【離婚】 慰謝料

2019年9月10日 (火)

【離婚】 離婚訴訟と、不貞行為訴訟との関係!?

 「家庭の法と裁判第21号」で紹介された最高裁平成31年2月12日決定です。

 

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(東京都現代美術館)
 離婚訴訟の被告が、原告は第三者と不貞行為をした有責な配偶者であると主張して、その離婚請求の棄却を求めている場合において、
 上記被告が上記第三者を相手方として提起した上記不貞行為を理由とする損害賠償請求訴訟は、人事訴訟法8条1項にいう「人事訴訟に係る請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求にあたる訴訟」にあたると判断しました。
 家裁でも、離婚の裁判が係属していれば、不貞行為の相手方に対する裁判ができるということですね。

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2019年7月28日 (日)

【慰謝料】 夫婦の一方が他方と不貞行為に及んだ第三者に対して離婚に伴う慰謝料請求をすることの可否

 判例タイムズNo1461号で紹介された最高裁平成31年2月19日判決です。

 

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(高知城博物館)
 マスコミでも報道された最高裁判決です。
 
 夫婦の一方は、他方と不貞行為に及んだ第三者に対し、当該第三者が、単に不貞行為に及ぶにとどまらず、当該夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をするなどして当該夫婦を離婚のやむなきき至らしめたものと評価すべき特段の事情がない限り、離婚に伴う慰謝料を請求することはできない。
 不貞慰謝料が消滅時効で消滅しているために、離婚慰謝料を請求したという事案です。
 不貞行為の第三者に対する慰謝料は、原則として、不貞慰謝料のみであり、離婚慰謝料は特段の事情がない限り請求できないということになりました。
 注意をしなければならないのは、不貞慰謝料の金額の算定にあたっては、離婚自体を慰謝料として上乗せすることはできないものの、離婚するにいたった場合、人格的利益の侵害も大きかったと評価sるうことができることからこのような事情を増額要素として考慮することは許されるということになります。
 なお、不貞相手方に対して請求された不貞慰謝料に係る債務と、配偶者が負っていた離婚慰謝料にかかる債務は、不真正連帯債務になると解されていますが、両者は、慰謝料の内容が異なり、そのことを考慮して、損害額を算定することになります。
 
 離婚慰謝料を請求することが原則としてできなくなったという判決であり、不貞慰謝料までが請求できなくなったという判決ではありません。
 この判決がでたことにより、例えば、A・B夫婦が、AとCとの不貞により、2年後に離婚した事案で、BとCとが不貞慰謝料を支払って示談して解決、その後、AがCに対して、再び離婚慰謝料を請求することは難しくなったと思います。慰謝料ですが、従前、不貞慰謝料の方が離婚慰謝料よりも金額的には小さいことから、Cの立場で相談を受けた場合に、もしかして、不貞慰謝料で示談しても、将来、Bから離婚慰謝料を請求されるかもしれないよというようなことを付言していたことがあります。この心配はほとんどなくなることになりそうです。
 とはいえ、AがBに対して離婚慰謝料を支払った後に、AがCに求償してくる可能性までは否定できませんが、離婚慰謝料部分は除くので、かなり負担割合は小さくなるのではないでしょうかね。。。
 このあたりの議論を深めたいので、コメント下さいな _(_^_)_

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2019年2月20日 (水)

【離婚】 速報 不倫慰謝料 最高裁判決!!!

 昨日言い渡された最高裁判所の判決文です。これまでの実務の流れを大きく変えることなります。
 不貞行為の相手方には、特段の事情がない限り不貞行為の慰謝料のみの請求となります。従って、消滅時効の起算点は離婚慰謝料の場合と比較するとかなり前倒しになると思いますので、消滅時効には注意が必要です。
平成29年(受)第1456号 損害賠償請求事件
平成31年2月19日 第三小法廷判決
         主 文
原判決を破棄し,第1審判決中上告人敗訴部分を取り消す。
前項の部分につき被上告人の請求を棄却する。
訴訟の総費用は被上告人の負担とする。
         理 由
 上告代理人滝久男の上告受理申立て理由4について
1 本件は,被上告人が,上告人に対し,上告人が被上告人の妻であったAと不貞行為に及び,これにより離婚をやむなくされ精神的苦痛を被ったと主張して,不法行為に基づき,離婚に伴う慰謝料等の支払を求める事案である。
2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は,次のとおりである。

