【子ども】

2019年8月 1日 (木)

【子ども】 子どもの引き渡し

 判例タイムズNO1461号で紹介された最高裁平成31年4月26日決定です。

 

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(高知城)
 X(妻)とY(夫)とは、婚姻後、長男A(9歳)、次男B、長女Cをもうけたが、XがYに、「死にたいいやや。こどもらもすてたい」というい内容のメールを送信したため、Yは、子どもらを連れて実家に転居してXと別居しました。
 
 Xの申し立てにより、子らの監護者をXと指定して、子らの引き渡しを命じる審判が確定しました。
 強制執行をXがしましたが、B及びCはこれに応じて引き渡されましたが、Aは呼吸困難に陥りそうになったため、執行不能で終了。
 人身保護請求もしましたが、AがYの下で生活したいという強固な意思を有していたことから、拘束にあたらないとして棄却。
 Xが間接強制の申立てを行い、履行しない場合には1日につき1万円支払うよう決定がでたため、原審は抗告棄却したものの、許可抗告は認め、最高裁で審理されることになりました。
 最高裁は、Xの、間接強制は、権利濫用に該当するとして、Xの申し立てを却下しました。
 決定文だけだと、なぜ、Xがそんなメールをしたのかなど背景がよくわかりませんが、Aは、強制執行の場面でも、人身保護手続の場面でも、明確に、Yの下で生活した旨を述べたようです。
 結論としては妥当だと思いますが、そうすると、そもそも、監護権者の指定の手続において、十分な審理ができていたのかなと思ったりします。
 

 

 

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2019年7月 3日 (水)

【子ども】 親権・監護権・面会交流事例集

 最近の傾向ですが、非親権者、或いは、非監護権者の親、とりわけ、父親から、子供に対する定期的な面会交流を要求される事案が増えているように感じます。

 

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(大徳寺大仙院)
 新日本法規から、子の利益だけでは解決できない親権・監護権・面会交流事例集が出ましたので、購入しました。
 
 面会交流では、第1判断要素、第2面会交流の工夫、第3面会交流方法・条件の変更、第4面会交流不履行への対応から構成されています。
 面会交流それ自体を単独で受任する場合は余りありません。ほとんどが、離婚調停等と一緒に申立てるケースが多いです。
 ただ、監護親である母親は、対立する父親との面会交流について、気持ちの上から、嫌がる方も少なくありません。
 当職の経験からいえば、面会交流がある程度うまくいくケースは、離婚しても、今度は共通の子どもを持つ親として、関わってもらえることが多いので、子どものためにはよいことだろうとも思います。
 他方で、DV事案、不貞行為事案等、夫婦関係に大きな亀裂が入っている事案は、うまくいかないことが大半であり、ストーカー事案に発展したケースでは、皆無です。
 

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2019年6月10日 (月)

【子ども】 親権者変更 東京高裁平成30年5月29日決定

 原審は、相手方(夫)から申立人(妻)に親権者を変更したものの、抗告審は、親権者の変更を認めなかったという東京高裁平成30年5月29日決定です。

 相手方が、元夫である抗告人との間の未成年者につき、その親権者を抗告人から相手方に変更するよう求めた事案において、

 親権者変更の必要性について、抗告人と相手方は真意に基づいて未成年者の親権者を抗告人と定めて離婚する旨合意しており、その後の抗告人による未成年者の監護状況も未成年者の福祉に適ったものであるなどと認定した上で、相手方が未成年者の出生から抗告人との離婚に至るまで、未成年者の主たる監護者であったこといえることや、離婚後、相手方に一定の事情の変更があつたことなどを考慮しても、

 抗告人と相手方が合意に基づいて親権者を抗告人と定め、抗告人の下で安定した状況にある未成年者の親権者を変更する必要性は認められないとして、親権者を相手方に変更した原審判を取り消し、申立てを却下した事例

 1度決まった親権者はなかなか変更できません。。。

 

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2019年2月25日 (月)

【子ども】 子どもの引き渡し

 「家庭の法と裁判」18号で紹介された大阪高裁平成30年3月9日判決です。

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 抗告人が相手方に対して未成年者の監護者を抗告人と指定すること及び未成年者を抗告人に引き渡すことを求めた事案において、

 離婚時に未成年者の親権者を相手方と定めたが、監護者について協議が調わない状況で、離婚後も抗告人が未成年者の監護を継続していたところ、

 相手方が、未成年者を数日後に抗告人のもとに返すとの虚偽の説明をして抗告人から未成年者の引き渡しを受け、その後監護養育を継続しているという事実関係の下で、

 離婚の際に一方を親権者と定めた場合でも、その時点において子の監護者に関する協議が調わない状況にあった場合には、家庭裁判所において子の監護者を定めることができるとした上で、

 未成年者の従前の主たる監護者は抗告人であり、その監護に問題がなく、未成年者の年齢に照らせば抗告人を監護者に指定するのが相当であるなどとして、申立てを却下した原審判を取り消し、

 抗告人の申し立てを認容しました。

 

 

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2019年2月11日 (月)

【子ども】 面会交流が否定された審判例

 判例時報No2388号で紹介された札幌高裁平成30年2月13日決定です。

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 夫から妻に対して申立てられた未成年の子(12歳、9歳)との面会交流を認める審判が、

