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2007年10月31日 (水)

当事務所の法律相談業務(地域的範囲)について

 私の事務所では、地元に密着した事務所を目指すという点から、法律相談業務は、重点業務である交通事故案件を除き、原則として、今治市に居住されている方、或いは、今治市に本支店のある法人からのご相談を優先させていただいております(紹介者や紹介状も一切不要)。

 当該ブログやHPを通じて、時折、松山市や県外からの法律相談のご依頼を受ける場合があります。大変申し訳ありませんが、今治市以外に居住されている方や、或いは、今治市に本支店のない法人の方の、交通事故案件以外の法律相談については、最寄りの法律事務所を直接連絡していただくか、弁護士会などにてご紹介を受けるなどでご対応していただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 最近、ブログのアクセス数が伸びるにつれて、ブログやHPを通じて、松山市などに居住されている方などの問い合わせが増えていることから、念のために、告知させていただきます。

 その際に、或いは、相談中に、「どなたかご相談分野に強い事務所を教えて欲しい」等とのご要望を受けることも少なくありませんが、当事務所ではトラブルを避けるために、大変申し訳ありませんが、他の法律事務所の教示や紹介は、一切ご遠慮させていただきます。

 読者の皆様には、大変ご迷惑をおかけしますが、宜しくお願い申し上げます。

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2007年10月29日 (月)

取引開示義務をめぐる裁判例と問題点

 判例タイムズ1248号(11月1日号)に、「取引開示義務をめぐる裁判例と問題点」と題する現役の裁判官(吉野内裁判官)の記事がのっていました。

 貸金業者に対するものと、銀行に対するものとを区別して論述されており、とりわけ、貸金業者に対するものについても、大いに参考になりました。

 平成17年の最判は、「信義則上、保存している業務帳簿(保存期間を経過して保存しているものも含む。)に基づいて取引履歴を開示すべき義務を負う」と判示しています。

 貸金業者が廃棄主張をしてきた場合についての検討が参考になります。

 吉野内裁判官は、記録が存在することは開示請求権の前提であるから、債務者側が記録の存在につき立証責任を負うと考えています。

 とはいえ、仮に、債務者に証明責任があるとしても、貸金業者は帳簿の保存義務を負っていることから、少なくとも、保存義務を負う間は、帳簿も存在するのが原則であり、帳簿の存在が事実上推定されると考えておられます。

 さらに、保存期間が経過した後でも、直ちに帳簿が破棄されるのが一般的とまでは言い難いことから、貸金業者の方にて、廃棄を裏付ける事実を積極的に主張立証する必要があるとされています。

 問題は、帳簿の保存期間についてです。

 吉野内裁判官は、貸金業法上、最終の返済期日から少なくとも3年、帳簿閉鎖の時から10年間は、保存しなければならないことになると解説されています。

 吉野内裁判官は、少なくとも、債務者から取引履歴の開示請求を受けているにもかかわらず、保存期間を経過したからといって廃棄することは許されないというべきであり、廃棄が不法行為を構成することもあり得ると述べておられます。

 過払金請求案件が増えたからという理由で、取引履歴を破棄することがあれば、とんでもないことです。

 吉野内論文は、廃棄主張の場合の立証責任の問題も含めて大いに参考になる文献でした。

 他方、貸金業者と異なり、預金取引における取引開示義務については、裁判例は、開示について、消極的なのですね。

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2007年10月28日 (日)

信じるに足る外観を備えない債権譲渡通知は、債権譲渡の対抗要件となりえない(島原簡裁平成19・1・31)

 銀行法務21の10月号の「金融商事実務判例紹介」で、紹介されていた判例です。

 民法467条は指名債権の譲渡の第三者に対する対抗要件として、通知又は承諾が確定日付ある証書によって行うことを定めていますが、その通知又は承諾の有効要件については、定めていません。

 事案は、内容証明郵便を使ったものの、債権譲渡人の押印が、会社の印鑑ではなく、社長個人の印鑑だったという事案です。

 社長個人の印鑑がダメであれば、押印がない事案はもっとダメになるはずです。

 個人印どころか、全く押印がされていない譲渡通知書は、ごくたまに見ることがありますが、きちんと確認しなければ、怖いことになりそうです。(T_T)

 10月号は、結構気になる記事が盛りだくさんでした。

 金融商品取引法関連の記事、賃貸人の倒産における資金返還請求権の取り扱い関連の記事、信用保証協会の保証免責条項関連の記事などです。

 それと、「営業店からの質疑応答」のコーナー、いつも参考になります。この質疑応答って、私が顧問させていただいている銀行の担当者から、よく尋ねられる内容が多く載っているからです。

 そのため、いつも物知り顔で回答できます。(^_^;)

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2007年10月27日 (土)

裁判員制度の正体 (講談社現代新書)

 今日は、事務所の定期健康診断のため、朝から、病院にいっています。

 私の事務所では、スタッフ4名全員に、事務所負担で、毎年1回、健康診断を受けてもらっています。

 健康保険がきかないため、1人数万円の負担ですが(都心の高級ホテルが一泊できるくらい)、毎年続けています。

 いつもは、グループで対応していただけたのですが、今回は、混雑しているためなのか、1日1名分しか枠がなく、5日間、健康診断のために、スタッフの1人がでかけるようなことになりました。

 さて、健康診断の間の待ち時間がもったいなので、「裁判員制度の正体」という元裁判官の法科大学院の先生が書かれた本を読みました。

  私自身、刑事事件の依頼はほとんど引き受けないこと、今治の裁判所は裁判員が必要な刑事裁判を行えないことから、裁判員制度については、全く、関心がありませんでした。(^_^;)

 この本を読んで、正直びっくりしました。また、刑事方面での不勉強を反省する次第です。

 裁判員の日当が1万円で決まっているようですね。これでは、自営業者やサラリーマンの多くの方は、たまりません。サラリーマンの方で、会社が裁判で欠勤した間も給料を支給できるようなところであれば、問題ありませんが、その間は、無給扱いとするところも少なくないでいしょう。自営業者も、一日の売上げが1万円だと、生活できないでしょうね。

