅰ右傷害の最も典型的な症状である起立性頭痛が見られないこと、ⅱブラッドパッチ療法では症状が余り改善しなかったこと、ⅲRI脳槽造影では脊椎髄液漏の所見が見出せなかったことなどを理由に、被害者に脊椎髄液漏があるとするにはなお合理的な疑問があるとして、その主張を認めなかったものの、

 (2)被害者主張の治療費のうち、低髄液圧症候群の関係の治療費は事故と因果関係が認められない筋合いではあるが、低髄液圧症候群との診断をし、その治療をしたのは医療機関側の判断と責任によるものであるから、被害者が現にその関係の治療を支払っている以上、それを安易に減額することは相当ではないとして、被害者の主張する治療費のほぼ全額を損害と認めたものの

 他方で、(3)右被害者の頸椎捻挫の症状が長期化した背景には、本人の心因的要素があると考えざるを得ないとして、損害の公平負担な観点から民法722条を類推して、その損害のうち治療費と文書料を除いた額の50%を減ずるべきとしました。

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2008年3月27日 (木)

【法律相談】 法律相談のご案内

 相談対応日は、原則として、月曜日から金曜日ですが、弁護士がいる場合には、土曜日も対応できます。

 相談対応時間は、①午前10時30分から11時15分、②11時15分から正午、③午後2時から2時45分、④2時45分から、3時30分、⑤3時30分から4時15分、⑥4時15分から5時までとなっています(1日6コマ)。

 相談料金は、個人の場合には、45分まで5000円(外税)、以降15分ごとに、2500円(外税)、法人の場合には、個人の倍額となっています。

 なお、当事務所では、顧問先様及び受任事件のお客様以外は、原則として、電話による相談は一切受けていませんので、直接、事前予約の上、ご来所していただけますよう宜しくお願いします。また、顧問先様以外は、時間外のご相談は一切受けておりませんので、相談対応時間内にてお願いいたします。<(_ _)>

 

2008年3月26日 (水)

【交通事故】 後縦靱帯骨化症

 最高裁の、いわゆる後縦靱帯骨化症判決(平成8年10月29日)及びいわゆる首長事件判決(平成8年10月29日)からは、身体的特徴にとどまらず、「疾患」といえる場合には、斟酌の対象となる素因というべき基準が導かれています。

 後縦靱帯骨化症とは、頸椎椎体、頸間板の後方にあり、脊柱管の前壁をなす後縦靱帯が、肥厚、骨化して、脊髄を緩徐に圧迫して、脊髄症状を引き起こす疾患です。

 有病推定率は、人口10万対6.33人であり、厚労省指定の難治性疾患の1つです。

 前述の最高裁は、後縦靱帯骨化症を疾患として扱っており、①加害行為前に疾患に伴う症状が発現していたかどうか、②疾患が難病であるかどうか、③疾患に罹患するにつき被害者の責めに帰すべき事由があるかどうか、④加害行為により被害者が被った衝撃の強弱、⑤損害拡大の素因を有しながら社会生活を営んでいる者の多寡等の事情によって左右されるものではないと判示して、

 被害者の罹患していた疾患が被害者の治療の長期化や後遺障害の程度に大きく寄与していることが明白であるから、素因減額されるべきだと判示しました。

 「ちょっと酷いんじゃない」cryingという気がしますが、最高裁の判例なので、どうしようもありません。

 但し、その後の下級審判例の中には、後縦靱帯骨化症という理由だけでは、素因減額を認めなかったものもあるようなので、被害者側の弁護士は、平成8年最高裁以降の素因減額を認めなかった裁判例を集めて、反論していく必要があると思います。

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2008年3月25日 (火)

【消費者法】 アエル 民事再生

 アエルが、24日、東京地裁に民事再生法の適用を申請しました。

 アエルは、田舎弁護士が取り扱っている任意整理で、比較的よく相手方になる貸金業者であり、現に、訴訟中、交渉中の案件を、複数件抱えています。

 同社は、もともと、過払い金への対応は経営難を理由に消極的でしたが、一度、会社更生手続を経由していることや、外資のファンドの支援を受けていたことから、こんなに早期に法的整理を選択するとは、思いませんでした。

 昨年は、クレディアが民事再生法の適用を申請していますので、大手の貸金業者は、2件目となります。

 貸金業者を取り巻く環境は、依然と厳しいようです。

 他方で、過払い金の返還を求めて、田舎弁護士の所にまで、ご相談に訪れる方も、少なくありません。

 ところが、同社だけではなく、他の貸金業者も、2年くらい前から、過払い金元本の2割提示、或いは、分割提示をしてくるところも、少なくありません。

 依頼者の方の中には、示談すれば、全額示談した金額は返還されると考えておられる方が少なくありません。

 しかし、倒産してしまえば、示談しているからといって、全額返還されることはまずありません。この点を、改めて十分に説明しておく必要がありそうです。

 いずれにしても、過払い金の返還請求の検討は、急がれた方がいいようです。倒産や廃業してしまうと、結果的に、早い者勝ちということになりかねません。

 また、私の事務所でも、昨年と異なり、今年は、過払い金が発生している案件は、大きく減少しているような印象を受けています。受任しても、負債が残るケースが急増しています。この地方でも、いわゆる「過払いバブル」は弾けてしまったのかもしれません。平成20年は、平成2年的な雰囲気が漂います。私だけの印象かもしれませんが・・・ 

