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【終末期医療】

2018年5月17日 (木)

【終末期医療】 母親と同居しその生活の世話をしていた長男の意向も考慮し、終末期の延命措置をしないとした医師の裁量判断に過誤はないとされた事例 東京地裁平成28年11月17日付判決

 判例時報No2351号で紹介された東京地裁平成28年11月17日付判決です。

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 Y2(同居長男)が亡Aの延命措置を拒否したこと、Y1(病院)のB医師が延命措置を実施しなかったことが違法か否かという点です。

 Y2が延命措置を拒否した点について、本判決は延命措置についてどのような意見を述べるかは基本的に個人の自由であるとして、Y2が亡Aの延命措置を拒否したとしてもってそれ自体が直ちに違法であるとは認められない

 次にB医師が延命措置を実施しなかった点について、本判決は、亡Aの意思について確認できない状態であったとして、延命措置について亡Aに説明しなかったことをもって注意義務違反があるとはいえないとした

 次に、家族の意見であるが、本判決は、B医師は、Y2を亡Aの家族のキーパーソンであると認識し、Y2の意見を参考にして延命措置をとらなかったのであるが、このような方法は不合理とはいえず、医師の裁量の範囲内であるとして、Y1には責任がないと判断しました。

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 「終末医療を巡って、延命措置の違法性が争われた事案は公刊物上見当たらない。その意味で、本判決が、厚生労働省が平成19年5月に策定した終末医療の決定プロセスに関するガイドラインに沿った判断をしていることは、今後の同種の事案の処理に有益である。

 本件ガイドラインによれば、

 ①患者の意思が確認できる場合には、専門的な医学的検討を踏まえた上でインフォームド・コンセントに基づく患者の意思決定を基本とし、

 ②患者の意思の確認ができない場合には、

 ア 家族が患者の意思を推定できるときはその意思を尊重し、

 イ 家族が患者の意思を推定できないときは患者にとって何が最善であるかについて家族と十分に話し合い、患者にとって最善の治療方針を採る等の指針が示されており、本判決はこれに沿った判断をしている。」(P15)

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