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2017年6月 7日 (水)

【子ども】 母と年間100日間面会させるとした父を長女の親権者とした1審判決を変更して、主たる監護者である母をその親権者に指定した事例 東京高裁平成29年1月26日判決

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 判例時報No2325で紹介された東京高裁平成29年1月26日判決です。

 高裁は原審と異なりオーソドックスな判断をしたという印象を受けました。

 高裁は、

 親権者指定の判断基準として、①これまでの子の監護養育状況、②子の現状や父母との関係、③父母それぞれの監護能力や監護環境・監護に関する意欲、④子の意思その他子の健全な生育に関する事情を総合的に考慮して、子の利益の観点から判断すべきであるとした上で、

 面会交流の頻度等に関しては、親権者を定めるにあたり総合的に考慮すべき事情の1つであるが、父母の離婚後の非監護者との面会交流だけで子の健全ね生育や子の利益が確保されるわけではないとして、前記①乃至④について総合的な観点から検討を加える。

 そして、年間100日面会交流のYの主張に対しては、

 本件判決は、

 XとY宅は片道2時間半程度離れており、現在小学校3年生のAが年間100回の面会交流のたびに両宅を往復するとすれば、身体への負担のほか、学校行事への参加、学校や近所の友達との交流等にも支障が生ずるおそれがあり、必ずしもAの健全な生育にとって利益になるとは限らない

 他方、Xは、Y・A間の面会交流の頻度は当面月1回を想定しており、当初はこの程度で面会交流を再開することがAの健全な生育にとって不十分でAの利益を害するという証拠はない

 以上のほか、Aの現在の監護養育状況にその健全な生育上問題はなく、Aの利益からみてAに転居・転校させて現在の監護養育環境を変更しなければならないような必要性があるとの事情はみあたらず、Aの利益を最も優先して考慮すれば、その親権者をXと定めるのが相当であると判断しました。

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 原審は、「フレンドリーペアレント」に傾注し過ぎたものであり、控訴審では逆転が予想されていましたが、案の定、逆転という結果になりました。


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