【離婚】 財産分与

2017年7月17日 (月)

【離婚】 離婚訴訟における財産分与の審理・判断の在り方について(提言)

 家庭の法と裁判第10号です。現役の裁判官が執筆されていました。

 少し気になった点を引用します。

 「判例は、同条項の『一切の事情』には、前記の扶養的要素や慰謝料的要素のほか、『当事者の一方が適当に負担した婚姻費用の清算のための給付(最三小判昭和53年11月14日)や『訴訟の最終口頭弁論当時における当事者双方の財産状態』(最一小判昭和34年2月19日)などの事情も含まれる」(P9)

 「扶養的要素も、清算的財産分与や離婚慰謝料が認められる結果、当事者双方が将来の生計の維持を図ることができる場合には、財産分与の内容として実質的に考慮されることはない。」(P9)

 「近時増加している同居中の夫婦の離婚訴訟や単身赴任時の婚姻破綻事例、夫婦が別居と同居を繰り返している場合などの場合には、基準時を一義的に特定することが困難なためどの地点を基準時とするのかにうちて争いとなることが多い」(P10)

 最近の離婚事案は、複雑化、長期化しているものが増えているように思います。

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2016年4月 1日 (金)

【離婚】 財産分与実務処理マニュアル

 新日本法規から2月に発行された「離婚事件財産分与実務処理マニュアル」です。

 離婚に際しては、大なり小なり、財産分与については問題となるのが通常です。

 中堅弁護士になると、マニュアル的な書物も読むこともなく、これまでの経験で、事件を取り扱ってしまうことが多いです。

 この書籍は、比較的若い弁護士さん向けに書かれているものですが、私のような中堅弁護士でも参考になるところは少なくないように感じました。

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2014年2月 7日 (金)

【離婚】 夫婦の一方が婚姻中に支出して不動産を取得したが、これを財産分与対象財産としないで離婚判決が確定した場合において、当該不動産が共有関係にあるとして、同不動産を占有する元妻から、共有者である元夫に対し、共有部分に相当する使用損害金を支払うよう命じた事例 東京地裁平成24年12月27日付判決

 愛媛の弁護士の寄井です。

 判例時報No2205号の判例評釈です。

 離婚のドロドロとしたケースです。

 財産分与手続で清算されなかった夫婦共有不動産の取扱いが問題となりました。

 東京地裁判決の判旨を紹介いたします。

 「夫婦の一方がその特有財産から不動産売買代金を支出したような場合には、

 当該不動産が財産分与の計算においてオーバーローン又は残余価値なしと評価され、財産分与の計算においてオー場ローン又は残余価値なしと評価され、財産分与の対象財産から支出された金員について何ら審理判断をしていない以上、

 離婚の際の財産分与とは別に、当該不動産の共有関係について審理判断がされるべきである。」

 「東京高等裁判所は、本件不動産に関して残余価値は0円と評価するのが相当である旨判断し、財産分与額の計算に際し、本件不動産をその対象から外し、原告名義の預金のみを財産分与の対象としており、

 そのため、本件不動産については、原告被告間の離婚訴訟における財産分与の規律において処理がされていないことが認められるから、

 離婚訴訟の財産分与とは別個に権利関係を確定し、その清算に関する処理がされるべきである。」

 財産分与手続で清算されなかった夫婦共有不動産の取扱いについては、多くは、後日紛争が生じないように、使用貸借権を設定したりすることがあると思いますが、このケースではそうならなかったようです。

 

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2013年12月 1日 (日)

【離婚】 内縁解消後、財産分与の審判手続中に分与義務者が死亡した場合における財産分与義務の相続性

 判例時報の2196号(11月1日号)で紹介された大阪高裁平成23年11月15日決定です。

 決定要旨は、以下のとおりです。

 内縁関係の解消によって財産分与請求権は既に発生している。

 そして、Xは財産分与請求権を申立てて、これを請求する意思を明らかにしているところ、これが審判に移行したのであるから、その具体的な権利内容は審判において形成されるのであって、亡Aが審判中に死亡した場合、その財産部如義務が相続の対象となることを否定すべき理由は存在しない。

 当たり前の判決のように思います。 

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2013年5月19日 (日)

【離婚】 夫婦の一方が婚姻中に支出した不動産を取得したところ、財産分与を含む離婚判決が確定した後、当該不動産が共有関係にあるとされた事例 東京地裁平成24年12月27日判決