(1) 被上告人とAは,平成6年3月,婚姻の届出をし,同年8月に長男を,平成7年10月に長女をもうけた。
(2) 被上告人は,婚姻後,Aらと同居していたが,仕事のため帰宅しないことが多く,Aが上告人の勤務先会社に入社した平成20年12月以降は,Aと性交渉がない状態になっていた。
(3) 上告人は,平成20年12月頃,上記勤務先会社において,Aと知り合い,平成21年6月以降,Aと不貞行為に及ぶようになった。
(4) 被上告人は,平成22年5月頃,上告人とAとの不貞関係を知った。Aは,その頃,上告人との不貞関係を解消し,被上告人との同居を続けた。
(5) Aは,平成26年4月頃,長女が大学に進学したのを機に,被上告人と別居し,その後半年間,被上告人のもとに帰ることも,被上告人に連絡を取ることもなかった。
(6) 被上告人は,平成26年11月頃,横浜家庭裁判所川崎支部に対し,Aを相手方として,夫婦関係調整の調停を申し立て,平成27年2月25日,Aとの間で離婚の調停が成立した。
3 原審は,上記事実関係等の下において,要旨次のとおり判断し,被上告人の請求を一部認容すべきものとした。
上告人とAとの不貞行為により被上告人とAとの婚姻関係が破綻して離婚するに至ったものであるから,上告人は,両者を離婚させたことを理由とする不法行為責任を負い,被上告人は,上告人に対し,離婚に伴う慰謝料を請求することができる。
4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
(1) 夫婦の一方は,他方に対し,その有責行為により離婚をやむなくされ精神的苦痛を被ったことを理由としてその損害の賠償を求めることができるところ,本件は,夫婦間ではなく,夫婦の一方が,他方と不貞関係にあった第三者に対して,離婚に伴う慰謝料を請求するものである。
 夫婦が離婚するに至るまでの経緯は当該夫婦の諸事情に応じて一様ではないが,協議上の離婚と裁判上の離婚のいずれであっても,離婚による婚姻の解消は,本来,当該夫婦の間で決められるべき事柄である。
 したがって,夫婦の一方と不貞行為に及んだ第三者は,これにより当該夫婦の婚姻関係が破綻して離婚するに至ったとしても,当該夫婦の他方に対し,不貞行為を理由とする不法行為責任を負うべき場合があることはともかくとして,直ちに,当該夫婦を離婚させたことを理由とする不法行為責任を負うことはないと解される。
 第三者がそのことを理由とする不法行為責任を負うのは,当該第三者が,単に夫婦の一方との間で不貞行為に及ぶにとどまらず,当該夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をするなどして当該夫婦を離婚のやむなきに至らしめたものと評価すべき特段の事情があるときに限られるというべきである。

 以上によれば,夫婦の一方は,他方と不貞行為に及んだ第三者に対して,上記特段の事情がない限り,離婚に伴う慰謝料を請求することはできないものと解するのが相当である。
(2) これを本件についてみると,前記事実関係等によれば,上告人は,被上告人の妻であったAと不貞行為に及んだものであるが,これが発覚した頃にAとの不貞関係は解消されており,離婚成立までの間に上記特段の事情があったことはうかがわれない。したがって,被上告人は,上告人に対し,離婚に伴う慰謝料を請求することができないというべきである。
5 これと異なる原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨はこの趣旨をいうものとして理由があり,原判決は破棄を免れない。そして,以上説示したところによれば,被上告人の請求は理由がないから,第1審判決中上告人敗訴部分を取り消し,同部分につき被上告人の請求を棄却すべきである。
 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

 (裁判長裁判官 宮崎裕子 裁判官 岡部喜代子 裁判官 山崎敏充 裁判官戸倉三郎 裁判官 林 景一)

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2018年11月11日 (日)

【離婚】 不貞慰謝料の算定事例事例集

 新日本法規から、平成30年10月、不貞慰謝料の算定事例集 が出版されていましたので、購入しました。

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                (今治・波方)

 5000円近くもする書籍です。多数の裁判例が紹介されています。ただ、この種の事案って、余り同じような事案はなくて、結構千差万別です。

 まとめ(分析結果)が欲しかったところですね。

 

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2018年11月 3日 (土)

【離婚】 不貞慰謝料請求事件における過失の認定!?

 判例時報No1452号の大阪民事実務研究会の、「不貞慰謝料請求事件における過失の認定」という論文です。

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 不貞行為慰謝料請求事件における過失判断(裁判例の分析・検討)と題して、

 1 検討の対象

 2 予見の対象

 3 過失の存否が問題となる場合

 4 相手方に配偶者がいないと誤信した場合

 5 相手方に配偶者がいることは認識していたもののすでに婚姻関係が破綻していると誤信していた場合

 にわけて、分析検討されています。

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 最近、不貞慰謝料の相談や依頼が増えておりますので、勉強しておく必要があります。



 

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2018年10月 7日 (日)

【離婚】 モラスハラスメントのご相談事案!?

