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歯科

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2018年10月

2018年10月26日 (金)

【医療セミナー】  画像鑑定の基礎 MRIについて

 東京日比谷で開催された「画像鑑定の基礎 MRIについて」を受講いたしました。

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 最近、交通事故事案や医療過誤事案等医療に絡む相談や依頼を受けることが増えております。

 特に、交通事故事案においては、弁護士費用特約の普及に伴い、画像鑑定費用も支払っていただける損保会社が少なくないので、鑑定会社から、医学意見書をいただくことも増えております。

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 特に、むち打ち症例、手足の機能障害等についての相談がケースとしては多いのですが、画像がレントゲン程度しかないことが多くて、等級認定に支障が生じることも目につくようになっております。

 現在、鑑定会社は1社を中心にお願いすることがほとんどですが、それぞれに個性があると思い、今回、思い切って、医療セミナーに参加することになりました。

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 医療画像の種類としては、①X線を使用する画像(XP、TV撮影、血管造影、CT)、②X線を使用しない画像(US、MRI)、③γ線を使用する画像(RI)があり、それぞれについての概要説明がありました。

 XPは、椎間板ヘルニア、腱板損傷、TFCC損傷は診断できない

 当然、脳の損傷もわからない

 ということは、最低限押さえておくべきことです。

 CTについては、撮影時間が短い、脳血流に対する感度がよい、骨の異常がわかる、身体に金属やペースメーカーあ入っていても撮影できる、急性期脳梗塞に対する感度は低い等の特色があるようです。

 MRIについては、歴史から説明がありましたが、医学鑑定に多い6大部位としては、頭部(矢状断)、頚椎(矢状断)、腰椎(矢状断)、膝関節(矢状断)、肩関節(冠状断)、手関節(冠状断)についての説明がありました。

 RIについては、各種シンチ検査があげられます。脳槽脊髄腔シンチが有名ですね。

 RIは、半減期の短い放射線同位元素を、目的部位にあわせて作られた化合物に標識して静脈注射(吸入)し、体内での分布や臓器の機能を調べる検査ですが、形態画像ではなく機能画像ということに注意をする必要があります。

 MRIについては、磁場を用いて核磁気共鳴現象を起こす、身体に電波を送り、身体から出る信号を受信する、画像化の対象は水素原子という機器です。

 特徴としては、撮影時間が長い、カラに金属やペースメーカが入っていると撮影しない、放射線被ばくしない、脳や骨盤や骨など動かない臓器に強い、病気の発症時期や状態がわかる、いろいろな撮影方法があり、画像鑑定では必要不可欠なものです。

 MRIでわかることはたくさんですが、例をあげると、

① 神経や靭帯

   圧迫されている、途切れている、炎症を起こしている

② 最近の障害か古い障害か(活動性の炎症)

   T2強調画像で白く写る 脂肪抑制画像

③ 骨挫傷や不顕性骨折

   T2強調画像で白く写る 脂肪抑制画像

  これらには、高磁場1.5テスラ以上のMRIが必要。脂肪抑制画像が撮影できるかどうか。

  ※T1強調画像は解剖的な構造がわかり、T2強調画像は病変がわかりやすいとされています。

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 画像鑑定には、MRIが必要。

 MRIは、骨の中の組織の状態がわかる、筋肉や靭帯等の軟組織の状態がわかる、炎症の程度や時期がわかる という特徴があり、事故が原因で生じた病変であることが表現されるのです。

 今回のセミナーを受講して、大変勉強になりました。







2018年10月25日 (木)

【病院経営】 持分の定めのない医療法人への移行認定制度

 持分あり医療法人の場合、出資者の死亡に伴う相続税負担により医業継続への支障が生じてきていたようです。相続税の支払いのために病院に持分の払戻し請求が行われるからです。

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 そうすると、持分のある医療法人から、持分のない医療法人に移行すればいいわけですが、そう単純にはいかないみたいです💦

 例えば、一人の出資者が持分を放棄した場合、残存出資者に贈与税課税のリスクが発生しますし、また、全ての出資者が持分を放棄した場合には、医療法人に贈与があったとみなされ、一定の要件を満たさなければ医療法人が贈与税を支払うことになるからです。

 そこで、持分あり医療法人から持分なし医療法人への移行計画を国が認定する制度を設け、相続税猶予等の税制措置を実施されています。

 移行計画認定制度は、期間制限があるようなので、早く手を打たないと大変なことになりそうです。

 