 判例時報No2179号(5月11日号)で紹介された東京地裁平成24年12月27日付け判決です。

 論点は以下のとおりです(解説から引用)。

 離婚に伴う財産分与については、婚姻中に夫婦間で形成された実質的共有財産を認定し、これを財産形成に対する双方の寄与に応じて分配することになるところ、

 実務では住宅ローンの扱いが問題となることが多く、通常は不動産の時価から残存するローンを控除した残りを分与財産とするのであるが、

 本件のように残余価値が0円である場合には、財産分与の対象としないことになろう。

 その場合、財産分与の対象から外れた財産の事後処理をどうするかということが問題となるが、

 これまでこの問題について判断した判例は見当たらないし、この問題を論じた学説もない。

 裁判所は、離婚訴訟において、特定の財産が財産分与の対象kら外され、夫婦の一方の特有財産から支出された金員について何ら審理判断がされなかったときは、離婚の際の財産分与とは別に、当該財産の共有関係について審理判断されるべきであるとし、

 別件の東京高裁判決では、本件土地建物は財産分与の対象として処理されていないことが認められるとし、Yは、本件土地建物の購入・建築にあたり、800万円を出捐したほかに住宅ローンを支払うなど、合計1310万円余を支払・負担したものと評価できるから、本件土地建物はXとYとの共有であると判断しました。

 この事案、占有訴権の裁判がこの裁判以前にあるなど、ものすごい内容の裁判になっています。 

 平成20年8月 子の監護権に関する調停

 平成20年8月 離婚調停・婚姻費用調停

 平成21年    離婚訴訟(反訴あり)

           控訴

 平成23年   占有訴権に基づく裁判

 平成24年   建物明渡し訴訟

           控訴

 最近の離婚に関連する事案は、対立が激しいものが少なくないようです。 

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2013年4月13日 (土)

【離婚】 内縁関係の解消に伴う財産分与の審判手続中に分与義務者が死亡した場合の財産分与義務の相続性の有無 大阪高裁平成23年11月15日決定

 家庭裁判月報(平成25年4月第65巻第4号)で紹介された平成23年11月15日付け大阪高裁決定です。

 最高裁平成12年3月10日決定により、財産分与請求はできないのではないかということが論点でした。

 ただ、これについては、最高裁決定は、内縁関係の死亡解消例についての事案であり、今回のように内縁関係解消後に生存権利者が生存義務者に財産分与請求をしたという事案についてのものではありませんので、ケースを異にしています。

 裁判要旨を紹介いたします。

 内縁関係の解消に伴う財産分与調停が申し立てられ、同調停が不成立となり審判手続に移行した後、分与義務者である元内縁の夫が同手続中に死亡した場合には、当該財産分与義務は相続の対象となる。

 まあ、当たり前の内容だと個人的には思います。

 ただ、最高裁決定の事案の内縁関係の死亡解消例ですが、この場合には、相続法理や財産分与法理で内縁配偶者を救済する方法がないために、この種の相談の場合にはいつも困っています。

 生前贈与や公正証書遺言くらいはきちんとしていただきたいものです。

 でないと、奥さんが住む家も失いかねませんので・・・・

 

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2012年9月 8日 (土)

【離婚】 内縁解消後、財産分与の審判手続中に分与義務者が死亡した場合における財産分与義務の相続性(積極) 大阪高決平成23年11月15日

 判例時報平成24年9月1日号(2154号)で紹介された大阪高裁平成23年11月15日決定です。

 判決の概要は以下のとおりです。

① 財産分与義務の相続性について、内縁関係の解消によって財産分与請求権は既に発生しており、また、Xは財産分与調停を申し立て得てこれを請求する意思を明らかにしていることを指摘した上で、その審判移行後の手続中にAが死亡した場合、当該財産分与義務が相続対象となることを否定すべき理由は存在しないと判断しました。

② 内縁関係の死亡解消の場合に民法768条の準用を否定した最高裁平成12年3月10日決定とは事案が異なり、Yらの主張はその前提を欠くとして、内縁解消後に分与義務者が死亡した場合である本件について民法768条の準用を肯定しました。

 なお、本判決は、内縁解消後に分与義務者が死亡した場合と、分与義務者になり得るべき者の死亡により内縁が解消した場合とで、内縁配偶者の財産的地位の帰趨が著しく異なるものとなることを改めて示しております。

