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2007年3月22日 (木)

33歳女子の脳脊髄液減少症12級の請求は、EBP(硬膜外ブラッドパッチ)施行前髄液圧150㎜と起立性頭痛なく否認し、疼痛などを理由に14級認定した事案(大阪地裁平成18年9月27日)

 自動車保険ジャーナル第1679号(3月22日)号で、紹介された事案です。

 事案は、今治花子さんが追突事故に遭遇し、頚椎腰痛捻挫から、脳脊髄液減少症を発症し、3か月入院、28か月通院し、12級12号の後遺障害を残したとして、訴えを提起した事案です。

 裁判所は、脳脊髄液減少症の有無を考慮するに際して、重要な兆候としての意味をもつ起立性の頭痛が花子さんにみられないことから、脳脊髄液減少症は否定し、疼痛、運動困難、めまいなどを考慮して、局部に神経症状を残すものとして、14級を認定しました。

 なお、脳脊髄液減少症であることを前提として治療費については、損害を否定しました。この点は、以前ご紹介した福岡高裁の判断とは異なっています。

 以上の大阪地裁平成18年9月27日の判例は、控訴されました。

 なお、本事案では、胸郭出口症候群の主張もされていました。胸郭出口症候群とは、ものの本によれば、胸郭出口における神経や血管の圧迫に基づく一連の症候群をいい、胸郭出口を通る鎖骨下動静脈や腕神経叢由来神経が圧迫されることがあり、頚肋のあるときに本症候群が発生しやすいとされ、症状としては、上肢の痺れ、疼痛、易疲労性があり、上肢の過外転によって症状が誘発され、診断は上肢過外転時の暁骨動脈拍動消失によってなされるとされています。

 裁判所は、脳脊髄液減少症の患者は、胸郭出口症候群となる例が多いという原告の主張は、これを認めるに足りる客観的な証拠がないと判断して、退けました。

 整形外科の先生は、近時の脳脊髄液減少症について、否定的な見解の先生が多いですが、他方で、患者さんの中には、ブラッドパッチで救われたという方も少なくないようです。

 なかなか難しい問題ですが、可能であれば、できるだけ早期に、医学界の統一的な見解を期待したいと思います。

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