【子ども】

2018年4月17日 (火)

【子ども】 面会交流と間接強制

 最近、面会交流の実施のために、間接強制の申立てがなされることも散見されるようになりました。家庭の法と裁判第13号では、大阪高裁平成29年4月28日決定が紹介されていました。

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 相手方が、抗告人らに対し、相手方を未成年者(15歳)と面会交流をさせる義務を履行しなかったとして、間接強制の申立てをした事案について、

 間接強制をするためには債務者の意思のみによって債務を履行することができる場合であることができる場合であることが必要であるが、

 本件未成年者のような年齢の場合は子の協力が不可欠である上、本件未成年者は相手方との面会交流を拒否する意思を強固に形成しているところ、本件未成年者の精神的成熟度を考慮すれば、抗告人らにおいて本件未成年者らに面会交流を強いることは未成年者の判断能力ひいてはその人格を否定することになり、却って未成年者の福祉に反することから、本件債務は債務者らの意思のみによって履行することはできず履行不能であるなどとして、相手方の間接強制の申立てを却下しました。

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2018年4月 9日 (月)

【子ども】 家庭の法と裁判 13号 特集 面会交流の実務

 最新号の「家庭の法と裁判 13号」で、面会交流の実務についての紹介がなされていました。

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 面会交流って、最近は、ホットな争点になっております。

 ただ、家裁の実務は、「非監護親と子との面会交流は、基本的に子の健全な育成に有益なものであるという認識に立ち、面会交流によって子の福祉を害するおそれがあるといえる特段の事情がある場合(たとえば、①非監護親による子の連れ去りのおそれ、②非監護親による子の虐待のおそれ、③非監護親による監護親に対する暴力など)を除き、原則として認められるべきとして運用されるようになり、家庭裁判所の実務の基本方針として定着しております。」とか、

 或いは、「現在の家裁実務は、前記のように、面会交流が基本的に子の健全な育成に有益なものであるととらえ、子の福祉の観点から面会交流を禁止・制限すべき事由(面会交流の実施によりかえって子の福祉が害されるおそれがあるといえる特段の事情)が認められない限り、具体的な事案に即して、面会交流の円滑な実施に向けて審理・調整を進めている。」と言われています。

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 田舎弁護士も、監護親の代理人になった場合、特段の事業がない限り、面会交流の円滑な実施に努めているところですが、離婚という感情的な対立が背景にあるために、円滑にいかない場合も少なくありません。

 

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2018年3月24日 (土)

【子ども】 面会交流の間接強制金 100万円 → 30万円

 判例タイムズNo1445号で紹介された東京高裁平成29年2月8日決定です。

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 面会交流審判に対する抗告事件において定められた義務を履行しないとして相手方が抗告人に対して間接強制の申立てをした事案について、

 原決定が、抗告人が義務を履行しないときは、相手方に対し、不履行1回につき100万円の割合による金員を支払うことを命じたことに対して、

 抗告審は、従前の経緯や抗告人の主張からすると抗告人に対し、少額の間接強制金の支払いを命じるだけでは面会交流の実現が困難であると解されること、抗告人の年収等、その他本件に顕れた一切の事情を考慮すると、

 本件における間接強制金を不履行1回につき30万円とさだめるのが相当であるとした事例。

 →注意していただきたいのは、どの事案でも、間接強制金が1回100万円とか、30万円とかになるわけではないということです。抗告人は2600万円をこえる年収を得ていたので、この金額になったということが強いと思います。金額の一般化は困難です。

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2018年1月16日 (火)

【子ども】 子どもの取戻し

 「家庭の法と裁判」1月号です。

 東京高裁平成28年6月10日決定です。

 審判前の保全処分として子の引渡しを命ずる場合には、

 審判前の保全処分により子の急迫の危険を防止するため必要があることを要する等と解した上で、

 本件ではこのような疎明がないとして、

 未成年者らの監護権を仮に相手方と定め、抗告人に未成年者らの引渡を命じた原審を取り消し、相手方の申立てを却下した事例

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 事案は、現在は、未成年者らは、抗告人(父親)の監護の元で養育されているようですが、決定書を見る限り、両親の対立は激しいものがあります。

 抗告人と相手方との関係が悪化し、直前に相手方の父親との間の面談で、相手方が未成年者らと共に近所のアパートに転居するtの提案を受けたが、出勤した相手方の帰宅前、午後5時過ぎに、同日まで相手方及び未成年者らの家族で居住していたマンションから、未成年者らを連れて、家を出たという事案で、未成年者らを強制的に奪取したとか、それに準じて強制的に連れ去ったと評価を受けるものではないと判断されています。

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 抗告人の代理人弁護士が、一度相手方との面会交流をセットしておりますが、罵倒され暴行も受けているようです。。。

 子どもの親権や監護権が絡む事案は、依頼を受ける弁護士も精神的にも大きな負担となります。 

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2017年12月 1日 (金)