 後者のケースの場合は、理屈上、しかたないんだろうなあ~

 

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2012年8月31日 (金)

【離婚】 財産分与審判の主文について 家庭裁判月報平成24年8月第64巻第8号

 家庭裁判月報平成24年8月号に、元高裁の部総括判事による「財産分与審判の主文について」と題する論文が紹介されていました。

  離婚に伴う財産分与を取り扱う弁護士にとっては、必読の書だと思いますので、項目立てを参考に挙げておきます。

1 はじめに

2 不動産の財産分与

(1)権利関係を形成する主文の要否等

(2)給付を命じる主文

  ア 移転登記手続を命じる主文

  イ 引渡しを命じる主文

3 動産の財産分与

(1)権利関係を形成する主文の要否等

(2)給付を命じる主文

4 債権の財産分与

(1)権利関係を形成する主文の要否等

(2)給付を命じる主文

(3)将来給付予定の退職金の分与の例

5 清算金等の金銭支払による財産分与

(1)形成を命ずる主文の要否等

(2)一括払いを命じた例

(3)分割払いや定期金給付を命じた事例

(4)引換給付を命じる主文

(5)抵当権を設定した例

(6)代物弁済

6 その他

(1)建物等利用権設定

(2)不作為を命じた事例

 

 ※不動産の財産分与において、「分与した不動産が他方の占有下にある場合、その引渡しを命じることになる(家事審判規則56条、49条)。」、「引き渡すべき者が当該物件に居住しており、直ちに明け渡すことが困難な場合には、明渡しまでの猶予期間を設ける例もある。」と説明されています。以前、どこかの裁判所で、不動産の財産分与において、引渡しを命じる条項を申立てに記載したら、裁判官から、「却下する」と言われて困ったことがあります。財産分与において、引渡しを命じる条項を記載しても、それが建物明渡訴訟ではなく、財産分与(の一形態)であることがわかれば、問題ないという文献もあったのですが、裁判官は、「却下する」と言われて困ったことがありました。和解で解決したので結果的には問題がなかったのですが、なんでだろう???と思っていました。

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2012年1月19日 (木)

【離婚】 婚姻中に夫から妻に贈与された実質的夫婦共有財産である不動産が財産分与の対象とならないとされた事例 大阪高裁平成23年2月14日決定

 家庭裁判月報平成24年1月第64巻第1号の「家事関係裁判例」で紹介された高裁の決定例(大阪高裁平成23年2月14日決定 松本哲 泓裁判長)です。

 裁判要旨は以下のとおりです。

 婚姻中に相手方が抗告人に対してした不動産の贈与は、

 抗告人が相手方の不貞行為を疑い、現に相手方による不貞行為を疑われてもやむを得ない状況が存在した中で、抗告人の不満を抑える目的で行われたものであり、

 清算的要素をもつ上記贈与により上記不動産中実質的夫婦共有財産である部分についても確定的に抗告人に帰属させるのが当事者の意思であったなど判示の事情の下では、

 上記不動産は、抗告人の特有財産となったと認めるのが相当であって、これを清算の対象としなければ公平の観点や社会通念上不当であるような特段の事情が認められない以上、財産分与の対象とならない。

 第1審では、夫婦の共有財産認定をして、抗告人に対して約360万円の支払いを命じていますが、第2審では、抗告人の特有財産認定をして、支払いを否定しています。

 感覚的には、第1審の見解の方が自然な感じがしますが、当事者の財産状況等を考えて、結果の妥当性からすれば、第2審のように考えるのがいいかもしれません。

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2011年9月26日 (月)

【離婚】 判例展望民事法 財産分与を巡る裁判例と問題点 判タNo1352

 判例タイムズNo1352(10月1日)号が送られてきました。

 現役の裁判官による「財産分与を巡る裁判例と問題点」という論文が紹介されていました。

 その中で、実務上、弁護士を悩ます住宅ローンの負担がある場合の自宅についての財産分与の在り方について、詳しく説明されているのは、実務上役立ちそうです。

 特にオーバーローン状態の自宅の場合、財産的価値はないとされるため、分与の対象とならないと考えられているため、実務上の処理として悩むところですが、解説者は、「分与対象財産とすること、ないし帰属を定めることについて当事者に争いがなく、当事者双方がそのような定めを求めているときは、分与を命ずる余地はあると思われる」と説明されています。

 離婚では、財産分与に絡む問題が少なくなく、実務上参考になります。

 

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