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2008年2月29日 (金)

【愛媛弁護士会住宅紛争審査会】 実務研修 高松

 昨日、サンポートホール高松の会議室で、財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター主催の、弁護士及び建築士対象の実務研修を受講してきました。

 新築住宅の発注者や買主を保護するため、特定住宅瑕疵担保責任の履行等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)が、平成21年10月1日から施行され、新築住宅の請負人や売主に資力確保措置(保険への加入や保証金の供託)が義務づけられます(一部は平成20年4月1日施行)。

 まず、住宅瑕疵担保履行法で対象となる瑕疵担保責任の範囲は、構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分に関する10年間の瑕疵担保責任を対象にしています。

 また、義務付けの対象事業者は、所有者となる発注者または買主(宅建業者を除く)に新築住宅を引き渡す場合です。

 資力確保措置は、保険への加入又は保証金の供託で義務づけられます。

 保険(住宅瑕疵担保責任保険)への加入制度は、新築住宅の売主等が、国土交通大臣の指定する保険法人との間で保険契約を締結し、瑕疵が判明した場合、その補修費用等が保険金によりてん補される制度です。

 保険契約の条件は、

 ① 売主等が保険料を支払うものであること

 ② 売主等の瑕疵担保責任の履行による損害をてん補すること

 ③ 売主等が相当の期間を経過しても瑕疵担保責任を履行しない場合に、発注者もしくは買主の請求に基づき損害をてん補すること

 ④ 保険金額が2000万円以上であること

 ⑤ 10円以上の期間有効な契約であること  等

 また、売主等が倒産していて補修が行えない場合等は、発注者や買主は、保険法人に対して直接保険金を請求することができます。

 保証金の供託制度は、引き渡した新築住宅に瑕疵が判明した場合、売主等が自ら補修するのが原則ですが、倒産などにより補修が困難になった場合に備えて、現金や有価証券等を法務局などの供託所に預け置く制度です。

 供託された保証金は、一定の条件を満たした時に新築住宅の発注者や買主からの請求により、必要な金額が還付されます。

 

 そして、建設業者は許可を受けた国土交通大臣または都道府県知事に、宅建業者は検挙を受けた国土交通大臣または都道府県知事に対して、年2回の基準日(3月31日、9月30日)における保険契約の締結及び保証金の供託状況を届けでなければいけません。

 この届出を行わない場合、基準日から50日目以降、新築住宅の請負契約や売買契約を新たに締結することができなくなります。

 姉歯事件の影響で、建設業者等に対して大きな経済的な負担を強いる法律ができてしまいました。

 請負契約または売買契約が平成21年10月より前でも、引渡が平成21年10月以降となる場合には、保険への加入または保証金の供託が必要になるので、注意が必要です。特に、保険加入で対応する場合には、工事中に検査を受ける必要があるため、着工前に保険法人(平成20年4月以降指定される予定)に申し込む必要があります。

 なお、住宅紛争処理審査会での紛争処理の実施状況については、平成17年は、32件(調停)、同18年は、22件(調停)、1件(仲裁)、同19年は、14件(調停)で、低調のようですが、評価住宅戸数は、平成17年約12万件、同18年は約15万件と増加傾向にあります。

 愛媛弁護士会からは、4名程度の弁護士が参加されていましたが、話は変わりますが、新人弁護士の就職状況の話が出ており、非常に、厳しい状況になっているという話をうかがいました。

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2008年2月27日 (水)

司法修習生の就職難

 修習生の就職難は、絶望的な状況になっているようです。

 ボツねた経由で、京都弁護士会の就職説明会では、修習生108名の参加に対して、4事務所、横浜弁護士会では、参加修習生予定240名に対して、現在参加事務所は3事務所、岡山弁護士会では、修習生50名に対して、8事務所、札幌では、修習生76名に対して、事務所は16事務所という状態のようです。

 これが本当だとすれば、修習生の就職難は絶望的としかいいようがありません。

 先日、松山の弁護士からも、松山でも飽和状態で、昨年採用した所が多いため、61期は、2、3名程度は採用が決まったようであるが、それ以上は、採用する事務所がほとんどない状態だといういう話をうかがいました。また、10年前と比べて、わ号事件が半減しており、また、少なくない部分が過払い金請求訴訟であることを考慮すれば、おそろしい状態になっているという話をうかがいました。

 松山にとどまらず、今治でも、法テラス経由の事件はそこそこあるようですが、売上げにつながるような事件は、ここ数年で大きく減少した印象を受けています。

  既存の弁護士の仕事も、相対的に減少しています。

 他方で、弁護士の数は、反比例していきます。

 修習生の名前を尋ねたら、7、8年前はだいたい把握していた裁判所の職員も、今では、多すぎて、さっぱりわからないというような状況のようです。

 大量に合格させてしまったため、インフレとなり、その価値が下落してしまったようです。

 また、少し話しが異なりますが、私の事務所でも、現在、複数の修習生が事務所訪問や電話をいただいていますが、就職活動が下手というか、まだ、一般の事務職員の方が、アピール力があるというほかないような方も少なくありません。

 どのような仕事ができるのか、そのため、どのような勉強をしているのか、仕事に役立つ他の人とは異なる特技などを積極的にアピールすべきなのですが、ほとんどの修習生は、仕事の内容や勤務条件を尋ねるにとどまります。

 また、法科大学院出身の修習生の場合、出身学部や出身大学院のブランドをどうしても重視してしまいます。旧司法試験の時(800人時代のころまで)には、旧司に対する信頼から、このようなことは意識しませんでしたが・・・・

 私自身は、門戸が開放されている旧司法試験に復することを強く望んでいますが・・・ 

2008年2月26日 (火)

【弁護士研修】 LAC担当弁護士研修会

 日弁連リーガルアクセスセンター(LAC)主催にて、LAC担当の弁護士の研修が、愛媛弁護士会館にて行われていました。

 衛星テレビ中継システムにより、東京の会場と同時並行でした。

 LACにて、物損事故処理のマニュアル本を作成していただいたので、前半はそれに基づき、マニュアルの説明及び質疑応答、後半は、具体的事例のQ&Aでした。

 現在、受任している事件で、処理に悩んでいる問題点については、愛媛弁護士会のFAX経由で質問を行いました。

 松山から、東京の会場に生で質問できるとは、時代も進歩したものです。happy01

 しかも、私の質問は、トップバッターで紹介され、さらに、解説していただいた弁護士は、高松修習の1期上の先輩でした。懐かしい。pencil

 物損事故処理のマニュアルQ&Aは、物損についての基本的な質問とその回答を、裁判例をつけて、コンパクトにまとめられたものです。

 Q 身体に身につけている物の破損は、人身損害として扱われませんか?

