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2011年9月14日 (水)

【子ども】 子の引渡し・監護権者指定に関する最近の裁判例の傾向について 家裁月報

 家裁月報が送られてきました!

 家裁月報を定期購読している法律事務所って、多分、四国ではほとんどないのではないか?と勝手に想像しています。

 今回(平成23年9月第63巻第9号)は、「子の引渡し・監護権者指定に関する最近の裁判例の傾向について」と題して、元大阪高裁の部長だった方が執筆された論文が紹介させていました。

(母親優先の原則)

 監護権者指定については、「母親優先の原則」というよくわからない原則が裁判実務においては妥当していました。

 今回の論文では、

 「家庭における父母の役割が多様化した現代においては硬直化した考えであるとの批判が生じ、また、母親に子の虐待や精神疾患等の不適格な事情がある場合や父親に適当な監護養育補助者がいる場合もあることから、無制限に母親優先を認めるのは問題であると認識されるに至っている。子の成長のために必要とされる監護環境等は事案によって異なるから、監護権者を定めるに当たっては、双方の親の個別事情を比較検討する必要がある。」

 「母親であることを理由とすることは、性差別であるという批判があり、もはや、母親であることのみを理由にすることができる時代は去ったというべきである。」

 「そのニーズを満たす者は生物学的母や女性に限定されるものではなく、これらのニーズを満たす者が誰かを検討する必要がある。そこで、この点の考慮は、最近は、性別を問わない「主たる監護者」による監護継続の必要性を検討することにより判断されるに至っている。性差を感じさせる『母性』という用語を判断に際し用いることはもはや適切ではないというべきである。」

 などと指摘しておられます。

 従来型の「母親優先の原則」は、もはや時代遅れと評価できそうです。

(面会交流拒否)

 また、よく問題となるのが、非監護親の面会交流を監護親が正当な理由もなく拒絶するようなケースです。

 「近時、面会交流が重視させるゆえんである。両親ともが子に対して親としての責任を有するわけであるが、その責任の在り方として、子を他方の親と交流させる義務があるといえよう。そこで、面会交流を認める態勢にあるかどうかは、監護権者決定の基準として大きな意味を持つ。」

 そして、あの有名な東京家裁八王子支審平成21年1月22日を紹介しています。

 一部を引用すると、「相手方(母親)は、申立人(父親)と未成年者とが面接交渉をすることについて反対の意思を有しており、本件申立て以後においても、未成年者の通院等の手続についても申立人の協力を拒むなどし」、「相手方のかかる態度については、申立人と未成年者との交流を妨げる結果となっており、未成年者が社会性を拡大し、男性性を取得するなどの健全な発育ないし成長に対する不安定要素となっている」として、「相手方を未成年者の監護者と指定し、相手方において引き続き未成年者の監護養育を行うことよりも、未成年者の監護者については、申立人と定めてその下において養育させるのが未成年者の福祉にかなう」として、父親の申立てを認めました。

 面会交流を拒絶する監護親は少なくありません。

 しかし、正当な理由なく拒絶する場合には、監護権者としての適格性がないと評価されることがありますので、注意が必要です。

(異性関係)

 最近、不倫は多いです。不貞行為については、それをもって、直ちに、監護者の適格を有しないということはできないとされています。とは言っても、親の不貞が未成年者に好ましくない影響を与えることはあり得ることで、この点を指摘する裁判例もあります。

 不貞行為が未成年者の監護に具体的にどのような影響を及ぼすのかが検証されることになります。

 離婚問題を含む家族問題については、私の事務所では数多く取扱っております。四国、広島、岡山、神戸、大阪、東京であれば、OKです。

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コメント

この記事を読ませていただきましたが、この記事から8年が経った今も、基本的な家裁の考え方は変わってないですよ
母性優先や継続性の原則がメインで監護者が指定されてしまいます。
妻の理不尽な行動や言動で面会交流拒否等がなんともあり、面会交流が不確実でありながら、相手方は会わせないとは言っていない、面会交流も途絶えていないとされ、監護者を変更する理由はないと判断されました。
相手方である妻は包丁を持ち出し殺してやるとまで言ってきた人間です。
それでも問題なく監護をやっているからと理由一つだけで監護を変更する理由はないと判断されます。
面会交流について相手方が拒否する発言をしていなければ、監護の変更ありと判断されることは稀かと思われます。
一般論で言えば総合的に判断するとされていますが、現状は、母性優先や継続性だけで判断されてしまっています。
面会交流にしても嘘でも会わせますって言えば変更されることはないです。

投稿: ワクワク | 2019年4月 1日 (月) 午前 03時09分

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