【離婚】 生活費

2019年9月 7日 (土)

【離婚】 再婚した際に、連れ子を養子にした場合の生活費

 判例時報第2412号で紹介された大阪高判平成30年10月11日です。

 

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(赤穂城)
 解説がわかりやすいので、引用します(P24)。
 
 「一般には、権利者が再婚し、監護する未成年者が再婚相手と養子縁組をした場合、これが義務者(非監護親)の扶養義務にどのような影響を与えるのか。
 実務は、養子制度の目的や未成熟子との養子縁組には、子の養育を全面的に引き受けるという暗黙の合意が含まれていることなどから、養親が実親に優先して扶養義務を負うとしている。
 養親が無資力その他の理由で十分に扶養義務を履行できないときに、実親がその義務を負担することになる。そこでは、養親が扶養義務を履行できないときとはどのような場合をいうかが議論された。」
 これは、一般的な書籍でも解説されていることですね。
 「これに対して、本件の問題は、権利者(B・妻)が再婚し、監護する未成年者(D)が再婚相手(A・夫)と養子縁組をしたことにより、本来第一次的な扶養義務を負わなくなった前夫(実親・義務者)において、Bに対して、引き続きDの養育費のほか受験、入学費用等の支払いを履行してきた場合、これが第一次な扶養義務を負うに至ったA(養親)の婚姻費用分担義務にどのような影響を与えるかという問題である」
 
 ようは、連れ子Dは、Aの養子になったのに、実父が養育費等を支払っていたという事案ですね。再婚して養子縁組すれば養育費をストップしたり減額される方が多い中で、実父は支払いを続けてきたのですね。
 「原審がこの点について、前夫から養育費が支給されていることを考慮要素として、標準的算定方式を超える教育費を加算しないことにとどめたのに対して、
  抗告審では、さらに進めて、Aの未払いの婚姻費用中、Dの生活費を含む部分とこれを含まない部分との差額(Dの養育費相当額)は、前夫の履行した養育費によって既に賄われており、その間、Dの要扶養状態は解消されたと判断した」
 記録をみると、Dは、短大に入ったものの、授業料が工面できず、退学、再び、大学に入ったものの、入学金36万円のほか、1年間にかかる費用は約160万円のようです。前夫は、月に14万円のほか、受験費用として、120万円など、相応の養育費を支払っています。
 裁判所は、原審では、月28万円(21万円)の生活費の支払いを認めたものの、抗告審は、26万円(16万円)に留めました。
 生活費って、請求する方は小さく感じて、請求される方は大きく感じるものです。

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2019年7月24日 (水)

【離婚】 婚姻費用の算定にあたり、権利者が我が国の物価水準と比較して格段に異なる他国に居住している場合には、その事情を反映させるのが相当であるとした事例

 判例時報No2403号で紹介された東京高裁平成30年4月19日決定です。

 中国に暮らす妻Xが、日本で暮らす夫Yに対して、婚姻費用の支払いを求めた事案です。

 第1審は、長女Aの引き渡しを巡る経緯、Yが婚姻費用の支払いに消極的な姿勢であることから、物価に関する事情は、算定表の枠内で考慮すべきとして、月6万円と判断しました。

 ところが、東京高裁は、判示の通り示して、月4万7000円に変更しました。 

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 妥当な判断と思えます。

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2019年6月 9日 (日)

【離婚】 婚姻費用分担請求 東京高裁平成30年4月20日決定

 「家庭の法と裁判」No20で紹介された東京高裁平成30年4月20日決定です。

 

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 妻である原審申立人が別居中の夫である原審相手方に対し婚姻費用分担金の支払いを求めた事案において、
 
 原審が、①無職無収入である原審申立人の潜在的稼働能力を認め、賃金センサスに基づき収入を認定した上、②原審相手方による原審申立人の監護する子らの連れ去りの態様及びその後の一連の行動は、原審申立人が子らを正当に監護することを違法に妨げたことは明らかであるなどとして、原審申立人が子らを監護していなかった期間についても、監護していたことを前提として婚姻費用分担金の額を算定したのに対し、
 
