【成年後見】

2017年3月 7日 (火)

【成年後見】  愛媛弁護士会主催の後見人候補者の研修会を受けました。

 従来は、後見人については、家庭裁判所の担当官から電話をいただいて、利益相反がないことを確認された上、打診されることが多かったですが、4月から、どうやら愛媛弁護士会が策定する後見人候補者名簿に載らないと、つまり、弁護士会からの推薦がなければ、後見人にはなれないような仕組みになるようです。

 弁護士会が推薦する関係上、後見人のための研修もきちんと受けて下さいということで、本日、そのための研修を受講いたしました。

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 その他にも、一定額以上の弁護士賠償保険への加入が義務づけられたり、また、報酬の一定額を弁護士会に納める必要がでたり、いろいろ面倒になっております。

 田舎弁護士的には、従前のように、家裁からの打診でいいような気がしますが、後見人に選任される弁護士の質を保つために工夫が必要ということなのでしょう。

 弁護士が後見人になることは権利擁護に資することになることが多いとは思いますが、昨今は、専門職後見人の不祥事も散見されることから、悩ましいところです。

 裁判所からの信頼を失わないよう、頑張ります。

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2016年10月12日 (水)

【成年後見】 成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律

 家庭の法と裁判No7号です。

 同号では、法務省民事局の大塚竜郎さんが、「成年後見の実務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」についての逐条解説をされていました。

 以前のブログの記事でも紹介させていただいております。

 ここでは東京家庭裁判所後見センターから、申立てから審判の告知等にいたるまでの間に、改正法の運用についての説明がなされており、参考になります。

 気になる死後事務についての許可審判事件に関する運用として、

 「死後事務については、これまで後見終了時の応急処分や、相続人全員のための事務管理を根拠とした運用がされていたところ、今回の法改正によっても、これらの規定に基づいて死後事務を行うことは否定されないものと解される。したがって、要許可行為に該当する行為であっても、応急処分の要件を充たすものと認められる場合には、裁判所の許可なくして行うことができるし、相続人全員のための事務管理として行う場合も、裁判所の許可なくして行うことができるものと解される。」、

 「もっとも、急を要したなどの理由から、裁判所に許可審判の申立てをすることなく要許可行為を行った場合において、事前に申立てができなかった事情を申立ての理由に記載して事後的に申立てがされたとしても、事後的な申立てであることのみを理由として却下することはできないものと解される。」

 「本人の死亡から2か月が経過した以降に死後事務を行うことは、基本的には想定されていないものと解される。相続人間の対立が激しいとか、相続人の協力が得られないなどの理由により、相続財産の引渡しが実際上困難であるような場合もあり得るが、かかる場合は、相続財産管理人の選任の申立てを行った上で、選任された相続財産管理人に相続財産を引き継ぐのが相当である。」と説明されています。

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2016年9月 1日 (木)

【成年後見】 成年後見人の死後事務

 銀行法務21・No804号では、「成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」が紹介されていました。

 改正法は、死後事務を、①相続財産の保存行為と、②相続財産全体の保存に必要な行為の2類型に分類した上で、①については成年後見人が家裁の許可を得ずとも行うことができることとし、②については、一般に相続人等に与える影響が大きいことに鑑み、家裁の許可を得て行うことができるとしております。

 なお、「弁済期が到来した債務の弁済」は、本来は、②に分類されるものと考えられるが、このような行為は債務を消滅させ、遅延損害金の発生を防止するものであって、類型的に相続人の財産権を害するおそれは少ないと考えられることから、「弁済期が到来した債務の弁済」については、家裁の許可が不要となっております。

 相続財産に属する特定の財産の保存に必要な行為の例としては、相続財産に属する債権について時効の完成がまじかに迫っている場合に行う時効の中断や、相続財産に属する建物に雨漏りがある場合にこれを修繕する行為等が挙げられます。

 相続財産に属する債務の弁済の例としては、入院していた際の医療費や、本人が住んでいた居室の賃料の支払い等があげられますが、弁済資金を捻出するために預貯金口座から払戻しを受ける行為は、結局、②類型になることから、家裁の許可が必要になります。