 また、評決も、裁判官3名、裁判員6名の多数決で行うようですが、評決の仕方も変わっています。少なくとも、裁判官1名の賛成がなければ、有罪にできないようです。例えば、裁判官3名が無罪、裁判員6名が有罪の場合でも、無罪、つまり 少なくとも裁判官1名の賛成ができなければ有罪にはできません。そして、控訴されたら、裁判員ではなく、裁判官3名のみによって審理判断されます。

 どう考えても、中途半端な印象を受けます。

 さらに、裁判にかかる時間が、1日で終わるのであれば、負担感はありませんが、死刑判決相当事案だと、1ヶ月以上かかっても別におかしくありません。その間、裁判のために時間をとられると、仕事になりません。

 加えて、人を殺して金員を奪うような人に、まずお金持ちはいませんので、その多くは、国選事件にならざるを得ませんが、国選事件の報酬で、裁判員の事件を受けられる弁護士が、全国にどれほどおられるのか疑問なしとしません。

 私たち弁護士は、民事事件からの売上げで事務所を維持しており、私選であればともかく、国選事件については、正直、受けたくないというのが本音だろうと思います。

 司法修習生のころは思いもしませんでしたが、例えば、コピーをリースした場合、事務所内で、1枚刷るごとに、白黒では7円 カラーでは36円が、リース料金(上乗せ)として、リース会社から請求されます。当然、基本料金は月額で請求されますし、紙代、トナー代、電気代、電話代(ファックス機能)は別請求です。とにかく、事業収入には経費がかかるのです。このあたりの感覚は、元裁判官の弁護士さんのブログがわかりやすく説明されています。

 裁判官にしても、これまで、精密司法と評価されるほどの裁判官の職人芸ともいうべき事実認定により、有罪・無罪の判断が行われてきました。裁判官の判決にいろいろ文句を言う方もおられますが、その多くは、納得できる内容であることがほとんどだと思います。裁判員制度により、この認定が粗くなってしまうことは否定できません。

 また、量刑判断にあたって、死刑の評議を行う際に、いくら極悪非道の被告人でも、自らが賛成したことにより死刑になったということであれば、その判断について苦悩される方も少なくないと思います。

 そのような負担は、裁判官のみが負うべきであり、一般人が負うべきではありません。 

 裁判員制度の問題点については、寺本先生のブログが詳しいですが、本当に、こんな制度、必要なの?と思いました。

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2007年10月25日 (木)

弁護士の就職

 銀行法務21(10月号)のトピックスに、「弁護士の就職」についての記事が載っていました。

 法科大学院を受験するために必要な適正試験の受験者が、

 2003年度 3万5500人

 2004年度 2万1300人

 2005年度 1万7700人

 2006年度 1万6600人

 2007年度 1万4200人

 と年々大幅に減少しているようです。

 他方、弁護士数については、2005年現在で2万2000人程度ですが、2018年には、なんと、5万人に腫張するようです。

 年々司法試験を目指す人は減り続けるのに、弁護士の数だけは、増え続けるわけです。

 志望者が減少するということは、優秀な学生を法曹界が吸収できないということにつながり、大変危惧されます。

 司法修習生(60期)についても、法律事務所への就職希望者は、2200人から2300人であるにもかかわらず、求人数は、1350人であり、大幅な求人不足が見込まれています。

 最近、法曹人口を、従来、年3000人とする方針だったのが、自由民主党の委員会で見直しを行う動きが出ており、鳩山法務大臣も、私見として、年1500人が妥当と考えられているようです。

 しかし、現状の体制では、法曹人口を抑えても、合格率が一層減少することから、法曹になりたいという方はさらに減少することになるかと思います。

 私は、法科大学院を早急に廃止するか、或いは、法科大学院の卒業生には、択一式試験免除ということで対応し、全ての者が、司法試験が受験できるよう、門戸を広く開放すべきだと思います。

 日弁連からは、いろいろ、新人弁護士雇用のためのパンフレットやアンケートがきますが、(田舎の)地元の弁護士会が、新人弁護士雇用を確保するため、就職説明会などを開催したという話はききません。

 また、新人弁護士を入れたことにより経営的にはつらくなったという話も、聞いたりしています。

 私の事務所は、弁護士1名であり、また、私を支えるスタッフが優秀であり、さらに、幸いにも、顧問先からのご依頼事件やご紹介事件があるため、なんとかなるような気がしていますが、20歳代、30歳代の弁護士は、大変だろうと思います。

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2007年10月22日 (月)

司法試験合格者3000人時代到来?

 政府は、司法試験の合格者を年間3000人程度に増やす方針をとっており、日弁連もこれの方針を尊重しております。

 私の時代は、司法試験は、3万人が受けて、年間600人が合格する程度でした。3000人という人数は、単純に、人数だけからいえば、足きり試験である択一試験の合格者数に匹敵する人数です。

 司法試験の合格者を増やせば、本来合格水準に達していない者が合格する者の数も増え、現に、旧司法試験の場合でも、1500人が合格するようになり、司法修習生の質の問題が話題にのぼるようになりました。

 新司法試験の場合は、法科大学院での学習を前提にするため、旧司法試験のケースで単純に合格者数を増やした場合と同じように論じることはできません。

 ただ、某法科大学院のカリキュラムをみる限り、かなり先端な科目も多く、その分、基本的な法律科目の習得に十分な時間をかけることができなくなっているのではないかと思っています。

 確かに、学部が東京大学や京都大学出身の一部の優秀な法科大学院生は、飲み込みがはやい方が少なくないため(司法修習生時代に感じました)、法科大学院の高度な教育についていくことができるとは思います。

