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2018年10月10日 (水)

【離婚】 人事訴訟の審理の実情② 判例タイムズ

 離婚を取り扱う弁護士であれば必読書である「人事訴訟の審理の実情 」の続きです。

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 第1章東京家庭裁判所における人事訴訟事件の運用について田舎弁護士が気になる点を紹介します。

第2 調停手続との関係

 

  1 調停前置主義の意義

 「調停を前置していないとして、訴えの却下を求めるとの本案前の答弁をする代理人もいるが、これなどは調停前置主義を正しく理解していない典型であろう」(P4)

  2 調停手続と訴訟手続との関係

 「それゆえ、訴訟において書証等として原本の取調べを求める予定のものについては、調停段階においては、原本自体を提出しないようにすべきであろう」(P4)

第3 保全処分事件の運用

 1 民事保全処分と審判前の保全処分

 「人事訴訟を本案とする保全命令については、本案係属要件はないものの、本案訴訟において被保全権利が形成される蓋然性の主張及び疎明を要することは当然である。それにもかかわらず、この点について最低限必要な具体的主張もない申立てが少なくない。事前の十分な準備が強く望まれる。」(P8)

 「財産分与請求権を被保全権利とする仮差押えの場合、『当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮』した上で、財産分与として請求債権額の支払を命ずる本案判決がなされる蓋然性の疎明が必要である。 

 清算的財産分与については、分与対象財産確定の基準日(通常は別居日)に存在した相手方名義共有財産の存否及び額の疎明にとどまらず、自己名義の共有財産の存否及び額も疎明する必要があり、基本的には、両者の合計額の2分の1から自己名義の共有財産の合計額を控除した差額が清算的財産分与としての請求債権額の上限となるから、これを意識した主張及び疎明が求められる。

 これに対して、特定の不動産についての財産分与請求権に基づく登記請求権を被保全権利とする処分禁止の仮処分については、本案において特定の不動産の現物分与が認められる蓋然性の疎明が必要であるが、この疎明は容易ではない。

 具体的には、当該不動産が実質的共有財産であることを前提に、

①当事者が当該現物を必要とする程度、

②当事者双方の資力、

③当該財産の取得・維持についての当事者双方の貢献度、

④当該財産についての利害関係、

⑤抵当権の存否、

等を考慮した上で、債務者名義の当該財産を債権者に現物分与する本案判決がなされる蓋然性を疎明する必要がある。

 しかしながら、このような蓋然性の疎明がされておらず、仮処分申立てを取り下げた上で仮差押えとして申立直す例が多い(なお、相手方単独名義の特定の不動産の2分の1について処分禁止の仮処分を申し立てる例も散見されるが、本案訴訟で一方当事者に他方当事者名義の不動産の2分の1の現物分代を命じるような判決は考えがたく、このような処分禁止の仮処分を認めることもまずない。)。

 処分禁止の仮処分なのに、財産分与の対象とならない当事者の特有財産(固有財産)に関する権利を主張するものも散見される。」(P8~P9)。

 

 

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