2018年10月24日 (水)

【病院経営】 医療法人の定款に当該法人の解散時にはその残余財産を払込出資額に応じて分配する旨の規定がある場合における、同定款中の退社した社員はその出資額に応じて返還を請求することができる旨の規定の解釈 最高裁平成28年4月8日判決 No5

  以上は、平成22年4月8日付最高裁判決の最高裁調査官の解説を引用したものです。

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 判決要旨を紹介します。

 医療法人の定款に当該法人の解散時にはその残余財産を払込出資額に応じて分配する旨の規定がある場合において、 同定款中の退社した社員はその出資額に応じて返還を請求することができる旨の規定は、

 出資した社員は、退社時に、当該法人に対し、同時点における当該法人の財産の評価額に、同時点における総出資額中の当該社員の出資額が占める割合を乗じて算定される額の返還を請求することができることを規定したものと解するべきである。

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 最高裁は、出資割合説を採用されたのですが、原審は出資額説を採用していました。

 どちらをとるかで、金額が大きく異なることから争われたわけです。

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2018年10月23日 (火)

【病院経営】 医療法人の定款に当該法人の解散時にはその残余財産を払込出資額に応じて分配する旨の規定がある場合における、同定款中の退社した社員はその出資額に応じて返還を請求することができる旨の規定の解釈 最高裁平成28年4月8日判決 No4

3  営利性と出資持分

(1) 営利性

 平成18年改正については、医療法人の非営利性の徹底という観点から説明されるように、医療法人は、営利法人ではないと説明されてきた。

 社団における営利目的とは、現在、一般に事業活動における成果を構成員に分配することと解されている。

 平成10年代後半にされた立法についてみると、平成17年成立の会社法は、株式会社において、剰余金の配当を受ける権利及び残余財産の分配を受ける権利のいずれも株主に与えない旨の定款の定めは無効であると規定し、残余財産の分配のみの場合も含めて法人の経済的成果にあずかることを営利性ととらえる立場を採用した。

 平成18年に成立した一般社団法人及び一般財団法人に関する法律は、一般社団法人においては、剰余金分配請求権、残余財産分配請求権を社員に付与する定款の定めを無効とし、社員総会によっても社員に剰余金を分配するとの決議をすることができないとした。

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(2) 医療法人と営利性

 医療法は、営利を目的として病院等を開設しようとする者には開設の許可を与えないことができる旨を規定するほか、54条において、医療法人は剰余金の配当をしてはならないと規定する。医療法人は収益が生じた場合、施設の整備・改善、法人の職員に対する給与の改善等に充てるほか、すべて積立金として保留すべきこととなると説明される。

 医療法制定の際の国会審議において、剰余金の分配の禁止の規定について、政府委員は、剰余金の積み立て後にこれを分配することも問題であること、他方、法人に拠出した資金が返還されることは問題がないなどと述べるなどしていた。

 医療法54条は、医療法人が営利法人でないことの根拠として挙げられ、「(医療法人)・・・その営利性については剰余金の配当を禁止することにより、営利法人たることを否定されており、この点で商法上の会社と区別される」などと説明されていた。

 もっとも、平成18年改正前の医療法には、残余財産の分配に関する制限を特段規定していなかった。また、平成18年改正後も、持分の定めのある医療法人の存続が許されている。

 平成18年改正は非営利性の強化を意味するが、上記のとおり、持分の定めのある医療法人の存続が許されていることから、持分の定めのある医療法人の非営利性が、持分の定めのない社団医療法人、財団法人に比較して貫徹されていない点に変わりはないと指摘される。

(3) 医療法人における持分

 医療法人において、「持分」の定めがあるとの文言も使用される。

 もっとも、社団は、一定の目的をもった人(社員)の集まりであるが、社団医療法人は、その事業活動からの成果を目的として社員が集まったものではないし、出資と総会における議決権数との間に必然的な関係はない。

 持分の定めのある社団法人のモデル定款は、社員総会の承認を得て社員となることを規定するが、それ以外に社員の資格を限定せず、出資をしない者も「社員」となれる。また、社員総会における社員の議決権は、持分の定めのある社団についても、通常、一人1票とされていたようであり、平成18年改正により、医療法48条の4においても、このことが規定された。