 しかし、私のように、飲み込みの遅い人間は、消化不良をおこし、かえって基本的な法律科目についての学習をおろそかにしそうです。

 基本的な法律科目についての学習をおそろかにしたまま、合格ということになりますと、合格後に、2回試験や弁護過誤などで、大変痛い目にあうことになります。

 とはいっても、従来は、弁護士が都会に偏在し、弁護士の数が少ないことから、社会的弱者が司法的救済を得られないということも、弁護士の数を増やす要因の1つでした。

 ただ、それは、司法試験合格者数600人時代の時の話であり、旧司法試験の合格者がおおむね1500人となってからは、むしろ、地方に積極的に弁護士事務所が開設され、逆に、新人弁護士の就職難が生じる有様です。

 鳩山法務大臣が述べるように、年1500人程度で、十分に国民の需要にこたえることができるものと思います。

 ただ、既存の弁護士の安住のために、合格者数の制限を求めているという批判もあります。

 確かに、合格者数を制限することにより、弁護士間の競争が阻害され、十分な能力のない弁護士が淘汰されない場合も生じます。

 これについては、(合格後の自己研修を怠った結果)十分な能力のない弁護士の市場からの退場を求めるために、10年ごとの更新制をもうけるというのも、1つの方法だろうと思います。

 10年たてば、法律や判例も大きく変化していますから。

 「貴方は無事更新できるのか?」とは尋ねないでください。ほとんど、仕事に使わない刑法や刑事訴訟法の知識、怪しくなっていますから・・・・

 でも、更新制だったら、勉強するかも (^_^;)

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2007年10月18日 (木)

オルソペディクス1999年1月号「外傷性頸部症候群診察マニュアルー最近の知見からー編集慶應義塾短期大学学長平林洌」の「最近トピックス2 外傷性頸部症候群における画像所見の診断的意義についてー無症状性健常者との比較検討から」(全日本病院出版)

 表題の論文は、いわゆる松本(守雄)論文ですが、それによれば、「外傷性頚部症候群患者にみられる頚椎弯曲異常や、椎間板変性所見は健常者と同様に生理的加齢変化である可能性が高く、その病因性については慎重に判断する必要がある」と説明されています。

 また、「単純X線上、健常者における頚椎弯曲と局所後弯の頻度を年代別、性別に示すと、頚椎弯曲は40歳未満の女性で非前弯曲方の頻度が高く、特に20歳代の女性では、非前弯曲型が全体の70.7%を占めた。男女ともに加齢とともに前弯型が高頻度となる傾向を認めた」などと説明されています。

 つまり、交通事故(衝突事故)が発生した場合、被害者にみられた頚椎の頚椎弯曲や局所後弯が、衝突事故と因果関係があるのか、或いは、既存の所見ではないのかが、交通賠償上、問題になることがあります。

 この点について、高松高等裁判所は、平成19年5月29日(確定)に、「頚椎の局所後弯が10歳代から30歳代の健常者でもある女性にも約3割ないし2割の高頻度で認められるものであることにもかんがみれば」として、前述の松本論文を引用して、「後弯角状変形については、それが既存の所見ではなく、本件事故によって初めて生じたものであるとまでは認めがたいといわざるを得ず」と判断しました。

 原審は、角状変形と衝突事故との因果関係を認めていましたが、高松高裁は、それを否定しました。

 この論点についての裁判例は、私が調査したところでは、交通賠償の裁判例上で、過去に紹介されたものがないと思われますので、今後の類似案件の参考のために、紹介しておきます。

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2007年10月17日 (水)

準備書面及び陳述書により相手方当事者の名誉を毀損したとする損害賠償請求が、訴訟上の主張立証に名を借りた個人攻撃であって、違法性阻却事由があるとはいえないものとして認容された事例(判例タイムズ1244 東京地裁平成18年3月20日)

 別件裁判における、被告らが作成した準備書面や陳述書に記載されている内容が、原告の名誉を毀損するものとして、被告らに対して、慰謝料を請求した事案です。

 東京地裁は、以下のとおり、説明しています。長文ですが、今後、私を含めて裁判に関わる者にとって、重要なことを説明しているため、あえて、全文を紹介いたします。

 「相手方当事者の悪性を協調するなどの方法により相手方の主張、供述の信用性を弾劾したり、相手方に不名誉な事実関係をあえて間接事実や補助事実として主張したりする主張立証活動は、事実関係に争いのある全ての民事訴訟において、その必要性を一概に否定することはできない。」

 ← 争っている訴訟とは関係のない昔に逮捕された新聞記事を出す当事者がいましたね。 

 「しかしながら、訴訟当事者は、紛争における対立当事者であり、相手方に対する悪感情を抱いていることが珍しくなく、そのために、訴訟における主張立証活動に名を借りて、相手方に不愉快な思いをさせて心理的打撃を与えることのみを主たる動機として相手方の名誉を傷つける事実関係の主張をし、またそのような事実関係を供述することも、ままみられるとことである。」

 ← よくあることのようです。

 「訴訟上の主張、立証活動を、名誉毀損、侮辱に当たるとして損害賠償を認めることについては、相手方の悪性主張のための正当な訴訟活動を萎縮させて民事訴訟の本来果たすべき機能を阻害することもあるから、慎重でなければならない。」

 ←そのとおりです。

 「他方、訴訟の当事者が相手方の悪性立証に名を借りた個人攻撃に野放図にさらされ、訴訟以外の場面において名誉毀損行為として刑罰や損害賠償の対象となる行為にも訴訟の場面においては相手方の動機いかんに関わらず耐えなければならないという状態が恒常化することも、相手方当事者からの不当な個人攻撃をおそれる者が訴訟の提訴や正当な応訴、防御活動に消極的になり、ひいては民事訴訟の本来の機能を阻害するおそれがあることにも留意しなければならない。」

 ← そのとおりです。

 「結局、両者のバランスをとって、民事訴訟の本来の機能を阻害しないように留意しながら判断していくほかないが、主要な動機が訴訟とは別の相手方に対する個人攻撃とみられ、相手方当事者からの中止警告を受けてもなお訴訟における主張立証に名を借りて個人攻撃を続ける場合には、訴訟上の主張立証であることを理由とする違法性阻却は認められない。」

