【離婚】 慰謝料

2013年6月16日 (日)

【離婚】 元妻が元夫に対し、両者の婚約前から元夫は他の女性と男女関係を続けていたとして協議離婚したが、それに基づく損害賠償請求が認容された事例 佐賀地裁平成25年2月14日判決

 判例時報No2182号(6月11日号)で紹介された佐賀地裁平成25年2月14日判決です。

 婚約中の不貞行為を原因とする不法行為に基づく損害賠償請求です。

 損害の内容としては、

① 慰謝料として、200万円

② 新婚生活のために購入した家具・電化製品・新居への引越費用として、約129万円

③ 結婚式費用として、約88万円

  が認められ、結納金の100万円が損益相殺として控除されています。

  判決文をみると、婚姻後に、元夫が仕事に出かけた後に元夫が置き忘れた携帯電話のメールを読んでしまったという事案です。携帯電話のメールで不貞行為が発覚することが多いですが、今回のケースは、婚約後結婚前の不貞行為だったようですが、なんで消していなかったのかな?と思います。争点の中に、結婚後も、不貞行為の相手方にメールを送信していたということが記載されていたので、元妻の不信は一層大きくなったのかな?と思いました。

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2011年3月15日 (火)

【離婚】 元夫の元妻に対する慰謝料請求が、離婚訴訟である前訴と実質的には紛争の実体は同一であり、紛争を蒸し返すものであるから、信義則に反して許されないとされた事例 東京高判平成21年12月21日判決

 判例時報No2100(3月11日)号で紹介された東京高裁平成21年12月21日判決です。

 本件は、裁判上の離婚となった元夫であるXが、元妻であるYに対し、XとYとの間の実子として養育してきたZが実はXの子ではなく、不倫相手の子であったと主張して、不法行為に基づき慰謝料の支払いを求めるとともに、不当利得返還請求権に基づきZが出生して20歳になるまでの間、Xが負担してきたZの養育費相当額の返還を求めるケースです。

 酷いケースですが、今回の慰謝料については、既に前訴で、Yに対して600万円(慰謝料)の賠償義務が認められているため、仕方のない判決かと思われます。

 問題は、Zの養育費相当額の返還請求です。

 Xの気持ちはわからんでもないですが、裁判所は、形式的な理由のほか、実質的な理由として、XとZとの関係は、実子ではないことが発覚するまでは良好な親子関係が形成されており、Xは、自らの経済的負担の対価として、子を愛しみ、監護、養育する者として、Zからは金銭には代え難い喜びや感動を与えられ続けてきたのであるから、不当利得制度によって是正をしなければならないような、法規範の許容しない違法な不均衡状態があるとは認められないと判断しています。

 Zは昭和58年生まれの方で、前訴のDNA鑑定は平成17年に行われたものですが、Xは、Zが本当の親子ではないと考えたのでしょうか?

 

 

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2010年12月28日 (火)

【離婚】 不貞行為を原因とする損害賠償として3000万円の内金2940万円を支払う旨の公正証書は強迫による取消しにより無効であるとされた事例 千葉地裁佐倉支部平成22年7月28日判決

判例タイムズNo1334号(2011年1月1日号)で紹介された珍しい裁判例です。

 裁判所は、Yは、Xに対し、平成20年3月以降、離婚したA女と関係した慰謝料3000万円を一貫して要求してX方に押しかけ、暴行・脅迫を繰り返し、脅迫の開始から本件公正証書作成まで3か月半ほどあるとはいえ、執拗に同一内容の脅迫を続けていたものであるから、Xの損害賠償債務を承認する旨の意思表示は、Yの強迫によって形成された瑕疵ある意思表示であって、公正証書作成の手続を経てXの意思が公証人によって確認されているものの、Yの強迫による瑕疵ある意思表示であるといわざるを得ないと判断し、本訴状による債務承認行為の取消しを求めて、本訴請求を認容しました。

 公正証書が無効であることが裁判で確認された珍しい事案です。

 「被告は原告に対し、平成20年3月以降20年以上前に離婚した元妻と関係した慰謝料3000万円を一貫して要求して原告方に押しかけ深夜まで長時間怒鳴って原告の顔を殴り、深夜の利根川河川敷まで連れ出し竹刀で殴打し包丁の箱を指すなどの暴行脅迫を繰り返し」と認定していることからすれば、結論としては妥当だと思います。

 

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2010年2月 7日 (日)

【離婚】 不貞行為をした妻の夫に対する財産分与の合意、慰謝料の支払約束は、その自由意思に基づいたものではないから、無効であるとされた事例

 判例タイムズNo1312号(2月10日増刊号)で紹介された仙台地裁平成21年2月26日付け判決です。

 元妻であるYは、2人の男性と交際したり、肉体関係を持ったりしましたが、その背景には、夫であるXの執拗な暴力、酷い暴言などがあり、Yに対して、大きな同情を抱かざるをえない案件です。