 「家庭の法と裁判」No16号が送られてきました。DV事件の実情として、特集記事がくまれていました。

 その中で、DV被害者の代理人から見た実務の現状と課題については、参考になります。

 DV防止法でいう「暴力」ですが、DV防止法1条の一般的な「暴力」と、保護命令の要件としての同法10条1項の「暴力」とは、異なる用いられ方がされているので注意が必要です。

 1条にいう「配偶者からの暴力」は、身体に対する暴力のみならず、これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動も含まれておりますが、保護命令の発令の要件での暴力は、身体に対する暴力に限定されていますので、注意が必要です。

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 最近、身体的な暴力事案のみではなく、精神的な暴力、つまり、人格を否定するような暴言を吐くこと、何を言っても無視をすること、交友関係を細かく監視すること等で、夫婦関係が悪くなるケースが少なくありません。いわゆるモラルハラスメント事案です。

 しかしながら、「DV被害者の代理人から見た実務の現状と課題」にて打越さく良弁護士は、モラハラ事案は認定が困難な事案が少なくないと説明されています。

 例えば、身体的な暴力を振るわれた被害者からの離婚請求を認めた事案は少なくありません。

 しかしながら、打越弁護士は、身体的な暴力を伴わないモラハラ事案については、次のように説明されます(同書P52)。

 「DV防止法(前文、1条)は、精神的暴力もDVであると認めた。

 しかし、精神的暴力のみの案件では、相当長期間の別居などの他の事由を重ねて主張しなければ、離婚請求が認容されにくい。

 東京高裁平成13年1月18日は、「第1審被告は相応の社会的経験を有し、社会の良識に従った対応が期待できるものと思われる。」等として、夫からの精神的暴力を受けてきたと主張した妻の請求を斥けたが、裁判におけるモラルハラスメントの認定の困難さを浮き彫りにするものとの指摘がある。」

 田舎弁護士の印象でも、モラハラ事案は、性格の不一致と評価されることが多く、また、恐怖を感じるほどの怒鳴り声等についても録音等がなければ、立証が困難なことが多いように思われます。

 そもそも、身体的な暴力により夫婦関係が破綻した場合でも、不貞行為の場合と比べて、慰謝料の金額は大きくならないという印象がありましたが、この文献でも、「主な慰謝料事由が不貞である場合の平均認容額が223万円に対して、暴力である場合の平均認容額は123万円にとどまる。」と紹介されています。

 身体的な暴力が伴わないDVの場合は、認定の困難さを感じます。

 また、DVを受けている側は、子どもの面会交流は回避したいと考える方がほとんどですが、裁判所の実務では、「DVがあった場合でも一概に面会交流を禁止・制限すべき事由にあたるとはいえず、第三者機関が関与することにより、面会交流を実現する可能性が検討されるべきとされる。」(同書P54)とされています。

 モラハラ事案につきネットで検索してそれを裁判所でも当然受け入れられるとの誤解で、ご相談にこられる方がおられますが、必ずしもそうではない場合も少なくないので、注意が必要です。

 DV事案については、「家庭の法と裁判」等の家事事件・少年事件の専門誌を定期購読して勉強されている弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

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2018年8月 6日 (月)

【離婚】  いわゆる不倫のご相談が何故か増えております。

 最近、不貞行為のご相談が他の事案と比較するとものすごく増えております。

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 しかも、なぜか、田舎弁護士へのご相談は、請求を受ける方がほとんどです。紹介者のある方も少なくありませんが、ネットで、不倫に強いとか出ていたとか💦という方もおられます。

 田舎弁護士は、不倫に強い弁護士なんて広告を出した覚えはないのですが。。。

 それはさておき、最新号の「家庭の法と裁判」15号が送られてきました。

 その中に、「研究」として、「不貞行為慰謝料に関する裁判例の分析」の最終回が紹介されていました。

 不貞行為の相手方のみを被告とする事例の全体像をみると、認容事例の請求額の平均は約447万円であり、認容額の平均は152万円であり、認容率は約34%となっております。