【子ども】 母親による子の連れ去り (''_'')

 自由と正義11月号に、母親による子の連れ去りについて、懲戒(戒告)事案が紹介されていました。

 子どもについては、近時、父親側も離婚した後も自身にて監護養育していきたいという要求を強く求める方が増えてきております。

 田舎弁護士が弁護士登録したころは、地方では、子は母親が育てるものだという認識が裁判所の調停委員も強かったと思いますが、現在では、そのような認識については強い批判もあるところです。

 母親による子の連れ去りの事案ですが、A(母親)から、別居中のお夫である懲戒請求者と同居して、懲戒請求者から面会を拒絶されていた子Bに会いたい、懲戒請求者との話し合いの場に同席してほしいとの相談を受けたようです。

 依頼を受けた弁護士は、AがBを連れ去る危険を予見していたにもかかわらず、Aと懲戒請求者の面会の場をBが預けている保育園とすることに容認し、懲戒請求者に事前に連絡をとることもなく、保育園に赴き、懲戒請求者と面会しようとして、さらに、AがBを連れ去ったことについて、連れ去りを防止するための十分な対応をとらなかったというのです。

 事案が簡潔にまとまられているので、正確なところはわかりませんが、AがBを置いて別居したのであるならば、子の引渡等の家庭裁判所の申立てとか、面会交流の申立てとかを行うよう指導すべきだったように思われます。現実に単独監護している懲戒請求者の同意なしに、物事を進めるのは無理があったように思います。

 田舎弁護士が昔相談された事案の中に、妻が子どもを連れて家を出たところ、父親が保育所を訪ねてきて子どもを連れ去ったということはありました。家裁への申立てを行い、子どもは母親に戻ってきました。

 この件はどうなのかわかりませんが、最近は、弁護士間の顧客競争も激しいことが背景にあるのかもしれませんが、相談者が無理な希望をもっている場合にも、それに沿った対応をしなければならないようなことになっているのかもしれません。

 もし依頼により弁護士が懲戒処分を受けてしまった以上、リスクが伴う依頼人ともいえます。

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2017年6月 8日 (木)

【子ども】 父(同居親)の意に反して母が長女を連れて別居した行為は、当時すでに婚姻は破綻し協議困難だった等の事情から、親権者指定の障害とはならないと判示した事例 東京高裁平成29年1月26日判決

 昨日の続きです。 Kimg6764
 Xによる長女Aを伴う別居に関しては、

 別居当時Aは満2歳4ケ月であり、業務が多忙なYにAの監護を委ねることは困難であり、破綻的別居で予めAの監護について協議することは困難であつたとし、

 Xはそのころ8回にわたり面会交流の場を設け、更に電話による交流もさせていた

 平成22年9月26日以降は面会交流をさせなかったが、これは同月8日にYがXに対し、AとYがテレビ番組で放映される旨、他のマスメディア関係者もこの問題をとりあげる旨等を記載したメールを送り、実際に同日Yがマスメディアに提供した面会交流時のAの映像が、目の部分をぼかしが入れられたものの、放映され、Xがこれに衝撃を受けたことによるものである(Xはマスメディアの取材やYによるAによる撮影がないことを条件に同月26日の面会に応じたもの)から、これをもってAの利益の観点からみて、Xが親権者としてふさわしくないとは認めがたいと判断しております。

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 解説によれば、「最近の家裁実務は、例えば『監護の開始が相手方の承諾を得ていなくても、その具体的な経緯、子の年齢や意思等によっては、それだけでは直ちに法律や社会規範を無視するような態様で監護が開始されたとまではいえない場合もある』とする。」と説明されており、最近の裁判例として東京家裁平成22年5月25日の審判例を挙げています。

 経験上、妻が、夫の同意なしに子を連れて妻の実家に戻るというケースは、度々遭遇しております。

 このようなケースにおいては夫からは強い反発が予想されますが、夫婦間が激しく対立をしている中で、相互の不信感が増している関係の下では、妻が子を連れて実家に戻るということを事前に夫に話をすれば、妻のみがたたき出されるということもありえることから、非常に難しいところです。

 ケースバイケースでの対応になり、微妙な事案であれば、裁判官によっては、母による子の連れ別居は違法と評価される可能性もありうるところですが、母が主たる監護者であれば、幼児を残して一人で別居することは、反対に主たる監護者として無責任とも評価されかねず、判断の難しいところです。

 最近は、特に夫側から、「連れ去り」等と妻のみならず代理人弁護士に対してまで強いクレームを受けかねないような状態になっております。田舎弁護士自身は、別居に至っても、どちらの立場にたっても、面会交流に大きな問題がない事案と判断した場合には、監護親の危惧感を取り除き、面会交流を勧めるようしております。田舎弁護士も父親ですので、子どもに会いたいというお父さんの気持ちはわかります。 