 ← まさにそのとおりです。

 個人攻撃を行った代理人弁護士についても、「被告丙山(※代理人弁護士)もそのような被告乙原の意思を知りながら少なくとも幇助者となって、民法719条の共同不法行為を行ってしまったものと推認されるのである」として、賠償義務が認められています。

 解説者によれば、「同種事案には、棄却事例が多いところであるが、本件のような認容事例はあまり紹介されたことがないと思われるので紹介する」とされています。

 気をつけましょう。

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2007年10月16日 (火)

民事再生法施行後の倒産・再生をめぐる重要判例ダイジェスト(事業再生と債権管理10月5日号)

 きんざいの「事業再生と債権管理」の秋号に、倒産関係の重要何例の要旨について要領よくまとめられている記事が載っていました。

 きんざいの書籍は、非常に多数取り寄せ購入させていただいていますが、事業再生と債権管理だけは、田舎弁護士には無縁な大きな事件に関する記事が多く、また、最近の購読誌が、銀行取引21、判例時報、判例タイムズ、交通事故速報、交通事故判例(ぎょうせい)、自保ジャーナル、JA法務、金融法務事情、消費者法ニュース等々、関心のある記事だけに目を通すのに精一杯である状態に陥っているため、定期購読をしている専門誌を少し減らそうと思い、事業再生は購読をやめようと考えていた矢先でしたが、本書の記事をみて、また迷う羽目に陥ってしましました。

 ただ、私の性格上、本は購入して読まないと、それだけで、ストレスの原因になりますし、弁護士事務所を法人化したことに伴い、経費節減も図っているところから、まあ、山の神に怒られない程度にしておかなければなりません。

 それはさておき、記事で参考になるなあと思った判例は、以下のとおりです。

 破産終結決定がされて法人格が消滅した会社を主債務者とする保証人が主債務の消滅時効を援用することの可否が問われた事例です。

 第1審は、債権者の届出債権は原債権であり、求償債権ではないから、求償債権ではないから、求償債権は破産終結から5年で時効消滅して、保証人の保証債務も消滅したと判断しました。

 ところが、第2審は、債権者の届出債権は、求償債権を含む趣旨のものであるとした上、届出債権に対応する求償元金については、時効期間が10年に延長され、届出債権に含まれなかった求償損害金については、時効期間が5年のままとして、本件訴訟提訴の5年前に発生した求償損害金は時効消滅したが、その後に発生したものは消滅していないと判断されました。

 最高裁は、そもそも、破産終結決定がされて法人格が消滅した会社を主債務者とする保証人は、主債務についての消滅時効が会社の法人格の消滅後に完成したことを主張してこれを援用することができないと判断しました(最高裁平成15年3月14日)。

 これって、気をつけておかないと、相談者に間違ったアドバイスしかねませんね。(^_^;)

 なお、個人の場合には、援用できないとする最高裁判例が、すでに、平成11年11月9日に出されているみたいです。

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2007年10月15日 (月)

信用保証協会を債権者とし、被担保債権の範囲を保証委託取引により生ずる債権として設定された根抵当権の被担保債権に、信用保証協会の根抵当債務者に対する保証債権は含まれない(破棄自判 最高裁平成19年7月5日)(銀行法務21・9月)

  銀行法務21・9月号の金融商事実務判例紹介で、★★★評価で紹介されていた最高裁判例です。

 事案は、以下のとおりです。

 Y保証協会は、債務者Aと債権者B銀行との間の貸金について、Aのために連帯保証をし、また、その頃、Cは、債務者Aのために、Aが信用保証委託契約に基づきYに対して負担する一切の債務を連帯保証しました。

 その後、Cは、D銀行からお金を借り入れる際に、Yとの間で、信用保証委託契約を締結し、Cが所有していた不動産(本件不動産)を、債務者をC、極度額を1560万円、債権の範囲を「保証委託取引による一切の債権」と定め、根抵当権設定契約を締結し、これに基づき、債権の範囲を「保証委託取引」とする根抵当権設定登記をなされました。

 その後、AはB銀行から借りたお金が返済できず、Y保証協会が代位弁済し、Aに対して求償権を取得しました。

 Cは、D銀行に対する借り入れはすべて弁済しました。

 Cは、Xさんに、本件不動産を売却し、Xは、Y保証協会に、本件根抵当権設定登記の抹消登記手続を求めました。

 1審では、Xさんが勝ち、2審では、Xさんが負け、最高裁では、再び、Xさんを勝たせました。

 最高裁は、保証委託取引という表示が、法定された信用保証協会の業務に関するすべての取引を意味するものと解することはできないとして、被担保債権の範囲を保証委託取引により生ずる債権として設定された根抵当権の被担保債権に、信用保証協会の根抵当債務者に対する保証債権は含まれないと判断しました。

 難しい問題ですが、保証委託取引という表示で、信用保証協会の取引一般が対象とならないとすれば、Y保証協会としてはどうすればよかったのでしょうか?

 法務省は、「信用保証協会取引」という表示では適当でないというコメントを発表して、「保証委託取引」とされるよう説明されていたようで、この説明を前提に登記した金融機関が保護されない結果となってしまいました。

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2007年10月14日 (日)

カードの利用による継続的な金銭の貸付を予定した基本契約が同契約に基づく借入金債務につき利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により過払金が発生した場合には、当該弁済当時他の借入金債務が存在しなければこれをその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含むものと解された事例(最高裁平成19年6月7日)

 旬刊金融法務事情1816号(10月15日号)の判決速報で紹介された最高裁の裁判例です。 

 過払金の将来債務への充当については、過払いが生じた段階で、借入債務が発生しなければ充当の問題は生じないとする下級審の裁判例がありました。

 しかし、この最高裁判決は、基本契約に基づく債務の弁済は各貸付との間で個別の対応関係を持つものではなく、基本契約に基づく借入金の全体に対して行われ、このような全体としての借入金債務が充当の対象となるという本件の各基本契約の実質的な内容を素直に理解すれば、その基本契約は、弁済当時他の借入金債務が存在しないときでも、過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含むものと解釈できるとして、この合意に従った充当計算を肯定したものです(金融法務事情からの引用による)。