 取引履歴をきちんと開示してくる業者が過払い金の返還で経営の危機に陥り、他方で、開示について誠実に対応しない業者が生き残るというのは、不公平な気がいたします。

 前者の場合には、ある程度のところでの譲歩も必要になってきているのかもしれません・・・

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2008年3月24日 (月)

早いもんだな もう10年か

 JTBから、司法研修所第51期10周年記念大会の案内が送られてきました。いや、はやいものです。研修所を卒業して、10年たつのですね。

 まだまだ新人弁護士のような気分でいましたが、裁判官だったら、判事補の補がとれる所まできてしまいました。

 9月6日から9月7日にかけて、熱海後楽園ホテルというところで、記念大会を開催するみたいです。

 卒業して10年経過しましたが、弁護士としてどれほど力をつけたのか、不安がいくばくか残るところです。

 いい刺激になると思うので、出席を検討しています。

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2008年3月23日 (日)

【弁護士研修】 弁護士知財ネット四国地域会

 昨日、松山で、弁護士知財ネット四国地域会が開催されましたので、出席いたしました。

 愛媛でも、数名の弁護士が弁護士知財ネットの会員になっていますが、私は、全く、知財ネットに貢献していないため、高松のT先生には、いつも申し訳なく思っています。また、今回、愛媛ということで、主催会場の準備も私が担当しなければならなかったのですが、松山のN先生にご迷惑をおかけすることになりました。

 数年前に、大阪と東京で、2回、日弁連法務研究財団主催の知財研修を受けたのが、弁護士知財ネットに加入したきっかけでしたが、それ以降、事件受任ばかりか相談もないため、知財の知識は、次第に、私の脳の中では、蜘蛛の巣がはってしまうに至っているわけです。

 今回、伊原先生の知的財産権の保護ー主として表示に関する知的財産権についてーというテーマで、3時間の内容の濃い研修を受講させていただきました。

 類似判断の基準など、懐かしい論点が記憶の片隅からよみがえり、脳内の蜘蛛の巣が少しとれたような気持ちになりました。

 さりとて、田舎弁護士には知財の相談は全くといってほどないため、強制の契機がなく、集中的に勉強するには至っておりません。

 そのため、現在集中して勉強しているのは、4月からの顧問となる建築士さんの会社のために、建築基準法関連の勉強と、それから、交通事故案件が多い(被害者、損保側双方含みます。)ため、交通賠償関連の勉強の2本立てです。

 田舎だとどうしても、各分野の理解は、広く、浅くということになりがちですね。また、男女関係heart03の事件が多いですが、この種の事件は、知識よりも経験が重要かもしれませんね。

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 ところで、ここ数日、mixiを経由したご訪問者が急増しているみたいです。あ~会社法、平成17年度司法試験基礎講座新保クラス 行政法、 新司法試験 選択科目速習完成 労働法、民事執行法・民事保全法基礎講義など、勉強関連の日記を読んでおられるようです。読者が、弁護士なのか、司法修習生なのか、はたまた、ロー生なのか、気になるところですが・・・

 もし、何かよいテキストや通信講座をご存じであれば、是非、ご教示していただければと思うのですが・・・happy01

2008年3月22日 (土)

【医療事故】 強直性脊椎骨増症の患者に頸椎骨切除手術を実施したところ、手術部位の出血が凝血塊となり反回神経を圧迫麻痺させ、呼吸困難となって患者が死亡した場合に、医師には、手術後の呼吸管理を怠った過失があるとして、病院側の損害賠償責任が認められた事例(名古屋地裁・平成19年1月31日)

 判例時報No1992(3月21日)号搭載の裁判例です。

 太郎さんは、平成15年8月11日、呼吸苦を訴えて、Y病院を受診したところ、椎体の骨性病変が認められ、強直性脊椎骨増殖症(ASH)と診断されました。

 ※ASHとは、強直性脊椎炎などの一次性の原因がなく、脊椎靱帯とくに前縦靱帯骨化を来す疾患であって、前縦靱帯の骨化が進行すると、嚥下障害、嗄声等の症状が発症するとされる病気です。

 平成15年11月7日、太郎さんは、Y病院に入院し、11日、頸椎骨切除手術を受けました。

 ※頸椎骨切除手術とは、気管及び食道を圧排していた第三頸椎から第七頸椎の隆起した巨大骨塊をノミで削り落とし、出血部位をボーンワックスで可及的に止血した後、ペンローズドレーンを創部に留置する手術。

 ところが、手術部位の出血が凝血塊となり、これがその周辺の反回神経を圧迫、麻痺させ、声帯が閉塞したことにより、呼吸困難が生じ、死亡するに至りました。

 そこで、太郎さんの遺族が、①術後に適切な経過観察をしなかった、②呼吸困難となった際に迅速に気道確保をしなかった、③術後に適切なドレーンを選択しなかったなどの過誤があったとし、Yに対して、不法行為又は債務不履行に基づく損賠賠償を提訴しました。

 名古屋地裁は、

①太郎の死因は、手術部位の出血が凝血塊となり、これがその周辺の反回神経を圧迫、麻痺させ、声帯が閉塞したことにより、呼吸困難が生じ、死亡した

②手術部位の凝血で反回神経を麻痺させ、声帯が閉塞して呼吸困難が生じることは、総合病院の医療従事者にとっては、予見可能性が存在したと判断される

太郎の血圧が上昇し、体動が激しく、痰を吸引できない状態になったとしても、術後の通常の不穏と即断し、呼吸困難に対応する措置を講じなかったのであるから、経過観察において、注意義務を懈怠した過失がある