 さらに、家裁の許可が必要な「死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結その他相続財産の保存に必要な行為」についてですが、納骨に関する契約は積極的に解させているようですが、葬儀は消極的に解されているようです。

 非常にわかりやすい逐条解説なので読んでみて下さい。

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2016年7月14日 (木)

【成年後見】 郵便転送及び死後事務

 金融法務事情No2045で紹介された「成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律の概要」です。

 改正法のポイントは、2つです。

 ① 成年後見人が家庭裁判所の審判を得て成年被後見人宛郵便物の転送を受けることができるものとしました(民法860条の2、860条の3を新設)

 ② 成年後見人が成年被後見人の死亡後も一定の事務を行うことができるものとしたこと(民法873条の2を新設)

 施行期日は、平成28年10月13日となっております。

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2016年5月14日 (土)

【成年後見】 成年後見人として活動した弁護士に対する家事審判官による権限行使が公務員職権濫用罪に該当するかが争われた事例 岐阜地裁平成27年10月9日決定

 判例時報No2287号で紹介された岐阜地裁平成27年10月9日決定です。

 事案は、家事審判官Y(被疑者)が、辞任後の後見人である弁護士X(請求人)の職務に関する責任につき、被後見人Aとの間で和解に向けた調整をする際に、Aの長女Bの意向に過度に配慮し、Xの代理人であるCに対して、「懲戒」の文言に言及し、かつ、懲戒請求の除斥期間に関する裁判例の写しをCに交付するなどして、和解金の支払いを促す発言をしたという案件でした。

 平成19年2月、Bが、後見申立を行い、X弁護士がAの後見人に選任されました。

 Xは、就任当初、通帳を預かっていなかったことから、Bは他人に300万円を貸し付けました。

 そのため、当時の家事審判官は、Xの通帳管理の状況や、貸付を問題視して、後見監督処分事件を立件し、Xは、300万円のうち、150万円を一括して返還させ、残りは分割払いで返還を約束させました。

 Bは、複数回にわたり、後見事件の記録を閲覧し、Aの財産が不当に減少しているとして、裁判所に大声で苦情を申し立てました。

 平成24年4月、Yが、支部長に着任し、26万5000円が未返済であることを報告しました。

 Yは、BとXとを裁判所に出頭させて、Xに対して、50万か、100万円の支払いを促すよう発言があり、Xも一旦は応じたものの、26万5000円が未返済だったものが返済されたことから、Xから和解金額の減額について打診があったものの、Yが、「懲戒」を何度も述べて和解をさせようとしたことが問題とされました。

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 X弁護士が、Aの後見人として適切な管理を怠ったことが原因ではありますが、

 最終的には、Aの損害は完済されています。

 裁判所は、結論において、「義務のないことを行わせ」には該当しないとして、付審判請求は棄却されていますが、

 他方で、「岐阜地方・家庭裁判所A支部の支部長裁判官の立場にあった被疑者の、同支部管轄内を主たる活動拠点とする弁護士である請求人に対してする発言としては、相当性を欠くものであったといわざるを得ない」と判示しております。

 裁判官の中には、まれに、非常にきつい言い方をされる方がおられますが、程度がすぎると、こんなことになってしまいます。

 ただ、発端は、X弁護士が適切な管理を怠ったことが原因であり、新しい後見人は後見センターが選任されたようです。弁護士による後見業務が信頼されなくなると、家裁も弁護士を後見人に選任しなくなります。

 田舎弁護士も含めて後見人になっている弁護士は、注意をしていく必要があります。

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                    (鎌倉)

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2016年5月 7日 (土)

【成年後見】 成年被後見人が相続債務について何ら遺言をしていないときは、家裁が審判で定めた成年後見人報酬金支払債務は、法定相続人が法定相続分に応じて分割承継するとした事例 大阪地裁平成27年7月22日判決

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                  (福山バラ公園)

