東京家庭裁判所における人事訴訟の審理の実務(東京家庭裁判所家事第6部)(判例タイムズ社)(平成18年11月30日)という書籍の紹介です。このブログでも、以前、簡単な説明はしており、本ブログを経由して、アマゾンで購入できるようになっています。
私が持っているのは、平成19年1月19日の第2刷ですが、このことからも、人気があることを垣間見ることができます(※「垣間見る」という表現は、少しおかしいと思いますが、尊敬する佐藤幸治先生の基本書に多用されていたため、くせになってしまいました。)。
本書は、①東京家裁における人事訴訟事件の運用について(弁護士向け)、②人事訴訟事件における書記官事務、③人事訴訟事件における家裁調査官による事実の調査の実情について、④巻末資料に、区別されます。
①では、結構、弁護士にとって耳の痛い話 (T_T) もでてきます。
主観的な評価や価値的判断のみを記載した全く説得力のない訴状が少なくないのが現状である(P10)。 (T_T)
法律の要件を念頭に置かず、当事者が言ったことをただそのまま記載した冗長な訴状もある(当事者の陳述書と誤字等を含めて全く同じものを表題のみを訴状として提出されているものも散見される。)(P10) (T_T)
(自庁処理について)単に調停事件が係属していたという事情だけで、自庁処理が認められるわけではない。この点を誤解していると思われる代理人は少ないないようである。(P11) (T_T)
(回付を)移送と間違えたり、自庁処理の問題であると誤解をしている場合も多いので、正確な理解が望まれるところである(P12)。←これは私もやりました。(^^;) ごめんなさい。
人訴規則19条1項は、家審規則2条と異なり、「申し立ての趣旨及び理由」の記載を要求していることに留意すべきである。しかし、このような規定があるにもかかわらず、十分な検討をすることなく、「相当の財産分与を求める」としか記載しない代理人も少なくない(P14)。← 財産を隠されてわからない場合には、相当としか記載のしようがないのですが・・・・
第1回口頭弁論期日前の弁論準備に明示的に反対の意見を述べる代理人(弁護士)も少なくない。しかし、よく聴いてみると、弁論準備手続を争点整理ではなく、和解を勧められる手続と誤解している場合が多いようである。民事訴訟法についての正確な理解が求められるところである。(P19)← 弁論準備を知らないなんて、相当年配の弁護士さんだったのでしょうか?
東京家裁では、公示送達事件についても原告本人尋問を実施している。これについては、代理人(弁護士)の中に抵抗する向きもあるが、実際には、訴状や陳述書の内容とは異なる事実が出てきたり、本人からの事情聴取が十分されていないことが露呈することも多いのである。人事訴訟法は公益にかかわる事項を対象とするので、被告が出頭しないと予想して十分な準備をしないのは問題であろう(P20)。← 弁護士が怠けているようにみえますね。
(第1回口頭弁論期日の運営)事情聴取を十分していない代理人も多く、その場合には、当然ながら概括的な弁論に終始するため、争点整理が遅れがちである(P22)。← でも、最初だからね。相手方の主張をみて、予想外のことが書かれているため、驚くこともあるから。
実際に、訴状に財産分与を申し立てるとしか記載せず、全く主張・立証をしようとしない代理人もいる(P23)。←これは酷いですね。
準備書面の送付を受けた相手方は、提出者及び裁判所に受領書面を提出しなければならないとされている。しかし、この点は、必ずしも、励行されているとはいえないのが実情である(P23)。 ←私が関与した事件では経験したこと無いですね。
また、付帯処分等の審理のポイントを理解していない代理人も少なくない。例えば、財産分与について、申し立ての趣旨を「相当な財産分与を求める」としたり、固有財産(特有財産)の返還や不当利得返還を求める旨の申し立てをする代理人も多いのである(P26)。←財産分与で苦労されているのですね。
実際には、訴状や準備書面を単に「ですます調」に変えただけの陳述書や、前述のとおり、陳述書をそのまま訴状として、そのため、誤字脱字まで同じというものまで見受けられるのである(P32)。←パソコンが発達したからでしょうね。
和解が成立するためには、本人の出頭が必要である。このことを理解していない訴訟代理人も多いので、和解による離婚をする場合には、事前に当事者の出頭が不可欠であることを改めて確認しておく必要がある(P43)。←これは、ご存じでない代理人の先生もいましたね。
実際には、自然的な血縁がなければ、親子関係の不存在を確認できるという誤った考えによって、訴えが提起され、鑑定申請がなされることが少なくない。← 親子関係の事件っていやですね。嫡出否認だと、出訴期間が短いし・・・ 出訴期間内で、本来嫡出否認で行うべきものを、親子関係不存在でやってしまうと大問題ですね。そうではなく、出訴期間を徒過したあとに、親子関係不存在で申し立てをするのは、理屈をたててやるのであれば、問題ないのでは?その理屈自体、裁判所からみれば、おかしいのかもしれませんが・・・ 時折、生まれて10年くらいたったあと、嫡出推定が及んでいる事案で、「なんとかならんのか」という相談きますね。なんともならないのですが・・・
以上、弁護士にとって、かなり、耳の痛い話が満載と詰まった書籍です。
私は、か・な・り 勉強になりました。
人気ブログ