 抗告審において実施にあたっても諸条件が整っていないとして取消され、申立てが却下されました。

 夫が妻に対して損害賠償請求を提訴したこと、長期間婚姻費用の分担を行わなかったこと、原審で試行的面会交流の実施ができなかったこと等が考慮されたようです。

 

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2018年12月23日 (日)

【子ども】 面会交流と間接強制

 「家庭の法と裁判」No17号で紹介された大阪高裁平成30年3月22日決定です。

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 子を面会交流させることを内容とする債務名義に基づき抗告人が間接強制を申立てた事案において、

 相手方が抗告人の別居から約3年間面会交流を拒否し続けたことなどから、相手方に面会交流させる義務を継続的かつ確実に履行させるためには、相手方の収入や経済状況などを踏まえ、相手方に面会交流を心理的に強制させるべき相応の額の強制金の支払いを命じる必要があるなどとして、強制金の額を不履行1回につき5万円とした原決定を変更し、不履行1回につき20万円とした事例

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2018年9月 5日 (水)

【子ども】 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律 

 判例時報No2372号で紹介された最高裁平成29年12月21日決定です。

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 最高裁決定は、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき、子の返還を命じた終局決定が同法117条1項の規定により変更された事例

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 判例時報No2372号は、

 「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき、父である相手方が、母である抗告人に対して、子をその常居所地国であるシンガポール共和国に返還するよう求めた事案において、

 相手方の抗告人に対する暴力について個人保護命令が発令されているものの、その後は相手方が個人保護命令に反する行動をとっていないなど、同法28条1項4号(重大な危険)の返還拒否事由があるとは認められないことなどから、

 子の返還を命じた原決定は相当であるとして抗告を棄却した事例」も紹介されていました。

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2018年6月10日 (日)

【面会交流】 子どもとの面会交流。。。

 判例時報No2365号で紹介された東京高裁平成29年11月24日判決です。

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 判決要旨は以下のとおりです。

 別居前と同様に親子の交流を継続することは子の健全な成長に資するものとして意義がある反面、

 別居に至った経緯等から子の福祉に反する場合があることからすると、その実施がかえって子の福祉を害することがないよう、事案における諸般の事情に応じて面会交流を否定したり実施要領の策定に必要な配慮をしたりするのが相当であり、

 いわゆる原則実施論を論難する抗告人の主張は前記考え方と矛盾するものではないとして、面会交流、第三者立会い等につき、原審判の内容を一部変更した事例

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 解説によれば、従来の家裁の実務は面会交流の許否等につきいわゆる比較基準論に従って双方の諸事情を丁寧に審理判断していたが、

 平成20年前後頃からいわゆる原則実施論が台頭し始め、最近ではほぼ全国的に家裁実務に行き渡っていたのであるが、

 近時その弊害が指摘されるようになったこともあって、最近ようやく家裁実務でも見直しが検討されるようになったと説明されています。

 田舎弁護士の個人的な見解としては、非監護親との面会交流は重要だと考えており、監護親の代理人になった場合でもその方向での検討を促すことが少なくありません。

 ただ、他方で、非監護親のこれまでの対応のまずさなどにより、面会交流を実施することが好ましくないような場合もありますので、悩むところです。

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2018年5月17日 (木)

【子ども】 離婚した父母のうち子の親権者と定められた父が法律上監護権を有しない母に対し親権に基づく妨害排除請求として子の引渡しを求めることが権利濫用に当たるとされた事例 

 判例タイムズNo1446号で紹介された最高裁平成29年12月5日決定です。

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 最高裁は、

 離婚後の父母のうち親権者と定められた一方が、民事訴訟の手続により、法律上監護権を有しない他方に対し、親権に基づく妨害排除請求として子の引渡しを求めることができると解されるとしつつ、

 決定要旨のとおり、判示の事情の下においては、XがYに対し親権に基づく妨害排除請求としてAの引渡を求めることは権利の濫用に当たる旨を判示し、本件申立てを却下した原審の判断は結論において是認できるとして、

 本件抗告を棄却しました。

 事案は、子が7才であり、母は、父と別居してから4年以上、単独で子の監護に当たっていたというケースなので、結論的には妥当なような印象を受けました。

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2018年4月17日 (火)

【子ども】 面会交流と間接強制

 最近、面会交流の実施のために、間接強制の申立てがなされることも散見されるようになりました。家庭の法と裁判第13号では、大阪高裁平成29年4月28日決定が紹介されていました。

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 相手方が、抗告人らに対し、相手方を未成年者(15歳)と面会交流をさせる義務を履行しなかったとして、間接強制の申立てをした事案について、

 間接強制をするためには債務者の意思のみによって債務を履行することができる場合であることができる場合であることが必要であるが、

 本件未成年者のような年齢の場合は子の協力が不可欠である上、本件未成年者は相手方との面会交流を拒否する意思を強固に形成しているところ、本件未成年者の精神的成熟度を考慮すれば、抗告人らにおいて本件未成年者らに面会交流を強いることは未成年者の判断能力ひいてはその人格を否定することになり、却って未成年者の福祉に反することから、本件債務は債務者らの意思のみによって履行することはできず履行不能であるなどとして、相手方の間接強制の申立てを却下しました。

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