④呼吸困難となった際、直ちに気管内挿管が気管切開できるように準備し、容態が急変した際、これらの措置を講じていれば、救命できた蓋然性が高いというべく、右経過観察義務懈怠と太郎の死亡との間には因果関係が認められる

 と判断しました。

 判例時報の解説によれば、外科的手術後の患者の容態観察、管理の過誤については、分娩後の産婦に対する観察、管理を始め、裁判例としては少なくないようです。

 医療事故については、判例時報でも比較的よく紹介される種類の裁判例ですが、医学的な知識や医者の協力が必要であるため、一般的なマチ弁ではなかなか対応が難しい種類の相談になります。

 私の場合、損保会社からの依頼事件(交通事故)が多いため、整形については多少勉強しましたが、医療過誤ということになると、分野が広いため、大変です。

 現状としては、医療過誤を積極的に取り扱う弁護士に依頼された方が無難でしょう。

 日々日々、仕事に邁進し、また、研修を怠らないということですが、家に帰ると、疲れているため、なかなか勉強がはかどりません。

 今日午後から、弁護士知財ネット地域会(四国ブロック)が松山で開催されるため、幽霊理事の私も、一応出席する予定です。講師は、弁護士の伊原友己先生です。伊原先生は、日弁連法務財団の知財ゼミで大変お世話になりました。再会は、4年ぶりです。知財の知識も、あれ以来、まともに勉強していないため、かなり喪失しているのではないかと思い、びくびくです。

 また、4月から、建築士さんの会社の顧問に就任します。建築基準法や都市計画法なども、改めて、基本から勉強し直す必要がありそうです。

 弁護士一人では全部の対応に手が十分廻りませんね。

 人当たりの良い、勉強熱心な新人弁護士さんがきてくれればありがたいですが・・・ 

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2008年3月20日 (木)

【消費者法】 消費者金融も経営大変みたいです。

 本日付の日本経済新聞に、地元の事業向け金融機関が、過払い金の返還で業績が悪化しており、経営の立て直しを図るために、本社ビルを売却するという記事が載っていました。building

 この会社は、本社が松山にある金融機関であるため、田舎弁護士の債務整理でも、結構、相手方となる比率が高い会社になります。この会社は、他社に売却した消費者部門(この部門を譲り受けた会社は過払い金返還について厳しい姿勢をみせています。)以外の事業者部門については、仮に、負債が残っても比較的好意的に対応していただけ、また、過払い金が発生した場合でも、やはり比較的好意的に返還に対応していただけていました。

 ところが、最近になって、過払い金の返還に応じていただける金額が、従来とは大幅にダウンした金額を提示されるようになり、心配していたところです。

 また、外資系の会社が、消費者金融部門である子会社を売却するため、24日、入札を実施する記事も載っていました。これも過払い金の返還及び貸金業者への規制が大幅に強化されることから、消費者金融事業への先行きは厳しいと判断し、売却する方針を固めていたようです。

 同社も平成5年10月以降の新規取引の場合には、現在、比較的好意的に対応してくれていますが、売却後は、会社の方針が変わるかもしれません。

今から思えば、6、7年前までは、過払い金の返還といっても、年に数件依頼がある位でした。3,4年前から、過払い金がマスコミなどで報道されるようになってから、過払い金の相談が急増し、また、取引履歴開示義務を認める最高裁判例がでてから、過払い金返還が以前と異なり劇的にやりやすくなりました。

 私が開業した約10年近く前は、業者に取引履歴の開示を求めても、まともに対応していただける会社は少なく、また、過払い金返還についての書籍も少なかったことから、全くの手探りで処理してきたものです。pencil

 最近では、大量に過払い金返還請求を扱う事務所も少なくなく、また、裁判所でも、わ号事件(地裁の一般民事事件)の相当多くの部分を過払い金返還請求が占めるようになりました。

 急増した過払い金返還のため、高金利業者の体力は落ちる一方で、廃業したり倒産するような所も増えています。

 いずれにしても、過払い金返還は時間がたてばたつほど、やりにくくなると思います。crying

 私の事務所でも、弁護士に頼めば、簡単に、過払い金の返還を受けられると考え、相談にこられる方がいますが、それは、3年前の話です。

 高金利業者と長期間取引があり、過払い金の返還や負債の減額を考えている方は、一度、思い切って、できるだけはやく、近くの弁護士(わからなければ、弁護士会に)に相談してみてください。 happy01 

2008年3月19日 (水)

【消費者法】 悪質電話機リース

 新たに、カテゴリータイトルを設けることにしました。題して、「消費者法」です。

 2008年1月の消費者法ニュースNo74に、悪質電話機リースについて、大変参考になる記事が紹介されていました。

 特定商取引法第26条1項1号は、事業者の場合を適用除外しています。

 私の事務所でもそうですが、電話代が安くなるなどと言って、電話機リースを執拗に勧める電話がかかってきたり、訪問されたりというケースは少なくありません。

 また、余りにも執拗なため根負けしてリース契約を締結したものの、一向に電話代は安くならず、かえって、リース料の負担のため、かえって、支出が増えたというご相談もありました。