 上記のような社団医療法人における社員の性質等を考慮すると、持分の定めのある医療法人について、その「持分」は、例えば、民法上の組合において、各組合員が組合財産に対して有する「持分」とは異なるといえる。

 平成18年改正前に、社団医療法人の定款において、出資者に対して財産を返還するとの規定を設けて、社団法人について「持分の定め」があるとされるとしても、本件で問題となる出資に係る返還請求権は、定款の定めによって認められるものであって、その返還額を出資額その他の一定の額に限定することも可能であるし、出資者の返還請求権の総額が、医療法人の財産総額である必然性はない。上記請求権は、定款の定めに基づいて発生し、その内容様が定める債権的な請求権であると考えることができると思われる。

 (続く)

 

 

2018年10月22日 (月)

【病院経営】 医療法人の定款に当該法人の解散時にはその残余財産を払込出資額に応じて分配する旨の規定がある場合における、同定款中の退社した社員はその出資額に応じて返還を請求することができる旨の規定の解釈 最高裁平成28年4月8日判決 No3

(2)平成18年改正

ア 持分の定めのある社団医療法人の設立の禁止

 平成18年改正は、社会医療法人制度を設けるなどするとともに、定款において残余財産の帰属すべき者を定める場合は、国、地方公共団体、医療法人等から選定されなければならないとした。

 同規定により、医療法人の解散時に出資者に対して残余財産の分配をすることは許されなくなり、平成18年改正法施行日(平成19年4月1日)以降に新たな医療法人の設立の認可申請する場合には、財団法人か持分の定めのない社団法人の形態のみが許されることとなった。

 この制度の変更は、「医療法人の非営利性の徹底を図るものである」と説明される。

 ただし、平成18年改正法の附則10条により、出資額限度法人も含む、施行日前に設立された医療法人は、残余財産の帰属先の制限の規定は適用されないとされ、残余財産の分配、帰属についての従前の定款の定めは有効であって、持分の定めのある社団法人が存続する(経過措置型医療法人)。

 同法施行日以後、一度、新法の規定に基づく残余財産が帰属すべき者を限定した場合には、持分の定めのある社団法人への移行はできない。

 イ 基金拠出型法人

 平成18年改正の際に、医療法施行規則が改正され、その30条の37、30条の38により、社団である医療法人は、定款において、「基金」の制度を設けることができることとなった。

 「基金」は、社団医療法人に拠出された金銭その他の財産であり、医療法人が拠出者に対して、定款の定めるところに従い返還義務を負うものである。

 基金の返還は、貸借対照表上の純資産額が一定の合計額を超える場合に、当該超過額を返還の総額の限度としてのみすることができる。

 基金拠出型法人の制度は、上記の平成19年3月30日付厚生労働省医政局長通知において、剰余金の分配を目的としないという医療法人の基本的性格を維持しつつ、活動の原資となる資金を調達し、財産的基礎の維持を図るための制度であると説明される。

 (続き)

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2018年10月21日 (日)

【病院経営】 医療法人の定款に当該法人の解散時にはその残余財産を払込出資額に応じて分配する旨の規定がある場合における、同定款中の退社した社員はその出資額に応じて返還を請求することができる旨の規定の解釈 最高裁平成28年4月8日判決 No2

ウ モデル定款

 厚労省は、厚生省の時代から、医療法人の定款例を示しているが、持分の定めのある医療法人のモデル定款においては、「第9条 社員資格を喪失した者は、出資額に応じて払戻しを請求することができる。」、「第34条 本社団が解散した場合の残余財産は、払込済出資額に応じて分配するものとする。」等の定めがあつた。

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エ 出資額限度法人とモデル定款

 持分の定めのある社団医療法人であって、定款において、社員の退社時における持分払戻請求権や解散時における残余財産分配請求権について、払込出資額を限度とすることを明らかにしているものを、出資額限度法人という。

 出資額限度法人については、厚労省が、平成16年8月13日付で出資額限度法人についての厚労省医政局長通知を出した。同通知は、平成16年6月22日付の「医業経営の非営利性等に関する検討会」の報告書を踏まえたものである。

 ・・・(中略)