 Q 車両が建物店舗などに飛び込んできた場合、建物の修繕費はどこまで損害として認められるのですか?また、建物修理期間中の営業損失はどこまで損害として認められるのですか

 Q 積荷など車両内に搭載していた物や車両以外の物が損傷した場合、どこまで損害として認められるのですか

 Q 物損に関する慰謝料は認められませんか

 という質問に対する回答は、非常に興味深かったです。

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2008年2月25日 (月)

【交通事故】 夜間高速道路において自動車を運転中に自損事故を起こし車外に避難した運転者が後続車にれき過されて死亡したことが自家用自動車保険契約普通保険約款に搭乗者傷害条項における死亡保険金の支払事由に該当するとされた事例(最高裁平成19年5月29日)

 判例時報No1989(2月21日)号搭載の事案です。

 事案は、以下のとおりです。

 太郎さんは、夜間高速道路において自動車を運転中、同車を中央分離帯のガードレールに衝突させるなどし、その結果、同車は、破損して走行不能になり、走行車線と追突車線とにまたがった状態で停止するという自損事故を起こしました。

 太郎さんは、自損事故を起こした後、すぐに車から降りて、避難するために、小走りで走行車線を横切って道路左側の路肩付近に移動しました。

 しかし、不幸なことに、その直後に、事故現場を通過した後続の大型貨物自動車に接触して転倒し、さらに、同車の後方から走行してきた大型貨物自動車によりれき過されて死亡しました。

 そこで、太郎さんの相続人が、自家用自動車保険契約普通保険約款の搭乗者傷害条項に基づく死亡保険金の支払いを求めました。

 ※搭乗者傷害条項

  被保険自動車の正規の乗用装置等に搭乗中の者が、被保険自動車の運行に起因する急激かつ偶然な外来の事故により身体に傷害を被り、その直接の結果として、死亡したことが死亡保険金の支払事由とされています。

 分節すると、①被保険自動車に搭乗中の者が、②運行に起因する事故により、③身体に傷害を被り、④その直接の結果として死亡したことを要すると規定しています。

 本件事案においては、結果として、原審は、太郎さんの遺族の請求を退け、最高裁は、遺族の請求を認めています。

 それでは、原審と最高裁はどこが違ったのでしょうか?

 ③の解釈適用で結論がわかれたようです。

 すなわち、原審は、文字通り、傷害は、被保険自動車内で生じた傷害をいうという前提に立ち、本件ではそのような傷害は認定できないとしました。

 最高裁は、傷害は、本件自損事故との相当因果関係のある傷害であれば被保険自動車内で生じた傷害に限らないとし、かつ、本件事情のもとでは、相当因果関係もあるとしたわけです。

 判時の解説者によれば、原審の考え方の方を、従前から実務上とられていた考え方と紹介し、それ故に、実務上参考になるものとされています。

 なお、判時No1989には、「交通事故の被害者の自賠法72条に基づく損害のてん補請求において、被害者の労災保険法に基づく障害年金のうち、既に支給を受けた分及び支給の確定した分について控除すべきであるが、支給が確定していない分については控除することは要しないとされた事例」(東京地裁平成19年7月26日)も紹介されています。

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2008年2月22日 (金)

行政改革推進委員会 その他

 今日は、午前10時15分から、今治市の行政改革推進委員会に、出席しました。今後委員会として取り組むテーマを、決めることが主たる目的でした。

 私は学識経験者枠で coldsweats01 委員になっていますが、中には、私にはないような大きな発想をされる委員もおられ、いい刺激になりました。building

 午後は、松山地裁にて、破産管財人の協議会が開催されましたが、今回の協議会は、弁護士会からの提案が多く、比較的活発な意見交換が行われました。pencil

 ただ、議題は、特定の先生に限定されている傾向が非常に強かったと思いますが・・・・

 それにても、今週は、7件提訴を行いました。結構、忙しかったです。過払い事案だと、比較的早期に和解で解決することが少なくないのですが、離婚や交通事故は結構手間がかかり、しかも、本人訴訟が少なくないため、長期戦になります。

 今週もあとわずかですが、準備書面などの起案が山積みになっています。相手方当事者が、5ページの書面を書いてくると、10ページで対戦し、10ページの書面を書いてくると、20ページの書面で対戦するという好戦的?な性格が災いしているのだろうな。実務修習の指導教官からは、「起案は、量ではない」といつも言われていたんですが・・・

 話が戻りますが、離婚事案が、最近、本当に多いです。離婚事件は、扱うのは結構好きです。ただ、山の神からは、自分のことを心配したらと言われそうですが・・・・ 夫婦の絆をつないでおくためにはやはり日頃から言葉で表さないといけないみたいです。lovely

 他方、刑事事件(国選)は、現在、手持ち事件0件です。民事や家事が忙しいと、刑事事件(国選)まではなかなか手が回りません。犯罪(故意犯)に手を染めてしまう人の気持ちは、最後までわかりません。性格が刑事弁護人向きではないのでしょう。

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2008年2月21日 (木)

【離婚・夫婦】 年金分割事件の概況

 判例タイムズNo1257(2月15日)号で、現役の東京家庭裁判所裁判官による記事が紹介されていました。

 タイトルは、「年金分割事件の概況について」です。

 7ページ程度の比較的短めの論文ですが、裁判所の実情などがわかりやく説明されていました。

 年金分割とは、厚生年金保険等の被用者年金に係る報酬比例部分の年金額の算定の基礎となる標準報酬等につき、夫婦であった者の合意又は裁判により分割割合を定め、その定めに基づいて、夫婦であった者の一方の請求により、社会保険庁長官等が、標準報酬等の改定又は決定を行う制度のことです。

 年金分割の種類としては、平成19年4月1日から施行された合意分割と、平成20年4月1日から施行される3号分割の、2つがあります。

 合意分割は、夫婦の対象期間標準報酬額総額等の合計のうち、その一方に割り当てるべき割合(請求すべき按分割合)を、当事者の合意により定めることが原則ですが、合意が難しい場合には、家庭裁判所で判断してもらう方法です。

 問題は、按分割合をどのように決めるかです。

 論文には、「なお、東京家裁では、乙類審判事件の審判のほか、離婚訴訟の判決においても、50%以外の按分割合を定めた例はない。」と紹介されています。

 仮に、「別居期間があっても、原則としては2分の1と考え」ることになるようです。

 「年金分割は財産分与と異なる制度であり、財産分与よりも2分の1の原則性が強い」ようです。

 但し、調停では、50%未満のものもいくつかあるようです。年金分割の申立をしない合意もあるみたいです。

  なお、年金分割については、請求期限があります。離婚等をした日の翌日から起算して2年以内に行わなければならないため、注意しなければなりませんね。

 それにしても、男性受難時代です。happy02

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2008年2月20日 (水)

