« 【離婚】 婚姻費用の算定にあたり、権利者が我が国の物価水準と比較して格段に異なる他国に居住している場合には、その事情を反映させるのが相当であるとした事例 | トップページ | 【離婚】 判決文を読んで、泣けてきた事案 ( ノД`)シクシク… »

2019年7月28日 (日)

【慰謝料】 夫婦の一方が他方と不貞行為に及んだ第三者に対して離婚に伴う慰謝料請求をすることの可否

 判例タイムズNo1461号で紹介された最高裁平成31年2月19日判決です。

 

Kimg1366
(高知城博物館)
 マスコミでも報道された最高裁判決です。
 
 夫婦の一方は、他方と不貞行為に及んだ第三者に対し、当該第三者が、単に不貞行為に及ぶにとどまらず、当該夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をするなどして当該夫婦を離婚のやむなきき至らしめたものと評価すべき特段の事情がない限り、離婚に伴う慰謝料を請求することはできない。
 不貞慰謝料が消滅時効で消滅しているために、離婚慰謝料を請求したという事案です。
 不貞行為の第三者に対する慰謝料は、原則として、不貞慰謝料のみであり、離婚慰謝料は特段の事情がない限り請求できないということになりました。
 注意をしなければならないのは、不貞慰謝料の金額の算定にあたっては、離婚自体を慰謝料として上乗せすることはできないものの、離婚するにいたった場合、人格的利益の侵害も大きかったと評価sるうことができることからこのような事情を増額要素として考慮することは許されるということになります。
 なお、不貞相手方に対して請求された不貞慰謝料に係る債務と、配偶者が負っていた離婚慰謝料にかかる債務は、不真正連帯債務になると解されていますが、両者は、慰謝料の内容が異なり、そのことを考慮して、損害額を算定することになります。
 
 離婚慰謝料を請求することが原則としてできなくなったという判決であり、不貞慰謝料までが請求できなくなったという判決ではありません。
 この判決がでたことにより、例えば、A・B夫婦が、AとCとの不貞により、2年後に離婚した事案で、BとCとが不貞慰謝料を支払って示談して解決、その後、AがCに対して、再び離婚慰謝料を請求することは難しくなったと思います。慰謝料ですが、従前、不貞慰謝料の方が離婚慰謝料よりも金額的には小さいことから、Cの立場で相談を受けた場合に、もしかして、不貞慰謝料で示談しても、将来、Bから離婚慰謝料を請求されるかもしれないよというようなことを付言していたことがあります。この心配はほとんどなくなることになりそうです。
 とはいえ、AがBに対して離婚慰謝料を支払った後に、AがCに求償してくる可能性までは否定できませんが、離婚慰謝料部分は除くので、かなり負担割合は小さくなるのではないでしょうかね。。。
 このあたりの議論を深めたいので、コメント下さいな _(_^_)_

|

« 【離婚】 婚姻費用の算定にあたり、権利者が我が国の物価水準と比較して格段に異なる他国に居住している場合には、その事情を反映させるのが相当であるとした事例 | トップページ | 【離婚】 判決文を読んで、泣けてきた事案 ( ノД`)シクシク… »

【離婚】 慰謝料」カテゴリの記事

コメント

ここに本件に関する判例タイムズ、法律のひろばに掲載された最高裁調査官解説の正しい読み方が掲載されています。

https://sapporo-isharyou.com/archives/72/

投稿: 山内亮右 | 2019年10月 1日 (火) 午前 10時15分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 【離婚】 婚姻費用の算定にあたり、権利者が我が国の物価水準と比較して格段に異なる他国に居住している場合には、その事情を反映させるのが相当であるとした事例 | トップページ | 【離婚】 判決文を読んで、泣けてきた事案 ( ノД`)シクシク… »