 出資額限度法人におけるモデル定款においては、9条「社員資格を喪失した者は、その出資額を限度として払戻しを請求することができる」、34条「本社団が解散した場合の残余財産は、払込済出資額を限度として分配するものとし、当該払込済出資額を控除してなお残余があるときは、社員総会の議決により、◎◎県知事(厚生労働大臣)の認可を得て、国若しくは地方公共団体又は特定医療法人若しくは特別医療法人に当該残余の額を帰属させるものとする」などの定めがある。

 (続く) 

2018年10月20日 (土)

【病院経営】 医療法人の定款に当該法人の解散時にはその残余財産を払込出資額に応じて分配する旨の規定がある場合における、同定款中の退社した社員はその出資額に応じて返還を請求することができる旨の規定の解釈 最高裁平成28年4月8日判決

 医療法人制度については、余り専門的な知見はありませんが、最高裁調査官の判例解説の中に、医療法人制度についてのわかりやすい解説がありましたので、紹介いたします。

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(1)平成18年改正前の医療法人制度

ア 医療法と医療法人制度

 医療法における医療法人制度は、医療事業の経営主体に対して法人格を取得する途を開き資金の集積を容易にすることなどにより、私人による医療機関の経営困難を緩和するものと説明される。

イ 医療法人の組織形態と持分の定めのある社団法人

 医療法人には、財団法人社団法人がある。そして、社団たる医療法人には、一般に「持分の定めのない」ものと「持分の定めのある」ものがあると説明されている。

 すなわち、社団医療法人において、定款に残余財産を帰属すべき者を定めた場合には残余財産はその者に帰属するところ(改正前)、平成18年改正前には、後記(2)のような制限はなく、定款において、医療法人に財産を拠出した者を出資者として、出資者に対し残余財産を出資額に応じて分配するという定めが設けられることが多かった。

 このような定めのある社団法人は、持分の定めのある社団法人と呼ばれ、他方、このような定めのない社団法人は、持分の定めのない社団法人と呼ばれている。医療法施行規則30条の37等においても、「持分の定めのない」との用語が使用される。

 また、このような社団法人においては、定款に、出資した社員の退社の際に、出資額に応じて払戻しを請求することができる等の定めが設けられることも多かった。

 厚労省の資料によると、平成19年、医療法人の総数は、4万4027法人であるところ、財団法人が400法人、持分の定めのない社団法人が424法人、持分の定めのある社団法人が4万3203法人であり、医療法人のほとんどが持分の定めのある社団法人であった。

 (続く)

2018年10月10日 (水)

【日本損害保険協会】 医療セミナー 救急医療の実際と治療法

 先日、日本損害保険協会医研センター主催の医療セミナー「救急医療の実際と治療法~胸腹部を中心に~」を受講してまいりました(東京・損保会館)。

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 講師は、東京都済生会中央病院救急診療科部長の関根和彦先生です。

 まず、救急医療の現在、過去、未来として、①救急医療システム、②救急医療の実際、③救急医療の問題点と未来というテーマを設定され、以下、各テーマごとにお話をされました。

 ②の救急医療の実際のテーマでは、外傷診療のトピックとして、1 ダメージ・コントロール手術、2 非手術的治療、3 血流遮断の技術(救急室開胸)についてお話をされました。

 ダメージ・コントロール手術の功罪として、1 分割手術による手術難易度の低下、2 ガーゼ圧迫術の濫用、3 膨大な医療資源の確保が必要 ということでした。

 非手術的治療については、より侵襲の少ない治療へということで、開腹手術 → 内視鏡下手術 → 血管内治療(非手術的治療)へと流れているようです。

 血管内治療については、経カテーテル的動脈塞栓術について、骨盤骨折の事案、肝損傷、脾損傷、腎損傷についての症例についての説明がありました。

 もっとも、非手術的治療の功罪としては、1 非手術的治療の濫用、2 手術治療の減少、3 入院期間の延長 が挙げられています。

 血流遮断の技術(救急室開胸等)については、大動脈閉塞バルーンカテーテル、救急室開胸と大静脈遮断カテとの比較等について解説がありました。

 大動脈遮断カテーテルの問題点としては、1 高価 2 下肢の阻血症状 3 挿入操作が困難なことがあるということが挙げられています。

 ERでの外傷診療から手術室までの流れについてはビデオをみせていただきました。

 救急医療の問題点と未来については、1 たらいまわし 2 救急医 救急病院の不足についてお話がありました。

 最後に、災害と救急医学についてのお話がありました。

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 勉強になりました。

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