【交通事故】 正確には、火災保険の例ですが・・・ 東京高裁平成19年2月27日

 判例タイムズNo1257(2月15日)号に搭載された高裁の裁判例です。

 別件裁判の際に、調査会社の作成した報告書を、裁判所に提出したことが、提出された側の名誉を毀損するのかということが争点でした。

 調査報告書には、①関係者が固定資産税を滞納していること、②オービスに引っかかり、他の人に違反したことにしてくれるよう依頼したこと、③脱税で捕まり追徴金を支払ったという話があることが記載されていました。

 第1審は、①では原告自身の名誉が毀損されたわけではないこと、②は原告から同意を得て得た情報であることから不法行為にならない、③については原告の同意がないとして名誉毀損に該当し、慰謝料30万円を被告らに支払うよう命じました。

 被告らが不服として控訴しました。

 第2審(確定)は、原告の請求を棄却しました。

 理由は以下のとおりです。

 本件調査報告書が裁判所に提出されたが、これらに接するのは、人数が限られているし、また、証拠の信用性については批判的に評価することを職業的な習慣とするものであることから、社会といえるだけの一定の広がりを有する対象に開示されたということができないとして、名誉毀損を否定しました。

 解説によれば、「信用調査機関、興信所等の作成した報告書により名誉を毀損されたとする損害賠償請求が認められることは少なくない」と記載されています。無用なトラブルを回避するためにも、気をつけないといけませんね。

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2008年2月19日 (火)

【金融・企業法務】債権回収会社が低額で譲り受けた多数の債権について、債権額をもって訴求すること自体は特段の事情がない限り権利濫用に当たらないとした事例(東京地裁平成19年6月18日)

 判例タイムズ1257(2月15日)号搭載の裁判例です。

 債権譲り受け会社に対して、著しく低廉な価額で譲り受けた債権について、債権全額を請求するのは、暴利行為として公序良俗違反にあたり権利濫用であると抗弁した事案です。

 気持ちは痛いほどわかりますが・・・・coldsweats01

 東京地裁は、

 債権の譲渡人から債権を譲り受けた際の譲り受け価額が債権額に比して低額であったとしても、原告を含む債権回収会社がその譲受債権について債権額をもって訴求すること自体は、権利行使として何ら非難されるべきものではないのであって、特段の事情のない限り、権利濫用には当たるものではない

 と判断しました。

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2008年2月18日 (月)

【金融・企業法務】 金融法務この1年

 旬刊金融法務事情1822(平成19年12月25日)号で紹介されていた裁判例です。

 昨年の金融法務に関する判例で、押さえておかなければならないものが紹介されていました。

 本当は、年末年始で読んでいるはずだったのですが、意外と時間的に余裕があるときに勉強は進みませんね。忙しいときの方が、着実に進むみたいです。

 体重も12月から1月にかけての暴食で、元に戻ってしまいましたし・・・crying

 さて、金融法務事情で紹介されていた裁判例は、以下のとおりでした。皆さんいくつ押さえていますか?

 1 預金関係

 ① 第三債務者が仮差押命令の送達を受けた時点で先日付振り込み依頼をしていた場合の先日付振り込みの取り消しの要否(最判平成18年7月20日)

 ② 法律上原因なしに普通預金口座に振り込まれたことにより当該普通預金口座名義人に帰属した預金の払い戻しが権利濫用になるとされた事例(東京高判平成18年10月18日)

 ③ 自動継続定期預金の払戻請求権の消滅時効は、自動継続の取扱がされることのなくなった満期日が到来した時から進行するとされた事例(最判平成19年4月24日、最判平成19年6月7日)

 2 融資担保関係

 ①特別清算手続中の個別和解契約においてされた主債務者に対する債務免除は、主債務者の保証人に対する権利に影響を及ぼさないとされた事例(東京地判平成18年6月27日)

 ②物上保証人に対する不動産競売の開始決定正本が主債務者に送達された後に保証人が代位弁済を行い差押債権者の承継を執行裁判所に申し出たが、承継の申し出について通知をしなかった場合における保証人の主債務者に対する求償権の消滅時効の中断の有無(最判平成18年11月14日)

 ③地方公共団体が三セクの借り入れ債務について金融機関との間で締結した損失補償契約が、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律3条に違反し、無効であるとされた事例(横浜地判平成18年11月15日)

  ←この判例は知らなかったなあ pencil

 ④国税の法定納期限等以前に将来発生すべき債権を目的とする譲渡担保契約が締結され、第三者対抗要件が具備されていた場合における国税徴収法24条6項の適用(最判平成19年2月15日)

 3 執行関係

 ①動産譲渡担保が重複設定されている場合は後順位譲渡担保権者による私的実行ができないとされた事例、②構成部分が変動する集合動産を目的とする譲渡担保の設定者が目的動産につき通常の営業の範囲を超える売却処分をした場合には処分の相手方による承継取得ができないとされた事例(最判平成18年7月20日)

 ②証券投資信託の受益者の有する一部解約金支払請求権を差押えた債権者は、取立権の行使として解約実行請求をして同請求権を取り立てることができるとされた事例(最判平成18年12月14日)

 4 そのほか

 ①預金者を特定する情報を報告対象とする弁護士法23条の2や民事訴訟法186条に基づく調査嘱託に対して、銀行の報告義務を認める一方で、当該義務違反は不法行為を構成しないとした事例(大阪高判平成19年1月30日)

 ②法律上原因なく代替性のある物を利得した受益者が利得した物を第三者に売却した場合に負う不当利得返還義務の内容(最判平成19年3月8日)

 ←これも押さえていなかったと思います。事案は、上場株式をした者が、名義書換手続をする前に株式分割がされ、株主名簿上の株主に交付された新株を売却した株主名簿上の株主に対して、新株の売却代金相当額の不当利得返還を請求した事案のようです。

  大審院判例を変更したものです。pencil

 

 大半は、このブログでもすでにご紹介した裁判例のようですね。これで昨年の復習は、終 わ り sun

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2008年2月17日 (日)

【金融・企業法務】 顧客情報と文書提出命令

 旬刊金融法務事情1825(2月5日)号のリーガルナビで紹介されていた記事です(解説者は、吉田光碩阪大教授)。

 今月の金融法務例会でも少し取り上げていただいた判例です。

 事案は、以下のとおりです。

 Aの相続人であるXらが、同じく相続人であるBに対して、遺留分減殺請求権を行使したとして、Aの遺産に属する不動産について共有持分の確認及び共有持分の移転登記手続を請求し、預貯金については、金員の支払等を求めるとの本案訴訟を提起したが、

