【相続】 遺言

2021年1月12日 (火)

【相続】 判例分析 遺言の有効・無効の判断

 新日本法規から、昨年2月に出版された「判例分析 遺言の有効・無効の判断」です。 

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(笠松山・観音堂)
 10章から構成されています。①遺言無能力及び遺言無効確認訴訟一般、②遺言者の意思表示の瑕疵・欠缺、③法律行為としての有効要件の欠如、④法定の形式的要件の欠如、⑤共同遺言の禁止、⑥遺言の撤回及び取消、⑦遺言の代理の禁止、⑧遺言書の隠匿・破棄等、⑨遺言書の加除・訂正、⑩その他の問題です。
 遺言書の大半は、公正証書遺言なので、形式面で問題が生じることは少ないですが、自筆遺言の場合には、頭を悩ませることが少なくないです。
 しかも、裁判例もいろいろ分かれていますし。。。。
 難しい相談の1つです。

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2021年1月 9日 (土)

【相続】 遺言執行実務マニュアル

 新日本法規から、昨年4月に、遺言執行実務マニュアルが出版されました。 

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(楢原山登山口近く)
 5章で構成されています。①総論、②遺言執行の準備と着手、③遺言の執行、④遺言執行者の任務の終了、⑤遺言執行費用の処理 です。
 遺言執行者になってしまうと、弁護士倫理の点から、相続人の代理人になれないので、田舎弁護士は執行者の依頼を受けても、常に辞退しております。
 また、弁護士が遺言執行者になって、いろいろ財産を処理してくれたケースは、田舎弁護士の経験では、1回しか見たことがありません。
 遺言書には、執行者の指定は記載されていることが多いですが、田舎弁護士的には縁がないですね💦

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2020年8月22日 (土)

高齢者の遺言 エトセトラ

 高齢者の遺言書については、被相続人である高齢者が生存中から、推定相続人がその内容を何らかのキッカケで知り、トラブルになることもあります。また、死亡後に、1人の相続人が高齢者から遺言書を預かっていたと称して、やはりその内容をめぐり、トラブルになることが少なくありません。

 遺言能力に問題がない限り、本来、親がだれに自分の財産を渡そうと自由なはずです。しかしながら、遺留分程度の請求しかできなくなることについて、大きな不満を抱き、親がこのような不公平な遺言書を作成するはずはないとして、遺言能力に疑問を呈することもあります。

 2020年8月号の家庭の法と裁判では、特集として高齢者を取り巻く諸問題を取り扱い、その中で、高齢者の法的問題ー意思能力が問題となる前にという論文で、遺言能力に言及されていたのは参考になります。

 「遺言能力について,近時の裁判例では、遺言能力とは、遺言事項を具体的に決定し、その法律効果を弁識するに必要な判断能力すなわち意思能力と解されるところ、このような遺言能力の欠如について、遺言時を基準として、当該遺言の意味内容を理解する能力を欠如しているかどうか、すなわち、本件各対象遺言の各時点における遺言者である被相続人の病状、精神状態等、遺言の内容、遺言をするに至った経緯等を踏まえ、遺言能力を喪失するに至っていたかどうかを判断することとなる旨判示されたものがある」

 「遺言能力の有無が裁判で争われた場合、医師の医学的判断を尊重しつつも、最終的には裁判官の法的判断により決められる。医師が遺言者を認知症と診断していても、それだけで一律に遺言能力が否定されるわけではない。」「認知症の症状の進行は人それぞれであるため、事案ごとに遺言能力の有無を判断する必要がある。」

 「(高齢者の病状、精神状態等)具体的には、病院からは診療録(カルテ)を、介護事業者からはサービス提供記録(介護日誌)や居宅サービス計画書を、居住市町村からは介護認定のための認定調査票を集め、遺言者の日記やメモ、担当医師、立会証人、同居者、介護事業関係者から事情聴取するなどである」

 「(遺言の内容)遺言の内容の複雑性に応じて、遺言者に当該遺言を理解できる能力があったか否かを検討する必要がある」

 「(遺言をするに至った経緯)近時の裁判例では、遺言内容の複雑さ、動機の有無、遺言作成の経緯、遺言者が自由に意思決定できたか否かという点も遺言能力の有無を判断する要素として重視しているものが増えてきている。」

  解説者はアドバイスとして、「公正証書遺言を作成するだけで安心するのではなく、遺言書作成時点で判断能力があることを医師に診断してもらう、遺言書作成当時の状況を動画で残すなど、様々な方法を使って遺言能力に関する証拠を残すことを心掛ける必要がある」と解説されています。

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2020年3月22日 (日)

【相続】 特殊な遺言条項 作成と手続のポイント

 これも新日本法規の方から勧められて購入しました。「ケース別 特殊な遺言条項 作成と手続のポイント」です(令和元年12月)。 

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 遺留分についての配慮と対策、趣味・愛玩具・ペット、親族・家族の介護・養育、事業の承継、外国関係等、最近相談がありそうな条項についても詳しく解説されています。

 ペットですと、ペットの世話を託したい場合、ペットと同じ墓に入りたい場合、自分の死後もペットの墓の世話をして欲しい場合などです。

 時代ですね。。。

 

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2020年1月12日 (日)

【相続】 いよいよ、7月10日から、自筆証書遺言の保管制度が始まる。

 7月10日から、自筆証書遺言保管制度が始まります。

 高齢化の進展等の社会経済情勢の変化にかんがみ、相続をめぐる紛争を防止するという観点から、設けられた制度です。 

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(金沢城)
 全国300か所以上で実施ということですから、今治でもできるんでしょう。
 
