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2017年10月

2017年10月28日 (土)

【相続】 社会福祉法人が特別縁故者に認められた事例

 判例時報No2342号で紹介された名古屋高裁金沢支部平成28年11月28日付判決です。

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 被相続人が入所していた障害者支援施設を運営する社会福祉法人が特別縁故者として認められた事例です。

 一般的には、難しそうなイメージがあり、第1審は、特別縁故者を否定しております。

 しかし、第2審は、社会福祉法人がおこなった療養看護は、社会福祉法人として通常期待されるサービスの程度を超え、近親者の行う世話に匹敵すべきもの(あるいはそれ以上のもの)といって差し支えないと判断しております。

 35年間世話をし、入居時には所持金は0円に近かったのですが、死亡の時には2200万円程度の預金が形成できているのですが、それは、被相続人の負担する施設利用料が低廉であったことが大きく寄与しております。

 認定されている事実をみると、ホント、手厚い介護をされております。

 こんな社会福祉法人がまだ日本にあるのですね。

 

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2017年10月 9日 (月)

人事訴訟の要件事実と手続 日本加除出版

 日本加除出版から、平成29年6月に、元裁判官の岩井俊先生執筆の「人事訴訟の要件事実と手続」が出版されていました。

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               (備中・松山城)

 5章から構成されています。①人事訴訟総論 ②婚姻関係訴訟 ③実親子関係訴訟 ④養子縁組関係訴訟 ⑤その他の身分関係訴訟 です。

 裁判官の目線で執筆されたものであり、大いに参考になります。

 ざっと目を通しただけですが、発見も少なくありませんでした。


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2017年10月 6日 (金)

【学校】 給与規程変更による給与の減額に伴い退職金が減額になった事案

 判例時報No2340号で紹介された大阪地裁平成28年10月25日判決です。

 被告は、学校法人であり、中学、高校、通信制高校を運営しているようです。

 本判決は、就業規則による不利益変更に関する判例法理に基づき、本事案は退職金の計算基礎となる「基本給の額が減額となったことによるもの」で、「新人事制度全体を踏まえて検討する必要がある」としたうえで、①変更の必要性、②不利益の程度、③内容の相当性、④労働組合等の交渉状況を検討しております。

 そして、Xらが被る不利益の程度は大きいものの、変更を行うべき高度の必要性が認められること、変更後の内容も相当であること、組合等との交渉説明も行われており、その態度も誠実であることから、本件変更は合理的なものといえると判断しております。

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2017年10月 5日 (木)

【男女関係】 不貞行為慰謝料に関する裁判例の分析(2)

 「家庭の法と裁判」2017年11月号です。

 今回は、不貞行為を理由とする慰謝料請求が認容されるためには、不貞行為が存在することが必要であるところ、多くの場合、間接事実から不貞行為を推認することが必要となります。

 今回の裁判例の分析は、どのような事実があれば、不貞行為として認定できるのか、また、その場合、どのような経験則が適用されているのかという非常に興味のある内容となっております。

 不貞行為発覚の端緒及び証拠資料では、①配偶者の自白、②LINE・メール、③興信所・探偵社の調査、④二人で外泊、⑤疑わしい行動(深夜帰宅等)、⑥疑わせる行為の現認等を項目別に裁判例の分析をしております。

 まとめとして、「帰りが遅いなどの兆候だけでは不貞行為は推認されず、メールやLINEなどの文言からは親しい関係までは推認できても、不貞行為まで推認できるケースは少ない。他方、配偶者が不貞行為を認めていても、不貞行為を認めるに至った過程や認めた理由などから、最終的に不貞行為を推認させるに足りる証拠として評価されないケースも相当あることが明らかになった。また、興信所や探偵社の調査により、ラブホテルへの入室までが確認されれば、性交渉を争うことは難しいが、日常、性交渉以外の目的で訪問することがありえる場所に2人でいたことが調査結果により確認できても、当然には不貞行為が推認されることにならず、争われると、なかなか認定することが難しいことも明らかとなった。」と説明されています。

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