 その訴訟の中で、Aの生前にその預貯金口座から払い戻された金員が、BがY銀行H支店に開設した預金口座に入金された事実を立証するために必要だとして、Yに対して、H支店のBの口座の取引明細表の提出を求める文書提出命令の申立をしました。

 これに対して、Yは、本件明細表の記載内容が民訴法220条4号ハに規定する「職業の秘密」に該当するので提出義務を負わないとして争いました。

 民事訴訟法220条 次に掲げる場合には、文書の所持者は、その提出を拒むことができない。

  第197条第1項第2号に規定する事実又は同項第3号に規定する事項で、黙秘の義務が免除されていないものが記載されている文書

 民事訴訟法197条 第3号 技術又は職業の秘密に関する事項について尋問を受ける場合

 最高裁平成19年12月11日は、

 当該顧客自身が当該民事訴訟の当事者として開示義務を負う場合には、当該顧客は上記顧客情報につき金融機関の守秘義務により保護されるべき正当な利益を有さず、金融機関は、訴訟手続において上記顧客情報を開示しても守秘義務には違反しない

 本件明細表は、相手方とその顧客であるBとの取引履歴が記載されたものであり、相手方は、同取引履歴を秘匿する独自の利益を有する者とはいえず、これについてBとの関係において守秘義務を負っているにすぎないと判断して、

 文書提出命令を認めました

 本決定には、文書提出命令は、公正な裁判を実現すべく一般義務として定められたものであるから、金融機関が文書提出命令に応じることは、原則として、正当な理由に該当するということができ、金融機関がそれにおうじることをもって、当該顧客は、金融機関の守秘義務違反の責任を問うことができないという田原睦夫裁判官の補足説明があります。

 現在、この判例は最高裁のHPに搭載されているようですが、職業の秘密として保護されるべき情報が記載された文書にあたるかどうかの基準を立てた判例として実務上大きな影響がでてくるものと考えています。

 早速、私も、これからは、文書提出命令を積極的に申し立てしようと思っています。coldsweats01

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2008年2月16日 (土)

【金融・企業法務】いわゆる「振り込め詐欺」の被害者が、振込先口座の名義人に対する不当利得返還請求権を保全するために、同口座名義人の有する預金債権の払戻請求権を代位行使することを認めた事例(東京地裁平成19年10月5日)

 金融法務事情No1826(2月15日)号搭載の裁判例です。

 事案は、以下のとおりです。

 本件は、いわゆる振り込め詐欺の被害者であるXが原告となり、被振込先口座の開設銀行であるY銀行に対し、Xの振り込んだ240万円のうち、同口座の92万円余りの残高相当額について、同口座の名義人であるTに対するXの不当利得返還請求権を被保全債権とし、TのY銀行に対する預金払戻請求権を被代位権利とする債権者代位権により同口座にかかる預金の払戻請求を行った事案です。

 東京地裁は、

 振り込め詐欺の振込先口座の名義人は、所在不明であり、被害者の不当利得返還請求権を弁済するについて本件口座に係る預金払戻請求権のほかに十分な資力を有していないというべきであり、 同預金払戻請求権のみが預金名義人の財産として判明しているという状況において、同預金払戻請求権を代位行使しなければ、被害者は、その被保全権利について満足を受けられなくなるおそれがあり、被害者の代位につき、保全の必要があると認められ、口座名義人に対する不当利得返還請求権を保全するために、同口座名義人の有する預金債権の払戻請求権を代位行使することができる

 と判示しました。

 平成20年6月21日からは、犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律(振り込め詐欺被害者救済法)により、裁判によることなく、被害額に応じて案分的に公平な救済が受けられることになるようです。happy01

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2008年2月14日 (木)

【交通事故】交通事故により醜状瘢痕7級12号、高次脳機能障害5級2号の後遺障害が残った女子小学生の逸失利益について、労働能力喪失率を90%とし、賃金センサス学歴計の全労働者・全年齢の平均賃金を基礎として算定された事例(大阪高裁平成19年4月26日)

 判例時報No1988(2月11日)号に搭載されていた事案です。

 高次脳機能障害5級、醜状瘢痕7級、併合等級3級の後遺障害を負った小学生(女性)の事案です。

 逸失利益の計算において、5級の場合には、労働能力喪失率は、79%ですが、醜状障害7級を考慮して、90%の喪失率を認めています(被害者100%主張)。

 訴訟が係属していた当時は、被害者も、既に京都の私立大学に修学しており、単独で、神戸から京都まで通学していたようです。

 また、基礎となる収入ですが、女子の平均賃金ではなく、全労働者の全年齢平均賃金を認めました。

 学生の逸失利益については、男女別全年齢平均賃金を基礎とする場合が多いようですが、仮に女性ということであれば、逸失利益の金額が少なくなるため、全年齢平均賃金を採用したようです。

 本件事案については、担当裁判官も代理人も面識がある方なので、興味深く拝見させていただきました。 

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2008年2月12日 (火)

【交通事故】交通事故によりセンター試験を受験できなかった学生が、浪人生活を余儀なくされたとして、損害賠償請求を行った事案(仙台地裁平成19年9月26日)

 交通事故判例速報No500(平成20年2月)に紹介されていた裁判例です。

 本件では交通事故により、センター試験を受験できず、そのため、希望していた大学に入れず浪人生活をせざるをえず、就職が1年遅れたことに対する休業損害を請求した事案のようです。

 裁判所は、被害者が志望校に強い進学希望を有し、翌年、翌々年と志望校以外の大学に合格しながら進学しなかったという事実経過を重視して、就職が1年遅れたことと事故との因果関係を否定しました。

 裁判例をみる限り、岡山地裁勝山支部平成元年8月16日判決のように、新卒大学労働者平均賃金を基礎に1年間の勤労収入を損害として認めた事案があるようですが、立証の問題として考え得た場合、受験という性質上、仮定の事情を前提とするため、なかなか難しい事案のようです。

 休業損害は認められませんでしたが、センター試験を受けられなかったということを慰謝料の増額要素として斟酌しているようです。

 ところで、交通事故判例速報も、2月号で、500号になるのですね。昭和41年6月に創刊された歴史ある判例情報誌なのですね。次回から、横書きになるみたいです。 happy01

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2008年2月11日 (月)

新人弁護士の募集について

 先日、私の事務所を訪問していただいた司法修習生(新61期)の方から、採用の意向連絡を早くいただきたいというお話がありました。

 事務所の複数訪問をされているようです。

 少し前までは、知り合いの修習担当の弁護士や研修所の教官などから、事前に紹介の電話などがあったものですが、今はそんなことはしてくれないようです。聞くところによると、研修所のクラス定員も70人を超えているとか。

