【離婚】 財産分与

2021年3月 5日 (金)

【離婚】 財産の分与に関する処分の審判において当事者双方がその協力によって得た一方当事者の所有名義の不動産であって他方当事者が占有するものにつき当該他方当事者に分与しないものと判断した場合に家事事件手続法154条2項4号に基づきその明渡しを命ずることの許否

 判例時報2464号で紹介された最高裁令和2年8月6日決定です。 

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(今治玉川龍岡)

 財産の分与に関する処分の審判において当事者双方がその協力によって得た一方当事者の所有名義の不動産であって他方当事者が占有するものにつき当該他方当事者に分与しないものと判断した場合、その判断に沿った権利関係を実現するため必要と認めるときは、家事事件手続法154条2項4号に基づき、当該他方当事者に対し、当該一方当事者にこれを明け渡すよう命ずることができると判断しました。

 昔、人事訴訟で、財産分与の申立ての際に、共有財産の明渡しについて、被告に分与しないことを前提に、明渡を請求の趣旨に記載したところ、具体的な理由を示さずに、申立を却下すると言い張った裁判官がいました(この地域ではありません。)。

 他の裁判官が執筆された文献をいくつか提出して理解を求めましたが、理解していただけませんでした。

 離婚後に民事訴訟を提訴するのは大変なので、この最高裁決定は紛争の長期化をある程度防止することにつながるのではないかと思っています。

 

 

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2019年12月27日 (金)

【離婚】 元夫からの元妻に対する自宅の明け渡し請求

 判例時報No2423号で紹介された札幌地裁平成30年7月26日判決です。

 元夫から、元夫名義の自宅に、居住している元妻に対して、自宅の明け渡し請求と賃料相当の損害金を請求したというケースです。

 財産分与審判前の夫婦共有財産(建物)の名義人(元夫)による、名義人になっていない元配偶者(元妻)に対する明け渡し請求等について、元妻が建物の具体的な共有持分権を有しているということはできないが、建物明け渡し請求は権利濫用に当たるとして、損害賠償請求のみが認められました。

 あれ? なんで、損害賠償請求が認められるのかなと思ったら、この事案は、離婚自体は成立している事案なんですね。

 毎月7万円支払えとなっていますが、マンションのローンが月7万円程度で、しかも、オーバーローン状態だったようです。 

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 落ち着きのよい判決だと思います。

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2019年10月23日 (水)

【離婚】 離婚に伴う財産分与 (新日本法規)

 新日本法規から、8月に出版された、「離婚に伴う財産分与」(裁判官の視点にみる分与の実務)を購入しました。

 著者は、元大阪高裁部総括判事の方です。

 

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(姫路)
 最近、元裁判官執筆による書籍が多いです。理論と判例を整理されているもの多くて、参考になります。
 
 8章と付録から構成されています。
 
 ①財産分与請求権の意味・内容
 
 ②財産分与請求の手続
 ③清算的財産分与
 ④扶養的財産分与
 ⑤具体的分与方法
 ⑥財産分与審判の主文
 ⑦財産分与と詐害行為等
 ⑧財産分与に伴う税金
 として、付録として、条項集です。
 実務的で使い勝手がよいように思います。
 
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2018年5月 2日 (水)

【離婚】 妻が家計を管理していたが、夫の収入からすると、当該預金ができていたはずであると主張している場合には、どう対応すべきですか? 

 非常によるあるご相談の1つです。そして、いつもこれを説明すると、相談者の顔が暗くなります💦。

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 秋武憲一先生の第3版離婚調停 P316は、「夫婦の収入状況からすれば、預貯金があるはずだと主張しても、それが現にないのであれば、財産分与の対象財産とはなりません。預金があるというのであれば、どの金融機関の預金であるかを主張させるべきです。」「金融機関を特定することもできないというのであれば、財産分与の対象財産はないといわざるをえません。」「財産分与は、離婚時における夫婦間の財産を清算する手続です。したがって、離婚時において、対象財産がないのであれば、財産分与請求権は生じません。」と書かれています。

 ですので、わからないのであれば、財産分与の手続の中ではどうしようもありません💦

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2018年4月12日 (木)

【離婚】 宝くじと財産分与

 家庭の法と裁判第13号で紹介された東京高裁平成29年3月2日判決です。

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 原審申立人(妻)が、原審相手方(夫)に対し、財産分与を求めた事案について、

 原審相手方が当選した宝くじの当選金約2億円の購入資金は夫婦の協力に得られた収入の一部から拠出されたものであるから、本件当選金を原資とする資産は、夫婦の共有財産と認めるのが相当であるとした上で、

 その分与割合については、原審相手方が小遣いの一部を充てて宝くじの購入を続けて本件当選金を取得したこと等に鑑み、

 原審申立人4、原審相手方6の割合とするのが相当であるなどとして、原審相手方に財産分与を命じました。

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 原審は、宝くじの法的性格及び役割に照らせば当選した宝くじの購入資金の原資が夫婦共有財産の財産である家計の収入であるとしても、当然に全額が夫婦の共有財産となるものではなく、当該宝くじを購入した者には、当該当選金について一定の優位性ないし優越性が認められるべきと判断しております。

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 宝くじを巡って、夫婦間でバトルです。宝くじに当選しても、幸せにならなかったという事案でした。

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2017年7月17日 (月)

【離婚】 離婚訴訟における財産分与の審理・判断の在り方について(提言)

 家庭の法と裁判第10号です。現役の裁判官が執筆されていました。

 少し気になった点を引用します。

 「判例は、同条項の『一切の事情』には、前記の扶養的要素や慰謝料的要素のほか、『当事者の一方が適当に負担した婚姻費用の清算のための給付(最三小判昭和53年11月14日)や『訴訟の最終口頭弁論当時における当事者双方の財産状態』(最一小判昭和34年2月19日)などの事情も含まれる」(P9)