 まあ、当たり前のような気がしますが、相手方の金融機関は最高裁に上告して争ったようですね。

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「国選弁護人、何もせず」富山冤罪の日弁連調査で柳原さん(読売新聞)

  読売新聞のニュースによれば、富山えん罪事件の被害者の方が、国選弁護人は何もしてくれなかったとして、当時の弁護士を批判されておられるようです。

 確かに、一般論として、否認事件で、接見2回というのは、少ないと思います。

 私自身が担当した事案では、否認事件であれば、最低でも10回以上は接見・面会します。当然、記録も差し入れします。

 ただ、今回の事件のケースでは、捜査段階での調書は、すでに自白調書になっており、このような場合、無罪を勝ち取るのが至難のわざであるということは、容易に想像できます。

 被告人から否認を強く主張されない場合には、自白調書もあることや、また、否認から自白に転じる方は決して少なくないことから、専ら情状を中心とした弁護活動も選択肢の1つとしてありうることです。

 ところで、国選事件は、自白事件でも、その手間や責任の大きさを考えると、報酬は活動にみあったものではなく、否認事件ということになると、確実に、大きな赤字になります。

 現に、私も否認事件が入った場合には、その弁護にかなり時間をさかれるばかりか、否認を主張される被告人は神経がかなりぴりぴりされていることから、その応対にも、神経を使わざるを得ず、経済的にも肉体的にも大きな負担を強いられます。

 しかし、そうだからといって、否認事件で手を抜いたことは一度もありません。

 えん罪事件を担当された弁護士も、同じ思いで国選業務を担当されていると信じたいです。

 ただ、今回の事件の場合、国選弁護人に対して、どの程度強く否認を主張されていたのか、その点については、あまりマスコミでも報道されておらず、是非、知りたいと思います。

 仮に国選弁護人が手を抜いていた場合には、国選弁護人がその責任を負担すべきであって、それだけの理由のみで、国選弁護人を選任した裁判所(国)に対して、責任を追及するのはおかしいのではないかと思います(なお、被告人の調書や供述などから、被告人の無実を疑うに足りる事情が十分あるにもかかわらず、その事情を気づかずに、有罪の判決を言い渡した場合には裁判所にも責任があるとは思います。)。

 私の場合、少しでも否認事件の要素がある場合には、公判でも否認を前提での弁護を行っていいのかどうか何度も確認します。後で、被告人から、懲戒申立等をされるのが嫌だからです。

 私自身は、責任だけ大きくて、得る報酬は見合わない国選事件は、現在は、常時1件から2件程度に抑制しています(なお、刑事私選事件も原則として受けていません。)。以前は、常時5件くらい抱えていましたが、法テラスになって、さらに報酬が減額されたことや申請手続が面倒になったことなどから、言われるままに他の事件や相談などを断ってまで国選弁護人になるのはやめました。 

2007年10月13日 (土)

貸金業者の利息制限法所定の制限を超える利息の支払請求について、架空請求であるとして不法行為を構成するとし、借主の貸金業者に対する慰謝料と弁護士費用の支払請求が認容された事例(札幌高裁平成19年4月26日)

 このブログでも、既に紹介させていただいている過払金請求に関連する裁判例が、ついに判例時報1976号(10月11日号)に登場いたしました。

 解説者によれば、「本判決は、過払金返還訴訟に必要な弁護士費用を民法704条後段の損害にあたるとして、その支払請求を認容した初めての裁判例である」と紹介しています。

 ただ、地裁レベルでは、すでに、大阪地裁で同様の判断が示されていたものと思います。

 次に、ここからがさらに重要ですが、利息制限法の制限を超える利息の請求は、架空請求として不法行為を構成し、架空請求を受けて苦しんだ原告の慰謝料15万円と弁護士費用5万円の支払請求を認容したのです。

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2007年10月12日 (金)

第121回金融法務研究会例会

 きんざいの金融法務研究会例会出席のため、大阪(大阪銀行協会)に出張していました。

 今回の講師は、元法務省のキャリア官僚の経歴のある弁護士の先生であるため、テーマも、「最近の担保法関係の判例から学ぶ」という内容でした。

 最近の担保法関係の判例といいながらも、いきなり、大正13年12月24日の大審院判例の解説から始まり、先生にとっては、最近なのかなとか思ったりしていました。

 基本的にはここ5年以内の最高裁の裁判例を中心にあげており、このブログでもとりあげている裁判例でもあり、理解が深まったと思います。

 1つだけ押さえていなかった最高裁の裁判例がありました。

 登録自動車を目的とする民法上の留置権のよる競売において、民事執行法181条1項1号所定の「担保権の存在を証する確定判決」に該当するための要件について判断した最高裁の決定です(平成18年10月27日)。

 本決定は、登録自動車を目的とする民法上の留置権による競売においては、その被担保債権が当該自動車に関して生じたことが主要事実として認定されている確定判決であれば、債権者による当該自動車の占有の事実が認定されていなくとも、民事執行法181条1項1号所定の「担保権の存在を証する確定判決」にあたる旨判示いたしました。

 なお、余談ですが、講師の先生は、某法科大学院でも教鞭をとっておられ、最近の学生の姿勢に苦笑されていました。

 裁判官になりたいか?と尋ねると、裁判官にはなりたくない、なりたくない理由は、判決を書くのがいやだということのようです。

 しかし、弁護士にはなりたいということで、その理由は、社会的地位が高い、お金をもうけることができるなどの理由をあげたようです。

 一部の学生なのでしょうが、少しうんざりさせられる話です。

 PIEN先生の最近の記事のコメント欄には、新司法試験出身の修習生に対して、某銀行は、院卒程度の給料が提示されたことなどが記載されていました。

 また、別の弁護士のブログでは、法律事務所でも、年360万円程度の給料の提示がされたことが紹介されていましたが、年360万円でも、まだお金がもらえるのならいいかもしれません。愛媛でも、のき弁どころか、宅弁もすでに、存在しています。

 弁護士には、お金をもうけることができる、社会的地位が高いというイメージがありましたが、実際には、それは、昔話になりつつあります(都会では伝説になっているのでは?)。

 これからは、どんどん弁護士が増産されることから、もう5年もたてば、「お客様は神様です」というごく普通のサービス業と変わりなくなるでしょう。

 これからは、負け筋原告事件でも、どんどん受任せんといかんな。(^_^;)

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2007年10月11日 (木)

無駄遣い もうやめて欲しい 弁護士のための華麗なるキャリアプラン挑戦ガイドブック

   最近、日弁連から、わけのわからないアンケートやら、パンフレットが送られてきています。

 アンケートは、最近の新人弁護士の評価と自己評価を回答させる内容ですが、その質問の意味の大半がさっぱりわけがわからない内容でした。「最近の若い者は」と回答させる目的なのでしょうか?