 私が修習生のころは、大手渉外系事務所を除けば、修習生が希望すればおおむね希望したどこかの事務所には入れたという感覚を持っていましたが、最近は、修習期間が大きく短縮されたことや修習生の数が増えたこともあり、事情が大きく異なっているようです。

 合格者を無責任にも増やしたしっぺ返しが、今の就職戦線に現れてしまっているようです。

 私の事務所は四国のさらに非県庁所在地にあるため扱う事件数も少ないため、採用する方も、いい人がおればとろうなどとものすごくのんきに且つ無責任に(^_^;)構えていましたが、それでは、修習生の方に大きなご迷惑をおかけしそうです。

 それ故、7月、8月になれば「えいやで決めよう」と思っていましたが、そうもいかないようです。

 そのような事情ですので、当事務所に就職したい(或いは興味のある)という方がおられたら、4月末日までにお電話をください。

  6月ころには判断したいと思います。

 なお、複数事務所をあたられる方がほとんどだと思いますので、そちらの事務所の内定がでた場合などには、当事務所にまでご一報願えます。

 待遇内容については1月31日づけブログを参照ください。

 但し、法曹人口3000人問題の見通しが不透明なため、何が何でも必ず1名は採用するということではありません。<(_ _)>

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2008年2月10日 (日)

【金融・企業法務】 最近の個人情報保護法に関する実務上の問題

 2月8日、きんざい主催の第125回金融法務研究会例会に出席いたしました。

 テーマは、最近の個人情報保護法に関する実務上の問題という内容で、専門の弁護士の先生に解説していただきました。

 第1に、立法・行政の動向として、国民生活審議会によるとりまとめ(平成19年6月29日国民生活審議会・個人情報保護に関するとりまとめ【意見】)の公表について、概要を説明していただきました。平成20年3月を目途に、「個人情報の保護に関する基本方針」(平成16年4月閣議決定)の改訂を行う予定になっており、重要なポイントは、次の3点ということのようです。

 第1点は、委託先に対する監督についての検討の方向感 すなわち、プライバシーポリシー等において、委託に関する事項(委託の有無、委託する事務の内容)を明記することを、要請する方向で検討しているようです。

 第2点は、市販名簿の管理についての検討の方向感 すなわち、「被告頒布されている名簿等」について、安全管理措置の程度を緩和することを許容する等を検討し、また、「広く頒布される名簿等」の意義・範囲についても、検討されるようです。

第3点は、取得元の開示の要否 すなわち、プライバシーポリシー等において、取得元・取得源の種類・取得経緯等の個人情報の取得方法を、可能な限り明記することを、要請する方向で検討されているようです。

 第2に、金融機関におけるQ&Aが、平成19年10月に公表されたことから、その概要についてご説明いただきました。

 Q&Aのうち、いくつか重要なものに絞ってご解説していただきました。

 例えば、「個人データ」の「漏えい、滅失、き損」とはどのようなものを指すのか(問Ⅴー5)

 個人情報の漏えい事案等が発生した場合の当局への報告は、どこまで厳密に行う必要があるのか(問Ⅴー10)

 「個人データ」の漏えい事案等が発生した場合の公表は、どこまで厳密に行う必要があるのか(問Ⅴー15)

 個人情報の漏えい事案等が発生した場合は、金融機関は本人に通知する必要があるのか(問Ⅴー16)

 防犯カメラに映った偽造キャッシュカードの実行犯の映像を本人の同意なく他の金融機関に提供することは、個人情報保護法上問題がないか(問Ⅵー1)

 ガイドライン第4条で、個人情報保護法第16条及び同法第23条に定める本人の同意を得る場合には、原則として、書面によらなければならないとされているが、「紙」を用いた同意以外に、例えばどのような形式が「書面」に該当するのか。また、電話により同意を得た事実を任意様式に記録し保存する方式でもガイドライン上「書面」による同意を得たと解することができるか(問Ⅵー3)(後段は当局見解が変更された点であり、重要であるとのことです)

 個人情報取扱事業者が弁護士法23条の2に基づいてなされる報告の請求を弁護士会から受けた場合、その保有する「個人データ」を弁護士会に対し提供することは、個人情報保護法上問題はないか(問Ⅵー7)

 第3に、平成19年3月に大幅改訂された経産省ガイドライン等に関するQ&Aの改訂です。136問あります。大事なところとしては、

 ユーザーからのクレームを録音しています。個人の氏名は通話内容や声などから特定できませんが、電話番号は判明している場合があります。この場合の録音記録は、個人情報に該当しますか(問12)

 防犯カメラやビデオカメラなどで記録された映像情報は、本人が判別できる映像であれば、「個人情報データベース等」に該当しますか(問20)

 宅配便の送り状を受付した日付順に並べてファイリングしていますが、この場合、「個人情報データーベース等」に該当しますか(問22)

 会社業務とは関係のない従業者が対象のサークル活動で利用している会員リストは、「事業の用に供している」ものとなりますか(問30)

 アンケートを行う際、「第三者提供をする場合がありますのでご了解願います」と記載するのみの場合、アンケートの提出をもって、第三者提供についての同意を得たといえますか(問38)

 顧客の入金情報を、売上高・利益額の把握、事業方針の策定に利用することがありますが、これらも利用目的に含まれますか(問46)

 法18条第3項の変更された利用目的の通知又は公表においては、「もともと○○であったものを今後××に変更します」とすればよいのですか。それとも単に変更後の利用目的のみを書いておけば足りますか(問48)

 A事業のために個人データを取得した後、B事業のために取得した個人データの内容から住所変更があった事実が判明しました。A事業についても住所変更を反映させることが可能ですか(問59)

 妻が夫の名前で契約の申し込みをしてきた場合、個人情報の利用目的はその契約書に明示してあればよいですか。また、その契約書を第三者に提供する場合、妻の同意を得ればよいですか(問135)

 第4に、融資問題研究会のアンケート調査結果の分析と検討についてです。

 特に同意書提出拒否の場合の対応などについて解説していただきました。

 最後は、最近の実務上の問題点ということで、いくつかの裁判例をご紹介していただきました。

 第1点は、弁護士法23条の2に基づく弁護士会照会や民事訴訟法186条に基づく裁判所からの調査嘱託への対応についてです。

 平成19年1月30日の大阪高裁を紹介し、解説していただきました。

 判決要旨は以下のとおりです。

 ①弁護士法23条の2に基づく照会や民事訴訟法186条に基づく調査嘱託を受けた者は、弁護士会又は裁判所に対して、報告を求められた事項につき報告すべき公的な義務を負う、