 電話機リースは、零細自営業者がターゲットにされることが多いです。それは、一見、事業者であれば、適用除外とされ、クーリングオフができないように見えるからです。

 広島地裁平成19年7月20日は、電話機(複合機)のリース契約の料金請求裁判において、宗教法人である被告は、営利を目的としない宗教法人であり、営業のため又は営業として取引を行うことは通常ありえない等を理由に、クーリングオフを認め、請求を棄却しました。

 また、名古屋高裁平成19年11月19日も、電話機器のリース契約で、クーリングオフを主張して支払ったリース料の返還を請求した事件について、複数の従業員がいることを想定したオフィス向けの電話機器を本人が営業のために締結したとは認められない等を理由に、特定商取引法26条1項の適用除外規定に当たらないとして、原判決を破棄して請求を破棄しました。控訴審では、一人で手作業を行う零細業者と一般の消費者と同程度に保護されるべきだとしたわけです。 

2008年3月18日 (火)

【訃報】 浮穴政成先生 

 浮穴政成先生が交通事故でお亡くなりになっているのを、新聞報道で知りました。

 浮穴先生は、私が小学校の時の校長先生でしたが、かなり個性の強い先生だったので、随分昔の話ですが、よく覚えています。

 先生は、自然科学、特に植物学に造形が深く、オオオニバスという、南米アマゾン原産のスイレン科の植物で、直径一・五メートル以上にもなる浮葉と、甘い香りを漂わせる花を、高知県立牧野植物園から種を譲り受け、県内で初めて栽培に成功させたことでも、有名です。

 校長室の前は、多種多様な観葉植物だらけで、特に、大きなウツボカズラがわんさと元気いっぱい育っているのを見て、子どもながらも、怖さと好奇心で、校長室の前を通ったりしていました。

 先生はいかめしい表情をされていたため、子どもたちは、校長先生の前に出ると、緊張の余り、がちがちになっていたものです。

 とはいっても、稲刈りなどの行事は、先生が率先していろいろ準備をされていた姿を懐かしく思い出します。植物の名前などや特徴など丁寧に教えていただきました。

 退職後も、時折、愛媛新聞などで、お名前を拝見することがあり、元気でおられると思っていたのに、大変残念です。

 私が弁護士登録した後に、先生から、お葉書をいただいたことがあります。随分昔のことなのに、覚えてくださっていたのかと思い、びっくりしました。

 ご冥福をお祈りいたします。 

2008年3月17日 (月)

【金融・企業法務】 継続的貸借取引により生じた過払金返還請求権の消滅時効

 旬刊金融法務事情1829号(3月15日)号の、リーガルナビにて紹介されていた裁判例です。

 事案は、以下のとおりです。

 Yは貸金業者であり、Xは、Yとの間で基本契約を締結し、昭和58年5月7日以降、継続反復的に金銭の借入と返済を行っていた。Xの最終借り入れ日は、平成11年7月30日であり、最終返済日は、平成18年4月7日です。

 平成18年7月26日、Xは、Yに対して、過払金返還請求訴訟を提訴しました。

 これに対して、Yは、訴え提起から遡って10より前に発生した過払金返還請求権については、消滅時効が完成していると反論しました。

 広島高裁松江支判は、本訴提訴の10年前である平成8年7月26日以前の弁済によって生じた不当利得返還請求権については、時効により消滅していると判断しました(平成19年9月5日)。

 消滅時効の起算点については、以前、判タで、名古屋地裁の裁判官が執筆した論文(業者より)が思い出されますが、今回の裁判例も、業者よりの判決になっています。

 上告及び上告不受理の申立がされましたが、最高裁では、いずれも取り上げられていません。

 継続的取引における過払金の消滅時効の起算点については、いつも悩むところであります。

 ① 過払金が発生する都度、消滅時効が起算するとされる説

 ② 取引終了日

 ③ 最終貸付日

 ④ 取引履歴開示日(或いは提訴日)

 主要なものとしては、この4説がありますが、リーガルナビの解説者は、①説に親近感を覚えておられるようです。

 この論点について、将来、最高裁がどのような判断を示すのか緊張感をもって見守りたいと思います。

 クレサラを扱う実務的な感覚としては、②説で運用されているのではないかと思いますが。

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2008年3月16日 (日)

【金融・企業法務】 消費者金融業者が消費者より利息制限法所定の上限利率を超えた利息による過払金を受領する行為を違法として、消費者の金融業者に対する損害賠償請求が認容された事例(神戸地裁平成19年11月13日)

 判例時報平成20年3月11日号(No1911)号に、ついに、搭載されました。

 不法行為による損害賠償請求を予備的として構成した事案ですが、神戸地裁(合議)は、この構成を認めました。

 本件取引開始時においては貸金業法はいまだ施行されておらず、かつ、同法附則6条1項によると、貸金業者がこの法律施行前に業として行った金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約に基づき、この法律の施行後に、債務者が利息として金銭を支払ったときは、当該支払については、43条1項及び2項のみなし弁済の規程は適用されないから、本件取引にみなし弁済の規定は適用されないこと、

 Yは約定金利として、昭和56年の取引開始当初は年利47.45%、59年11月28日以降、元利金が完済された60年6月以降も、年利にして39,5%もの違法な利息の支払いを求めて受領し、最終弁済がなされた平成2年9月当初においても年利36%を超える高利であったこと

 利息制限法1条2項及び4条2項に関しての判例が同法所定の上限利率を超える利息及び損害金が支払われた場合に、その超過利息等は元本に充当され、元本完済後に支払われた弁済金については、不当利得として返還を求めることができるとの規範を採用し、それが法規範として通用していたことも貸金業者にとっては公知の事実を認められること

