【子ども】

2020年10月24日 (土)

【子ども】 面会交流は、子どもの視点で考えて欲しいです。

 離婚事案等を扱っておりますと、夫婦での争いが深刻化して、子どもの面会交流がスムーズにいかなくなる場合も、少なくありません。

 田舎弁護士は、夫婦の問題と親子の問題は、一応別レベルでの話と考えております。監護親が母親、非監護親が父親になるケースが多くみられます。

 もちろん、田舎弁護士は、監護親、或いは、非監護親のどちらからでも、ご相談を受けます。

 ただ、暴力やこれに類するような暴言等、直ちに面会交流を実施することが困難な場合を除き、非監護親との面会交流は子の成長にとって重要と考えております。

 従って、面会交流については、監護親からの依頼の場合でも、環境等が整えば、応じるようお話をさせていただいております。

 ただ、早急な面会交流を強固に要望する非監護親もおられ、相手方が応じないために、しばしば感情的になられます。

 しかし、面会交流については、どうしても監護親の気持ちや環境もあることから、少し長期的に考えていただく必要があります。法の強制(間接強制)により実現しようとする面会交流ほど、つまらないものはありません。

 子どもが大きくなるまでの面会交流は、両親の協力がなければ、継続しません。

 ところで、最近、面会交流を阻止したら成功報酬をもらうような広告をしている弁護士さんもいるようなことも耳にしました。

 どうなんでしょうか。

 過去DVがありそれが面会交流時に継続する可能性が強いような場合などのケースであれば、面会交流を阻止すべきでしょう。

 ただ、一般的に多い、性格の不一致により夫婦関係が壊れてしまったような場合にまで、面会交流を阻止すべきでしょうか。

 両親が別れてしまったことでもつらいのに、親子までが引き裂かれるのは子どもがかわいそうです。

 最近の弁護士は、依頼人の短期的な利益を重んじるような方が増えているのではないかと思います。親子が関連する離婚の場合には、子どもの視点にも立っていただければと思います。

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2020年7月22日 (水)

【子ども】 母親による子どもへの虐待

 母親による子どもへの虐待のニュースがあとを絶ちません。

 小さな子どもにとって、母親は、最大の保護者です。

 今回、交際していた男性に会いに行くために、子どもを放置し、その結果、死なせてしまったという痛ましい事件がありました。

 その母親も、小さな子どものころに、親から虐待を受けていたということのようです。

 今回逮捕された母親は、一方で、子どもをかわいがり、その様子をSNS等で公開しているようです。

 他方で、男性に会いに行くために、長期間、子どもを置き去りにするという思考。

 両方が、併存しているのです。

 

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 田舎弁護士の感覚では、親とか親族に子どもを預けようと考えますが、彼女の場合には、そのような環境になかったのでしょう。
 小さいときに受けた虐待が、彼女に対して、どのような影響を与えているのかは、今後捜査の結果を待つしかありません。
 ですが、それをもって、正当化できるようなものでもありません。
 母親だから、子どもの最大の保護者という、感覚が間違っている時代にきているのでしょう。
 また、孤立化しがちな母親を、どのように支援していくのかについても、検討が必要に思います。
 二度とこのような悲惨な事件が発生しないためにも。

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2020年7月19日 (日)

【子ども】 研究 子の監護権者指定・引渡しをめぐる最近の裁判例について 山岸秀彬東京地裁判事

 家庭の法と裁判No26で掲載された研究論文です。

 「子の監護権者指定・引渡しをめぐる最近の裁判例を紹介してきたが、改めて裁判例の傾向をまとめると、次のとおりである。

 すなわち、裁判例は、子の出生以来の主たる監護者が父母のいずれであったかを重視しており、主たる監護者による監護態勢に問題がなければその者による子の監護を継続することが子の福祉に適うものとして、主たる監護者が監護者として指定され、主たる監護者による子の引渡しの申し立てが認められる傾向にある。

 逆に、主たる監護者でない方の親が監護者として指定された事案は、子の利益の観点から当該親を監護者とすべき事情があった場合であるといえる」

 「このように見てくると、裁判例が、子の主たる監護者がいずれにあつたかを重視しているといっても、監護者の判断は、父母が子と過ごしてきた時間を数量的に評価して行われるものではなく、主たる監護者と認められる親が子のニーズにこたえ、その親と子との愛着関係が十分に形成されているかという観点から、家庭裁判所調査官による調査等も踏まえて分析・評価がされているものと考えられる。

 この点、前掲【16】は、(数量的にみると)母が主たる監護者であったと言いうるものの、愛着関係という点では父母間に圧倒的な差はないという評価の下で、他の考慮要素を含めて検討し、結論として父を監護者として定めたものであり、これまで述べてきたところに沿う判断ということができるように思われる。」

 「松本論文が『主たる監護者であった者以外の者を監護者とした事例では、その他に重視すべき事情が存在するものであった』としているとおり、主たる監護者でない方の親が監護者として指定された事案は、別居後に主たる監護者が精神疾患を抱えて監護意欲が著しく低下したり、主たる監護者が子の福祉を害する活動をしている団体の活動に熱心に参加していたりするなど、子の利益の観点から主たる監護者でない方の親を監護者として指定すべき事情があった事案であると考えられる」

