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2006年6月25日 (日)

相続預金の取引経過明細の開示請求に対する実務対応(旬刊金融法務事情NO1774・6月25日号)

 一部の相続人のみからの相続預金の取引経過明細の開示請求については、最高裁3決平成17年5月20日が是認した原審判決(東京高判H14・12・4)は、取引経過の開示を受けうる地位は、1個の預金契約ごとに1個のものであり、可分のものと観念できないことから、各相続人は単独で開示を請求し得ないと判断しております。

 しかし、相続人の一方から依頼を受けた弁護士は、文書提出命令でもかけるしかなく、非常に困った事態に陥ります。

 金融機関からの、個人情報保護法が施行されてから特に弁護士会照会での回答はほとんど拒絶されており、調停後の、文書送付嘱託さえも、拒絶されることが多くなっております。守秘義務違反との関係が大きいのでしょうね(でも、死者の情報ですから、個人情報保護法での「個人情報」にはあたらないと思うのですが・・・・)。

 これでは、協議により遺産分割を図ることができず、紛争の長期化を招く事態を招来します。

 この点について、金法では、専門の弁護士の先生が、対応策を紙面をさいて解説していますが、大いに参考になりました(ただ、相続人の一部からの開示請求については、現実には開示する方が無難という意見なんですね。いい方法ないですかね?)。

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2006年6月24日 (土)

自家用自動車総合保険契約の記名被保険者が胎児であった時に発生した交通事故により出生後に傷害を生じその結果後遺障害が残存した場合における同契約に無保険車傷害条項に基づく保険金請求の可否(最高裁H18・3・28第三小法廷判決)

 交通事故当時、甲さんは、妊娠34週目でしたが、緊急帝王切開手術を受け、重度仮死状態で出生し、重度の後遺障害(第1級)が残ってしまったという極めて痛ましいケースです。

 このケースは、しかも、加害者が任意保険に加入していないため、甲さん側と保険会社との間の自家用自動車総合保険契約(無保険車傷害条項)に基づき、甲さん側が加入している損保会社に対して、保険金請求を行ったものの、損保会社は、事故当時胎児であった者に生じた傷害は本条項の対象とはならない(記名被保険者の同居の親族とはいえない)として、保険金の支払いを拒絶しました。

 最高裁は、胎児も、記名被保険者の同居の親族に準ずる者として保険金請求が認められると判断しました(判例時報NO1927 平成18年6月21日号)。

 胎児であっても、民法721条により、不法行為の損害賠償請求は可能です。また、無保険車傷害条項は、相手自動車が無保険自動車であって十分な損害のてんぽを受けることができないおそれがある場合に支払われるものであって、賠償義務者にかわって損害をてんぽするという性格のものです。

 このことからすれば、最高裁の判断は、極めて正当であると思います。

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2006年6月23日 (金)

㈱自研センター 弁護士コース

 ㈱自研センター(千葉県)主催の、2日かがりでの交通事故物損案件の研修を受講するため、水曜日から、上京していました。

 その前に、約10年ぶりに、元三鷹市会議員のT氏と再会し、いろいろとおもしろい話を聞くことができました。私の学生時代の行きつけの美容院Wに、T氏は相変わらず行っているとか。まあ、彼の髪質は、ダイヤモンドのように堅いから、Wくらいしか、対応できないのかもしれないが・・・

 自研センターでは、修習同期の弁護士も受講しており、司法修習時代に戻ったような錯覚を受けました。 060623_12260001

 自研センターについては、以前、このブログでも説明しましたが、主として、物損関係を研究研修する機関になっております。HPもありますので、興味のある方は、検索して探してみてください。

 ここでは、弁護士コースとして、自動車の概要、自己態様の整合性、バリヤ衝突実験見学、舗装塗装の概要、事故車の復元修理技法、評価損などの研修を受けました。

 その中でも、バリヤ衝突実験見学というのは、非常に有意義な研修となっております。なんせ、実際の車を衝突させて、衝突の状況や、修理復元の過程を実際にみることができるのですから。

060622_14010001  ← これは、衝突前の車です。ドアは実験のために事前に穴をあけております。

 

 