 これらの事実によると、YがXより過払金となる弁済金を受領する行為は、Xの無知に乗じ、適法に保持し得ない金員を収受するものというべきであるから、社会的相当性を欠く違法な行為であるとして、XのYに対する不法行為に基づく損害賠償請求は相当であると判示しました。

 不当利得構成(主位的請求)については、本件取引は平成2年9月6日に終了しているから、遅くとも平成12年9月5日の経過をもって全て時効消滅しているとされています。

 不法行為だと、除斥期間は20年なのでセーフというわけです。

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2008年3月15日 (土)

【交通事故】 車両盗難された場合の保険金請求における立証責任

 民事法研究会から、「保険被害救済ガイドブック」が出版されました。

 損害保険・生命保険に関連するトラブルの実務家向けの入門的なテキストです。

 車両保険金請求事件については、近時、最高裁判例がいくつか出されていますが、Q12では、非常にうまく整理して書かれています。

 ①車両の水没が保険事故に該当するとして本件条項に基づいて車両保険金の支払いを請求する者は、事故の発生が被保険者の意思に基づかないものであることについて主張立証すべき責任を負わないというべきである(最高裁平成18年6月1日判決

 ②車両の表面に傷つけられたことが保険事故に該当するとして本件条項に基づいて車両保険金の支払いを請求する者は、事故の発生が被保険者の意思に基づかないものであることについて主張立証すべき責任を負わないというべきである(最高裁平成18年6月6日判決

 この①及び②の案件については、自家用自動車総合保険(SAP)の車両保険約款が規定されていた。すなわち、支払事由として、「衝突、接触、墜落、転覆、物の飛来、物の落下、火災、爆発、盗難、台風、こう水、高潮その他偶然な事故によって被保険自動車に生じた損害」と規定されており、「保険金を支払わない場合」としては、保険契約者らの故意によって生じた損害などをあげています。

 水没事案や損傷事案以外の、例えば、盗難事案についても、故意の立証責任は、保険会社側にあるのでしょうか?

 SAPの場合でも、盗難事例の場合には、立証責任は、保険会社にはないとする見解

 或いは、盗難分離型約款の場合には、立証責任は、保険会社にはないとする見解

 が一応考えられます。

 しかし、最高裁平成19年4月17日は、盗難分離型約款の場合、車両保険金の支払いを請求する者は、

 被保険者以外の者が被保険者の占有に係る被保険自動車をその所在場所から持ち去ったという外形的な事実を主張立証すれば足り、

 被保険自動車の持ち去りが被保険者の意思に基づかないものであることを主張立証すべき責任を負わないとしました。

 盗難分離型約款の場合にもSAP同様に盗難を含んだオールリスク車両保険であると解釈したわけです。

 そして、最高裁平成19年4月23日は、盗難の外形的な事実として、被保険者の占有に係る被保険自動車が保険金請求者の主張する所在場所に置かれていたこと、及び、被保険者以外の者がその場所から被保険自動車を持ち去ったことを保険金請求者が主張立証しなければならないと判断しました。

2008年3月14日 (金)

【交通事故】 中央分離帯への衝突死は飲酒検査はないが、飲酒による運転機能低下と外部要因のない衝突等から酒酔い免責を許容した(名古屋高裁平成20年2月6日)

 自保ジャーナルNo1725(3月6日)号搭載の裁判例です。

 28歳男子会社員のAさんが、平成16年10月2日午後11時ころ、自己の送別会に乗用車を運転して参加して、飲酒後愛知県下の片側2車線道路の中央分離帯に衝突して死亡したため、両親が、自損事故傷害保険金を求めて、保険会社を相手に提訴しました。

 保険約款は、酒に酔って正常な運転ができないおそれのある状態で自動車を運転した事故を免責としています。

 ただ、酒に酔って正常な運転ができないおそれのある状態とは、単なる飲酒や酒気帯びではなく、酒酔い運転までの程度に達していることが必要とされています。

 しかし、酒酔い運転までの証明が難しい場合が多く、私も保険会社から同種の案件の依頼を受けたことがありますが、裁判の結果、残念ながら、有責とされてしまうことが少なくありません。

 特に、死亡事案はアルコール検査を行われないことも多く、なおさらです。

 今回の名古屋高裁は、少量の飲酒で運転機能は低下すること、外部的要因が他になく、ブレーキ痕もないことから、1審判決を取消、無責と判断しました。

 体内アルコール保有値等が必要であるとすることは相当でないと判断し、この種の酒酔い運転を巡る保険金請求事件について、一定の配慮をしたものとして、評価できそうです。

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2008年3月13日 (木)

【金融・企業法務】 投資信託は可分債権?

