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2007年10月14日 (日)

「国選弁護人、何もせず」富山冤罪の日弁連調査で柳原さん(読売新聞)

  読売新聞のニュースによれば、富山えん罪事件の被害者の方が、国選弁護人は何もしてくれなかったとして、当時の弁護士を批判されておられるようです。

 確かに、一般論として、否認事件で、接見2回というのは、少ないと思います。

 私自身が担当した事案では、否認事件であれば、最低でも10回以上は接見・面会します。当然、記録も差し入れします。

 ただ、今回の事件のケースでは、捜査段階での調書は、すでに自白調書になっており、このような場合、無罪を勝ち取るのが至難のわざであるということは、容易に想像できます。

 被告人から否認を強く主張されない場合には、自白調書もあることや、また、否認から自白に転じる方は決して少なくないことから、専ら情状を中心とした弁護活動も選択肢の1つとしてありうることです。

 ところで、国選事件は、自白事件でも、その手間や責任の大きさを考えると、報酬は活動にみあったものではなく、否認事件ということになると、確実に、大きな赤字になります。

 現に、私も否認事件が入った場合には、その弁護にかなり時間をさかれるばかりか、否認を主張される被告人は神経がかなりぴりぴりされていることから、その応対にも、神経を使わざるを得ず、経済的にも肉体的にも大きな負担を強いられます。

 しかし、そうだからといって、否認事件で手を抜いたことは一度もありません。

 えん罪事件を担当された弁護士も、同じ思いで国選業務を担当されていると信じたいです。

 ただ、今回の事件の場合、国選弁護人に対して、どの程度強く否認を主張されていたのか、その点については、あまりマスコミでも報道されておらず、是非、知りたいと思います。

 仮に国選弁護人が手を抜いていた場合には、国選弁護人がその責任を負担すべきであって、それだけの理由のみで、国選弁護人を選任した裁判所(国)に対して、責任を追及するのはおかしいのではないかと思います(なお、被告人の調書や供述などから、被告人の無実を疑うに足りる事情が十分あるにもかかわらず、その事情を気づかずに、有罪の判決を言い渡した場合には裁判所にも責任があるとは思います。)。

 私の場合、少しでも否認事件の要素がある場合には、公判でも否認を前提での弁護を行っていいのかどうか何度も確認します。後で、被告人から、懲戒申立等をされるのが嫌だからです。

 私自身は、責任だけ大きくて、得る報酬は見合わない国選事件は、現在は、常時1件から2件程度に抑制しています(なお、刑事私選事件も原則として受けていません。)。以前は、常時5件くらい抱えていましたが、法テラスになって、さらに報酬が減額されたことや申請手続が面倒になったことなどから、言われるままに他の事件や相談などを断ってまで国選弁護人になるのはやめました。 

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【弁護士考】」カテゴリの記事

コメント

 国選弁護だからといって、手を抜くような方は昔でも少数だと思いますし、また、現在は、昔と異なり、積極的に国選事件を担当したい弁護士の数も増え、また、被疑者段階であれば接見回数に応じて弁護費用が加算されることになっています。
 

国選弁護人制度、じゃいらんやん。そう云う制度になっていて改善されないのは放置と云うのです。

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