060622_14180001_1 

 ← これは、衝突後の車です。時速約35キロでの衝突実験です。

060623_11260001_1 ← ばらしているところです。

060623_11180001  ← エンジン部分です。使い物にならない。あ~もったいない。

060623_10280001  ← 塗装しているところです。

 衝突の状況を動画で撮影したんですが、うまくPCにファイルを送ることができませんでした。残念。

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2006年6月21日 (水)

光市の母子殺害、無期懲役を破棄・差し戻し…最高裁判所

 ニュースによれば、山口県光市で、1999年に起きた母子殺害事件で、殺人罪などに問われた当時18歳の元少年(25)の上告審で、最高裁判所第3小法廷(浜田邦夫裁判長・上田豊三判事代読)は、6月20日、死刑を求めた検察側の上告を認めて、広島高裁の無期懲役判決を破棄した上、事件の審理を同高裁に差し戻されました。

 最高裁判所が、無期懲役判決を破棄・差し戻しを行ったケースは、1999年11月の広島老女強盗殺人事件のケース以降、3例目とのことです。

 従来のケースから考えると、差し戻し後に死刑が言い渡される公算が出てきたようです。

 最高裁は、破棄自判を行いませんでした。これに対しては、ご遺族からは、「残念」との言われているようです。高裁では、改めて、情状立証が中心になるのでしょうね。しかし、「今さら」という気持ちもあります。被告人の手紙の内容が余りにも酷かったからです。このような手紙を読むと、被告人に対する怒りがこみ上げてきます。

 「元検弁護士のつぶやき」というブログに、詳しく解説がなされています。

  なお、被告人の弁護人らに対する激しい非難がなされています。公判を欠席したことについては、問題があると思いますが、ただ、卑劣な犯行を行った被告人を弁護すること自体を非難されるのであれば、刑事裁判制度にとって大きな問題を含んでいると思います。検察官は、被告人を弾劾する立場、弁護人は被告人の権利を擁護する立場であり、両者は両極の存在だからです。今回、弁護人に対する非難が非常に激しく、他の事件でも、弁護人に対する風当たりは強くなっているように思います。 

 そもそも、刑事弁護、特に、国選事件は、弁護人にとって、経済的な魅力のある事件ではなく、国選弁護をやりたがらない弁護士が多い中で、さらに、世論から激しい非難を受けるということが続けば、「やってられない」ということで、刑事弁護を受けなくなる弁護士がさらに多くなると思います。私は弁護士にそのような風潮が強くなることを強く危惧します。

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2006年6月20日 (火)

祝・いつのまにかアクセス数3万3000を超えていました <(_ _)>

 いつの間にか、3万3000のアクセスを超えており、しまなみ法律事務所のHPのアクセス総数を抜いていました。

 とは言っても、1日のアクセス数は、200程度であり、密かに、地味にやっております。

 他の法律事務所のHPは、掲示板があり、法律相談も受けられる所もあるみたいですが、法律相談を受けられる掲示板があるHPはある程度まとまったアクセス数があるようです。

 但し、掲示板荒らしも多く、その対応のために、貴重な時間を費やされているようです。

 私の事務所としては、法律相談も受けられる掲示板を設置する予定はありません。やはり、法律相談は面談が原則だと思うからです。面談を行わないと正確なことがわからないと思うからです。

 その意味で、債務整理に特化した事務所に多いのですが、掲示板やメールなどで、遠方に居住している方の相談をどこまできちんと正確に把握されているのか、いささか疑問を持っています。また、依頼者の立場にたっても、遠方の弁護士に事件を依頼することは、弁護士費用も決して安くはならないと思いますが・・・

 そういえば、私が生活しているような片田舎のタウンページに、債務整理に特化している大都会の法律事務所の広告が記載されていました。しかも、顔写真付きで。全国のタウンページに載せているんだろうな。費やしている広告代だけでも相当なものがあると思いますが、弁護士業もここまでやると、ビジネスですね。

 そうは言っても、今年から実施された新司法試験が始まり、ロースクール出身の弁護士が近々相当数登場してきます。これからの弁護士業界は、いよいよ、本格的な自由競争社会に突入してきます。

 さて、私も、チンドン屋に頼んで(ふる)、商店街を廻ってもらおうかな。「しまなみほうりつじむしょ り~こん そうぞ~く こうつうじこ  さらきんとのこうしょう なんでもこなします。」 