 旬刊金融法務事情No1828(3月5日)号のリーガルナビに、相続預金等の支払事務の論点というテーマで、興味深い裁判例などが紹介されていました。

 それは、大阪地判平成18年7月21日(確定)が、投資信託(MMF、MRF)を可分債権と認め、複数の相続人のうち、1名が自己の法定相続分に従い、取扱い窓口である証券会社に対し、単独で、解約、払戻請求できる旨、判示しました。

 解説者の方(銀行家)によれば、預金については可分債権であり、複数の相続人の内の1人が、自己の法定相続分に従い銀行に対して支払請求が可能であることは確立された判例であり、実務もこれに従った取扱が定着(※)していると思われるが、投資信託を複数の相続人が相続した場合、そのうちの1人からの請求には応じない銀行が多数派と思われると説明されています。

 私個人の経験としては、預金の場合でも、実際には、今治地方での取扱は、まだまだ定着しているとまでは言い難いと思います。都会では定着しているのかもしれませんが・・・

 投資信託なんて、なおさらだろうなあ。

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2008年3月11日 (火)

【金融・企業法務】 3回にわたり締結された手形貸付取引約定に基づく継続的な貸付が1個の基本契約に基づく一連一体の取引であるとして過払金の充当計算がされた事例(福岡高判平成19年9月27日)

 判例タイムズNo1258(3月1日)号に掲載されている裁判例です。

 平成7年7月に貸金業者との間で手形貸付取引約定(基本契約1)を交わし、同9年5月にも同様の手形貸付取引約定(基本契約2)を交わし、同11年9月にも同様の約定(基本契約3)を交わして、継続的に融資を受けていた事案です。

 裁判所は、

 控訴人(※貸金業者)も破産会社も、基本契約2及び3の締結に格別の意味を見いだしていたとは認められず、単に、第1取引群の最後の取引との間に10か月余の期間が経過したことから基本契約2を締結し、同じく第2取引群の最後の取引との間に1年半もの期間が経過したことから基本契約3を締結したにすぎず、基本契約1或いは同2が存在するにもかかわらず、これとは別個の新たな基本契約を締結しなければならないと認識していたとは考えられない。

 新たに基本契約2及び3を締結しても、同1及び2を合意解除するでもなく、そのまま放置していたことは、基本契約の締結そのものに対する控訴人の認識の低さを物語るものであり、被控訴人が控訴人側から入手した取引履歴において全部の取引が一連の取引として記載されていることも、控訴人の認識が上記のようなものであったことを裏付けるものである。

 そうすると、本件取引は、全体として1つの基本契約に基づき繰り返された一連一体の取引であるとみるべきである

 と判示しました。

 基本契約が外見上、複数ある場合であっても、一連一体のものとして判断された事例で、大いに参考になるものです。

 今回の判例タイムズは、「陳述書の活用について」として、さいたま地裁の裁判官が執筆された研究論文がのっていました。

 その中で、証人尋問の予定のない者の陳述書などの扱いについて詳しく書かれていました。

 依頼人がおびただしい陳述書を持参して、これを全部裁判所に出して欲しいと頼んでくる時があります。

 この場合には、「陳述者は、証人尋問を受ける覚悟がありますか?覚悟があれば出せます。相手方から証人申請してくるかもしれません。文書は出してもいいが、証人はいやだという書面は、出しても信用してくれませんから、出しません。」と説明していますが、ぶつぶつ言われる方が少なくありません。

 また、弁護士の中には、証人尋問の予定のない陳述書を漫然と提出してくる方がいます。

 研究には、「そのような陳述書が一人歩きしないよう、相手方代理人としては、当該陳述書の提出に対し異議を述べて、その信用性には疑義があるので、裁判所においてそのことに留意すべきである旨を弁論調書に記載するよう求めたりするのがよいと思われる。」とご解説されています。

 なるほど pencil

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2008年3月 9日 (日)

士業のサービス

 士業といってもいろいろありますが、思いつくものとして、弁護士、公認会計士、司法書士、弁理士、税理士、弁理士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、社会保険労務士、建築士などあります。

 司法書士や調査士、建築士は、マイホームを購入する際にお世話になることが多いことから、もっとも身近な士業といえるでしょう。

 会社を経営されている方は、税理士や社会保険労務士にお世話になることが多いでしょう。

 大きな会社では、公認会計士や弁理士にお世話になることも少なくありません。

 昔と異なり士業もサービス業の1つに過ぎなくなっていることから、都会では、各士業のHPも広告効果を期待してか、かなり派手、いや、内容の濃いものが少なくないように思われます。

 他方、地方では、士業のHPは、圧倒的に少なく、市民と士業の敷居は高いままのところが少なくありません。

 例えば、税理士さんのHPも、まだ今治でも3件くらいのようですし、また、依頼する際の目安となる料金表などを記載しているのはなかったようです。

 また、都会の士業のHPでは、どのようなサービスを提供できるのかについて事細かく説明されていますが、地方のHPでは、(当事務所含めて)まだまだ不十分のようです。(^_^;)

 地方では、士業については情報が乏しいため、実際に依頼しなければ、その「先生」の力量をはかることができません。

 今治関係では、(実働6人程度の)弁護士のHPは4つ開設されており、松山では見あたらず、大洲で1つ開設されていることから、弁護士のHPについては、今治は、かなり先進的かもしれません。

 ただし、広告だけ派手でもサービスの内容が伴わなければなりませんが、全く情報のないまま、ご相談やご依頼されるのは、正直、ご相談者にとっては不安感が多いのではないかと推察されます。

 HPはこのような不安感を少し取り除く効果が期待できます。

 既得権益であぐらのかくようなことなく、地域でone番のサービスが提供できるよう精進していきたいと思います。happy01

 ただ、現在、風邪でダウンしています。crying

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2008年3月 5日 (水)

【裁判】 私道の敷地所有者が設置した鉄柱、看板により、平穏な生活を送る人格的な法益を侵害するとして、私道に接する建物所有者の敷地所有者に対する鉄柱・看板の撤去請求が認容された事例(東京地裁平成19年2月13日)

