借地権付き建物の買受人に対する建物収去土地明渡請求が認められた事例
旬刊金融法務事情No1800(4月15日)号に紹介されていた東京高裁平成17年4月27日の判例についてです。
元々、たぬきさんが、土地を借りて、その土地上に、大きな建物を建てました。当然、たぬきさんは、地主との間で、借地権設定契約を締結しています。
ところが、たぬきさんの債権者から、借地権付きの建物の強制競売開始手続の申し立てがなされ、開始決定後、くじら不動産が、底地を、地主から買い取りました。
くじら不動産は、執行裁判所に対して、①借地権譲渡の承諾は拒否すること、②万が一譲渡許可の申し立てを受けても先買権を行使する旨の上申書を提出しました。
それにも拘わらず、おおわし不動産は、建物を、約2億5000万円で競落し代金を納付しました。
おおわし不動産と、くじら不動産との間で、賃借権譲渡の承認を求めて交渉をしましたが、不調に終わりました。
おおわし不動産は、賃料は受領拒絶を理由に供託しましたが、承諾に代わる許可の裁判を期間内に申し立てを行いませんでした。
そこで、くじら不動産は、おおわし不動産に対して、民法612条2項を理由に、賃貸借契約を解除し、建物収去土地明渡訴訟を提訴しました。
東京地裁は、くじら不動産の勝ちとしました。
おおわし不動産が高裁に控訴しました。
東京高裁は、まず、無断譲渡があったとしても、基礎にある信頼関係を破壊するものでなければ、民法612条2項の解除権は、発生しない判例法理は、借地権付建物が競売により、譲渡された場合でも、適用される旨判示しました。
そして、おおわし不動産のように不動産の売買、仲介業等を目的とする会社など不動産取引やこれに関連する法制度に精通している者が、(承諾に代わる許可の申し立て)期間を徒過するときには、承諾を得られると信じ、それに合理的理由があるなど相当な理由が存在する場合でない限り、申立期間の徒過は、解除を許す有力な判断資料となると判断しました。
また、権利濫用の抗弁も、承諾に代わる許可の裁判の申し立てをしなかったこと等を理由に、認めませんでした。
この結果、高裁も、くじら不動産の勝ちとしました。
おおわし不動産には、巨額の損失がでることになりました。
東京地裁の昭和62年の裁判例には、権利濫用として建物収去土地明渡を権利濫用として認めなかった事例があるようなので、この裁判例が本件にも妥当すると考えてしまったのでしょうか?
取り壊すのかな?
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