【子どもの事故】

2016年8月21日 (日)

【こどもの事故】 認可外保育施設における乳幼児の死亡事故につき、うつ伏せ寝による窒息死であるとして、施設の経営者らの不法行為責任を認めた事例

 判例時報No2297号で紹介された大阪高裁平成27年11月25日判決です。

 事案は、認可外保育施設に預けていたAがうつ伏せ寝の体位で急死したため、Aの両親であるXらが、保育従事者らに過失があったとして、保育従事者や本件施設の経営者であるYらに対し、共同不法行為を理由として、損害賠償を請求した事案です。

 第1審は、Aの死因はSIDS(乳幼児突然死症候群)と認めるのが相当であり、鼻口閉塞による窒息死であると認めることができないから、外因の窒息死を前提とするYらの責任を認めることはできないと判断し、Xらの本訴請求は棄却しました。

 そこで、Xらは、原判決を不服として控訴したところ、本判決は、(1)Aの死因は、鼻口閉塞により窒息死に至ったものと推認することができる、(2)保育従事者らは、保育ルームからベビールームに連れていく前に、生後4か月のAがうつ伏せ寝の体位で激しく泣いていたことを認識していたにもかかわらず、ベビールームに運んで仰向けに寝かせた後も、Aの呼吸確認等チェックをすることなく放置し、仰向けに戻さなくても大丈夫であると誤信し、これによりAを鼻口閉塞により窒息死させたのであるから、保育従事者らには注意義務違反があり、不法行為に基づく損害賠償責任を負うと判断しました。

 保育園等での幼児の急死については経営者らの責任を追及する事例は少なくありませんが、これらの事件では死亡の原因が中心に争われ、その原因が乳幼児突然死症候群である場合には責任が否定され、その原因が乳幼児突然死症候群でない場合には責任を肯定する傾向にあるとされています。

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                  (福井城)

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2015年7月13日 (月)

【子どもの事故】 家庭の法と裁判第2号

 家庭の法と裁判第2号が送られてきました。

 特集記事としては、「ハーグ条約実施法の実務と課題」

 最高裁判決として、今治のサッカー少年の平成27年4月9日判決の解説、委託者指図型投資信託の受益権についての平成26年12月12日判決の解説、子ども関連の数件の審判例等の他、

 「氏の変更・名の変更申立」についてのQ&A

 片岡武裁判官による初任者のための遺産分割講座等

 で、盛りだくさんでした。

 

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2014年12月27日 (土)

【子どもの事故】 学校事故の法律と事故への対応(第三版)

 私学経営研究会から平成26年10月20日に「学校事故の法律と事故への対応(第三版)」が発行されました。

 6章からなっており、付録として、学校事故関係の最高裁判例集が紹介されています。

 まず、6章ですので、①学校事故と学校管理下の事故、②学校設置者の責任、③教職員個人の責任、④賠償責任の要件、⑤損害額の算定、⑥学校事故への対応となっております。学校設置者の責任に関する裁判例としては、柔道、相撲、剣道、プール、ボート、棒高跳び、いじめ、体罰、修学旅行についての裁判例が紹介されていました。

 子どもの事故を考える際には必要な書籍の1つです。 

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2013年4月24日 (水)

【子どもの事故】 中学3年生が私営プールで逆飛込みをして頸髄損傷の傷害を負った場合に、プールの経営会社の安全配慮義務を否定し、かつ、そのプールが通常備えるべき安全性に欠けるものとはいえないとして民法717条に基づく損害賠償請求も棄却された事例 名古屋高裁平成24年10月4日判決

 判例時報No2177号(4月21日号)で紹介された名古屋高裁平成24年10月4日付け判決です。

 裁判所は以下のように判断しました。

 ① Xは、飛込禁止であることを知りながら、同禁止に違反して逆飛び込みをしあのであるから、Yに安全配慮義務の違反はない

 ② Xは、あえて逆飛び込みという通常の用法でない方法により本件プールを使用したのであるから、そのような飛び込みに危険があったとしても、本件プールが、通常備えるべき安全性に欠けるものということはできないと判断して、Yの民法717条の責任を否定しました。

 本件ケースでは、飛び込み禁止の看板を設置し、監視員を2名配置していたことが、安全配慮義務違反を否定した根拠になっているようです。

 プールではよく子どもの事故が発生します。注意する必要があります。

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