 判例時報No1990(3月1日)号搭載の事案です。

 Yさん所有の私道の前に、敷地を有するXさんが、Yさん相手に、鉄柱や看板などを撤去するよう請求した事案です。

 鉄柱・看板などの状況は、以下のとおりです。

 ① 禁止文言が記載されている本件鉄柱等が、Xさんが所有又は利用している建物の前にのみ設置されていること weep

 ② わずか11メートル59センチの間に合計14個にのぼる鉄柱、看板、可動式コーンが間をおかず設置されており、そのそれぞれに禁止文言が記載されていた crying

 東京地裁(平成19年2月13日)は、結論として、平穏な生活を送る人格的な法益を侵害するとして、Xさんの請求を認めました。

 東京地裁は、また、Xさんの精神的苦痛は多大と評価しています。慰謝料請求をしていれば、認められたかもしれませんね。

 いずれにしても、土地の所有者だからといっても、程度が過ぎたことはできないということのようです。

 控訴されているようですので、高裁がどのように判断するのか、知りたいものです。

 なお、今回の判例時報は、最高裁平成19年10月19日(本ブログ2月4日紹介)の解説も載っていました。

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2008年3月 4日 (火)

【交通事故】 現在までの外傷性低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)についての裁判例

 本日、交通事故民事裁判例集第40巻第1号(ぎょうせい)が届けられたので、その中で、外傷性低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)についての裁判例(⑪)(なお、以前のブログでも解説しています。)について、ご紹介いたします。

(否定した裁判例)

(地裁判例)

 ① 岡山地裁・平成17年1月20日 交民38巻1号107頁

 ② 神戸地裁・平成17年5月17日 交民38巻3号681頁

 ③ 横浜地裁・平成17年12月8日 交通事故判例速報478号

 ④ 横浜地裁・平成18年9月24日 自保ジャーナル1692号

 ⑤ 前橋地裁桐生支部・平成18年12月25日 自保ジャーナル1676号

 ⑥ 福岡地裁・平成19年5月17日 自保ジャーナル1692号

 ⑦ 横浜地裁相模原支部・平成19年6月26日 自保ジャーナル1698号

 ⑧ 福岡地裁田川支部・平成19年10月18日  自保ジャーナル1713号

 ⑨ 東京地裁・平成19年11月27日  自保ジャーナル1717号 

 ⑩ 大阪地裁・平成19年3月14日   自保ジャーナル1717号

 (高裁判例)

 ⑪ 福岡高裁・平成19年2月13日 判例時報1972号、自保ジャーナル1676号、交通事故判例速報489号

 (解説)

 ⑨の裁判例は、日本神経外傷学会が組織した頭部外傷に伴う低髄液圧症候群作業部会の中間報告の示した診断基準が最新かつ国際頭痛分類の診断基準をふまえた客観性を有する見解であると指摘し、同基準の概要は、前提基準として、起立性頭痛又は体位による症状の変化があること、

 その基準に該当した場合に、(1)造影MRIでびまん性の硬膜肥厚増強、(2)腰痛穿刺にて低髄液圧の証明、(3)髄液漏出を示す画像所見のいずれかを満たすことで、低髄液圧症候群と診断し、

 更に、外傷性と診断するための条件として、外傷後30日以内に発症し、外傷以外の原因が否定的であることを満たすことが必要と判断しました。

 そして、当該事案においては、これらの要件を欠き、外傷性低髄液圧症候群について、否定しました。

 ⑩の裁判例は、判旨自体はさらりとその理由を述べているに過ぎませんが、それ故に汎用性のある判例ともいえます。

 原告の脳脊髄液減少症の後遺障害に対する主張に対しては、

 まず、脳脊髄液減少症は未だ病態や診断基準が確立されていない疾病であるため、その認定にあたっては慎重に行う必要があるとして、

 (1)脳脊髄液減少症の特徴的な症状である起立性頭痛や特徴的な所見である硬膜下腔の拡大、小脳扁桃の下垂などを認めるに足りる証拠はないこと

 (2)RI脳槽脊髄腔シンチグラフィでの早期の尿中集積所見や、MRミエログラフィによる胸椎部での高信号の所見については、診断基準に採用することに批判的な立場もあることに鑑みれば

 現状においては、原告が脳脊髄液減少症に罹患したと認めることはできない」と判断しました。

 次に、PTSDについても、PTSDが後遺障害として認定されるためには、①死に至るほどの体験をしたこと、②外傷的な出来事の再体験、③外傷と関連した刺激の持続的回避、④覚醒亢進症状などが認められる必要があるところ、原告がこれらの診断基準を満たしていると認めるに足りる証拠はなく、PTSDの後遺障害が残存しているとは認められないと判断しました。

 ⑪の裁判例は、 (1)追突事故により低髄液圧症候群、外傷性脊椎髄液漏の傷害を受けたとの被害者の主張について、ⅰ右傷害の最も典型的な症状である起立性頭痛が見られないこと、ⅱブラッドパッチ療法では症状が余り改善しなかったこと、ⅲRI脳槽造影では脊椎髄液漏の所見が見出せなかったことなどを理由に、被害者に脊椎髄液漏があるとするにはなお合理的な疑問があるとして、その主張を認めなかったものの、

 (2)被害者主張の治療費のうち、低髄液圧症候群の関係の治療費は事故と因果関係が認められない筋合いではあるが、低髄液圧症候群との診断をし、その治療をしたのは医療機関側の判断と責任によるものであるから、被害者が現にその関係の治療を支払っている以上、それを安易に減額することは相当ではないとして、被害者の主張する治療費のほぼ全額を損害と認めたが、