 ②銀行が預金顧客を特定する情報につき報告を求められた場合であっても、上記義務が個人のプライバシー保護や守秘義務の観点から制約を受けことはない

 ③銀行による上記義務の違反は、弁護士会や裁判所に対する公的な義務の違反であり、原則的には、訴訟遂行等のため当該情報必要とする者との関係で不法行為を構成しない

 第2は、個人情報保護法に基づく請求権の有無ですが、消極的に判断した東京地裁平成19年6月27日の裁判例をご紹介していただきました。

 第3は、守秘義務との関係で最高裁平成19年12月11日の決定をご解説していただきました。

 遺留分減殺請求に絡み、取引明細表の開示を求めた事案で、金融機関が民事訴訟において訴訟外の第三者として開示を求められた顧客情報については、当該顧客自身が当該民事訴訟の当事者として開示義務を負う場合に、同情報は、民訴法197条1項3号にいう「職業の秘密」として保護されないと判断しました。

 いや、勉強になりますな。pencil

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2008年2月 9日 (土)

【弁護士考】日弁連会長選 宮崎先生当選

 昨日、日弁連会長戦が終わりました。

 予想していたとおり、宮崎先生が高山先生をおさえて、当選いたしました。

 昨年、同期の弁護士が宮崎先生の事務所に所属しており、事務所訪問をさせていただいた際に、はじめて先生をご紹介していただきましたが、その時の印象は、非常に温厚なお人柄の方だったと記憶しています。

 他方、今回の選挙は、反主流派の高山先生も大健闘された結果、7000票余りを獲得され、前回よりも大幅に票を伸ばしました。

 しかし、宮崎先生が当選されたことにより、既定の日弁連の方針に大きな変更はなくなりました。

 ただ、宮崎先生も、法曹人口3000人という政策は、スローダウンする旨約束されたと思うので、是非、政府にスローダウンを積極的に働きかけていただきたく思います。

 そして、宮崎先生に入れた票の中には、対立候補の先生の政策が極端であるため、消去法的に入れた票も決して少なくないと思います。

 宮崎先生の陣営から送信されてきたファックスでも、法曹人口の問題点については積極的に取り組む旨記載されていたと思うのですが、是非、反対票も多かったことをふまえて、会長職にとりくんでいただければと思います。

 今後を期待して見守りたいと思います。

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2008年2月 8日 (金)

【債務整理】 借金問題に悩んでいる方へ

  最近、債務整理案件のご相談が急増しています。

 ご相談の中には、大都会の、いわゆる提携弁護士(事件屋と手を組み多重債務者からお金をむしり取る悪徳弁護士のこと)がらみのご相談を受けることがあります。

 スポーツ新聞や携帯電話のサイトなどの媒介を通じて面識のない者から紹介を受けることが多いようです。

 紹介を受けた事務所に電話をすると、弁護士ではなく、事務員(だいたい男性)が対応します(少し事例を変えています)。

 男 「どのくらい負債がありますか?」

 客 「3社で360万円位です」

 男 「遅れていますか?取立はすぐにとめてあげます。着手金は、請求金額の10%ですので、36万円になります。また、来月から、毎月10万円を、36回にわけて振り込んでください。」

 客 「毎月10万円はきついのですが・・・」

 男 「では、毎月8万円でいいので振り込んでください。また、委任契約書を送りますので、送り返してください。」

 客 ・・・・

 事務所から契約書が届きます。

 送られてきた契約書には、

 着手金 請求金額の10% 報酬金 過払い金の場合 減額10%+返還を受けた金額40%

 などと明記されています。

 また、それ以外にも、実費名目で件数に応じて加算されるようです。

 客は、いくら費用がかかるのか段々不安になり、地元の弁護士に相談しました。

 弁護士費用については自由化されているため、基本的には、依頼人と弁護士の問題です。

 しかし、消費者金融機関からの請求金額をそのまま36で割った金額を振り込むよう指示することは、適切な整理が行われないことをうかがわせるものであり、大きな問題を含んでいるものと思います。

 これに似たようなご相談は、何度かありました。

 送られてきた封筒に法律事務所名が明記されていたことから、実在する弁護士であることがわかりました。また、その事務所には、なんと、事務所を紹介するきれいなホームページも作成されていました。

 ホームページからの情報だと、弁護士1人事務所で、相当な高齢の弁護士であることが判明しました。また、ホームページで紹介されている弁護士費用と、送られてきた契約書で記載されている弁護士費用が大きく異なることもわかりました。

 仮にこの弁護士に頼んでしまった場合、着手金のほか、適切な整理を行わず、本来支払う必要のないお金までも失った可能性もあったわけです。crying

 実際、依頼した弁護士が悪徳弁護士で、お金をだまし取られて裁判になっているケースもあります。

 「弁護士だから信用できる」という言葉は、非常に残念ですが、すでに神話です。

 十分な仕事を処理することができない弁護士や業務停止処分を受けた弁護士が生活を維持するため、心ならずも、事件屋と提携してしまうのです。

 これからは、法曹人口3000人時代を迎え、一層競争が激しくなり、生活を維持するため、事件屋と提携してしまう新人弁護士も出てくるかもしれません。

 現に私が独立したてのころにも、うさんくさいの電話がありました(もちろん、撃退しましたが)。

 弁護士を探すのであれば、地域の弁護士会から紹介を受けるのが無難です。

  大都会の弁護士が危ないといっているわけではありません。低廉な費用でまじめに処理している事務所が大半だとは思います。

 しかし、やはり、弁護士と直接面談で相談できないのは、後日、弁護士との間でトラブルが発生した場合に、極めて大きな障害になるのは明らかです。

 私は、電話だけで十分に説明できるとは思えません。

 費用についても、良心的な弁護士であれば、ケースにより、任意整理案件の場合には、着手金を分割払いや一部後払い(過払い金が生じる場合)にも応じていただける場合もあると思います。

 借金問題に悩んでいる方、是非、勇気を出して、気軽に、地元の法律事務所(或いは弁護士会)を訪ねてみてください。good

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 追記

 2月9日の読売新聞に、非弁提携で、大阪の2名の弁護士が逮捕されていました。報道によれば、弁護士と一緒に逮捕された法律事務所の事務職員さんの肩書きが、なんと「元暴力団員組員」と出ていました。貸金業者が、自己破産の申立のために破産費用を多重債務者に融通し、貸金業者の顧問税理士が弁護士を紹介し、弁護士は、顧問税理士に対して紹介料を支払っていたという構造です。

2008年2月 7日 (木)

【医療事故】急性白血病で死亡した患者の専門医療機関への転送の時期が、同機関の休診日との関係で遅れたことが担当医の過失とされたが、その病気の治療の困難性や予後が悪いことが考慮されて、その請求の一部のみが認容された事例(福岡高判平成18年9月12日)