 今度は、パンフレットです。PIEN先生のブログで紹介されていましたので、内容に興味のある方はクリックしてみてください。

 イラストの趣味もよくないし・・・・

 新人弁護士の雇用確保をねらったものでしょうが、こんなものを既存の弁護士に送るよりも、日弁連の幹部が直接各企業に雇用確保のために丁寧にお願いした方がよっぽど効果的ではないかと思います。

 弁護士会会費は、月額5万円です。このような費用は、私たちの会費から支出されているのだから、もっとまじめに使って欲しいと思います。

 一日一冊の弁護士の読書日記によれば、新人弁護士の初任給年360万円の事務所もでてきたことが紹介されています。松山でも、のき弁の先生がおられる話をきいたことがあります。

 安定した顧客がいない新人弁護士や中堅弁護士の台所事情は、かなり厳しくなりそうです。弁護士会は、このまま、高い会費を徴収していくのだろうか? 新人弁護士が増えれば増えるほど、会費減額の要求は強くなると思いますが、どのように対処するのか検討されているのかしらん。

 弁護士の金銭面での不祥事が増えて、弁護士に対する信頼が失われることが大変心配です。 

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2007年10月10日 (水)

ご相談 急増加

 先週、顧問先様へのご訪問をさせていただいたところ、それがきっかけになり、今週から来週は、顧問先様からのご相談事案が急増加いたしました。

 顧問先様からのご相談は、原則として、48時間以内に対応するようしておりますので、現在、非常に多忙となっております。

 また、顧問先様からは、訪問の御礼にと、非常に高価なお酒も逆にいただくことになり、かえって、恐縮しています。大変ありがとうございました。<(_ _)>

 現在、顧問先様に対するサービス(法的サービスを除く)は、定期的なブログ集のご送付だけですが、定期的な講演会やパーティーなども開催させていただくことを検討しております。ご意見がありましたら、お寄せ下さいますよう宜しくお願い申し上げます。

 また、当事務所の一般の顧客様に対するサービスは、定期的な事務所報のご送付ですが、第5号は、10月中旬ころ発送予定になっています。第5号は、弁護士法人化に伴い、少し分量を増やしております。ご好評の寄稿は、今回は馬渕勉四国ロースクール教授にお願いいたしました。こうご期待下さい。

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2007年10月 9日 (火)

土地・地上建物に設定した先順位と後順位共同抵当権に関わる法定地上権成立の有無

 JA金融2007年10月(No433)に紹介されていた判例(宇津木旭先生ご解説)です。

 JA金融法務で紹介されていたケースは、以下のとおりです。

 Aさんは、建物を、Aさんの妻であるBさんは、建物を所有し、Bさんの物上保証で、土地・建物に共同抵当権が設定登記されました(先順位共同抵当権)。

 Aさんの死亡により、建物は、Bさんと、子どもであるCさんが共同相続しました。

 その後、Dさんのために、土地・建物に共同抵当権が設定登記されました(後順位共同抵当権)。

 その後、先順位共同抵当権が消滅し、その旨の登記がなされました。

 そして、後順位共闘抵当権者が競売の申立を行い、競売による土地の買い受け人Eさんが、BCさんに対して、建物収去土地明け渡し請求を行いました。

 平成19年7月6日の最高裁判例は、

 先順位共同抵当権が消滅した後に、後順位共同抵当権が実行された場合において、

 土地・同地上建物が先順位共同抵当権の設定時には、同一所有者に帰属していなかったとしても、

 後順位共同抵当権設定時に同一の所有者に帰属していた時は、法定地上権が成立する

 と判断しました。

 設問では、BCさんは、法定地上権の成立をもって、Eさんの請求を断ることができます。

 ところで、最高裁は、他方で、平成2年1月22日に、

 土地について一番抵当権が設定されていた当時は、土地・地上建物の所有者が異なっていたが、

 その後、土地と建物を同一人が所有した後、2番抵当権が設定された場合、

 抵当権の実行により、土地が競落されたため、1番抵当権が消滅した場合の法定地上権の成否争われた事案で、

 地上建物のために法定地上権は成立しないと判断しています。

 平成19年の最高裁の第1審、第2審ともに、平成2年の場合と同様と解して、地上権の成立を認めていません。

 単純に考えると、原審等と同じに考えそうですが、そうはならないところに難しさがあります。

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2007年10月 8日 (月)

グレーゾーン金利の請求は架空請求

 以前、札幌高裁平成19年4月26日に言い渡した判決(グレーゾーン金利の請求は架空請求の不法行為)を紹介したことがありました。

 この判例に関する解説が、消費者法ニュース72(2007年7月)号に全文と一緒に記載されていました。

 最近は、大阪高裁も同趣旨の判断をして大変心強い限りです。

 過払い金請求について、消費者金融はあの手この手を使い、満額弁済しようとはしてくれません。

 依頼人が待ってくれるような場合には、訴訟提訴を行い解決するのですが、早期解決を希望される方の場合は、やむなく、譲歩を強いられることもあります。

 また、未払い利息が結構貯まっている場合には、これを切り捨てて和解することはもったいないため、計算書作成日までの利息を付けて請求していますが、示談の段階で利息を満額弁済しようとする業者は私の経験ではほとんどありません(裁判になっても、和解ではなんだかんだ言って値切ってこられますが・・・)。