全く品位がない冗談ですが、このような時代が近づいているのでしょう。

 ただ、今でも、若手弁護士を除き、危機感をもっている弁護士は少ないように思われますが・・・・

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2006年6月19日 (月)

クロアチア戦 (*^_^*)

 ワールドカップ、引き分けでしたね。2時間くらいでしたが、みていて、はらはらドキドキでした。22日の最終戦で、優勝候補のブラジルに勝たなければならないのですね。

 にっぽんちゃちゃちゃ にっぽんちゃちゃちゃ (^_^)v

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2006年6月17日 (土)

同順位の設定のある根抵当権につき実行の際に申し立てた債権額が、請求債権額ではなく配当を要求する額であると認められた例(最一小判平17・11・24)

 旬刊金融法務事情1723(6月15日号)((社)金融財政事情研究会)には、関西金融判例・実務研究報告として、「同順位の設定のある根抵当権につき実行の際に申し立てた債権額が、請求債権額ではなく、配当を要求する額であると認められた例」(最高裁平成17・11・24)についての報告がされていました。

 簡単にいうと、複数の金融機関が、ある債務者に対して、協調融資を行い、不動産に、同順位で根抵当権を設定したケースにおいて、競売を申し立てた債権者(X)については、「申立書中の被担保債権及び請求債権」の部分に記載されていた8億円を基準に(極度額は65億円)、その他の債権者については、極度額の金額を基準に、その割合に応じて、案分した配当表を裁判所が作成したところ、他の債権者相手に、Xが、配当異議の訴えを提訴しました。

 第1審、第2審とも、Xが負けたため、最高裁に上告し、最高裁は、Xの請求を認めました。

 気持ちからいえば、わざわざ、競売申し立てをしたXだけが、極度額を基準とされず、そうでない他の債権者だけが極度額を基準とされることは、不公平といえるでしょう。

 そうすると、Xは、何故、極度額を請求債権としなかったのでしょうか???

 これは、登録免許税の節約にあります。

 即ち、登録免許税は、ご承知のように、申立金額の0,4%かかります。そうすると、8億円だと、320万円ですが、65億円とすれば、なんと、2600万円にもなるのです。

 そうだとすると、Xが、極度額ではなく、8億円とした理由も納得できます。

 これに対して、第1審(神戸地裁伊丹支判H14・3・20)は、請求債権の金額を配当計算の基礎額とすべきであるとして、請求債権とは、申立書に明示された金額、つまり、8億円と判断し、さらに、請求の拡張も認められないと判示しました。

 第2審(大阪高判平成14・10・31)も、請求権の拡張は認められないし、また、配当の基準となる債権額は、実体的債権額によるべきだというXの見解も排斥しました。

 最高裁は、8億円という金額は、8億円の範囲で配当を請求するということを示す趣旨のものであり、結論として、極度額を基準とする配当を認めました。

 う~ん、勉強になるな。しかし、最高裁にいってどんでん返しとはすごいことですね。ただ、負けたY側も、心の底ではそれほど悲しんでいないかもしれませんね。金融機関ですから、Y側も、いつXの立場になるかわかりませんし。

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2006年6月16日 (金)

自賠責保険金の充当に関する最高裁判例

 自賠責保険金は、損害賠償金元本に充当されるのか、それとも、遅延損害金に充当されるのかという問題は、一昔前は、損害賠償金元本に充当されるという考え方が強く、実務上のそれで運用されていたと思います。

 しかし、逸失利益の計算にあたって、中間利息の控除率を年5%という高金利で控除されている現状からすれば、その均衡からいっても、遅延損害金に充当させて元本の目減りを最小限にとどめる作業は、交通事故の被害者側代理人弁護士にかせられた使命であると考えます。

 平成16年12月20日の最高裁判例は、問題提起に対する回答としては、まず、遅延損害金に充当されるとの見解を示しました(交通事故判例速報NO480、交通春秋社)。

 しかし、現在でも、この判例に気づかない被害者側代理人弁護士がいますが、今では、弁護過誤と評価しうるのではないだろうか?   他方で、従来の慣行のように、当然のように、自賠責保険金を元本に充当した計算書を提示する損保会社も中にはあるが、これは、知って提示していれば、問題でしょう。