 判例タイムズ1256(2月10日)臨時増刊号搭載の判例です。

 事案は、以下のとおりです。

 平成13年12月29日、花子さんは急に高熱が出て、福岡市の急患センターで抗生剤などの投与を受けて、佐賀県の実家に帰省しました。

 1月2日、3日にも、花子さんの症状は良くならないので、実家の近くの急患センターを受診しましたが、原因は不明で症状も回復しませんでした。

 1月3日夜福岡に戻り、翌4日(金曜日)に、近くのY病院の太郎先生に診て貰い、X線撮影や血液検査を受けました。

 太郎医師は、花子さんに白血球の異常増加などが見られたため、白血病を疑い、出血傾向を確認したところ、両側前腕に著明な皮下出血を認めたため、さらに検査して他の類白血病を否定できたので、よりその疑いを強めました。

 そこで、太郎医師は、詳細な検査を外部検査機関に依頼しましたが、太郎医師は、検査結果は同日夜しか返ってこないし、その時間では、専門医への転送は困難で、転送は7日(月曜日)になると考え、その旨を花子さんに説明し、それが不安であれば、紹介状を書くので、今日のうちに他の病院を受診するよう教示した。

 花子さんは、Y病院での安静入院を選択しました。

 4日午後3時30分、急性骨髄性白血病の可能性を示すデータが返ってきたものの、太郎医師はこれを見逃し、それに気づいたのは、4日午後8時でした。

 6日午後5時ころ、花子さんは病室のトイレでふらつき頭頂部をうったが外傷はなく、太郎医師は脳出血までは考えずに検査をしませんでした。

 7日午前3時30分ころ、花子さんは頭痛を訴え、午前8時40分に亡くなりました。

 花子さんの直接の死因は脳出血で、その原因は急性白血球病、出血傾向とされています。

 福岡高裁は、

 専門検査機関の検査結果を考慮すれば、太郎医師は、花子さんが急性骨髄性白血病に罹患しているとの診断が可能であったし、その事実を併せ考えると、花子さんに、播種性血管内凝固症候群の併発さえ疑われると判断できたので、検査結果を知り得た4日午後3時30分の時点で転送をしなかったのは過失にあたる

 その時点で転送すれば、7日午前8時40分の死亡はさけられたと考えられるので過失と死亡との因果関係はある

 と判断し、花子さんの遺族の主張の一部を認めました。

 転送については、判決は、「同医師は、上記のような自分の経験を重んずる余り、4日には、花子を転送するための努力を全くしていないのである。現に、そのような努力を尽くしていたにもかかわらず、いずれの専門医療機関からの受け入れを拒否されたというのであれば、太郎医師の責任を問うことは酷であろうが、初めから転送が不可能と決め込んでそのような努力を一切しなかった以上、その点を落ち度として責められてもやむを得ない。」と判示し、医師の行動を強く批判しています。

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2008年2月 6日 (水)

【医療事故】髄膜腫摘出術を受けた患者が急性硬膜下血腫によって死亡した場合に、髄膜腫摘出術の終了に手間取り、その結果、頭部CT検査の実施を遅らせ、ひいては急性硬膜下血腫の再手術の開始が遅れたことにつき医師に過失があるとされた事例(福岡高裁H18・10・26)

 判例時報1987(2月1日)号搭載の判例です。

 事案は以下のとおりです。

 平成12年6月15日午後2時3分から、太郎さんは、Y病院で、髄膜腫の摘出手術を受けました。

 医師らは、太郎さんに全身麻酔をした後、頭蓋骨を露出させ、さらにドリル等を用いて、午後2時45分ころ、骨片を除去しました。

 すると、硬膜が異常に緊満し、それまで正常な範囲にあった収縮期血圧が220から230㎜ミリHgまで急激に上昇し、上矢上静脈洞表面の小さな穴から噴水状の出血が見られ、手術用綿等により止血しました。

 こうした状況から、太郎さんの頭蓋内圧が亢進しているのは明らかなため、医師らは髄膜腫内或いはその周辺からの出血であると考え、本件手術を急ぐことにしました。

 そして、頭蓋内圧の亢進を和らげるべくマンニトール300ccを静注し、その薬効が現れるのを待って髄膜腫の摘出をするとともに、併せて、髄膜腫直下の大脳皮質内の少量の血腫も除去しました(摘出時期は午後3時45分ないし午後4時)。

 ところが、髄膜腫除去後も頭蓋内圧の亢進はまったく改善しなかったため、その原因が髄膜腫内の出血ないしはその周辺からの出血でないことが明らかになりました

 そこで、医師らは、頭部CT検査の実施のため、人工硬膜を用いるなどをして午後5時15分本件手術を終え、午後5時45分ころ、CT検査を実施しました。

 CT検査の結果、髄膜腫の対側に急性硬膜下血腫が形成されていることが判明しました

 そこで、医師らは、午後6時18分、手術を再会し、血腫を除去し、午後9時45分には手術を終えましたが、太郎さんは、昏睡状態で、両側の瞳孔は散大し、対光反射は消失し、17日午前1時26分に、死亡しました。

 太郎さんの遺族であるXさんらが、Yに対して、硬膜下血腫を発見し、これを摘出するのが遅れた過失があるとして、提訴しました。

 福岡高裁は、

 一般に、硬膜下血腫が脳に深刻な影響を及ぼす可能性は大きいから、医師としては、硬膜下血腫が疑われる患者については、患者の脳が不可逆的な損傷を受けることがないように、可及的速やかに血腫の発生部位を特定し、外科的手術によって血腫を除去すべき注意義務を負っているが、

 特に高度な脳圧亢進が生じた症例においては、血腫発生後、長くても2,3時間の間に血腫を除去しなければ、不可逆的な損傷が脳に広汎に発生すると考えられるところ、

 本件血腫は相当に大きいものであり、また、脳圧亢進の程度も高度であったから、2,3時間の間に血腫を除去しなければ、脳が不可逆的な損傷を受ける危険性が高かったものということができると判示しました。

 その上で、髄膜腫の摘出時刻は午後3時45分ないしは午後4時ころであるのに対して、閉頭して本件手術を終えたのが午後5時15分、頭部CT検査が実施されたのが午後5時45分であるから、髄膜腫の摘出から本件手術の終了まで約1時間15分ないし1時間30分を要し、頭部CT検査まで1時45分ないし2時間を要していることになる

 本件手術の終了まで時間がかかりすぎていることを否定できないとして、担当医師らが本件手術の終了に手間取り、その結果、頭部CT検査の実施を遅らせ、ひいては本件再手術の開始を遅らせることになったから、この点において、担当医師らの責任は免れないと判示いたしました。

 なお、本件では、手術が成功していたとしても、相当高度な後遺障害を残した蓋然性が高いことから、逸失利益は認めていません。

 少々記事が長くなりました。smile

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2008年2月 4日 (月)

