【税務】

2017年3月15日 (水)

【税務】 弁護士のための家事事件税務の基本

 昨年10月に学陽書房から、「弁護士のための家事事件税務の基本」が出版されました。

 第1編基礎編と第2編実務編からなります。

 目次を参考にしながら紹介します。

第1章は、家事事件における税法の重要性

1 はじめにー税法の考え方

2 担税力

3 個人・法人の区別

  ※贈与における課税関係  個人から法人に贈与する場合には、贈与者が譲渡所得税の問題になるので注意が必要 法人から個人に贈与する場合には譲渡益が益金として計上され法人税が問題となる

第2章は、各種税目の概要と税率

1 相続税

(1)相続税は誰に課税されるか

(2)遺産税方式と遺産取得税方式

(3)相続税額の算定方法

 ① 遺産総額の確定 ② 課税遺産総額の確定 ③ 相続税総額の算定 ④ 各相続人への相続税額の振り分け

(4)相続財産の評価と各種特例

(5)相続税の申告納税

2 贈与税

(1)贈与税の目的

(2)贈与税額の算定方法(暦年課税制度)

(3)贈与税の申告納税

(4)相続時精算課税制度

(5)贈与税の特例

3 所得税

(1)所得税の仕組み

(2)役務提供グループ(所得区分)

 ① 事業所得 ② 不動産所得 ③ 給与所得 ④ 退職所得

(3)資産譲渡グループ(所得区分)

 ⑤ 譲渡所得 ⑥ 山林所得 

(4)不労所得グループ(所得区分)

 ⑦ 利子所得 ⑧配当所得

(5)その他の所得のグループ

 ⑨ 一時所得  ⑩雑所得

(6)所得税の計算・申告納税

(7)源泉徴収制度・年末調整

4 相続における所得税の留意点

(1)相続による資産の取得と所得税

(2)相続による資産の譲渡と所得税 

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2010年7月31日 (土)

【税務】 家事事件(離婚・相続)と税  日弁連夏期研修

 平成22年7月30日から31日にかけて、日弁連夏期研修が国際ホテル松山にて、実施されました。

 昨日は、家事事件(離婚、相続)に関連する税務問題というテーマでした。講師の先生は、弁護士の山本洋一郎先生です。

 結論的には概ね知っている内容でしたが、その理由等について非常にわかりやすい解説をしていただきました。

 後学のために、レジュメの概要を記載しておきます。

 1 離婚と税

(一) 慰謝料

① 給付を受ける者

   課税関係は生じない(所得税につき所得税法9条1項16号、同法施行令30条1項3項、贈与税につき相続税法1条の4)

② 給付をする者

  金銭給付の場合には課税が生じない。

(二)養育費

① 給付を受ける者

  原則として、非課税(所得税につき所得税法9条1項14号、贈与税につき相続税法21条の3第1項2号)

  金銭の一括給付?

  養育費の一括払いについての課税については、田舎弁護士でも検討したことがあります。

  相続税基本通達21の3-6で、生活費又は教育費として必要な都度直接これらの用に充てるためと評価されない部分については、通常必要性を欠き、贈与税課税の対象となります。

  しかし、一括金を子ども名義の銀行口座に振り込むこと、かつ、振込後直ちに、妻が信託銀行との間で金銭信託契約を締結して運用することを定めた調停調書の場合には、贈与税を課税しないという昭和57年の個別通達がありますが、この個別通達の条件をクリアーするのは実際には困難です。

  ② 給付をする者

  原則として課税関係は生じない

(三)財産分与

① 給付を受ける者

  課税関係は生じない(所得税につき所基通33-1の4、贈与税につき相基通9-8)

② 給付をする者

(1)金銭給付の場合には、課税関係は生じない。

(2)金銭以外の資産の給付の場合

  最高裁判決で、譲渡所得の課税要件である「資産の譲渡」(所得税法33条1項)に当たり、譲渡所得を生じると判断されている。

  検討(1)

  この最高裁判決を前提としても、形式的に分与者名義とされている資産全部が妻に財産分与として移転登記されても、実質が夫婦の共有財産であれば、分与者が有した持分のみが譲渡所得の基因となる資産の移転があったものとして課税の対象になるにとどまるとされた東京高判昭和49年10月23日の活用。

  検討(2)

 居住用資産の譲渡の特別控除、居住用資産の譲渡の軽減税率の活用(租特例23条2項、同20条の3第1項1号ないし5号)の活用

  検討(3)

 居住用資産の配偶者に対する贈与の特別控除(相続税法21条の6)の活用

 

 田舎弁護士でも、財産分与の財産が不動産の場合には、課税上の問題で悩んだりします。

2 相続と税

(一) 代償分割と換価分割との比較

 事案によっては、換価分割か代償分割かで、節税効果は異なるが、換価分割では、法的安定性を害するので、即時売却できる場合以外は、選択すべきではない。

(二)相続分の譲渡

 譲渡人が他の共同相続人以外の者の場合には、無償譲受人の場合には、贈与税が課税され、有償譲渡人の場合には、譲渡所得税が課税されるようです。

(三)遺言と異なる遺産分割

 法定相続人間の場合であれば、遺産分割どおりの相続税が課されるだけのようですが、特定受遺者が法定相続人以外の場合には、場合を分けて検討する必要があるようです。

 

 

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