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2020年4月

2020年4月12日 (日)

【子ども】 面会交流で、勝ち負け???

 最近、夫婦事案において、面会交流が大きな争点になることが増えてきたように感じます。後述する裁判官の解説によれば、面会交流事案においても、主張立証の勝ち負けという観点で考えるような方が増えているようです。

 私自身は、面会交流は、面会交渉権というものではなくて、子どもの監護のために適切な措置を求める権利であると考えております。

 判例タイムズNo1469号では、吉川昌寛裁判官の「面会交流事件と要件事実論に関する一考察」が掲載されており、まさに我が意を得たりとする内容でした。

 「現実の面会交流調停事件では、当事者が、こだわりを持つ部分について自らの正当性を主張し、一部には、調停期日あるいはその直前に読み切れないほどの膨大な主張書面や資料を提出するなどし、調停であっても、どちらかが正しいか白黒をつけてもらいたいと望む場面が増えているように感じられる。

 しかも、近時、面会交流調停事件に弁護士が手続代理人として関与する事件も多くなっており、手続代理人も、一部には、前記の本人と同様の対応をすることがないではなく、調停委員会において、このような行為に対して適切な対応を取ることができなかった場合、紛争は、期日の回数を重ねるにしたがって先鋭化していくことが懸念される。

 しかし、面会交流事件において、面会交流の方法や時間、頻度を決めようとする場合、その選択肢は無限にある。面会交流事件では、当事者の主張のいずれかに軍配を上げるのではなく、子の利益(福祉)を実現するために望ましい交流の在り方は何かを、裁判所(調停委員会)と当事者が一緒になって考える必要がある。そして、面会交流は、仮に合意に至った場合にも、当事者間で継続的に実施していく必要があり、将来を見通すのであれば、当事者間で互いに協力する姿勢が望まれる。

 したがって、当事者には、どちらが正しいかを決めるのではなくて、この子の利益によって何が大切か、よく考えてもらって答えを出してもらう必要がある。」

「面会交流事件の審理を要件事実論によって規律することとしても、対立状況の緩和に資することがないどころか、民事事件の主張立証合戦のように勝ち負けを意識した主張書面と資料のさらなる増加、審理期間の長期化を招来する危険があり、また、そのことによって当事者間の対立関係が物理的にも心理的にもさらに先鋭化してしまい、問題解決へ向けての協力体制を築くことが困難になりかねない。」

 吉川裁判官は、「一部に面会交流事件の理解に乏しい手続代理人が関与することも相まって、この種の事件の解決を主張立証の勝ち負けという観点で考えるようになると、・・お互いの立証の不十分さを攻撃し、自己に立証責任がないことを盾に事案解明に非協力的になることにより、紛争解決までの時間が長引くことが懸念される。」と危惧されています。

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 どんな離婚事件でもいつかは解決します。解決するための時間は、特別の事情がない限り、短い方がよいに決まっています。紛争を抱えていると、人間、腹の底で笑えないからです。紛争は、できるだけ早く解決するのが一番だと思います。

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