【交通事故】自動車総合保険契約の人身傷害補償特約が、自動車の運行に起因する事故等に該当する急激かつ偶然な外来の事故により被保険者が身体に傷害を被ることを保険金の支払事由と定め、被保険者の疾病によって生じた損害に対しては保険金を支払わない旨の規定を置いていない場合に、保険金の支払を請求する者が主張立証すべき事項(最高裁平成19年10月19日)

 判例タイムズ1255(2月1日)号搭載の最高裁判例です(以前のブログでも紹介しています。)。

 この最高裁判例は、損保会社に対して与える影響は大きいものがあり、今後は、人身傷害補償特約の約款の改正も必要になるものと思われます。

 この判例は、自動車の運行に起因する事故等が被保険者の疾病によって生じたときであっても、保険者は保険金支払い義務をおい、保険金の支払いを請求する者は、上記事故等と被保険者がその身体に被った傷害との間に相当因果関係があることを主張立証すれば足りると判断しています。

 この判断だと、疾病により生じた身体の傷害は保険金支払いの対象としないという傷害保険の基本的なスタンスとは相容れないとの疑問が生じますが、最高裁は、本件特約によれば、運行事故が被保険者の過失によって生じた場合であっても、その過失が故意に準ずる極めて重大な過失でない限り、保険金が支払われることとされていることから、運行事故が被保険者の疾病によって生じた場合であっても、保険金を支払うことをされていると説明しています。

 最近、人身傷害補償特約についての相談が少しずつ増えており、同特約については、十分に勉強していく必要が生じてきています。

 なお、今回の判例の事案は、愛媛で生じたケースであり、非常に興味を引きました。

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2008年2月 3日 (日)

【金融・企業法務】根抵当権で担保された数個の債権のうちその1個を代位弁済した保証人と原根抵当権者との優劣(福岡高判平成19年3月15日)

 銀行法務21・2008年2月号に特別論考として、「根抵当権で担保された数個の債権のうちその1個を代位弁済した保証人と原根抵当権者との優劣」について判断した福岡高判平成19年3月15日の裁判例が紹介されていました。

 昔の知識で、1個の抵当権によって1個の債権が担保されており、その債権の一部を保証人が代位弁済し、その後、抵当権が実行されて、売却代金が被担保債権のすべてを消滅するに足りない場合には、その配当は、債権者が代位弁済者に優先する(債権者優先主義)ということを覚えています。

 1個の普通抵当権によって数個の債権が担保されており、そのうちの1個の債権の全部を保証人が代位弁済した場合は、平成17年1月27日の最高裁判例によれば、債権者と代位弁済者とは平等であり、債権者と代位弁済者との間に特段の合意がない限り、売却代金は、債権者が有する残債権額と代位した債権額とで案分して配当されるべきとしています。

 これに対して、

 1個の根抵当権によって数個の債権が担保されており、そのうちの1個の債権の全部を保証人が代位弁済した場合は、債権者が代位弁済者に優先するという福岡高裁の判断(平成19年3月15日)がでました。

 福岡高裁の判断について、先ほどの平成17年1月27日の最高の判例などの関係をどのように考えるのかというのが論考のテーマの1つでした。

 興味のある人は読んでみてください。

 ところで、日弁連会長選挙の投票日は、大阪出張などと重なったため、一足先に、郵便投票してきました。今回の選挙は、両陣営ともに緊張感が漂っていますので、両者かなり接戦になるのではないかと思っています。 

 これどうするのでしょうか? 

 弁護士希望の修習生 3人に1人が就職難 日弁連調査

 法曹養成制度は、めちゃくちゃになってしまいました。鳩山大臣には、頑張っていただきたいものです。

 ついに、M先生も法曹人口の見直しを検討されたみたいですね。

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2008年2月 2日 (土)

【交通事故】高速道路料金所手前でETCレーンに入るか否かを迷って停止寸前で追突された乗用車の過失を、30%と認めた事例(東京地裁平成18年8月9日)

 自保ジャーナルNO1720(1月31日)号搭載の事案です。

 高速道路を休日運転することがありますが、私の場合でも、一般レーンとETCレーン進入するのに迷う場合があります。

 今回の裁判例も、そのような場合の1事例です。

 事案は、以下のとおりです。

 高速道路料金所「十数メートルないし数十メートル後方で」ETCレーンに入るか否か迷って「停止寸前のゆっくりした速度で」、右、左と進路変更していた原告車に、クラクションをならしながら、被告車が追突したと認定し、

 高速道路料金所手前、渋滞していない地点での追突態様を考慮、「原告には事故回避措置をとらなかった」過失があるとして、原告に、30%の過失相殺を適用しました。

 追突事故であるため、被告車の過失が大きくなったみたいです。

 ところで、休憩の度に、ETCカードを器械から取り外しますね。休憩した後、再度、ETCカードを挿入して、出口ゲートに向かうわけですが、休憩の時に、ETCカードを再挿入するのを失念して、ETCレーンのゲートが開かず、事故が起きる場合もあるようです。(>_<) みなさん、気をつけて運転しましょう。

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2008年2月 1日 (金)

最近の過払い金事情 愛媛・今治 

 相変わらず、任意整理のご相談は多いです。

 元のご依頼人様がご紹介してくださるケースがほとんどです。よかったと感じてくれたからご紹介していただけるのであって、非常にありがたく感じています。

 私の事務所でも、受任通知 → 引き直し計算 → 依頼人と協議 → 交渉 → 決裂 → 訴訟 という流れで、対応していますが、ところが、最近、受任通知が届かずに戻ってきてしまうケースが増えています。とくに日掛け業者や会社でない個人業者に著しいです。

 また、意図的に取引履歴の開示や回答を引き延ばすケースや、長期の分割払いを提案してくるケース、過払い金の入金が5ヶ月も先になる等ケースが、ものすごく増えています。

 昨年の2月ころと比べると、任意整理が非常にやりにくくなっています。(T_T)

 提訴すればいいのですが、相手方が争ってくるケースだと1年くらいかかるのですね。裁判所にはなんとかして早く終わらして欲しいと思っていますが。

 過払い金特需とか言われていましたが、それも感覚的には、今年くらいまででしょうね。

 今治でも、かなり業者が撤退してしまいました。

 平成18年、19年は、任意整理案件が相当多くあり、事務所の売上げも伸びましたが、平成20年は、どうなることやら。

 過払い案件があまりなかった平成17年に戻るだけであればいいのですが、全体的に、過払いと離婚・交通事故を除く一般民事家事事件は減っているような気がしますね。 

 新人弁護士の先生には、営業 いや、広報活動でもしてもらいましょうか (^_^;)

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