 → 田舎弁護士は、家庭の案件を取り扱うことが多く、親権や監護者をめぐる問題もしばしば取り扱います。最新の裁判官の議論を勉強しておく必要があります。

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2020年6月28日 (日)

【面会交流】 電子メールやラインを用いた連絡

 判例時報N02442号で紹介された東京高裁令和1年8月23日決定です。

 離婚時の和解条項は、毎月1回の面会交流が定められていたのですが、平成28年4月を最後に面会交流が実施されなくなっているという事案です。

 父親の言動に大きな問題があり、子どもたちに嫌われてしまっているという事案のようです。

 なお、父親も母親も、医師のようです。

 原審は、父親(抗告人)と3人の子らとの直接交流を認めず、手紙の送付等の間接交流のみを認めましたが、

 抗告審は、原審を基本的には維持しつつ、母親から父親に対して子らの電子メールのアドレス及びLINEのIDを通知すべきことなどは認め、その限度で、原審を変更しました。

 平成28年4月の面会交流についても、「あえなくなったら、寂しくて自殺しちゃうかもしれないよ。自殺してほしい。死んで欲しいと思う」を言ったようです。医師なのに、なんでそんな不適切発言したんでしょう。

 

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2020年4月12日 (日)

【子ども】 面会交流で、勝ち負け???

 最近、夫婦事案において、面会交流が大きな争点になることが増えてきたように感じます。後述する裁判官の解説によれば、面会交流事案においても、主張立証の勝ち負けという観点で考えるような方が増えているようです。

 私自身は、面会交流は、面会交渉権というものではなくて、子どもの監護のために適切な措置を求める権利であると考えております。

 判例タイムズNo1469号では、吉川昌寛裁判官の「面会交流事件と要件事実論に関する一考察」が掲載されており、まさに我が意を得たりとする内容でした。

 「現実の面会交流調停事件では、当事者が、こだわりを持つ部分について自らの正当性を主張し、一部には、調停期日あるいはその直前に読み切れないほどの膨大な主張書面や資料を提出するなどし、調停であっても、どちらかが正しいか白黒をつけてもらいたいと望む場面が増えているように感じられる。

 しかも、近時、面会交流調停事件に弁護士が手続代理人として関与する事件も多くなっており、手続代理人も、一部には、前記の本人と同様の対応をすることがないではなく、調停委員会において、このような行為に対して適切な対応を取ることができなかった場合、紛争は、期日の回数を重ねるにしたがって先鋭化していくことが懸念される。

 しかし、面会交流事件において、面会交流の方法や時間、頻度を決めようとする場合、その選択肢は無限にある。面会交流事件では、当事者の主張のいずれかに軍配を上げるのではなく、子の利益(福祉)を実現するために望ましい交流の在り方は何かを、裁判所(調停委員会)と当事者が一緒になって考える必要がある。そして、面会交流は、仮に合意に至った場合にも、当事者間で継続的に実施していく必要があり、将来を見通すのであれば、当事者間で互いに協力する姿勢が望まれる。

 したがって、当事者には、どちらが正しいかを決めるのではなくて、この子の利益によって何が大切か、よく考えてもらって答えを出してもらう必要がある。」

「面会交流事件の審理を要件事実論によって規律することとしても、対立状況の緩和に資することがないどころか、民事事件の主張立証合戦のように勝ち負けを意識した主張書面と資料のさらなる増加、審理期間の長期化を招来する危険があり、また、そのことによって当事者間の対立関係が物理的にも心理的にもさらに先鋭化してしまい、問題解決へ向けての協力体制を築くことが困難になりかねない。」

 吉川裁判官は、「一部に面会交流事件の理解に乏しい手続代理人が関与することも相まって、この種の事件の解決を主張立証の勝ち負けという観点で考えるようになると、・・お互いの立証の不十分さを攻撃し、自己に立証責任がないことを盾に事案解明に非協力的になることにより、紛争解決までの時間が長引くことが懸念される。」と危惧されています。

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 どんな離婚事件でもいつかは解決します。解決するための時間は、特別の事情がない限り、短い方がよいに決まっています。紛争を抱えていると、人間、腹の底で笑えないからです。紛争は、できるだけ早く解決するのが一番だと思います。

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2019年8月 1日 (木)

【子ども】 子どもの引き渡し

 判例タイムズNO1461号で紹介された最高裁平成31年4月26日決定です。

 

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(高知城)
 X(妻)とY(夫)とは、婚姻後、長男A(9歳)、次男B、長女Cをもうけたが、XがYに、「死にたいいやや。こどもらもすてたい」というい内容のメールを送信したため、Yは、子どもらを連れて実家に転居してXと別居しました。
 