 

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2009年3月 5日 (木)

【離婚】 詐害行為取り消し

 ご相談の中には、夫が多額の債務を負っているため、夫とは破産して、妻とは離婚して自宅を夫名義から妻名義に変更したいがどうだろうか?というものがあります。

 なにやら些かきな臭いですが、ほとんどの場合、しっかりと抵当権が設定され、しかも、オーバーローン状態であるため、その質問に回答する以前に、「破産すると担保を実行されて家を失う可能性が高いですよ」というと、それで終わりになります。

 家族法判例百選(第7版)No18に参考になる最高裁判例が載っていましたので、紹介します。

 Aさんは、Xから多額の負債を負っていました。Aさんには、妻Yがいましたが、協議離婚してわかれることになり、①生活費補助費として毎月10万円をAさんからYに支払う、②慰謝料として2000万円をAさんからYさんに支払うという内容の公正証書を作成しました。

 この事案では、AさんがYさんに一切支払わないので、Aさんの財産を押さえましたが、他方で、Xさんも、Aさんの財産を押さえたため、第3債務者は供託をして、配当手続きに移りました。

 その際に、Xさんは、YさんとAとの合意は、虚偽表示による無効ないし詐害行為として取り消されるべきだとして、配当異議訴訟が提訴されました。

 原審が、Yさんへの金額は、異常に高額だとして全部の取り消しを認め、Yへの配当を0円としたため、Yさんが上告しました。

 平成12年3月9日最高裁は、

 ①離婚に伴う財産分与は、民法768条3項の規定の趣旨に反して不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産処分であると認めるに足りるような特段の事情がない限り、詐害行為とはならない

 ②離婚に伴う慰謝料を支払う合意は、詐害行為とはならない。しかし、当該配偶者が負担すべき損害賠償債務の額を超えた金額の慰謝料を支払う旨の合意がされたときは、その合意のうち右損害賠償債務の額を超えた部分については、慰謝料支払の名を借りた金銭の贈与契約ないし対価を欠いた新たな債務負担行為というべきであるから、詐害行為の対象となり得る

 ①については、最高裁昭和58年12月19日判決を踏襲していますが、②については、新たな判断のようです。

 ②については、たとえば、慰謝料として300万円程度が適当な案件の場合には、本件でいうならば、1700万円については、詐害行為となるということでしょう。

 ①についてはわかりにくいですね。本件では、扶養的財産分与が問題となり、債務名義上は、220万円(22か月分)とされているようですが、感覚的には、扶養的財産分与って、100万円から150万円位だと思うのですが、そうだとすれば、仮に適切な金額を100万円とすれば、120万円部分を詐害行為の対象とするのか、あるいは、220万円程度であれば、不相当に過大であり、仮託されたものであるとはいえないとするのか、どっちなんでしょうね。

 ①と②の文言の比較だけからすれば、①よりも②の方がより厳格なイメージがありますが・・・ よくわかりません。

 差し戻し審の情報ある方教えてください。

 

 

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2009年3月 4日 (水)

【離婚】 財産分与と離婚慰謝料との関係

 昔、当事者間で財産分与を行った後に、やはり、納得がいかないということで、離婚に伴う慰謝料請求訴訟を提訴したことがあります。

 このような裁判を提訴する際には、従前行った財産分与の中に、慰謝料的要素が含まれているのかどうかについて、検討する必要があります。

 この問題の先例となったのが、最高裁昭和46年7月23日の判決です。詳細は、家族法判例百選(第7版)No17をご参照ください。

 この裁判例は、まず、離婚と財産分与の裁判が先行します。財産分与としては、整理たんす1棹、水屋1個が分与されています。なんとなく時代を感じますねえ。happy01

 その後、離婚慰謝料として別訴を提訴し、第1審、第2審ともに、慰謝料として、15万円を認めました。

 これに対して、被告が上告しましたが、最高裁(昭和46年7月23日)は、上告を棄却しました。

 最高裁の骨子は、以下のとおりです。

 先行する財産分与において、①精神的苦痛が全て慰謝されたと認められる場合には、慰謝料請求を認容することができないが、財産分与がなされていても、②それが損害賠償の要素を含めた趣旨と解されないか、②そうでないとしても、その額及び方法において、精神的苦痛を慰謝するには足りないと求められる場合には、別個に不法行為を理由として離婚による慰謝料請求ができると判断しました。

 なお、「近時の裁判実務では、当事者が財産分与のみ主張し特に慰謝料請求していない場合、慰謝料を別途請求する趣旨か釈明によって当事者の意思を確認し、当事者が慰謝料を除く意思を有するのか、あるいはすでに慰謝料請求している場合を除いて、多くは財産分与と慰謝料をともに審理し、紛争の一括的同時的解決の要請にこたえる運用がされている」と紹介されています。

 

 

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