 交通事故は、後遺障害等級が11級以上であれば、費用と手間をかけても、訴訟で解決した場合が、被害者にとって有利な場合が多いと思います。赤い本という損害賠償のバイブル的な書物があるのですが、大手民間の損保は比較的赤い本にそった解決が示談で図れるところもありますが、多くの損保・共済は、今でも赤い本の基準に抵抗感を示しすところがありますね。ひどいところだと、自賠基準で賠償を提示するところもあります。そんな所でも、赤い本の過失割合表は、使ってくるのにね・・・・ このような会社や共済については、訴訟を提訴して、赤い本に基づく賠償(当然、年5%の遅延損害金も)を支払ってもらう必要があります。

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2006年6月14日 (水)

書籍雑感

 弁護士という仕事は、本が仕入れのようなものですが、それにしても、最近は、多種多様な書籍が出版されるため、もともと、本については浪費癖があるため、次から次に書籍を購入してしまい、経理を預かっている家内に叱られる毎日です。

 家内曰く、「本当に読んでるの?」

 当職回答、「読んでいるよ。嘘と思うのであれば、ブログをみてみい。」

 そのため、定期的にブログで書籍の紹介をしなければならない羽目に陥ってしまったのです。自業自得です。

 とは言っても、もともと読書は苦痛にならないため、時間がある範囲で読書に励んでいます。

 新会社法による特例有限会社の法律実務(新日本法規)

 契約類型別取引先破綻における契約の諸問題(同上)

 競業避止義務をめぐるトラブル快活の手引き(同上)

 判例にみる請負契約の法律実務(同上)

 実務家族法講義(民事法研究会)

 先物取引被害救済の手引(同上)

 新民事執行実務NO4(平成18年3月)

 条解刑事訴訟法第3版増補版(弘文堂)

 結構、改訂版が多いようですね。

 実務家族法は、ロースクール用です。

 そういえば、ロースクール対象の新司法試験の択一式の合格者の発表がありました。最優秀者と、最低の者との差が多いですね。最低の方も、一応ロースクールの卒業生なんですよね。ここのロースクールは、どこの学校なのか興味があります。

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2006年6月13日 (火)

夫から妻への不動産の贈与が、財産分与に準じるものとし、かつ、過大な財産の移転とはいえないとして、詐害行為の対象とはなりえないとされた事例(神戸地裁尼崎支部H17・10・5)

 平成11年に、A会社は、B銀行から、C連帯保証で、X信用保証協会付きの融資(6500万円)を受け、平成14年、X信用保証協会がB銀行に代位弁済をして、求償権を取得しました。

 平成15年5月、Cの妻Yが、C所有の不動産を贈与して、所有権移転登記を経由したため、X信用保証協会が、Yに対して、債権者取消権に基づき、贈与の取消請求を行いました。

 神戸地裁尼崎支部は、CからYに対する本件不動産の贈与は、離婚に伴う清算的要素、慰謝料的要素及び扶養的要素を含んだ財産分与に準じるものと評価するのが相当であるとした上、Yの婚姻関係の維持や本件不動産の維持管理について果たした役割、婚姻後20年以上の経過、税務上の配偶者控除の観点をふまえ、将来の離婚に伴う財産分与或いは相続分の前渡しに相当するものとして、居住用不動産である本件不動産の名義をYに移転させることはそれ自体過大な財産移転とはならず、債権者取消権の対象とはなりえないと判断しました(判例時報1926号平成16年6月11日号)。

 離婚に伴う財産分与や慰謝料が詐害行為の対象となるかについては、最高裁判例は、原則としては、対象とはならないと判断していますが、今回の裁判例は、贈与を財産分与に準じたものと構成し、離婚を仮装した事情は伺うことができないとして、原則、対象とはならないと判断しています。

 しかし、大審院の判例(昭和16年2月3日)によれば、債権者の強制執行を免れるために営業財産の名義を妻に移し、離婚届出を出したケースで、妻が離婚無効を主張したケースで、離婚を有効と判断しています(内田民法Ⅳ)。

 神戸地裁の判例は、夫婦の生活実態などを考慮して離婚を仮装したかどうかを吟味していますが、そうすると、上記大審院判例の離婚とは、概念を異にしてきます。夫婦の実態を第三者である債権者が熟知するのは困難です。また、贈与は無償行為であり、財産分与はそうではありません。

