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歯科

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2020年2月

2020年2月24日 (月)

【検診】 東京地裁平成30年4月26日判決

 判例タイムズNo1468号で紹介された東京地裁平成30年4月26日判決です。

 

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 事案の骨子としては、次のとおりです。
① 人間ドックの上部消化管造影検査(平成14年、15年実施)につき読影上の注意義務違反が否定された事例
② ステージⅣの胃がんに対する胃切除手術(平成16年実施)につき、当時の医学的知見の下では適応を欠くとはいえないとする一方、説明義務違反を肯定した事例
③ 説明義務違反につき自己決定の機会が奪われたこと等に係る慰謝料の限度で因果関係を肯定した事例
 人間ドックの場合と、専門医療機関の場合とでは、注意義務の程度は異なるとされています。

2020年2月23日 (日)

【整形外科】 三叉神経痛による激痛に苦しむ患者に対し、医師が麻薬性鎮痛剤であるオピオイドの使用を取りやめた措置が注意義務違反にあたるかどうかが問われた事例

 判例時報No2429号で紹介された那覇地裁平成31年4月16日判決です。 

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(今治・亀老山)
 医療法人の病院で膠原病等の治療を受け、麻酔医から経皮吸収型麻酔性鎮痛剤オピオイドパッチ(※)を断続的に処方されていた患者に対して、死亡まで同剤処方が継続されず取りやめられたこと及び患者や家族になされたその理由の説明の時期や程度について、過誤がないとされた事例
 ※本件パッチは、麻酔性鎮痛剤であるフェンタニルを粘着層に溶解させた半透明フィルム状の経皮吸収型製剤(貼付剤)であり、中等度から高度の疼痛を伴う各種がん患者及び慢性疼痛患者に対して、3日(約72時間)ごとの貼付による疼痛コントロールが期待できるとされているが、副作用として、傾眠、嘔気、依存性、呼吸抑制、意識障害、ショック、アナフィラキシー、痙攣が現われることがあり、劇薬及び麻薬として規制を受けている。
 →裁判所は、本件措置時点において、本パッチの使用がAに対する投与の目的に沿う効果を上げているか自体定かでない一方、副作用も疑われる状況にあったことに加え、既に当時、本件パッチの使用継続期間は2ケ月を超え、依存性のあるオピオイドの漫然とした継続使用を避けるという観点からも、本件パッチを離脱させることについては合理的な理由があると判断しております。
 

2020年2月20日 (木)

【精神科】 前医と後医の医療行為の過失が競合する場合

 判例時報No2428号で紹介された福岡地裁令和元年6月21日判決です。 

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 心療内科の医師が頭部CT検査結果報告書の脳腫瘍の疑いとの記載を見落とし、脳腫瘍を放置した過失と、後医で受けた脳腫瘍摘出後に残存した後遺障害との間の因果関係が認められたという事案です。
 同じ病院の放射線科の医師は脳腫瘍が疑われる旨の記載をしているにもかかわらず、心療内科の医師がそれを見落とし、心療内科への通院をさせ、脳腫瘍に対する治療を行わず、当初16ミリだった脳腫瘍が、63×52×38mmと大きくなってしまっていたという事案です。
 心療内科の病院は、患者に記銘力障害が生じたのは、後医の執刀医の過失によって脳弓が損傷したものだと主張して、因果関係を争っていました。
 裁判所は、因果関係を肯定して、約1億5000万円を超える賠償を認めました。
 後医も、原告に補助参加しております。

2020年2月17日 (月)

【歯科】 歯科医師の説明義務違反が問われた事案 東京地裁平成31年3月14日判決

 判例時報No2428号で紹介された東京地裁平成31年3月14日判決です。 

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 歯科矯正についての事案です。つまり、歯科医師は、コルチコトミー(歯の周囲の頬側皮質骨、舌側皮質骨の両方又は一方に、両方の皮質骨を貫通しないよう切り込みを入れる外科的処置のテクニック)手術と、アンカーインプラント(顎間固定用インプラント)を併用した治療を受ける旨説明されたようです。
 裁判例の骨子は以下のとおりです。
① 医療法人(被告)の矯正歯科において歯科矯正治療を担当した歯科医師が、患者(原告)に対して歯列矯正治療期間が1年程度かかると説明したことが、医学的根拠に欠け説明義務違反にあたるといえないとされた事例
② 埋入期間2年半を経過したアンカーインプラント抜去手術中に骨結合したインプラントが破折し、その一部を骨組織内に残留させたことについて、前記担当歯科医師が抜去時期の判断の時期を誤った過誤があるとはいえないとされた事例
 →う~ん。
 裁判では、原告は、医師から、治療期間は絶対に1年半や2年になることは絶対ないという説明を受けたと主張しておりますが、裁判所は、治療期間は1年を目安にしていること、この期間は絶対ではないと説明したと説明したことを認めております。
 なお、原告は、治療期間の1年も医学的根拠はないと主張されていますが、裁判所も、医学的根拠があったのかは疑わしいが、過去の症例では1年程度とされていることから、説明が医学的根拠を全く欠くとまでは言えないと判断しております。
 治療費が約200万円近くなっております。
 高額の治療費については、後でうまくいかなければ揉めることが少なくありません。田舎弁護士も同様です。田舎弁護士の場合には、口頭による説明の他、報酬委任契約書、打合せメモ等、メール等でも説明をするようにしております。田舎弁護士は、ご依頼事件の安請け合いはしておりませんので、注意するようにしております。ただ、注意をしても、弁護士費用を巡って将来トラブルが生じそうな印象を強く受ける方の場合には、ご相談の段階でお断りさせていただいております。