 保管の申請は、遺言書を事前に作成した上、申請者と添付書面を用意して、遺言者本人が遺言書保管所に来庁して手続を行う必要があります。
 
 遺言の内容についての相談はお受けできません。☚ 内容と書かれているので、遺言書の形式的な要件の点検はされるのだろうと想像します。
 遺言書については、画像データ化できるので、遺言者は、遺言書の閲覧ができるということになります。
 相続開始後は、相続人等であれば、遺言書の閲覧ができますし、他の相続人にも遺言書を保管している旨の通知をされることになります。
 そして、家裁の検認は不要とされています。
 公正証書遺言と比べると、公証人役場では、遺言の内容についても相談にのっていると思いますし、また、他の相続人に公証人から通知されることもありません。
 とはいえ、手数料がチープであれば、公正証書遺言より、こちらの制度を使うということもあろうかと思います。
 公証人役場にすれば、法務局の遺言書保管所が競争相手になりそうですね・・・・ 
 

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2019年6月24日 (月)

【相続】 実務家が陥りやすい相続・遺言の落とし穴

 実務家が陥りやすい相続・遺言の落とし穴(新日本法規)が、昨年10月に出版されていましたので、購入しました。

 結構、読んでいてドキとしたのがありました。

 賃借物件を引き払うと相続放棄できなくなるのか?

 相続人が相続放棄をしつつ遺贈により遺産を取得できるのか?

 包括遺贈の放棄の落とし穴

 無効な遺言は相続において何の意味も持たないのか

 改訂長谷川式知能評価スケールの落とし穴

 遺言に預貯金残高は記載しておいた方がよいのか

 遺言による認知の落とし穴

 共同相続した非上場株式の議決権については、相続分の割合の応じて行使するのか

 などなどです

 編集代表の野口弁護士は、労働法で有名ですが、相続・遺言分野も研究されておられるのですね

 

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2019年6月 8日 (土)

【相続】 包括遺贈の遺言執行者等が法定相続人に対して相続財産目録を交付せず、事前に通知しないまま遺産の不動産を処分したことなどが違法であるとして、法定相続人から遺言執行者等に対する損害賠償請求が認容された事例

 東京地裁平成19年12月3日判決です。

 相続財産の全部を換価してその費用等を控除した全額を第三者に遺贈する旨の清算型包括遺贈がなされた場合に、遺言執行者は遺留分を有しない法定相続人に対して相続財産目録の交付義務や執行状況等の報告義務を負うか否か、また、その執行補助者が遺言執行者とともに共同不法行為責任を負うことがあるのかという事案でした。

 裁判所は、包括遺贈の遺言執行者等が法定相続人に対して相続財産目録を交付せず、事前に通知しないまま遺産の不動産を処分したことなどが違法であるとして、法定相続人から遺言執行者等に対する損害賠償請求が認容しました。ただし、慰謝料は1人につき10万円としれており、名目的慰謝料に近いものと評価されています。

 なお、「本件では、法定相続人からの照会があつたのであるから、遺言執行者等から依頼された弁護士としては丁寧に対処すべきであったのに、遺留分のない法定相続人が何を言っているのかといわんばかりの対応に終始したため、紛争がこじれたことが読み取れる事案であり、代理人の対応態度も大切であることを教えている」と解説されています。

 

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 遺言書の作成に携わることも少なくないので、肝にめいじておきたいと思います。

 

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2019年3月 1日 (金)

【相続】 他人の添え手による補助を受けて作成した自筆証書遺言が自書の用件を欠くものとして無効と判断された事例 東京地裁平成30年1月18日判決

 金融法務事情No2107号で紹介された東京地裁平成30年1月18日判決です。

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 運筆について他人の添え手による補助を受けてされた自筆証書遺言が民法968条1項にいう「自書」に要件をみたすためには、

 遺言者が証書作成時に自書能力を有し、

     かつ

 上記補助が遺言者の手を用紙の正しい位置に導くにとどまるか、遺言者の手の動きが遺言者の望みに任されていて単に筆記を容易にするための支えを借りたにとどまるなど添え手をした他人の意思が運筆に介入した形跡のないことが筆跡の上で判定できるものであることを要する(昭和62年最高裁判決参照)

              ↓

 本件では、他人の添え手による補助を受けて作成した自筆証書遺言が、筆跡から遺言者の真意に基づくことが明らかとはならないなどの事実関係のもとでは、たとえ動画により遺言作成過程が記録されていても、自書の用件を欠くものとして、無効と判断されました。

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2018年10月18日 (木)

【相続】 遺言で債務を承継する者を指定することができるでしょうか?

 「家庭の法と裁判」No16号の「公証家事実務Q&A」の質問と解説です。

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 遺言で債務を承継する者を指定することができるでしょうか?という質問に対して、

 回答は、「法定相続分と異なる割合で債務を承継させる旨の遺言を作成しても、これを債権者に対して主張することはできませんが、相続人間においては効力が生じます」と説明されています。

 なお、全財産を特定の相続人に相続させる遺言をした場合で債務の帰属については記載されていない場合の扱いや、清算型遺言についても解説がなされています。

 

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2018年7月29日 (日)

【相続】 遺言者の遺言能力が欠如していたとして公正証書遺言が無効とされた事例

 判例時報No2370号で紹介された東京地裁平成29年6月6日判決です。

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 長谷川式簡易知能評価スケールでは、16点から18点で推移されていたようですが、アルツハイマー型認知症により短期記憶障害が相当程度進んでおり、また、遺言書の内容も複雑であったことから、公正証書遺言でしたが、無効と判断されています。

 なお、控訴されているようです。

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