 従って、神戸地裁の判例には、賛成できません。信用保証協会には控訴して、上級審の判断を仰いでいただきたかったのですが、控訴はせず、確定してしまいました。 

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2006年6月12日 (月)

大手損保に対する行政処分

 毎日新聞のニュースによれば、保険金の不払いや契約水増しなど不祥事が相次ぎ、金融庁から、一部業務の停止命令を受けた某大手損害保険会社は、12日から、代理店を含む全国約6万店舗で保険商品の販売・募集などの業務を停止しました。

 大手損害保険会社にとっては異例の重さの行政処分です。

 当該保険会社だけではなく、他の損害保険会社も、人ごととはせずに、一層の法令遵守に努めていただきたいものです。

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2006年6月11日 (日)

松山地裁・ヤミ金から受け取った金員について控除した判断

 いや、本当にびっくりしました。

 ヤミ金業者への返還請求に対して、松山地裁は、被害者が受領した金員について、損益相殺として控除してしまったのです。

 ヤミ金業者は言いたい放題したい放題で、弁護士ですらその対応に苦慮することがあります。名前をきいても、「くまだとらべえだ。」と嘯き、「お前の携帯の番号を教えろ」などと訳のわからないことを言います。

 警察にも相談にいっても、当初は、「ほっとけば」ということで、事件としては受け付けてくれないことが多く、逆に、警察から警察の相談者を紹介してくることも一時期ありました。

 松山地裁とは異なり、札幌高裁は、ヤミ金業者(年利1200%)が被害者に交付した金員については、保護にあたいしないとして、損益相殺を認めず、最高裁も、上告理由にあたらないとして、上告を棄却しました(平成18年3月7日決定)。

 高松高裁に控訴されるでしょうから、同高裁が上述の札幌高裁のような判断を示すことを期待するばかりです。

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2006年6月10日 (土)

第108回金融法務研究会

 金融法務研究会((社)金融財政事情研究会の主催)の例会が、大阪の銀行協会の会議室にて行われました。

 この研究会は、主として、関西地方の銀行等の金融機関の実務担当者にて構成されていますが、金融財政事情研究会の田島編集長にご無理をお願いして、参加させてもらうことになりました。

 私がこの研究会に参加した理由は、常日頃、金融機関の実務担当者からの相談を多く受けていますが、最近の相談は、コンプライアンス関係の相談も少なくなく、民商法の知識だけでは、相談業務に対応しきれなくなりつつあることを実感しはじめているからです。

 今回のテーマは、「事例にみる公益通報への対応」でした。

 公益通報者保護法が、平成18年から施行されておりますが、今回の研修は、この法律に伴う内部通報規程の制定を行う必要性が生じており、規程の作り方や、公益通報に対する企業の具体的な対応についての研修でした。

 公益通報は、内部通報だけではなく、行政機関やマスコミに向けた内部告発も含んでいますが、自浄作用のとんだ企業の場合には、企業内部のコンプライアンス委員会などで適切な対応を行うことができ、その結果、通報事実によって受ける企業のダメージは最小限にものにとどめることができるということが理解できました。

 条文自体は、わずか11条しかありませんが、新会社法の施行に伴い、内部統制システムの構築の義務が一定の会社にはかせられていますが、今回の内部通報規程の作成は、当該義務の1つともいえるものです。

 あ~ 今日は、なんか難しいことを書いてしまったな。    <(_ _)>

 もう少し、大阪が近くなるといいですね。今治→岡山→大阪ですが、今治と岡山の距離を、岡山から大阪の距離はさほどかわらないと思いますが、電車に乗っている時間は倍以上違いますね。岡山から松山まで、新幹線の乗り入れがあれば、いいのにと思います(ただ、赤字になりそうだから無理かな)。

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2006年6月 7日 (水)

大阪府:戸籍謄本や住民票の写し、交付の規制強化を 不正取得相次ぎ、国に要望

 困ったものです。

 ヤフーのニュースによれば、行政書士が「職務上請求書」を不正使用し、戸籍謄本や住民票の写しを取得するケースが相次いでいることを受けて、大阪府は、6月5日、行政書士など資格者に交付請求事由を明示させることや、不正請求への刑事罰を盛り込んだ戸籍法、住民基本台帳法の改正を、法務、総務両相に要望したという内容の記事がありました。