 Xの申し立てにより、子らの監護者をXと指定して、子らの引き渡しを命じる審判が確定しました。
 強制執行をXがしましたが、B及びCはこれに応じて引き渡されましたが、Aは呼吸困難に陥りそうになったため、執行不能で終了。
 人身保護請求もしましたが、AがYの下で生活したいという強固な意思を有していたことから、拘束にあたらないとして棄却。
 Xが間接強制の申立てを行い、履行しない場合には1日につき1万円支払うよう決定がでたため、原審は抗告棄却したものの、許可抗告は認め、最高裁で審理されることになりました。
 最高裁は、Xの、間接強制は、権利濫用に該当するとして、Xの申し立てを却下しました。
 決定文だけだと、なぜ、Xがそんなメールをしたのかなど背景がよくわかりませんが、Aは、強制執行の場面でも、人身保護手続の場面でも、明確に、Yの下で生活した旨を述べたようです。
 結論としては妥当だと思いますが、そうすると、そもそも、監護権者の指定の手続において、十分な審理ができていたのかなと思ったりします。
 

 

 

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2019年7月 3日 (水)

【子ども】 親権・監護権・面会交流事例集

 最近の傾向ですが、非親権者、或いは、非監護権者の親、とりわけ、父親から、子供に対する定期的な面会交流を要求される事案が増えているように感じます。

 

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(大徳寺大仙院)
 新日本法規から、子の利益だけでは解決できない親権・監護権・面会交流事例集が出ましたので、購入しました。
 
 面会交流では、第1判断要素、第2面会交流の工夫、第3面会交流方法・条件の変更、第4面会交流不履行への対応から構成されています。
 面会交流それ自体を単独で受任する場合は余りありません。ほとんどが、離婚調停等と一緒に申立てるケースが多いです。
 ただ、監護親である母親は、対立する父親との面会交流について、気持ちの上から、嫌がる方も少なくありません。
 当職の経験からいえば、面会交流がある程度うまくいくケースは、離婚しても、今度は共通の子どもを持つ親として、関わってもらえることが多いので、子どものためにはよいことだろうとも思います。
 他方で、DV事案、不貞行為事案等、夫婦関係に大きな亀裂が入っている事案は、うまくいかないことが大半であり、ストーカー事案に発展したケースでは、皆無です。
 

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2019年6月10日 (月)

【子ども】 親権者変更 東京高裁平成30年5月29日決定

 原審は、相手方(夫)から申立人(妻)に親権者を変更したものの、抗告審は、親権者の変更を認めなかったという東京高裁平成30年5月29日決定です。

 相手方が、元夫である抗告人との間の未成年者につき、その親権者を抗告人から相手方に変更するよう求めた事案において、

 親権者変更の必要性について、抗告人と相手方は真意に基づいて未成年者の親権者を抗告人と定めて離婚する旨合意しており、その後の抗告人による未成年者の監護状況も未成年者の福祉に適ったものであるなどと認定した上で、相手方が未成年者の出生から抗告人との離婚に至るまで、未成年者の主たる監護者であったこといえることや、離婚後、相手方に一定の事情の変更があつたことなどを考慮しても、

 抗告人と相手方が合意に基づいて親権者を抗告人と定め、抗告人の下で安定した状況にある未成年者の親権者を変更する必要性は認められないとして、親権者を相手方に変更した原審判を取り消し、申立てを却下した事例

 1度決まった親権者はなかなか変更できません。。。

 

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2019年2月25日 (月)

【子ども】 子どもの引き渡し

 「家庭の法と裁判」18号で紹介された大阪高裁平成30年3月9日判決です。

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 抗告人が相手方に対して未成年者の監護者を抗告人と指定すること及び未成年者を抗告人に引き渡すことを求めた事案において、

 離婚時に未成年者の親権者を相手方と定めたが、監護者について協議が調わない状況で、離婚後も抗告人が未成年者の監護を継続していたところ、

 相手方が、未成年者を数日後に抗告人のもとに返すとの虚偽の説明をして抗告人から未成年者の引き渡しを受け、その後監護養育を継続しているという事実関係の下で、

 離婚の際に一方を親権者と定めた場合でも、その時点において子の監護者に関する協議が調わない状況にあった場合には、家庭裁判所において子の監護者を定めることができるとした上で、

 未成年者の従前の主たる監護者は抗告人であり、その監護に問題がなく、未成年者の年齢に照らせば抗告人を監護者に指定するのが相当であるなどとして、申立てを却下した原審判を取り消し、

 抗告人の申し立てを認容しました。

 

 

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2019年2月11日 (月)

【子ども】 面会交流が否定された審判例

 判例時報No2388号で紹介された札幌高裁平成30年2月13日決定です。

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 夫から妻に対して申立てられた未成年の子(12歳、9歳)との面会交流を認める審判が、

 抗告審において実施にあたっても諸条件が整っていないとして取消され、申立てが却下されました。

 夫が妻に対して損害賠償請求を提訴したこと、長期間婚姻費用の分担を行わなかったこと、原審で試行的面会交流の実施ができなかったこと等が考慮されたようです。

 

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