 122例を調査しておりますが、個別にみると、50万円から300万円をひらきがあります。

 不貞行為は1回で破綻していない事案でも、100万円はみとめられています。

 配偶者と不貞行為の相手方を被告にした場合の平均認容額は、183万円と、152万円よりも、約30万円UPします。

 なお、判決の場合には、これに10%程度の弁護士費用が加算されることに注意を要します。

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 不倫に強い弁護士になれるよう勉強します💦

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2013年6月16日 (日)

【離婚】 元妻が元夫に対し、両者の婚約前から元夫は他の女性と男女関係を続けていたとして協議離婚したが、それに基づく損害賠償請求が認容された事例 佐賀地裁平成25年2月14日判決

 判例時報No2182号(6月11日号)で紹介された佐賀地裁平成25年2月14日判決です。

 婚約中の不貞行為を原因とする不法行為に基づく損害賠償請求です。

 損害の内容としては、

① 慰謝料として、200万円

② 新婚生活のために購入した家具・電化製品・新居への引越費用として、約129万円

③ 結婚式費用として、約88万円

  が認められ、結納金の100万円が損益相殺として控除されています。

  判決文をみると、婚姻後に、元夫が仕事に出かけた後に元夫が置き忘れた携帯電話のメールを読んでしまったという事案です。携帯電話のメールで不貞行為が発覚することが多いですが、今回のケースは、婚約後結婚前の不貞行為だったようですが、なんで消していなかったのかな?と思います。争点の中に、結婚後も、不貞行為の相手方にメールを送信していたということが記載されていたので、元妻の不信は一層大きくなったのかな?と思いました。

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2011年3月15日 (火)

【離婚】 元夫の元妻に対する慰謝料請求が、離婚訴訟である前訴と実質的には紛争の実体は同一であり、紛争を蒸し返すものであるから、信義則に反して許されないとされた事例 東京高判平成21年12月21日判決

 判例時報No2100(3月11日)号で紹介された東京高裁平成21年12月21日判決です。

 本件は、裁判上の離婚となった元夫であるXが、元妻であるYに対し、XとYとの間の実子として養育してきたZが実はXの子ではなく、不倫相手の子であったと主張して、不法行為に基づき慰謝料の支払いを求めるとともに、不当利得返還請求権に基づきZが出生して20歳になるまでの間、Xが負担してきたZの養育費相当額の返還を求めるケースです。

 酷いケースですが、今回の慰謝料については、既に前訴で、Yに対して600万円(慰謝料)の賠償義務が認められているため、仕方のない判決かと思われます。

 問題は、Zの養育費相当額の返還請求です。

 Xの気持ちはわからんでもないですが、裁判所は、形式的な理由のほか、実質的な理由として、XとZとの関係は、実子ではないことが発覚するまでは良好な親子関係が形成されており、Xは、自らの経済的負担の対価として、子を愛しみ、監護、養育する者として、Zからは金銭には代え難い喜びや感動を与えられ続けてきたのであるから、不当利得制度によって是正をしなければならないような、法規範の許容しない違法な不均衡状態があるとは認められないと判断しています。

 Zは昭和58年生まれの方で、前訴のDNA鑑定は平成17年に行われたものですが、Xは、Zが本当の親子ではないと考えたのでしょうか?

 

 

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2010年12月28日 (火)

【離婚】 不貞行為を原因とする損害賠償として3000万円の内金2940万円を支払う旨の公正証書は強迫による取消しにより無効であるとされた事例 千葉地裁佐倉支部平成22年7月28日判決

判例タイムズNo1334号(2011年1月1日号)で紹介された珍しい裁判例です。

 裁判所は、Yは、Xに対し、平成20年3月以降、離婚したA女と関係した慰謝料3000万円を一貫して要求してX方に押しかけ、暴行・脅迫を繰り返し、脅迫の開始から本件公正証書作成まで3か月半ほどあるとはいえ、執拗に同一内容の脅迫を続けていたものであるから、Xの損害賠償債務を承認する旨の意思表示は、Yの強迫によって形成された瑕疵ある意思表示であって、公正証書作成の手続を経てXの意思が公証人によって確認されているものの、Yの強迫による瑕疵ある意思表示であるといわざるを得ないと判断し、本訴状による債務承認行為の取消しを求めて、本訴請求を認容しました。

 公正証書が無効であることが裁判で確認された珍しい事案です。

 「被告は原告に対し、平成20年3月以降20年以上前に離婚した元妻と関係した慰謝料3000万円を一貫して要求して原告方に押しかけ深夜まで長時間怒鳴って原告の顔を殴り、深夜の利根川河川敷まで連れ出し竹刀で殴打し包丁の箱を指すなどの暴行脅迫を繰り返し」と認定していることからすれば、結論としては妥当だと思います。

 

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