 訴訟提訴に至った場合、どうしても、慰謝料請求や弁護士費用を付加しなければ、示談レベルで依頼人の希望にほぼそう和解をしてくれる業者とのバランスも欠くことにもなります。

 ただ、訴訟提訴で本格的に争うとなった場合、時間がかかるのですね。1年くらいかかることもあります。

 依頼人からは、「どうなっているのか」、「早く解決して欲しい。」と言われることも少なくなく、このような場合には、途中で、依頼人の希望にそう形で和解をして終わることがほとんどです。

 従って、判決までいく場合はほとんどなく、訴外で示談をして、裁判自体は取り下げるケースがほとんどです。

 なお、クレディアが民事再生手続を申請したことから、経営不安が噂される相手方に対しては、原則として、訴訟提訴を行い、訴外の示談ではなく、訴訟上の和解にて解決しようと思っています。

 しかし、少額でも、示談交渉の段階、応訴の段階にて、取引履歴を開示しないなど不誠実な対応をされる相手方に対しては、判決を得て、強制執行にて、過払い金などの回収を行うつもりです。当然、訴訟費用確定の裁判も申し立てします。

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2007年10月 7日 (日)

被相続人が相続財産を共同相続人の一人に全部相続させる旨の遺言をした場合について、遺留分侵害額の算定にあたって遺留分減殺請求権者が負担すべき相続債務が存在しないものとして算定すべきであるとされた事例(福岡高裁平成19年6月21日)

 旬刊金融法務事情No1815(10月5日)号の、判例速報搭載の裁判例です。

 相続人は、兄弟2人の事案で、Xが全部相続する内容の遺言があり、これに対して、Yが遺留分減殺請求を行った事案です。

 遺産として、積極財産は、4億3231万7003円の不動産、他方、消極財産は、4億2483万2503円の負債があるという事案です。

 第1審や第2審は、単純でして、積極財産から消極財産を控除すると、プラス748万4500円が残ります。

 この遺留分割合である4分の1を乗じると、187万1125円となります。

 従って、裁判所は、不動産につき、持分4億3231万7003円の187万1125円の所有権移転登記手続を認めました。

 わかりやすいです。

 これに対して、Xさんは以下のように考えました。

 確かに、積極財産から消極財産を控除した金額に遺留分割合を乗じると、187万円程度の金額になる。

 しかし、遺言で相続分が指定されたとしても、債権者は法定相続分の割合に従って、相続債務が承継されたものとして、Xに対して請求されることもあるだろう(判例は、「解する余地がある」という微妙な表現をしています。)。

 そうだとすれば、相続債務の半分である2億1241万6252円を加算されるべきである。

 従って、私は、4億3231万7003分の2億1428万7377円の共有持分を有するはずだと。

 ところが、裁判所は、この考え方に対しては、以下のとおり答えています。

 債権者は、各共同相続人に対して、法定相続分の割合に従って請求することもできる(この場合、指定相続分の割合を超えて履行した相続人は、本来負担すべきであった相続人に対し求償することになる)し、本来の承継された指定相続分の割合に従って相続債務を請求することもできることになるが、

 いずれにせよ、相続人間のおいては、指定相続分の割合に応じて相続債務が承継されたものとしてその法律関係が律せられることに変わりがない

 本件については、上告されています。

 Xさんの悔しい気持ちも理解できなくはないですが、裁判所の判断の方がより合理的であるように思われるため、原審と同じ判断が維持されるのではないかと推測しています。

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2007年10月 6日 (土)

本来の賃借地の範囲に属しない隣接地について賃借権の時効取得の成立が認められた事例

 判例時報No1974号(10月1日号)搭載の裁判例(東京高裁平成18年11月28日)です。

 賃借権の時効取得は、民法の教科書では論点の1つですが、実際には、それが問題になったことは、私自身は経験したことがありません。

 事案は、宗教法人であるAから、その所有地を賃借しているXが、同じく隣接地をAから賃借しているYに対して、①賃借権の確認と②建物の一部収去・土地明渡しを求めたのに対して、Yが反訴を提訴して、逆に、③賃借権の確認を求めたものです。

 第1審は、Xの請求を全て棄却して、Yの反訴を全て認めました。

 第2審は、Xの請求を一部認めました。

 (1)本件係争地のAからの本来の賃借人は、Yであるとしました。

    これからいえば、第1審と同じようにYの勝ちとなるはずでした。

 しかし、高裁は、賃借権の消滅時効を認め、賃借人をXとしたのです。

 即ち、

 (2)①X及びXの先代は、昭和38年6月ころから、本件係争地に旧建物を所有することにより、これを賃借地の一部として平穏公然に占有していること、②本件係争地を他の賃借地と一体のものとして賃料を支払ってきたこと、③昭和38年6月から20年を経過したことにより、本件係争地の一部についてXのために取得時効が完成し、これによりXは賃借権を時効取得し、④その反射として、Yは賃借権を失ったと判断し、第1審を変更して、Xの賃借権を認めました。

 賃借権の時効取得については、非所有者から賃借した者が、時効期間を超えて賃借した場合には、所有者と賃貸人とする賃借権を時効取得するというものでしたが、違和感が大きいため、それを事例はほとんどないようです。

 本件事案は、非所有者に対する賃借権の時効取得が問題とされた事例ではないため、賃借権の時効取得を認めても違和感がありません。

  私自身、珍しい事案と思ったため、ご紹介いたします。

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2007年10月 5日 (金)

旧司法試験の合格発表

   旧司法試験(論文式)の合格発表がありました。

  出願者数約2万8000人に対して、合格者は250人という極めて狭き門になりました。

  大学別では、第5位まで、以下のとおりになっています。 

平成19年度 昨年度
東 京 大   46 92
早稲田大   37 79
京 都 大   25 44
中 央 大   18 44
慶應義塾大   16 55

  試験勉強だけではなく、いろんな意味でプレッシャーをかけられ本当に大変な環境のもとで、よく難関に合格されたことに敬意を表したいと思います。

  顧問先への挨拶廻りは、本日、6カ所を巡って完了となりました。意外に、司法試験制度に興味をお持ちの方も少なくなく、また、逆に、弁護士の数が増えることにより、紛争が増えるのではないかと危惧感を持っておられる方が少なくないのにはびっくりしました。

