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2019年9月

2019年9月11日 (水)

【相続】 療養介護した場合の寄与分

 「家庭の裁判と法」第21号で紹介された東京高裁平成29年9月22日決定です。

 

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(姫路城)
 決定要旨は以下のとおりです。
 
 要介護者であった被相続人の遺産に対する遺産分割申立事件で、被相続人の子が在宅での療養看護を理由に寄与分を主張した事案において、
 被相続人の要介護度に応じた要介護認定等基準時間の訪問介護費に、被相続人が要介護認定を受けた期間からショートスティの利用日数を控除して、ディサービスの利用日数を半日として算出した療養看護の日数を乗じたものに、裁量的割合として0.7を乗じて寄与分の算定した原審を相当とした上、
 痰の吸引という医療行為については、訪問介護費より高額な訪問看護費を基準として寄与分を算定した事例
 兄弟どおして対立した事案ですが、二男である相手方が父親と同居して面倒をみており、長男から遺産分割の調停が申し立てられたようです。。。要介護4や5に至っており、相手方の負担も大きいものがあります。
 兄弟と雖も、難しいものです。。。
 

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2019年9月10日 (火)

【離婚】 離婚訴訟と、不貞行為訴訟との関係!?

 「家庭の法と裁判第21号」で紹介された最高裁平成31年2月12日決定です。

 

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(東京都現代美術館)
 離婚訴訟の被告が、原告は第三者と不貞行為をした有責な配偶者であると主張して、その離婚請求の棄却を求めている場合において、
 上記被告が上記第三者を相手方として提起した上記不貞行為を理由とする損害賠償請求訴訟は、人事訴訟法8条1項にいう「人事訴訟に係る請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求にあたる訴訟」にあたると判断しました。
 家裁でも、離婚の裁判が係属していれば、不貞行為の相手方に対する裁判ができるということですね。

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2019年9月 9日 (月)

【養子】 養親の相続財産全部の包括受遺者が提起する養子縁組の無効の訴えと訴えの利益の有無 

 「家庭の法と裁判」21号で紹介された最高裁平成31年3月5日判決です。 

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(姫路城)
 判決要旨は、養子縁組の無効の訴えを提起する者は、養親の相続財産全部の包括遺贈を受けたことから、直ちに当該訴えにつき法律上の利益を有するとはいえないということです。
 養子縁組の無効の訴えは縁組当事者以外の者もこれを提起することができるが、当該養子縁組が無効であることにより自己の身分関係に関する地位に直接影響を受けることのない者は上記の訴えつき法律上の利益を有しないと解される(最判昭和63年3月1日)。
                       ↓
 遺贈は、遺言によって受遺者に財産権を与える遺言者の意思表示であるから、養親の相続財産全部の包括遺贈を受けた者は、養子から遺留分減殺請求を受けたとしても、当該養子縁組が無効であることにより自己の財産上の権利義務に影響を受けるにすぎない
                       ↓
 したがって、養子縁組の無効の訴えを提起する者は、養親の相続財産全部の包括遺贈を受けた者は、養親の相続財産全部の包括遺贈を受けたことから直ちに当該訴えにつき法律上の利益を有するとはいえないと解するのが相当である。
 包括受遺者は相続人と同じ立場になりますよね。単なる養親の相続債権者や相続債務者とは異なるような気がしますが。。。。はてはて。。。
 

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2019年9月 8日 (日)

【相続】 死亡後に、貯金を全部取得してしまった場合!?

 判例時報第2412号で紹介された徳島地裁平成30年10月18日判決です。

 

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(赤穂城)
 被相続人名義の貯金全額が同人の財産である場合に、同人の死亡後に一部の相続人が遺産分割協議を経ることなく全額を引き出して共同相続人に交付することなく独占しているときは、不当利得となるとして、その返還義務が認められた事例です。
 争点は、①本件貯金は亡Aの遺産か、それとも被告に帰属するのか、②不法行為・不当利得は成立しているのか、③不当利得額は原告の法定相続分相当額か、それとも具体的相続分相当額か、ということでした。
 かなりベタな争点ですが、意外と相談が少なくない案件です。

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2019年9月 7日 (土)

【離婚】 再婚した際に、連れ子を養子にした場合の生活費

 判例時報第2412号で紹介された大阪高判平成30年10月11日です。

 

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(赤穂城)
 解説がわかりやすいので、引用します(P24)。
 
 「一般には、権利者が再婚し、監護する未成年者が再婚相手と養子縁組をした場合、これが義務者(非監護親)の扶養義務にどのような影響を与えるのか。
 実務は、養子制度の目的や未成熟子との養子縁組には、子の養育を全面的に引き受けるという暗黙の合意が含まれていることなどから、養親が実親に優先して扶養義務を負うとしている。
 養親が無資力その他の理由で十分に扶養義務を履行できないときに、実親がその義務を負担することになる。そこでは、養親が扶養義務を履行できないときとはどのような場合をいうかが議論された。」
 これは、一般的な書籍でも解説されていることですね。
 「これに対して、本件の問題は、権利者(B・妻)が再婚し、監護する未成年者(D)が再婚相手(A・夫)と養子縁組をしたことにより、本来第一次的な扶養義務を負わなくなった前夫(実親・義務者)において、Bに対して、引き続きDの養育費のほか受験、入学費用等の支払いを履行してきた場合、これが第一次な扶養義務を負うに至ったA(養親)の婚姻費用分担義務にどのような影響を与えるかという問題である」
 
 ようは、連れ子Dは、Aの養子になったのに、実父が養育費等を支払っていたという事案ですね。再婚して養子縁組すれば養育費をストップしたり減額される方が多い中で、実父は支払いを続けてきたのですね。
 「原審がこの点について、前夫から養育費が支給されていることを考慮要素として、標準的算定方式を超える教育費を加算しないことにとどめたのに対して、
  抗告審では、さらに進めて、Aの未払いの婚姻費用中、Dの生活費を含む部分とこれを含まない部分との差額(Dの養育費相当額)は、前夫の履行した養育費によって既に賄われており、その間、Dの要扶養状態は解消されたと判断した」
 記録をみると、Dは、短大に入ったものの、授業料が工面できず、退学、再び、大学に入ったものの、入学金36万円のほか、1年間にかかる費用は約160万円のようです。前夫は、月に14万円のほか、受験費用として、120万円など、相応の養育費を支払っています。
 裁判所は、原審では、月28万円(21万円)の生活費の支払いを認めたものの、抗告審は、26万円(16万円)に留めました。
 生活費って、請求する方は小さく感じて、請求される方は大きく感じるものです。

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