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2020年8月23日 (日)

【離婚】婚姻費用分担審判の申立て後に当事者が離婚した場合における婚姻費用分担請求権の帰趨

 家庭の法と裁判2020年8月号で紹介された最高裁令和2年1月23日決定です。

 決定要旨は、婚姻費用分担審判の申立て後に当事者が離婚したとしても、これにより婚姻費用分担請求権は消滅しないと判断しました。

 理由については、次の通り述べています。

 民法760条に基づく婚姻費用分担請求権は、夫婦の協議のほか、家事事件手続法別表第2の2項所定の婚姻費用の分担に関する処分についての家庭裁判所の審判により、その具体的な分担額が形成決定されるものである。

 また、同条は、「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する」と規定しており、婚姻費用の分担は、当事者が婚姻関係にあることを前提とするものであるから、婚姻費用分担審判の申立て後に離婚により婚姻関係が終了した場合には、離婚時以後の分の費用につきその分担を同条により求める余地がないことは明らかである。

 しかし、上記の場合に、婚姻関係のある間に当事者が有していた離婚時までの分の婚姻費用についての実体法上の権利が当然に消滅するものと解すべき理由は何ら存在せず、家庭裁判所は、過去に遡って婚姻費用の分担額を形成決定することができるのであるから、夫婦の資産、収入その他一切の事情を考慮して、離婚時までの過去の婚姻費用のみの具体的な分担額を形成決定することもできると解するのが相当である。このことは、当事者が婚姻費用の清算のための給付を含めて財産分与の請求をすることができる場合であっても、異なるものではない。

 考え方としては、3説あったようです。 ①消滅説、②財産分与請求権に転化するという説、③存続説。。。。

 最高裁は、存続説を採用しました。

 なお、本決定は、夫婦が離婚した後に、離婚時までの過去分の婚姻費用分担審判の申立てをすることの適否や、婚姻費用分担請求の始期については、その射程外であると解されています。

 

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