  弁護士に相談することがないことがむしろ誇りに思っておられる方もおられ、顧問料をもらっている私にしてみれば、誠にありがたい顧問先であります。

 これまであまり顧問先廻りはありませんでしたが、法人化を契機に、定期的にご訪問させていただくことなども検討したいと思います。

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2007年10月 4日 (木)

弁護士 ご挨拶廻り <(_ _)>

 10月2日、弁護士法人の申請を行いましたので、早速、顧問先企業にご報告するために、挨拶廻りに出かけました。

 午前10時から挨拶廻りをさせていただいたのですが、昨日は、10カ所廻るだけで、午後5時までかかってしまいました。

 本日は15カ所訪れる予定でしたが、話がはずんだ結果、当初の予定の3分の2にとどまってしまいました。

 弁護士が訪れるだけで非常に喜んでいただき、大変ありがたく思いました。

 また、「弁護士法人って?」という方が多くて、結構、いろんなご質問を受けました。また、日頃、弁護士に対して、どのようなサービスを求めているのか、知ることもでき、大変有意義でした。

 本来は、定期的に、ご訪問する等を行うのが、顧問先に対するサービスにつながるのですが、弁護士一人だとなかなか難しいですね。

 今日は、昨日残ってしまった5カ所と、本日廻る予定の11カ所あわせて、16カ所廻らなければならないのですが、たぶん、無理ですね。

 5日も挨拶廻りに使いたいけど、国選事件が入っているのですね・・・ なんとかならんかしらん。

 午後5時に事務所に戻ると、事務員さんが電話の対応におわれ、半分泣きそうな感じでした。ごめんなさい。 

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2007年10月 3日 (水)

新人弁護士の募集 愛媛・今治

  業務拡大に伴い、新人弁護士を募集しています。

  業務委託方式で、1年目は、月額報酬40万円程度を考えています。また、事業主として届け出をしていただくことになります。

  個人事件は、国選事件・法テラス扶助事件以外は、許可制です。許可事件については、使用料として、売上げの一定割合を法人に納めていただくことになります。

  新司法試験合格者の方は、法科大学院や司法試験の成績表の写しが必要になります。

  当事務所の業務内容は、①交通事故(損害保険会社側・被害者側双方)、②離婚など夫婦の紛争、③会社紛争、④保証債務履行請求、仮差押えなど銀行依頼事件、⑤遺産分割・遺言、⑥債務整理(破産、個人再生、過払い、任意整理)が中心となっています。

 新人弁護士の得意分野などにより、業務対象を広げていきたいと考えております。

 元気で研究熱心な方大歓迎です。

 当事務所は特定の政党を支持するなどの政治色は全くありませんが、私の性格をあえて分類するとすれば、比較的保守的な感じがいたします。

 なお、土曜日も執務日となっており、また、弁護士複数になることにより、交代で夜間の法律相談も行うことなどを検討しています。

 興味ある方は、ご一報下さい。 

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2007年10月 2日 (火)

祝 弁護士法人しまなみ法律事務所の設立

 本日、大安の日に、松山地方法務局今治支局宛てに、弁護士法人しまなみ法律事務所の設立登記申請を行いましたので、その旨のご報告をいたします。

 今後とも宜しくご指導ご鞭撻の程、お願いいたします。

  また、個人事業としてのしまなみ法律事務所も、暫く、併存しますので、引き続き宜しくお願い申し上げます。

 なお、今後、弁護士法人を設立される弁護士の先生のために、少し弁護士法人の設立登記の仕方について説明させていただきます。

 弁護士一人のいわゆる一人法人であるため、登記申請は、難しくありませんでしたが、弁護士法人の例が愛媛ではほとんどないことから、書式の入手が困難であるため、その意味では、少し手間がかかりました。

 例えば、日弁連のHPから入手できる登記申請書の書式には、「登記すべき事項」として、「別紙のとおり」と記載されていますが、残念ながら、「別紙」についての書式はありません。

 また、定款では出資金の定めを置いていますが、弁護士法人の場合には、出資金は登記事項でないため、払込証明書自体が不要のようです。

 設立登記申請をしたからといって、法人への移行作業が終了するわけではなく、弁護士会・官公庁などへの報告、個人事件の引継ぎや、会計の引継ぎなどいろいろ面倒な手続が残っています。

 そのため、10月1日から6日までの間は、原則として、一般の法律相談業務を行っておらず、皆様に大変なご迷惑をおかけしていることを、深くお詫び申し上げます。

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 なお、顧問先様には、開設のご挨拶に伺わさせていただきますので、何とぞ宜しくお願い申し上げます。

2007年10月 1日 (月)

抜け毛が気になるようになりました (>_<)

 最近、抜け毛が気になるようになってきました。

 まあ、ストレスの多い生活をしているせいかなと思っていますが、子どもがまだ小さいため、学校の参観日がなくなるまでは、髪もなくならないよう髪?様に祈っています。

 抜け毛対策というと、テレビで放送されている会社が最初に思いつきました。

わかりやすく抜け毛育毛対策について紹介しているブログもありました。

 なお、これによると、育毛会社によるサービスは、有効なようですが、なかなか手が出るような値段ではないため、あきらめました。

 仕方がないので、シャンプーと、洗髪の際によく髪を洗うよう努めることで対処したいと思っています。

 育毛剤ランキングもあるみたいです。

 早速、参考にして、シャンプーを買ってみました。

 また、ブラシも注文しましたが、同じブラシなのに、販売会社によって、かなり値段にばらつきがあるのには、びっくり です。

 なにか、いい方法があれば、誰か、教えてください。

    <(_ _)> <(_ _)>

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