 「扶養的要素も、清算的財産分与や離婚慰謝料が認められる結果、当事者双方が将来の生計の維持を図ることができる場合には、財産分与の内容として実質的に考慮されることはない。」(P9)

 「近時増加している同居中の夫婦の離婚訴訟や単身赴任時の婚姻破綻事例、夫婦が別居と同居を繰り返している場合などの場合には、基準時を一義的に特定することが困難なためどの地点を基準時とするのかにうちて争いとなることが多い」(P10)

 最近の離婚事案は、複雑化、長期化しているものが増えているように思います。

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2016年4月 1日 (金)

【離婚】 財産分与実務処理マニュアル

 新日本法規から2月に発行された「離婚事件財産分与実務処理マニュアル」です。

 離婚に際しては、大なり小なり、財産分与については問題となるのが通常です。

 中堅弁護士になると、マニュアル的な書物も読むこともなく、これまでの経験で、事件を取り扱ってしまうことが多いです。

 この書籍は、比較的若い弁護士さん向けに書かれているものですが、私のような中堅弁護士でも参考になるところは少なくないように感じました。

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2014年2月 7日 (金)

【離婚】 夫婦の一方が婚姻中に支出して不動産を取得したが、これを財産分与対象財産としないで離婚判決が確定した場合において、当該不動産が共有関係にあるとして、同不動産を占有する元妻から、共有者である元夫に対し、共有部分に相当する使用損害金を支払うよう命じた事例 東京地裁平成24年12月27日付判決

 愛媛の弁護士の寄井です。

 判例時報No2205号の判例評釈です。

 離婚のドロドロとしたケースです。

 財産分与手続で清算されなかった夫婦共有不動産の取扱いが問題となりました。

 東京地裁判決の判旨を紹介いたします。

 「夫婦の一方がその特有財産から不動産売買代金を支出したような場合には、

 当該不動産が財産分与の計算においてオーバーローン又は残余価値なしと評価され、財産分与の計算においてオー場ローン又は残余価値なしと評価され、財産分与の対象財産から支出された金員について何ら審理判断をしていない以上、

 離婚の際の財産分与とは別に、当該不動産の共有関係について審理判断がされるべきである。」

 「東京高等裁判所は、本件不動産に関して残余価値は0円と評価するのが相当である旨判断し、財産分与額の計算に際し、本件不動産をその対象から外し、原告名義の預金のみを財産分与の対象としており、

 そのため、本件不動産については、原告被告間の離婚訴訟における財産分与の規律において処理がされていないことが認められるから、

 離婚訴訟の財産分与とは別個に権利関係を確定し、その清算に関する処理がされるべきである。」

 財産分与手続で清算されなかった夫婦共有不動産の取扱いについては、多くは、後日紛争が生じないように、使用貸借権を設定したりすることがあると思いますが、このケースではそうならなかったようです。

 

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2013年12月 1日 (日)

【離婚】 内縁解消後、財産分与の審判手続中に分与義務者が死亡した場合における財産分与義務の相続性

 判例時報の2196号(11月1日号)で紹介された大阪高裁平成23年11月15日決定です。

 決定要旨は、以下のとおりです。

 内縁関係の解消によって財産分与請求権は既に発生している。

 そして、Xは財産分与請求権を申立てて、これを請求する意思を明らかにしているところ、これが審判に移行したのであるから、その具体的な権利内容は審判において形成されるのであって、亡Aが審判中に死亡した場合、その財産部如義務が相続の対象となることを否定すべき理由は存在しない。

 当たり前の判決のように思います。 

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2013年5月19日 (日)

【離婚】 夫婦の一方が婚姻中に支出した不動産を取得したところ、財産分与を含む離婚判決が確定した後、当該不動産が共有関係にあるとされた事例 東京地裁平成24年12月27日判決

 判例時報No2179号(5月11日号)で紹介された東京地裁平成24年12月27日付け判決です。

 論点は以下のとおりです(解説から引用)。

 離婚に伴う財産分与については、婚姻中に夫婦間で形成された実質的共有財産を認定し、これを財産形成に対する双方の寄与に応じて分配することになるところ、

 実務では住宅ローンの扱いが問題となることが多く、通常は不動産の時価から残存するローンを控除した残りを分与財産とするのであるが、

 本件のように残余価値が0円である場合には、財産分与の対象としないことになろう。

 その場合、財産分与の対象から外れた財産の事後処理をどうするかということが問題となるが、

 これまでこの問題について判断した判例は見当たらないし、この問題を論じた学説もない。

 裁判所は、離婚訴訟において、特定の財産が財産分与の対象kら外され、夫婦の一方の特有財産から支出された金員について何ら審理判断がされなかったときは、離婚の際の財産分与とは別に、当該財産の共有関係について審理判断されるべきであるとし、

 別件の東京高裁判決では、本件土地建物は財産分与の対象として処理されていないことが認められるとし、Yは、本件土地建物の購入・建築にあたり、800万円を出捐したほかに住宅ローンを支払うなど、合計1310万円余を支払・負担したものと評価できるから、本件土地建物はXとYとの共有であると判断しました。

 この事案、占有訴権の裁判がこの裁判以前にあるなど、ものすごい内容の裁判になっています。 

 平成20年8月 子の監護権に関する調停

 平成20年8月 離婚調停・婚姻費用調停

 平成21年    離婚訴訟(反訴あり)

           控訴

 平成23年   占有訴権に基づく裁判

 平成24年   建物明渡し訴訟

           控訴

 最近の離婚に関連する事案は、対立が激しいものが少なくないようです。 

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