 抗告審は、①子が幼少であり稼働できない原審申立人の潜在的稼働能力をもとに収入を認定するのは相当ではないとした上、②原審申立人が子らが現実に監護していなかった期間については、原審相手方に子らの監護に係る費用を請求し得ないものとして婚姻費用分担金の額を算定するのが相当であるとして、原判決を変更し、婚姻費用分担金の額を定めた事例
 
 夫は、妻を相手に監護権者の指定及び引渡の保全処分を申し立てを行い、面会交流の際に、妻の承諾を得ないままに子を自宅に連れ去り、そのため、妻が、夫に対して監護権者の指定及び引渡の保全処分を申し立て、妻に監護権者が認められたにもかかわらず、夫は高裁に即時抗告したものの棄却され、強制執行を実施したものの、執行不能で終了。本案も妻を監護権者として指定し、それでも、引き渡さないために、人身保護命令が出され、それにも応じないために、勾引まで至って、子らの引渡が実現できたという事案です。
 
 過去、人身保護命令事案に、3,4回対応したことがあります。最近は、みませんが。。。
 
 当事者が激しく対立している事案なので、代理人もとても緊張を強いられます

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2019年5月24日 (金)

【離婚】 再婚して養子縁組した場合

 判例タイムズNo1459号で紹介された札幌高裁平成30年1月30日決定です。

 

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 原審申立人が、公正証書で定められた未成年者の養育費月額4万円の支払い義務について、
 原審申立人の収入が減少し、また、原審申立人が再婚し、再婚相手の子らと養子縁組したことにより事情変更があったとして、養育費の金額を月額6616円に減額することを求める事案です。
 原審は、月額3万3000円と判断しましたが、抗告審は、再婚相手の収入を考慮して、月額2万円と判断しました。

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2019年4月18日 (木)

【生活費】 夫の年収が約1億5300万円の場合の妻の生活費はいくらになるの!?

 「家庭の法と裁判」No19号で紹介された東京高裁平成29年12月15日決定です。

  夫の収入は年1億5300万円、妻は無収入という事案で、未成年の子どもはいないというケースです。

  第1審は、月額120万円~125万円と定めました。第2審は、月額75万円と定めました。

  判示事項を紹介します。

 妻である相手方が別居中の夫である抗告人に対し婚姻費用分担金の支払いを求めた事案において、一般に、婚姻費用分担金の額は、いわゆる標準算定方式を基本として定めるのが相当であるが、

 本件の義務者である抗告人の年収は標準算定方式の上限をはるかに上回っており、標準算定方式を応用する手法によって婚姻費用分担金の額を算定することは困難であるとして、

 抗告人と相手方の同居時の生活水準、生活費支出状況等及び別居開始後の相手方の生活水準、生活費支出状況等を中心とする本件に現れた諸般の事情を踏まえ、家計が2つになることにより双方の生活費の支出に重複的な支出が生ずること、婚姻費用分担金は従前の贅沢な生活をそのまま保障しようとするものではないこと等を考慮して、婚姻費用分担金の額を算定しました。

 ♍ う~ん 田舎弁護士は、生活費の調停や審判で、標準算定方式の上限を上回っている事案をみたことがまだありません。なお、夫は、外資系証券会社から転職し現在ある会社の支店長をされているということです。田舎弁護士などとは、桁が1桁違いますね😖

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2019年3月24日 (日)

【離婚】 夫の年収が1億5000万円を超える場合の、妻(専業主婦)に対して負担する生活費は??

 判例タイムズNo1457号で紹介された東京高裁平成29年12月15日決定です。
 夫の年収は1億5320万円の場合の、専業主婦(収入0円)に対して支払う生活費の金額が問題となった事案です。
 1億5320万円かあ。。。 凄すぎる😵
 第1審は、月額120万円から125万円とさだめたところ、東京高裁は、月額75万円と判断しました。
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 裁判所は、標準算定方式又はこれを応用する手法において婚姻費用分担金の金額を算定することが困難と判断して、同居時及び別居当初の各生活水準、生活費支出状況等その他の諸般の事情を踏まえて算定した事案です。
 ★田舎弁護士が、嫁入りしたいと思うくらいの高額所得者ですね 😃

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2019年2月27日 (水)

【離婚】 生活費の減額!?