 興信所に頼まれて、戸籍を取り寄せするなんて、言語道断です。

 また、依頼者名を偽って取得したこともあるようです。

 行政書士だけではなく、メディアが顧問先の弁護士が身元調査のために、戸籍等を入手したことが問題となり、懲戒されたケースがありました。

 戸籍を入手できるということは、1つの特権ですが、このような特権を悪用する者がいることは、結局、自分たちの首を絞めることにつながります。

 問題となった行政書士さんは、小遣い稼ぎのつもりだったのでしょうが、同業の行政書士だけではなく、司法書士や弁護士に与える影響も考えていただきたいと思います。

 交付請求事由の明示や交付請求者を対象者が閲覧できるとされれば、小さな町村役場では、住民相互の関係が深いため、役場の職員を通じて、交付請求事由などが対象者に伝わる可能性もあるからです。

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2006年6月 6日 (火)

銀行法務21(2006・6)

 経済法令研究会から、銀行法務21の最新号が送られてきました。

 金融機関からの相談が多い私にとっては、「預貯金者保護法に対応したキャッシュカード規定の分析」という記事は、預貯金者保護法を簡単に理解するために有益な記事だと思いました。

 「取扱店舗を特定しない預金債権の差押えに対する金融実務の実状」という解説が、全国銀行協会業務部次長の阿部耕一氏の手によって作成されていました。阿部氏は、私の1つ上の大学の先輩で、学生寮で隣の部屋だった方です。懐かしく20年前を思い出します。

 金融実務判例紹介は、若手・中堅の弁護士の手によるものですが、司法修習の時の同じクラスだった弁護士さんもメンバーに入っております。司法修習の時から非常な勉強家の方でしたが、さらに一層、研究に励まれているようです。

 私も、専門分野を作りたいと思ってはいますが、なかなか、専門の分野を作る時間的余裕はなく、結果的に、広く、そして、浅く というグアム・サイパンの海のような状態になっております。

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2006年6月 5日 (月)

過払い金

 皆さんは、「過払い金」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

 過払い金を理解するためには、最近、マスコミなどで、とりあげられている「グレーゾーン金利」とか「灰色金利」の知識が必要になります。

 すなわち、例えば、サラ金から、50万円の融資を受けた場合に、利息制限法では、年18%を上限金利としていますが、多くのサラ金は、刑事罰の適用のある年利29.2%を超えない範囲で、例えば、年利28%のような約定金利を設定して、融通していますが、この28%から18%(10%程度)までの金利のことを、グレーゾーン金利(灰色金利)といいます。

 サラ金が18%を超える金利を受領できるためには、貸金業の厳しい条件を遵守する必要がありますが、多くのサラ金は、そのような条件を満たしておりませんので、結果的に、グレーゾーン部分の支払いは、利息ではなく元本に充当されることになります。

 その結果、利息制限法に引き直して計算をすると、元本の圧縮を図ることができ、長期間の取引がある場合には、サラ金に対して、逆に、グレーゾーン部分についての返済を求めることも可能となります。これを、「過払い金」の請求といっています。

 私の事務所では、任意整理の場合、1社あたり、着手金として、3万1500円をいただいておりますが、多くのケースにおいて、3万1500円以上の元本の圧縮(或いは、利息の金利を引き下げ、或いは、金利なし)を図ることが可能であり、また、過払い金の請求ができる場合も少なくありません。

 但し、不動産担保の場合には、サラ金でも、利息制限法の上限金利をもって約定金利としている場合もありますから、全てのケースにおいて、元本の圧縮を図ることが可能というわけではありません。

 なお、東京・大阪の法律事務所は、HPなどの宣伝が派手なためか、地方の方も、東京・大阪の法律事務所に依頼することがままありますが、少なくとも、債務整理については、顔の見える地元の法律事務所に相談されることをお勧めいたします。私の事務所では、HPなどで料金の目安を掲示しております。

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2006年6月 4日 (日)

登記に表示された所在地番及び床面積が実際と異なる建物が借地借家法10条1項にいう「登記されている建物」に当たるとされた事例

 Xさんは、甲土地(甲)を競売により取得し、甲地上の建物(乙)に居住しているYさんに対して、所有権に基づく妨害排除請求として、建物収去土地明渡等を求めました。

 これに対して、Yさんは、借地権を主張しましたが、借地権をXさんに対抗するためには、乙建物が、借地借家法10条1項にいう、「登記されている建物」にあたる必要があります。

