【離婚】 年金分割

2014年6月14日 (土)

【離婚】 元夫から元妻に対して申し立てられた年金分割についての請求すべき按分割合を定める審判において、同割合が0.3と定められた事例 東京家裁平成25年10月1日審判

 判例時報No2218号(6月11日号)で紹介された東京家裁平成25年10月1日審判です。

 年金分割なんて、判決や決定だと、0.5しかありえないと思っていましたが、ついに、0.3という審判がでたようです。

 元夫Xから元妻Yに対して申し立てられた事案のようです。

 裁判所は、①婚姻期間中、Xの多額の負債等によりYが家計のやりくりに苦労したであろうこと、②Xが退職した平成7年以降はYの収入を主として家計が維持されてきたこと、他方で、③Xは結婚当時から平成7年まで相当額の収入を得ており、借入金の大部分を退職金で返済していること、④Yは、非常勤教員として勤務するまえの約30年近く概ね専業主婦として生活しておりその間の家族の生計は、Xの給与収入により維持されていたこと、⑤退職金額については、YもXも他方に明らかにしていないこと、⑥離婚調停ではYの判断で財産分与について合意していることから、XとYとの婚姻期間50年と、そのうち、Xの収入で家計が維持されていた30年との比例的な関係を対応させて、0,3と定めました。 

 

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2009年3月22日 (日)

【離婚】 抗告人の主張する2年4か月の別居期間は、請求すべき按分割合を定めるに当たって斟酌しなければ不相当というべきまでの明白な破綻別居期間と認定することはできず、相手方による財産の浪費又は隠匿は仮にあるとしても財産分与等で解決すべき事項であるから、いずれも按分割合を定めるに当たって双方の寄与を同等とみることの例外を認めるべき特別な事情にあたらない(広島高裁H10・3・14決定)

 家裁裁判月報平成21年3月第61巻第3号で紹介されていた裁判例です。

 抗告人と相手方は、平成12年婚姻、平成17年4月別居、平成19年8月和解離婚をしていましたが、相手方が、抗告人に対して、和解離婚後、年金分割の申し立てをした事案です。

 抗告人の立場からいえば、「えっ、和解離婚で解決しているのじゃない」と思う気持ちもわからないではありません。

 和解離婚には、清算条項を入れていたのですが、原審は、年金分割の申し立ての妨げにはならないと述べています。

 高裁も、①別居から離婚までの2年4か月の期間は、按分割合を定めるにあたって斟酌しなければ不相当というべきまでの明白な破綻別居期間の存在を認定することはできない、②浪費又は隠匿にかかる事実があったとしても、離婚に伴う財産分与等で解決すべき事項であるから、特別な事情にはあたらないと、判断しました。

 清算条項を入れるだけではだめで、離婚時年金分割制度を利用しない合意を明記する必要があります(静岡家裁浜松支平成20年6月16日)。

 この事案では、清算条項を入れているから、財産分与の請求もすることができず、抗告人としては、打つ手がないように思えます。

 和解離婚をする際にも、気をつけないといけませんね。

 (追記)

ちなみに,最高裁が作成した年金分割執務資料には,かかる合意をしても,公法上の請求権である年金分割請求権の行使を制約することができないとの記載があります(ボツネタから)。

 

 

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