 とはいえ、この裁判例のように、監護親が望んでいない面会交流の際の状況をマスコミ等に取材させるという手段に出られた場合には、その後の面会交流が消極的になったとしても、やむをえなかったのかもしれません。

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 アドバイスが難しい相談の1つです。

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2017年6月 7日 (水)

【子ども】 母と年間100日間面会させるとした父を長女の親権者とした1審判決を変更して、主たる監護者である母をその親権者に指定した事例 東京高裁平成29年1月26日判決

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 判例時報No2325で紹介された東京高裁平成29年1月26日判決です。

 高裁は原審と異なりオーソドックスな判断をしたという印象を受けました。

 高裁は、

 親権者指定の判断基準として、①これまでの子の監護養育状況、②子の現状や父母との関係、③父母それぞれの監護能力や監護環境・監護に関する意欲、④子の意思その他子の健全な生育に関する事情を総合的に考慮して、子の利益の観点から判断すべきであるとした上で、

 面会交流の頻度等に関しては、親権者を定めるにあたり総合的に考慮すべき事情の1つであるが、父母の離婚後の非監護者との面会交流だけで子の健全ね生育や子の利益が確保されるわけではないとして、前記①乃至④について総合的な観点から検討を加える。

 そして、年間100日面会交流のYの主張に対しては、

 本件判決は、

 XとY宅は片道2時間半程度離れており、現在小学校3年生のAが年間100回の面会交流のたびに両宅を往復するとすれば、身体への負担のほか、学校行事への参加、学校や近所の友達との交流等にも支障が生ずるおそれがあり、必ずしもAの健全な生育にとって利益になるとは限らない

 他方、Xは、Y・A間の面会交流の頻度は当面月1回を想定しており、当初はこの程度で面会交流を再開することがAの健全な生育にとって不十分でAの利益を害するという証拠はない

 以上のほか、Aの現在の監護養育状況にその健全な生育上問題はなく、Aの利益からみてAに転居・転校させて現在の監護養育環境を変更しなければならないような必要性があるとの事情はみあたらず、Aの利益を最も優先して考慮すれば、その親権者をXと定めるのが相当であると判断しました。

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 原審は、「フレンドリーペアレント」に傾注し過ぎたものであり、控訴審では逆転が予想されていましたが、案の定、逆転という結果になりました。


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2017年5月 8日 (月)

【子ども】 子どもの意思表示をどう評価するか PAS・PA問題

 判例時報No2323号で紹介された東京家裁平成28年10月4日付決定です。

 PAS・PA問題という言葉自体は知りませんでしたが、その内容は昔から言われていることでした。

 つまり、未成年者の意思表示をどう評価するかという議論のおいて、未成年者の場合、15歳以上の子の場合にはその子の陳述を、それ以下の未成年者でも年齢に応じた子の意思を尊重しなければならないと定められていますが、

 未成年者が意思表示をしても、それは監護権者の影響によるものであり、子の真意ではないとする認定判断がされることがあり、本決定でも同様です(面会交流実施義務が確定した抗告審決定時の12歳(中学1年生)の面会拒否の意思は、監護親にゆがめられたものとして考慮しなかったこと)が、このことが、最近、アメリカで、PAS・PA問題として議論されているようです。

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2017年5月 6日 (土)

【子ども】 面会交流審判未確定の段階における面会交流権侵害(不法行為)に基づく損賠賠償請求

 判例時報No2323号で紹介された東京地裁立川支部平成28年2月5日判決です。

 裁判所は、面会交流の審判が未確定であるうちは、面会交流権は抽象的なものにすぎず、いまだ具体的に形成されているものではないから、不法行為の被侵害利益とはいえないと判断して、損害賠償請求を認めませんでした。

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 面会交流の審判により具体的に形成されているものではければ、原則として難しいようです。

 法律相談の時に、非監護親の方から、今すぐ子どもとの面会交流をしたいと希望されることが少なくないですが、まずは、調停を含むお話し合いから進めることになります。

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2017年4月20日 (木)

【子ども】 面会交流の方法を変更した審判例!?

 家庭の法と裁判No9号で紹介された東京高裁平成28年4月26日決定です。

 面会交流の方法について、原審は、月1回6時間の面会交流をすることを認めましたが、抗告審は、それを変更して、非監護親と未成年者らとの交流が長らく途絶えていたことなどを考慮し、最初の数回は監護親の立ち会いを認め、また、月1回の面会交流の時間について、最初は2時間から始め、回数を重ねながら、4時間、6時間と段階的に伸ばすことを定めました。

 この種の事案は、監護親が、未成年者の否定的な感情を自らの主張の根拠にすることが多いですが、この場合は、未成年者の真意の所在や、未成年者が真に否定的な感情を有するに至ったとするとするならば、その経緯や背景事情を的確に把握することが重要とされています。

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