【婚姻予約・内縁】 婚約

2009年3月 6日 (金)

【婚姻予約・内縁】 婚約の成立

 婚約がらみの相談も、1年に数件程度相談があります。また、訴訟発展したケースも、何度かあります。

 婚約がらみの相談では、そもそも婚約が成立していたといえるのか、婚約破棄についての正当事由などが、中心的な問題となります。

 それでは、いつ婚約が成立したといえるのかが問題となります。

 なかなか難しい問題です。

 裁判所は、「当事者が誠心誠意で将来夫婦になることを合意」していれば、婚約が成立したと考えています。 

 従って、結納等の儀式がなくても、前述のような合意があれば、婚約ということになりますが、実際は、このような合意を裏付けるための事実として、長期間の肉体関係の継続、両親や友人などに対する当事者の婚約意思の公示性が、実際には必要になると思います。

  家族法判例百選(第7版)で紹介されている具体的なケースでは、

 (肯定例)

 ①昭和26年8月から男から女が結婚の申し込みを受け、昭和31年9月まで情交関係を結んでいたケース(最高裁昭和38年9月5日)

 ②将来夫婦となることを約して肉体関係を結び、その後も男において休暇で帰省するたびに肉体関係を継続し、相応の両親も男の大学卒業後は結婚させてもよいと考えていたケース(最高裁昭和38年12月20日)

 ③周囲の者に婚約者であると紹介し、1年近く夫婦同然の生活をしていたケース(東京地判平成6年1月28日等)

 (否定例)

 ①長期間にわたる肉体関係や2回の妊娠中絶、当事者双方が周囲の者に対して婚姻の意思を示す言動を行っていたにもかかわらず、婚約は否定されたケース(東京地判昭和40年4月28日)

 ②交際期間が短く、両親にも結婚の話をしていなかったことを理由に、婚約が否定されたケース(仙台地判平成11年1月19日)

 婚約が認められるとしても、離婚や内縁破棄と比べて、正当事由は認められやすいと考えられていますので、婚約破棄について正当事由がないことを主張立証する必要があります。これも、実際には、ハードルが高いです。

 ところで、昔は、若い女性が男性と肉体関係を結ぶとすれば、通常、将来の結婚を前提にしていたと思うのですが、最近は、将来の結婚を前提とすることなく、肉体関係を結ぶケースが少なくありません。とすれば、肉体関係あるだけでは、婚約の決定打とは言いがたく、そうすると、何らかの形式(婚約指輪等)が重要になってくるかもしれませんね。

 田舎弁護士なりに思考はしますが、はっきりした回答が出せない分野の1つでもあります。

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