 「家庭の法と裁判」18号です。

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 夫である抗告人が、妻である相手方に対し、婚姻費用の減額を求めた事案において、

 抗告審で、減額審判の申立て時期に遡って婚姻費用の減額を認めた原審判を相当とした上で、同時期以降、抗告人が減額前の婚姻費用を支払ったことにより生じた過払い分につき、

 その返還を相手方に命ずるのが相当であるとしながらも、同人の今後の生活に配慮して分割払いによる清算を命じた事例

 →過払いの婚姻費用の清算方法については、いくつか見解があるようです。

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2019年2月24日 (日)

【離婚】 扶養料と養育費に関する債務名義を一本化

 「家庭の法と裁判」18号です。

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 原審甲事件の申立人(母)が、養育費の支払を定めた前件養育費審判事件について、子の大学進学を理由として支払の終期を大学卒業時までとすること及び学費の支払いを求め(原審甲事件)、

 上記子である原審乙事件申立人(子)が、扶養料の支払を定めた前件扶養料調停事件について、自身の大学進学を理由として支払の終期を大学卒業時までとすることを求めた(原審乙事件)事案において、

 いずれも支払いの終期を大学卒業時までとし、支払額の変更については、原審乙事件申立人(子)が20歳に達し前件養育費審判事件の支払終期が到来したのを機に、扶養料等に関する債務名義を一本化するのが相当であるとして、学費を含め前件扶養料調停事件の支払額を変更する方法により調整した事例

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2018年10月 8日 (月)

【離婚】 算定表の上限額である2000万円をこえている場合!?

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 家庭の法と裁判No16号で紹介された東京高裁平成28年9月14日決定です。義務者がなんと3900万円の給与収入があったという事案で、権利者は70万円位の収入しかありません。

 高裁は、月額20万円としました。なんかダイブ少ないような気もします。

 別居中の夫婦間において、妻である相手方が、夫である抗告人に対して、毎月相当額の婚姻費用の支払いを求める事案について、

 いわゆる標準算定方式を前提としつつ、

 義務者の年収がいわゆる算定表の上限である2000万円を相当ていど超えている場合において、

 基礎収入を算定するにあたつては、税金及び社会保険料の各実額、職業費並びに特別経費に加え、貯蓄分を控除すべきであるとした事例

 算定表の上限を超える場合の婚姻費用の算定方法については、ア標準算定方式の上限額を用いて算定する方法、イ基礎収入が総収入に占める割合を標準算定方式の上限額に対する数値より若干低くして算定する方法、エ基礎収入の算定にあたり、総収入から控除する各費目の額・割合を修正したり、更に貯蓄分を控除したりする方法の他、エ同居中の生活レベル等から相当な婚姻費用を認定する方法があります。

 前記東京高裁は、ウに近い方法で算出しております。

 算定表の上限を超えるケースで、田舎弁護士はほとんど経験したことがありませんね。

 1度だけあったようななかったような・・・・

 夫婦間に子どもがいるようなケースでは、算定表の金額は低くおされられているような気がしますので、算定表の金額よりも多く支払ってもらいたいですね。

 

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2018年8月10日 (金)

【離婚】 婚姻費用・養育費の算定!?

 平成30年4月に、新日本法規から出版された「婚姻費用・養育費の算定ー裁判官の視点にみる算定の実務 」という書籍を購入しました。

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                (おんまく・太鼓)

 婚姻費用や養育費は、度々問題となり、田舎弁護士にとっても、相談の多い分野の1つです。

 7章で構成されています。

 ① 婚姻費用・養育費分担義務

 ② 婚姻費用・養育費分担額の算定

 ③ 標準的算定方式による婚姻費用・養育費算定

 ④ 標準的算定方式による算定の修正要素

 ⑤ 夫婦間の子以外の被扶養者の存在

 ⑥ 婚姻費用・養育費の額の変更

 ⑦ 審判の主文・調停条項

 質問と解説というパターンなので読みやすいと思います。

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