 平成26年5月11日に、Cさんが死亡

 Cの成年後見人であるX弁護士が、12日に、C名義の口座から500万円を出金してXの預り金口座に入金

 Xは、500万円の中から、①平成25年3月9日~同26年3月31日までの報酬金として290万円の他、②葬儀費用等を控除した金員を、C名義の預金口座に戻しました

 その後、Xは、平成26年4月1日から5月11日までの成年後見印の報酬として42万1200円と認定しました。

 ところが、相続人の一部が支払わなかったので、Xが支払いを拒絶した相続人Yらに、請求したという事案です。

 やるな~。

 裁判所は、

 民法762条が「被後見人の財産の中から、相当な報酬を後見人に与える」と規定しているのは、後見事務は被後見人の保護及び支援のために行われる事務であるから、後見人に対する報酬を支払う者は被後見人であるところ、被後見人の財産を超えて報酬を支払うことはできないという趣旨だとし、

 本件後見人報酬はCが死亡するまでのXの後見事務に対して付与されたものであるから、その債務者は成年被後見人本人Cであり、したがって相続債務となり、本件審判により後見終了時であるC死亡時にさかのぼって発生するものと解しました。

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                 (福山ローズバス)

 なお、成年被後見印が死亡した場合には、実務上、成年後見人において家裁から死亡までの最後の報酬審判を得て、成年後見印が成年被後見人死亡後も管理している財産から同報酬の支払を受けた上で、残余財産を相続人に引き継ぐという処理が一般的であるとしても、Xがこれと異なる処理をしたことによって、前記解釈が左右されるものではないと判断しました。

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 あまり深く考えたことがない論点なので参考になりました。

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2016年4月21日 (木)

【成年後見】 Q&A成年後見実務全書 第3巻

 民事法研究会から今年の1月に発行された「Q&A成年後見実務全書第3巻 」です。

 後見等開始後の実務として、

 ⑥ 医療  ⑦ 虐待  ⑧ 就労支援 ⑨ その他の日常生活の支援 ⑩ 年金 ⑪ 生活保護 ⑫ 消費者問題 ⑬ 相続・遺言 ⑭ 住居の確保 ⑮ 信託 ⑯ 税務 ⑰ 親なき後への対応 ⑱ 家庭裁判所による監督 ⑲辞任・解任 について、Q&A式で解説されています。

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               (山ちゃん本店で)

 

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2015年12月23日 (水)

【成年後見】 高齢者をめぐる法律問題

 平成27年10月に、弁護士専門研修講座「高齢者をめぐる法律問題」が出版されていましたので、日弁連会館の本屋さんで購入しました。

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 6章からなっております。

 ① 高齢者問題総論として、高岡信男弁護士、② 高齢者にまつわる損害賠償として、古笛恵子弁護士、③ 高齢者の住宅問題として、吉田修平弁護士、④ 高齢者の意思・判断能力として、平井茂夫医師、⑤ 任意後見制度として、北野俊光弁護士、⑥ 法定後見の課題と実務として、赤沼康弘弁護士 という、そうそうたる先生方です。

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 この弁護士専門研修講座って、すばらしいですよね。

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2015年9月17日 (木)

【成年後見】 Q&A 成年後見実務全書 第2巻

 平成27年9月11日に出版された「Q&A 成年後見実務全書 第2巻 」です。

 当事務所では、数多くの成年後見業務に携わっております。

 その中で、日々いろいろ悩むことが少なくありません。

 株主としての権利行使とか、冠婚葬祭の金銭提供とか、或いは、親族へ介護行為についての報酬を支払うことは可能か等々です。

 困ったときの一冊です。とりあえず、第2巻ですが、続巻も購入したいと思います。

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2015年8月16日 (日)

【成年後見】 法人後見実務ハンドブック

 民事法研究会から、今年の6月に「法人後見実務ハンドブック 」という書籍が出版されていましたので、早速購入しました。

 「法人後見」とはなってはいますが、専門職が後見人に就任する場合において、段階毎に注意する点をまとめています。

 平成25年のデータでは、法人後見は約2000件だったようですが、社会福祉協議会が560件、弁護士法人が233件、司法書士法人が197件、行政書士法人が27件、その他の法人が959件となっています。

 法人後見業務の概要と流れはわかりやすく整理されており、参考になります。

 本書を参考に後見の流れのマニュアルを作成しておきたいと思います。

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