 他方で、(3)右被害者の頸椎捻挫の症状が長期化した背景には、本人の心因的要素があると考えざるを得ないとして、損害の公平負担な観点から民法722条を類推して、その損害のうち治療費と文書料を除いた額の50%を減ずるべきとしました。

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2008年3月 3日 (月)

【弁護士考】 やはり 国選弁護は、ハイリスク・ローリターン

 今日の読売新聞には、差し入れ手数料を受け取った弁護士が懲戒を受けた記事がのっていました。ネットニュースでも紹介されているようです。

 大阪弁護士会所属のある弁護士が控訴審段階から、国選否認事件を担当し、新聞紙などの差し入れを行い、10万円を手数料として受け取り、後日、被告人から懲戒申し立てされた案件のようです。

 大阪弁護士会は、いったんは、差し入れ行為は弁護活動とは関係ないとして、懲戒事由ないとしたものの、日弁連は、弁護活動にあたるとして、決定を取り消し、大阪弁護士会もそれを受けて戒告処分にしました。

 差し入れ行為は、弁護活動になるの???

 被告人からスポーツ紙の差し入れを依頼されたら、差し入れしなければ弁護懈怠となるの???

 国選事件の被告人から、どんな名目にせよ、金員の交付を受ける場合には慎重に対応しなければならないことは、当たり前のことです。私などは、菓子折一つでも、持参されると反対に気が滅入ります。

 従って、金員の交付を受けたことについては、問題を含んでいるものと思います。

 ただ、私が一番気になるのは、差し入れ行為が弁護活動に含まれるとした日弁連の決定理由です。

 調書の差し入れは、弁護活動に当然含まれます。

 しかし、雑誌や新聞の差し入れが弁護活動に含まれるのであれば、とてもじゃありませんが、弁護人の負担が一層重くなるばかりか、もともと、事務所の経営を考えれば、赤字覚悟の国選弁護などは、さらに、積極的に引き受られるものではありません。

 そういえば、同じ日の読売新聞は、被疑者弁護の範囲が広がることから、弁護士の数が不足する、弁護士を増員すべきだという社説をこりもせず書いていましたが、弁護士を増員したからといって、被疑者弁護を受ける弁護士の数が増えるわけではありません。

 国選事件は、リスクや手間の割には、報酬が低廉であるというところに問題があるのです。せめて私選弁護の半分くらいの報酬にでもなれば、どこの弁護士でも業務として積極的に受任するようになるでしょう。

 とはいっても、法テラスからの依頼がくれば、日程があう限り、報酬の多寡を問わず、一生懸命、弁護活動にいそしんでいますが・・・

 受けたら、一生懸命弁護をするという魂は、司法修習時代にたたき込まれたものです。

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2008年3月 2日 (日)

【金融・企業法務】 破産財団は、破産法人の基準期間における課税売上高を引き継がない別の法主体であるか(福井地裁平成19年9月12日)

  旬刊金融法務No1827(2月25日)号搭載の判例です。

 福井地裁平成19年9月12日(控訴)の判断ですが、少しびっくりしました。

 判決要旨は以下のとおりです。

 破産財団は、人格のない社団等にあたり法人とみなされるので、破産宣告後に生じた新規の事業者として消費税の納付義務の主体となり、破産者の破産宣告前の課税売上高を引き継がない

 新規の事業者である破産財団には破産宣告後2年間は基準期間がないので、同基準期間中に破産管財人が破産財団に属する財産の換価を行った場合、破産財団は消費税の納付義務を負わない。

 えっ、管財人(破産財団)は、宣告後2年間は、消費税が免税されるの? flair

 従来、破産実務上は、消費税法45条4項に清算法人にも消費税が生じることを前提とした規定があることから、破産手続であるからといって、破産管財人が行う換価につき、事業性を否定することができず、事業に付随する行為も課税の対象となるとして、建物・機械類を売却すると消費税が生じるとの解釈がなされていました。

 つまり、消費税を申告納付することになります。

 しかしながら、今回の判例は、従来の破産実務の運用と判断が異なり、控訴審での判断が注目されます。

 実際、消費税の申告って、面倒なんですね。この福井地裁の判例が確定することを期待しています。smile

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2008年3月 1日 (土)

【法律相談】 知人からの電話,ファツクスによる相談

 tamago先生のブログに、知人からの電話,ファツクスによる相談で、対応に困っているとの内容が記載されていました。

 確かに、知人と言うことで、延々相談の電話をかけてくる方が少しられます。

 普段からお金をいただいている顧問先関係者や、現在ご依頼を受けている方の別件相談、他種の士業からの相談(お互い様)であれば、快く対応できるのですが、単に知人と言うことだけで、顧問先と同じようなサービスを提供させることを求めるのは、いかがなものかと思います。

 1度目は渋々対応することがありますが、やはり2度目ということになると、はっきり理由を申し上げてお断りさせていただくことにしています。

 電話の相談くらい気軽にのってもいいじゃないかという声も聞こえそうですが、私の事務所では、1日に200件くらい相手方や依頼人の方などから電話がかかってきます。業務時間中に、30分電話で対応すると、業務に支障ができることが必至なのです。30分時間があれば、電話の応対もできるし、また、簡単な書面が1通書けます。

 知人といえども、きちんと予約の上、相談料金を支払って相談にきていただくことがマナーではないでしょうか?

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