 ところが、登記上は、乙建物は、所在が ◎市●町65番地と表示され、床面積も、26.44㎡と表示されていますが、実際は、所在は、◎市●町24番地1、床面積も、約64㎡として大きく異なっており、このような登記でも、借地権の対抗力を有するかどうかが問題となりました。

 なお、競売の際に、執行官は、本件建物に登記がされていることを認識できなかったらしく、そのため、物件明細書には、本件建物は無登記であるから、借地権は買い受け人に対抗できないと記載されていました。

 地番が大きく異なるので、執行官もわからなかったのでしょうね。地番が異なった経緯は、「本件建物の登記における所在地番の表示は、Yさんが本件建物を取得した昭和34年当時は正しく登記されていたが、その後登記官が職権で表示の変更登記をするに際して地番の表示を誤った可能性が高い」ようでです。

 従来の最高裁は、食い違いが軽微であれば、建物の同一性を認めてきました。

 とすれば、地番や床面積が大きく異なるところからすれば、軽微とまではいえないと考えることもできなくはなく、これは、不動産取引の安全に資することにもなります。

 しかし、地番が変更したのは、Yさんのせいではなく、借地人のあずかり知らないところで、対抗力を失うのは、あまりにも、Yさんがかわいそうすぎます。(T_T)

 床面積は異なりますが、種類・構造は現況と一致していることから、同一性を失わせるようなものではないと考えられます。

 従って、最高裁判例のように、借地権の対抗力を認めてもよいと思われます(最高裁H18・1・19 旬刊金融法務事情1772号、判例時報1925号)。

 なお、この事案は、松山地裁→高松高裁→最高裁→高松高裁という流れになっております。

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2006年6月 3日 (土)

脊椎脊髄ジャーナルN05 三輪出版

 低髄液圧症候群(脳脊髄圧減少)に関して、専門医から、最新の動向について、解説している専門誌があったのでご紹介いたします。

 特集として、低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)は本当に外傷により発生するのか?というテーマで、座談会が、くまれていました。

 篠永医師も参加されていましたが、座談会の結論としては、外傷によって脳脊髄液減少症というのは起こりうるが、それは、むち打ち症と直接結びつけられていないという結論に達したようです。

 また、硬膜下自家血注入(EBP)についても、安易な施行について、危惧感を持っている意見もありました。

 確かに、マスコミで大きく取り上げられたため、むち打ち症=低髄液圧症候群と考える被害者の方が、私の扱った事件でも多かったように思います。

 この認識自体は誤りということが再認識できましたが、他方で、私が扱った案件で、EBPの施行により、症状が軽くなったという被害者の方もおられましたので、むち打ちがその原因の1つである可能性もあるのではないかと思います。

 いずれにしても、専門家でも大きく意見が対立しているところであり、私のような門外漢には、十分に理解できるところではありません。担当する裁判官も大変だろうな。

 

 

2006年6月 2日 (金)

自動車保険、事故の立証は保険会社で・…最高裁が初判断

 新聞報道などによれば、最高裁判所は、6月1日、水没、全損した車の保険金支払いをめぐり、それが事故なのかどうかについての立証責任が、保険金請求者と損害保険会社のどちらが負うかについて争われた事案で、損害保険会社に証明責任があると判断しました。

 火災保険では、損害保険会社に証明責任があると判断されていましたが、ついに、車両保険でも、同様の判断がなされるに至りました。

 今後は、車両保険についての保険金請求がなされた場合には、保険会社にてきちんと調査の上、事実を確認した上でなければ、拒めないことになりました。

 保険の請求について、免責理由を告知しないで、免責を拒む場合もありましたが、今後は、そのような事は許されないのではないかと思います。

 保険会社サイドからは、不正な請求が増えるのではないかと危惧する動きもあるかもしれませんが、しかし、それだからといって、そのため、正当な請求者までもが、保険金請求ができないのは、やはりおかしいと思います。

 但し、明らかに不正な請求の場合には、刑事告訴も検討して、毅然とした対応をとることが保険会社に求められるでしょう。 

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