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2020年7月

2020年7月22日 (水)

【子ども】 母親による子どもへの虐待

 母親による子どもへの虐待のニュースがあとを絶ちません。

 小さな子どもにとって、母親は、最大の保護者です。

 今回、交際していた男性に会いに行くために、子どもを放置し、その結果、死なせてしまったという痛ましい事件がありました。

 その母親も、小さな子どものころに、親から虐待を受けていたということのようです。

 今回逮捕された母親は、一方で、子どもをかわいがり、その様子をSNS等で公開しているようです。

 他方で、男性に会いに行くために、長期間、子どもを置き去りにするという思考。

 両方が、併存しているのです。

 

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 田舎弁護士の感覚では、親とか親族に子どもを預けようと考えますが、彼女の場合には、そのような環境になかったのでしょう。
 小さいときに受けた虐待が、彼女に対して、どのような影響を与えているのかは、今後捜査の結果を待つしかありません。
 ですが、それをもって、正当化できるようなものでもありません。
 母親だから、子どもの最大の保護者という、感覚が間違っている時代にきているのでしょう。
 また、孤立化しがちな母親を、どのように支援していくのかについても、検討が必要に思います。
 二度とこのような悲惨な事件が発生しないためにも。

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2020年7月21日 (火)

【離婚】 年金分割 これは、どうなん⁉

 判例時報No2443号で紹介された大阪高裁令和元年1月8日決定です。

 抗告人と相手方が、婚姻後約9年同居した後別居し、婚姻から約44年後離婚したという事実関係において、夫婦の扶助義務は別居した場合も基本的に異ならず、老後のための所得保障についても同等に形成されるべきであり、本件では、年金の保険料納付に対する夫婦の寄与を同等とみることが著しく不当であるような特別な事情があるとはいえないとして、按分割合を0.5とすべきとした事例

 う~ん。原審は、0.35としました。

 9年同居。35年別居。

 妻は、子を残して家を出て、以降、没交渉ということです。💔

 う~ん。田舎弁護士の感覚にはあわんな😵

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2020年7月20日 (月)

【離婚】 公正証書で定めた、住宅ローンの支払い+養育費の裁判例

 判例時報No2443号で紹介された東京高裁令和元年8月19日決定です。

 離婚する際に、Y(元妻)や子ども3名が住んでいる住宅ローンとしてX(元夫)が月10万円を支払う、養育費は3人で月15万円として住宅ローンと差し引くという内容の公正証書を作成しました。

 Xは再婚して子どもをもうけて、また、給料も下がったので、養育費減額の申し立てをしました。

 第1審は、養育費の支払いを月10万円程度としました。住宅ローンと控除されるので、実際に支払われる養育費は0円です。

 第2審は、Xの申し立てを却下しました。理由は、算定表で計算すると養育費は月7万8000円。現在でも、実質手取りが月5万円だと、算定表を下回ります。

 養育費や婚姻費用の算定に際しては、実務上は、義務者が他の債務を負担している場合も、債務の支払いを養育費等の支払いに優先させることにつながり、子の福祉に反する結果になります。元妻子が居住している自宅の住宅ローンだとしても、当然のことです。

 第1審の裁判官はその点の理解が欠けていたのではないかと思います。😠

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2020年7月19日 (日)

【子ども】 研究 子の監護権者指定・引渡しをめぐる最近の裁判例について 山岸秀彬東京地裁判事

 家庭の法と裁判No26で掲載された研究論文です。

 「子の監護権者指定・引渡しをめぐる最近の裁判例を紹介してきたが、改めて裁判例の傾向をまとめると、次のとおりである。

 すなわち、裁判例は、子の出生以来の主たる監護者が父母のいずれであったかを重視しており、主たる監護者による監護態勢に問題がなければその者による子の監護を継続することが子の福祉に適うものとして、主たる監護者が監護者として指定され、主たる監護者による子の引渡しの申し立てが認められる傾向にある。

 逆に、主たる監護者でない方の親が監護者として指定された事案は、子の利益の観点から当該親を監護者とすべき事情があった場合であるといえる」

 「このように見てくると、裁判例が、子の主たる監護者がいずれにあつたかを重視しているといっても、監護者の判断は、父母が子と過ごしてきた時間を数量的に評価して行われるものではなく、主たる監護者と認められる親が子のニーズにこたえ、その親と子との愛着関係が十分に形成されているかという観点から、家庭裁判所調査官による調査等も踏まえて分析・評価がされているものと考えられる。

 この点、前掲【16】は、(数量的にみると)母が主たる監護者であったと言いうるものの、愛着関係という点では父母間に圧倒的な差はないという評価の下で、他の考慮要素を含めて検討し、結論として父を監護者として定めたものであり、これまで述べてきたところに沿う判断ということができるように思われる。」

 「松本論文が『主たる監護者であった者以外の者を監護者とした事例では、その他に重視すべき事情が存在するものであった』としているとおり、主たる監護者でない方の親が監護者として指定された事案は、別居後に主たる監護者が精神疾患を抱えて監護意欲が著しく低下したり、主たる監護者が子の福祉を害する活動をしている団体の活動に熱心に参加していたりするなど、子の利益の観点から主たる監護者でない方の親を監護者として指定すべき事情があった事案であると考えられる」

 → 田舎弁護士は、家庭の案件を取り扱うことが多く、親権や監護者をめぐる問題もしばしば取り扱います。最新の裁判官の議論を勉強しておく必要があります。

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2020年7月18日 (土)

最高裁事件から省みた家事調停の重要性 鬼丸かおる元最高裁判事

 家庭の法と裁判No26に、鬼丸かおる元最高裁裁判官の最高裁事件から省みた家事調停の重要性が紹介されていました。

 家事調停ですが、家事調停で話がまとまれば早期解決を図ることが可能ですが、家事調停で延々と協議を継続し、その結果、調停が成立しない場合には、本人や代理人の立場からいえば、時間のロスは、回復しようがありません。

 調停での解決が適しているのかいないのかは、早期に見極めて、訴訟や審判手続きに早急に移した方がよいものは、そのようにすべきです。

 田舎弁護士の場合、明確な戦略なしに、調停や和解の話し合いをだらだら継続するということは、できるだけ回避したいと考えております。それに費やす時間を、裁判に向けての主張や立証活動にさきたいと考えているからです。

 なお、鬼丸先生ですが、弁護士に対しても手厳しいです。「調停は時代錯誤的な所で、早く調停を終えて自分たちの本来の手腕を発揮できる訴訟に進みたいという考えが拭えない弁護士も少なくありません。定年がない弁護士には、80歳、90歳の現役がいて、いつまでもかっての記憶を継がれている人もいます」、「最近の若い弁護士にも、調停は通過点という意識がある方がみられます。また、家事事件を弁護士になるまで勉強したことのない人も多く、調停の良さを知らないこともあります。前述のような認識のボス弁に教育されてしまうと過去の悪しき状態を刷り込まれてしまいます」

 田舎弁護士的には、調停で解決するのに適している事案は調停で解決すべきでしょうし、そうでないのは早々に打ち切るべきでしょうと思っております。

 なお、講演録では、在任中の最高裁事件についての簡単なコメントがされています。わかりやすいので、参考になりました。

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