2020年2月16日 (日)

【消化器科】 出血性ショックを巡り、その予見可能性や主治医の担当看護師への指示等の術後管理の過失が問われた事案。

 判例時報No2428号で紹介された福岡高裁平成31年4月25日判決です。 

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(今治城)
 今回の判例時報ですが、医療トラブルが3件収録されています。
 今回の裁判例は、大学病院においてクローン病の治療のため回腸結腸吻合部切除術を受けた患者が、手術後腸から出血し、出血性ショックによる低血圧で脳に重篤な障害が残った場合において、出血の可能性を念頭に置いた術後管理をすべき注意義務違反を認め、大学病院及び主治医に対し、損害賠償責任を肯定したという事案です。
 クローン病の病態は、「クローン病は、若年者に後発する、慢性難治性の炎症性腸疾患である。病因は不明であり、再発を繰り返す病状経過をたどる。全消化管に潰瘍やびらんを伴う病変が起こるが、特に小腸や大腸に多い。死亡率が対象群の2倍に上るなど、予後が良好でない例が多い等の報告がある。」。
 また、治療方針は、「クローン病を根治させる治療法はなく、外科手術後の再発も高頻度とされている。したがって、クローン病に対する基本的な治療方針は、内科的治療で緩解導入し、その後も緩解状態を維持することで患者のQOLを良好に保つことになる。」。

2020年2月15日 (土)

【脳神経外科】 未破裂脳動脈瘤の見落とし 神戸地裁平成31年4月9日判決

 判例時報No2427号で紹介された神戸地裁平成31年4月9日判決です。 

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 約7553万円の請求に対して、330万円が認められています(現在、控訴中)。
  ① 頭部MRA検査を受けた高齢患者(原告)が、診察を担当した医師に未破裂脳動脈瘤の存在を見落とされ、約11か月後に同動脈瘤が破裂し、くも膜下出血による後遺障害を負ったことについて、
 同動脈瘤の治療に関する適切な説明がされたとしても、原告が直ちに又は経過観察中に外科的治療を選択した高度の蓋然性があったとはいえず、前記担当医師の注意義務違反と後遺障害との間には相当因果関係がないとされた事例
 ② 前記担当医師の前記動脈瘤見落としの注意義務違反により、その直後に治療方法に関する説明がなされなかったことが、原告の外科的治療を選択する自己決定権を侵害する不法行為にあたるとして、慰謝料が認められた事例
 →②についての慰謝料は、弁護士費用を入れて、330万円が認められています。
  
 

2020年2月13日 (木)

【歯科】 安心して受けられるインプラントの最新治療

 農文社から出版された「安心して受けられるインプラントの最新治療」です。 

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(高松の商店街)
 6章で構成されています。①体と心を建て直す全人的インプラントの力、②骨を再生する造骨治療、③なぜトラブルになるインプラント治療、④インプラントの最新技術「ガイド手術」、⑤ここまで治る、全人的インプラント治療の実際例、⑥インプラントQ&Aです。
 インプラントといっても、様々なものがあることがわかります。
 インプラントを入れると一生のおつきあいになるでしょうから、できるだけ下調べをして、もっとも適切なインプラント治療を受けたいものです。

2020年2月11日 (火)

【歯科】進化したインプラント治療 オールオンフォー

 現代書林から出ている進化したインプラント治療オールオンフォーを購読しました。  

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(ヨシカミ・オムライス)
 オールオンフォーですが、執筆者によれば、「ほとんどの歯を失ってしまった方や総入れ歯で困っている方が、たった1日で自然で美しい歯を手に入れることができる画期的なインプラント治療です。」(P3)と紹介されています。
 「パノラマ・レントゲン写真で歯列全体を確認し、小さなデンタルエックス線写真で10枚ほど撮影して歯や骨の状態を詳しく観察します。」(P53)
  重要みたいです。
 
 「タバコはインプラント失敗のもと」(P125)
  煙草はいろんな意味で有害ですね。
 オールオンフォー以外の最新インプラント治療として、「インプラントの即時機能(イミディエイトファンクション)」(P138)、歯茎をきらないフラップレスガイド手術(P140)、上あごの骨を増やす上顎洞挙上術(P142)等が紹介されています。
 いろんな方法が開発されているんですね。
 天然歯を可能な限り残すのが一番ですが、かなり喪失してしまった場合には、インプラントも検討してもいいかもしれません。
 

2020年2月 5日 (水)

【看護師等】 患者の呼吸管理を巡って医療従事者の注意義務違反が問題となった事例

 判例時報No2427号で紹介された東京地裁平成31年1月10日判決です。 

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(高松城)
 中顔面低形成に対する手術に伴い気管切開術を受けた患者が、術後一般病棟に入院中、看護師により気管切開カニューレから痰の吸引を受けた際に容態が急変し、低酸素脳症による遷延性意識障害の後遺症を負ったことについて、看護師らがアセスメントを十分にしていなかった過失があるとされた事例。
 中顔面低形成は、頭蓋骨の成長が制限される頭蓋縫合早期癒合等を特徴とする先天性の疾患のことです。
 
 日本呼吸法学会が平成19年に作成した気管吸引のガイドラインの記載内容を前提にすると、医療従事者は、気管吸引を実施しない状態であっても実施した状態であっても、患者が低酸素血症から低酸素脳症に至るリスクが相応にあることを考慮し、気道閉塞の有無を確認し、あるいは、気道閉塞に至らないようにアセスメントをする義務があったと認定されています。

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